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30代のキャリア不安を解消するヒント(全1記事)

30代で感じるキャリアの不安はどう解消する? 「キャリア迷子」を脱出するためのヒントを紹介 [1/2]

【3行要約】
・30代は社内評価や出世によりキャリアに不安を抱える方が約半数に上り、変化の時代における新たなキャリア戦略が求められています。
・不安の解消のためには、社内評価に囚われず自己理解を深めることで、人生100年時代を生き抜く戦略が必要です。
・「幸せの軸」の発見と創造レベルの資産構築により、自分らしいキャリアストーリーを描くことが30代ならではのキャリアへの不安解消のカギとなります。

変化の時代における30代のキャリア不安

現代は、キャリアを取り巻く環境が大きく変化しています。かつては多くの人が当たり前だと考えていた終身雇用的な働き方は過去のものとなり、個々人の自らのキャリアの舵取りが求められる時代、いわゆる「キャリアオーナーシップ」の重要性が叫ばれるようになりました。

このような変化は、特に社会人としてある程度の経験を積み、今後のキャリアパスを意識し始める30代にとって、大きな不安の種となっています。

リクルートワークス研究所が公表したデータ(記事公開時点)によると、20代から30代の若手社会人の内、「自分の人生やキャリアでどうしていきたいかわからない」という問いに対して「当てはまる」または「どちらかといえば当てはまる」と回答した人は約半数にのぼるなど、2人に1人が「キャリア迷子」の状態にあることが示されています。

さらに興味深いことに、この割合は年齢を重ねても大きくは減少しないという結果も出ており、キャリアに関する悩みは特定の年代だけの一時的なものではなく、多くの人にとって継続的な課題であることがうかがえます。

テレビをつければ転職サービスのCMが流れ、SNSを開けば同世代が活躍している様子が目に入る現代において、他者との比較は避けられません。「このまま今の会社にいて、他社で通用するのだろうか」「憧れるような上司や先輩がいない」といった悩みは、多くの30代が抱える共通の不安です。

また、ジョブローテーションによって自身の専門性が定まらないことへの焦りや、30代になっても部下を持てず、「若手扱い」が続くことへの不満も、キャリアの停滞感につながっていると、プロティアン・キャリア協会の大西拓馬氏は指摘します。

人生100年時代、価値観の多様化、労働市場の流動性の高まり、そして少子高齢化といった社会全体の大きな変化の中で、キャリアに対する不安のきっかけは日常のあらゆる場所に存在していると言えるでしょう。

このような状況下で、キャリア形成に関する情報を集めることは容易になりましたが、その情報をいかに行動に移せるかが、キャリアに対する展望を左右する重要な分岐点となっています。

データによれば、キャリアに対して前向きな展望を持つ人は、情報を集めるだけでなく、実際に行動を起こしている量が多い傾向にあります。つまり、情報過多の時代だからこそ、自ら1歩を踏み出す行動力が、キャリアの差を生む決定的な要因となっているのです。

30代ならではの「キャリア迷子」を生む負のループ

キャリアについて悩む時、多くの人が直面するのが「出世」や「社内評価」という壁です。特に30代になると、同期との間で役職や給与に差が出始め、否が応でも自身の立ち位置を意識させられる機会が増えます。

「自分なりに頑張っているのに、思うように評価されない」「このままでは出世ルートから外れてしまうのではないか」といった悩みは、仕事へのモチベーションを低下させ、深刻な場合には「キャリア迷子」の状態に陥る引き金となります。

このような悩みは、自分の価値を「社内での評価」という1つの軸で測ってしまうことから生まれます。上司からの評価と、自身の行動が持つ本質的な価値は、必ずしも一致するわけではありません。上司との相性や組織の都合など、自分ではコントロールできない要因が評価に影響することも少なくないのです。

こうした状況から抜け出すためには、まず評価の軸を社内から社外、つまり「市場」へと転換することが重要です。今取り組んでいる仕事は、社内の評価基準を満たすだけでなく、自身の市場価値を高めるものになっているか。職務経歴書に胸を張って書けるような、価値ある経験を積めているか。このように自問することで、より客観的で普遍的な視点から自身のキャリアを捉え直すことができます。

例えば、無印良品を大きく成長させた松井忠三氏は、かつて社内では評価されず、左遷に近いかたちで異動を経験したと言われています。しかし彼は、周囲の評価に惑わされることなく、プロとして「やるべきだ」と信じる仕事に愚直に取り組み続けた結果、大きな成功を収めました。目の前の仕事に手を抜かず、顧客に喜ばれる価値を提供できたかどうかが、最終的には自身のキャリアを豊かにするのです。

また、アナウト株式会社の岡田由佳氏が20代で経験したように、旧来の価値観が残る組織では「女性ならではの壁」にぶつかることもあります。そうした環境で評価されないことに悩み続けるよりも、自分らしく能力を発揮できる場所を求めて挑戦を続けることが、結果的に30代以降のキャリアバランスにつながることもあるのです。

出世や評価にとらわれすぎると、視野が狭くなり、本来の実力を発揮できなくなるという負のループに陥りがちです。1度立ち止まり、評価軸を見直し、目の前の仕事にプロとして向き合う姿勢こそが、このループから脱却するカギとなります。

30代のキャリア形成における柔軟性の重要性

キャリアについて考える時、多くの人は一直線の理想的な道筋を描こうとします。しかし、現実のキャリアは予測不能な出来事の連続であり、計画どおりに進むことのほうが稀です。特に30代は、仕事における責任の増大やプライベートでのライフイベントなど、さまざまな変化が訪れる時期であり、キャリアの方向性に迷いが生じやすい「ブレブレ期」とも言えます。

一般社団法人プロティアン・キャリア協会の代表理事である有山徹氏も、協会設立以前はキャリアに大きくブレていた経験を持つ1人です。有山氏は30代後半から40代前半にかけて、公益財団法人への就職、政治家への転身、医療系ベンチャーやデジタル広告会社への転職など、多様な選択肢の間で揺れ動いていました。結果的に、転職した2社を短期間で退職するという「しくじり」も経験しています。

しかし重要なのは、この「ブレていた」経験こそが、その後のキャリアを大きく飛躍させる土台となった点です。有山氏は、この時期の経験を通じて、キャリア形成における極めて重要な3つのポイントに気づいたと語っています。
30代後半から40代の頃、ブレていた自分を振り返ってわかったポイントは3つで、やっぱり「自己理解」が重要です。さっきも話にあったんですが、政治や公益法人へ行っていたら、私の幸せはなかったなと思うんです。「私はこういうことに幸せを感じる」「こういう仕事を選んじゃダメだ」という、自分の「幸せ」の軸は明確にあった。変化を欲していたんですね。

現状を踏まえて、未来志向で戦略的に転職のマーケットも見て、それで判断したという話もしましたが、やっぱりキャリアのポイントはそこですよね。未来志向で戦略的に考えて、次の一歩を考えたこと。

あとは社会関係資本ですね。これはタナケン先生との関係性もそうなんですが、つながりからキャリア機会を得たところです。

3つ目が、「ブレてもいい」というよりも、「ブレないわけはない」ということです。最短距離で行けるわけではないので、ブレる自分をオッケーとして前向きに受け入れつつ、行動することが大事だと思っています。

引用:志か、安定か、お金か?30代で迎えるキャリアの「ブレブレ」期 ブレる自分を受け入れ、キャリア形成するための3つのポイント(ログミーBusiness)

この言葉が示すように、キャリアの迷いやブレは、決してネガティブなものではありません。むしろ、それは自分自身の価値観や「幸せの軸」を深く理解するための貴重な機会となり得ます。

最短距離でゴールにたどり着けるキャリアなど存在しないと割り切り、「ブレる自分」を前向きに受け入れること。そして、その迷いの中から次の1歩を踏み出すために、自己理解を深め、戦略的に考え、人とのつながりを大切にしながら行動し続けること。

この姿勢こそが、変化の激しい時代において、しなやかで強いキャリアを築いていく上で不可欠な要素なのです。

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