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部下の転職を引き止める方法(全1記事)

転職希望の部下を引き止める方法 上司が知っておきたいNG対応と有効な対話術

【3行要約】
・部下から転職の意向を告げられた時、多くの上司は反射的に引き止めようとしますが、その方法によっては逆効果になることが少なくありません。
・部下の転職理由には「報酬・評価」「働き方」「キャリア発展」「会社の将来性」という4つの主要因があり、それぞれに対応が必要です。
・成功する引き止めには「会社の都合」ではなく「部下の幸せ」を中心に据え、日頃からの信頼関係構築と、時に厳しい意見も伝えられる関係性が重要です。

部下から転職を切り出された時、上司はどう引き止める?

部下から転職の意向を告げられた際、上司の対応でその後の展開は大きく変わります。引き止めに失敗する上司には、共通する2つの代表的なNG行動が見られると、株式会社Work with Joyの新保博文氏は指摘します。

1つ目は、相手の話を真摯に聞かず、一方的に自分の意見を話し始めてしまうことです。「なんで?」「どうして?」と理由を問い詰めることに終始し、部下が話し始めると、それを遮って反論してしまう。これでは、部下の本心を引き出すことはできず、対話は決裂してしまいます。

2つ目は、会社の都合を優先してしまうことです。「君が辞めると周りのメンバーが困る」「他の人に迷惑がかかる」といった言葉は、一見するとチームを思いやる発言に聞こえますが、部下には「自分の都合で引き止めようとしている」と見透かされてしまいます。
共通して僕が思ったのは、一般的にいわゆる「引き止め」と言われるものだと失敗する。僕もそういう引き止めをされたことがあるし、しちゃったこともたぶんある。

1つ目は、相手の話を聞かない。「退職したい」と言われて、「なんで、なんで?」って、こっちがバーッとしゃべっちゃう。ちょっと言われたら、またワーッと返しちゃうみたいな。そういうことが一切ないのが、よくある失敗の人がいない理由の1つ目。

2つ目が、やはり会社の都合がちょこちょこ出てきていますけど。「俺が困る」とはさすがに言わなくても、「周りのメンバーが困るじゃん」「他の人に迷惑かけていいの?」みたいな。

でも実は、自分の課は困るってことがわかって、伝わっちゃっているんですよね。僕もやっちゃったことがあると思います。それがないんですよ。いろんな登場人物がいる中で、こういうふうにできているのは、おそらくそのポリシーとかが浸透している。

引用:部下の転職を引き止めたいのに逆効果… 上司がつい言いがちな2つの“禁じ手”(ログミーBusiness)

これらのNG行動を避け、部下が転職を踏みとどまった成功事例に共通しているのは、上司が「人間として向き合う」という姿勢を貫いている点です。彼らはまず、部下の話にひたすら耳を傾け、その気持ちを全面的に受け止めます。その上で、会社の都合や耳障りのいい言葉ではなく、1人のビジネスパーソンとしての将来を真剣に考えた、愛情のこもった言葉をかけます。

時には「君の考えは甘い」と厳しく叱ることもありますが、その言葉の裏には、部下の人生の幸せを本気で願う気持ちがあるため、相手の心に深く響くのです。

部下が転職を決断してしまう4つの主要な動機

そもそも、部下はなぜ転職という決断をしてしまうのでしょうか。ログミーBusinessの読者アンケートからは、転職の動機が大きく4つのカテゴリに分類できることが明らかになりました。

1つ目は「報酬・評価」です。給与体系への不満は、転職を考える直接的なきっかけとなり得ます。ただし、重要なのは金額の多寡だけではありません。自身の努力や成果が正当に評価され、それが報酬に連動しているかという評価基準の透明性も、社員の納得感を大きく左右します。

2つ目は「働き方や条件」です。リモートワークの比率やフレックスタイム制度といった時間的な裁量、さらには目標設定のあり方など、日々の業務を遂行する上での環境が、意思決定に大きな影響を与えます。特にやりがいと職場環境、待遇のバランスが崩れたと感じた時に、人々はより良い条件を求めて行動を起こします。

3つ目は「キャリアアップ・挑戦」です。同じ職場で長く勤務する中で、「これ以上ここでやれることがない」「新しい環境で自分の力を試したい」と感じることは少なくありません。役割の拡張や専門性の深化を求めて新天地に移り、そこで「新しい世界に出会えた」「成長実感がある」と語るケースは、キャリア形成において非常にポジティブな転換点と言えるでしょう。

最後は「会社の将来性への不安」です。所属する会社の経営方針や事業の将来性に疑問を持つと、社員は自身のキャリアを守るために転職を考え始めます。ここには、リスクを回避したいという安定志向と、自分のキャリアは自分の意思で選びたいという自律的な感覚の両方が働いています。

これらの4つの要因に加えて、結婚や出産といったライフイベント、あるいは独立・起業といった個人的な目標が重なると、転職への決断はより確固たるものになります。

納得感を生むキャリア形成支援とマネジメントの役割

ではそのような中で、マネージャーは部下に対してどのようなことができるでしょうか。社員が組織に定着し、高いパフォーマンスを発揮し続けるためには、給与や待遇といった外的要因だけでなく、「納得感」という内的な要因も極めて重要になります。

ログミーBusinessの読者アンケート結果からは、役割の見通し、評価と報酬の透明性、挑戦の機会、そして働き方の適合といった要素が、納得感を生む上で重要であることが示唆されています。マネジメント層の役割は、これらの要素を満たす環境を整備することに他なりません。

それは、メンバー一人ひとりが持つ強みを最大限に発揮し、いわば「暴れられる舞台」を用意することです。社員が自らの能力を存分に活かせる場があれば、自然と業績は向上し、転職のリスクも低減します。

この舞台作りにおいて、1on1ミーティングのような対話の場は重要な役割を果たしますが、それが形骸化しては意味がありません。「1on1をしても何も変わらない」と従業員に感じさせないためには、そこで得られた個人の欲求や不満を真摯に受け止め、チームの目標設定や会社の制度・評価の仕組みに反映させていく地道な努力が不可欠です。

個人の成長実感(成長欲求)を高める対話を行っても、それが年収の増加(存在欲求)に結びつかなければ、根本的な転職防止には至らないと、株式会社ニューチャーネットワークスの張凌雲氏は指摘します。

長期的には、古いビジネスモデルの変革や新規事業の開拓といった戦略的な課題に取り組む必要も出てくるでしょう。短期的な施策と長期的な戦略の両輪で、社員の3つの欲求(存在・関係・成長)を満たしていくことこそが、真のエンゲージメントと定着につながるのです。

「転職を防ぐ」という発想からの転換

ここまで部下の転職を引き止める・起こさせない方法について紹介してきましたが、そもそも「転職を防ぐ」という発想そのものが、本質的な問題解決を遠ざけている可能性があります。

ログミーBusinessのアンケート結果にも見られるように、部下の転職を引き止める際には、「客観的に見て本人のプラスにならないような場合にだけ、転職を止める意味がある」という視点が重要です。つまり、組織の都合で社員のキャリア選択を妨げるのではなく、社員一人ひとりの人生やキャリアの幸せを本気で考える姿勢が求められています。

そもそも、金銭的な条件や職場の心地よさといった要素だけで、社員の転職を完全に防ぐことは困難です。特にキャリア形成への意欲が高い人材にとっては、特定の部署に固定されることなく、柔軟なキャリアパスが描ける環境の方が魅力的です。

したがって、マネジメント層が目指すべきは、社員が社外の情報を得て視野を広げる機会を持ちつつも、最終的に「この会社で働き続けることが自分にとって一番の選択だ」と心から納得できるような環境を整えることです。そのためには、給与や福利厚生といった制度面の改善はもちろんのこと、キャリアの柔軟な選択肢や挑戦の場を積極的に提供していく姿勢が不可欠です。

例えば、社内で勉強会を主催して知見を深める機会を提供しつつ、社外との交流を通じて他社の情報を吸収することも奨励する。そうした取り組みを通じて、社員が自社の良さを再認識し、「結局はウチが一番」と自然に思えるようにすることが理想的な状態と言えるでしょう。

Zenken株式会社 ヒューマンキャピタル事業部長の松島一浩氏は、「『辞めさせない』がゴールだったら絶対に人が育つわけない」と指摘しています。転職防止をゴールに設定するのではなく、社員の成長と幸福をゴールに据え、その結果として定着率が向上するという考え方への転換が、現代のマネジメントには求められています。

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