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上司とのコミュニケーション(全1記事)

上司との効率的なコミュニケーションの取り方のコツ 言語化力と聴く力で信頼を築く

【3行要約】
・一生懸命働いても上司に評価されない――そんな「コミュニケーションのすれ違い」が多くのビジネスパーソンを悩ませています。
・精神科医の樺沢紫苑氏は、部下と上司の根本的な「視座の違い」がギャップを生むと指摘。
・QARでの構造化、言語化訓練、傾聴スキルの4つを実践することが、上司とのコミュニケーションの改善につながります。

上司とのコミュニケーションですれ違いはなぜ起こる?

「一生懸命がんばっているのに、なぜか上司に評価されない」「時間をかけて作った資料なのに、『なんだそりゃ』と一蹴されてしまった」。このような経験に、自己嫌悪や無力感を覚えてしまうことはないでしょうか。

こうしたコミュニケーションのすれ違いや評価のズレが生じる最も大きな原因は、部下と上司の「視座の違い」にあります。部下は自分の担当業務という視点で物事を捉え、目の前のタスクを完璧にこなすことに集中しがちです。

しかし、上司はチームや部署全体、さらには会社全体の目標達成という、より高い視座で物事を判断しています。この視座の違いが、仕事の進め方や求めるアウトプットの質、優先順位に関する認識のギャップを生み出すのです。

精神科医の樺沢紫苑氏は、このズレについて次のように指摘しています。
例えばよくあるのが、みなさまが部下だとして「お前、この仕事やれ」と言われた時に、すごく時間をかけて分厚い書類を徹夜して作ったとしても、「なんだそりゃ」と言われたり。上司が求めているのは3枚ぐらいの簡単なブリーフィングなのに、そうやってがんばりすぎちゃうとすれ違いがありますよね。

だから、上司や管理職が部下に求めているものと、部下として一生懸命仕事をがんばるというのは、必ずズレるんですよ。これがズレずに、上司が何を望んでいるかをピンポイントでできる部下が、いわゆる「デキる社員」ですね。ムダな努力をせず、最短でいい結果を出せるので。

引用:上司が部下に求めているものと、部下の“がんばり”は必ずズレる 上司とのコミュニケーションで悩まないためのコツ(ログミーBusiness)

このギャップを埋めるためには、まず「上司の思考法や考え方を知る」努力が不可欠だと樺沢氏は指摘します。上司がどのような目標を追い、どのような課題意識を持っているのかを理解することで、「今、この仕事において何を求められているのか」が見えてきます。

また、上司も1人の人間であり、その思考や性格、仕事への向き合い方は人それぞれです。ある上司にとっては正解でも、別の上司にとっては不正解ということもあり得ます。だからこそ、目の前の上司がどのようなタイプなのかを客観的に分析し、「この人はこういうタイプだ」と前置きをしておくことが、冷静な対応やダメージの軽減につながります。

上司の視座を理解しようと努めることは、単にコミュニケーションを円滑にするだけでなく、自分自身の視野を広げ、より高いレベルで仕事をするための重要なステップとなるのです。

上司とのコミュニケーションで意識したい「QAR」

上司に報告や相談をした際に、「で、結局何を言いたいのかわからない」と言われてしまったことがある方もいるのではないでしょうか。こうした問題は、話の構成を意識するだけで劇的に改善できます。

そのための強力なフレームワークが「QAR」です。これは、しごおもTVの豊間根青地氏が提唱するコミュニケーション方法で、「Question(問い)」「Answer(答え)」「Reason(理由)」の3つの要素で構成されています。このQARを意識することで、話の要点が明確になり、説得力のあるコミュニケーションが可能になります。

まず「Q(Question)」は、「今から何の話をするのか」というテーマの宣言です。これは、会話の冒頭で「ご相談です」「〇〇の件でのご報告です」「1点質問があります」のように、発言に見出しをつけることに相当します。

この一言があるだけで、聞き手である上司は「これから相談を受けるのだな。ならば解決策を一緒に考えよう」「報告を聞くのだな。まずは情報を受け取ろう」というように、話を聞くための心構え、つまり「聞く姿勢」を作ることができます。聞き手のスタンスを最初に整えてあげることで、その後の話の理解度が格段に向上するのです。

次に、そしてQARの中で最も重要なのが「A(Answer)」、つまり「何が言いたいのか」という結論を明確にすることです。これは、自分のスタンスをはっきりと示すことを意味します。

例えば、「例の件、順調?」と聞かれた際に、「田中さんへの連絡は済みまして、資料も20ページまで進んでいます」と状況説明から入ってしまうのは、典型的な悪い例です。まずは「順調です」「少し遅れています」と一言で結論を述べる。この「自分で決める」というスタンスを取る練習が、わかりやすいコミュニケーションの根幹をなします。自分の意見がないと、そもそも何を伝えたいのかが曖昧になり、話が冗長でわかりにくくなってしまうのです。

豊間根氏は、このスタンスを取ることの重要性について、次のように語っています。
資料や説明がわかりづらい一番根本的な原因って、スタンスがないことなんですよ。自分の意見がないから、そもそも自分が何を言いたいのかがわかっていない。だから、どう情報をくっつけるかがわからない。
 

最初に大事なのは、「自分がこれを言いたい」「俺はこう思うんだ」という、ちゃんと一本(軸を)立てること。それさえできていれば、多少伝え方が悪くてわかりにくくても、ちゃんと軸が通っていれば伝わるんですよ。

引用:上司から「何を言いたいのかわからない」と言われる… “伝わらない”から抜け出す、コミュニケーションの3ステップ(ログミーBusiness)

最後に「R(Reason)」で、その結論に至った根拠や仮説を示します。「やったほうがいいと思います」というAnswerだけでは、それは単なる当てずっぽうに過ぎません。「なぜなら、過去のA社とB社の事例で成功しているからです」といった具体的な根拠を添えることで、初めてそのAnswerに説得力が生まれます。

このように、QARの3点セットを意識してコミュニケーションを組み立てることで、「上司に話が伝わらない」という悩みから抜け出すことができるでしょう。

悩みを言語化する習慣が上司とのコミュニケーションを変える

報告のような簡単なコミュニケーションは問題ないものの、相談などの場合に「自分の考えがうまく伝えられない」「頭の中がもやもやして、何を話せばいいかわからなくなる」といった悩みを抱えている人は少なくありません。

このような状態は、自分の感情や思考を言葉にする「言語化」の能力が不足していることに起因する場合があります。言語化は、単に話がうまくなるためのスキルではなく、自分自身の内面を整理し、客観的に理解するための重要なプロセスです。そして、この言語化能力は、特別な才能ではなく、日々の練習によって誰もが向上させることが可能です。

精神科医の樺沢紫苑氏は、言語化が苦手な人への練習方法として「3行ポジティブ日記」を推奨しています。これは「今日あった楽しかったことを3つ、1行ずつ書く」という非常にシンプルなものです。

この日記のポイントは、まず「事実を思い出して書く」という練習から始める点にあります。今日あった出来事という具体的な事実すら文章にできない状態で、頭の中にある抽象的で複雑な感情や思考を言語化することは不可能です。まずは日記を通じて、日々の出来事を言葉にするトレーニングを積むことが、言語化能力向上の第1歩となります。3分程度で実践できる手軽な方法なので、継続しやすいのも大きな利点です。

樺沢氏は、言語化について次のように述べています。
「私は言語化が下手なんです」ってみなさん言うんです。アウトプットは「アウトプット力」といって上手・下手はあるけど、言語化は「言えば言語化成功」なんですね。なので、自分が思っていることを言葉にした段階で、言語化は100点、成功なんですよ。

だから、みなさんが迷ったり、言葉にできないということではなく、言えばもうオッケーなので、下手でもいいから言葉にしていくことをしてほしいなと思いますね。

引用:上司が部下に求めているものと、部下の“がんばり”は必ずズレる 上司とのコミュニケーションで悩まないためのコツ(ログミーBusiness)

この言葉が示すように、言語化において最も大切なのは、完璧な言葉を探すことではなく、まずは下手でもいいから自分の思いを言葉にしてみるという姿勢です。日々の小さな練習を積み重ねることで、徐々に自分の考えを明確に伝えられるようになり、上司とのコミュニケーションも改善されていくでしょう。

「聴く」スキルで信頼を築くことも重要

コミュニケーションというと、多くの人は「いかにうまく話すか」という点に意識を向けがちです。しかし、上司との信頼関係を築く上でより重要なのは、「話す」ことよりも「聴く」ことです。相手の話に真摯に耳を傾け、その言葉の裏にある感情や意図を感じ取ろうとする姿勢こそが、コミュニケーションの土台を築きます。

ベンチャー女優、MCの寺田有希氏は、コミュニケーションは「話す」ではなく「聴く」ことからスタートさせ、相手が何を考えているかを感じることで、結果として自分から発する言葉もより良いものになると指摘しています。

「聴く」スキルにおいて、まず意識したいのが表情です。特に、笑顔で相手の話を聴くことは非常に効果的です。真剣に話を聞こうとすると、無意識に無表情になってしまうことがありますが、話し手からすると、能面のような顔で聞かれると不安になったり、話しにくさを感じたりするものです。

口角を上げ、穏やかな表情で相槌を打つだけで、相手は「自分の話を歓迎してくれている」と感じ、安心して心を開きやすくなります。これは、オンラインでのコミュニケーションが増えた現代において、特に意識すべき点と言えるでしょう。

意識的に「聴く」ことに集中することで、さまざまな良い変化が起こります。まず、自分が想定していなかったような深い話や、上っ面ではない本音の言葉を聞ける機会が格段に増えます。これにより相手との間で濃い会話が生まれ、「あなたになら話してもいい」という信頼関係が構築されます。

この信頼関係は「ラポール(橋をかける)」とも呼ばれ、一度築かれると、その後のコミュニケーションが非常にスムーズになります。また、相手の話を深く聴くことで、その人が本当に求めているニーズや要望を的確に引き出せるようになり、より的を射た提案や行動が可能になります。

さらに寺田氏は、「人の人生をインストールできるようになる」という聴くことの最大のメリットを挙げています。たとえ苦手な上司であっても、その人の過去の経験や価値観に触れることで、「そういう考え方もあるのか」「この経験が今の言動につながっているのだな」といった学びを得られます。話がつまらないと感じる上司でも、その人の人生を深掘りしてみると、意外な一面やおもしろい経験談が隠されているものです。

このように、相手の言葉の先にある人格や人生に触れることで、自分の中に新たな視点や知識を取り込むことができるのです。これは、ただ話すだけでは決して得られない、聴くことの大きな価値と言えるでしょう。

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