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部下の褒め方(全1記事)

部下を褒める時の実践テクニック 具体例でわかる効果的なフィードバック術

【3行要約】
・部下を「褒める」ことは育成に有効とされるが、使い方を誤ると信頼を損なう危険性があります。
・若杉忠弘氏は、観察に基づく具体的フィードバックこそが部下の自己効力感を高める手段だと述べています。
・上司は3つの行為を正しく使い分け、「理解」と「共感」を育むコミュニケーションを実践すべきです。

部下の適切な褒め方とは

部下を育成する上で、「褒める」ことは有効な手段の1つとされていますが、その使い方を誤ると逆効果になることがあります。特に「褒める」と「認める」という行為を混同し、部下のどんな行動に対しても「よくできたね、すごいよ」と称賛を繰り返す上司は注意が必要です。

一見、良好な関係を築いているように見えても、このような“なんでも褒め“は、次第に部下から軽んじられる原因となり得ます。なぜなら、繰り返される称賛は刺激としての新鮮さを失い、脳がそれを「報酬」として認識しなくなるからです。結果として、部下は上司の言葉に反応しなくなり、その評価自体を軽く見るようになってしまいます。

この問題の根本的な原因は、上司が部下をきちんと見ていないことにあります。部下一人ひとりの能力や成長段階を正確に把握していれば、「ここは褒めるべき場面」「ここは認めるだけで十分な場面」といった使い分けができるはずです。

例えば、指示なく自律的に業務を完遂した部下に対して、「この仕事、何も言わずにやってくれてありがとう。しかも、丁寧な仕事で本当に助かった」と伝えることは、単なる称賛ではありません。これは、部下に対して「自分の働きぶりはきちんと見てもらえている」「信頼されている」という承認のメッセージを伝える行為です。

このように、仕事の事実そのものを客観的に捉え、その貢献を伝えることが「認める」ということです。部下は「すごいね」と褒められなくても、「自分の仕事は見てもらえている」という実感を得ることで、安定した自己肯定感や多幸感を育むことができます。

一方で、常に褒められ続けると、どこか子ども扱いされているような感覚に陥り、「この上司は自分の成長段階を理解していない」という不信感につながりかねません。部下の現在地を理解せず、誰にでも同じように褒める姿勢は、信頼関係の構築を妨げます。

「認める」と「褒める」はまったく別の行為であり、その適切な使い分けこそが、育成の質を大きく左右するのです。

褒めることで部下の「自己効力感」を高める

部下が仕事を前に進めていくためには、「この課題は自分ならやり遂げられる」という感覚を持てていることがとても重要です。これは心理学の用語で「自己効力感」と呼ばれるものにあたります。

この感覚を持つことができている部下ほど、新しい仕事にも前向きに挑戦し、困難な状況でも粘り強く取り組むことができます。上司の立場から見ても、部下がこうした力を持っていることは、チームとして成果を出すうえで大きな意味を持つと言えるでしょう。

ただし、この自己効力感は自然に高まるものではなく、周囲から励まされたり、自分の行動を具体的に認めてもらったりする経験を通じて育まれていきます。だからこそ、上司からのポジティブなフィードバック(褒めること)が重要になります。

その具体的な方法の1つが、具体的な行動や能力を取り上げて短時間で伝える「30秒フィードバック」です。例えば、部下が良いプレゼンをした時に、単に「今日のプレゼン、良かったね」と抽象的に伝えるだけでは、何が良かったのかが本人には十分に伝わりません。

グロービズ経営大学院の若杉忠弘氏は、より具体的なフィードバックの重要性を次のように解説しています。
もっと具体的に指摘してあげます。「聴衆の表情から疑問を感じ取って、『ここまでで不明な点はありますか?』と確認していましたね。あれは良かったですね」というふうに、具体的な行動や能力を、なるべく具体的に伝えてあげます。

これは観察をしていないとできません。みなさん、今日交流したメンバーの良い行動、良い能力を具体的なレベルで3つ指摘できますか? なかなか難しいですよね。でも、観察すればできます。

そして見つけたら、ノートを取ってください。なるべく具体的に書いてください。今度そのメンバーに会った時に、それをそのまま伝えてください。

引用:部下の自信は“具体”で育つ 行動をほめる30秒フィードバック(ログミーBusiness)

このように、具体的な行動を指摘することで、部下は「上司は自分のことをよく見てくれている」と感じ、自己効力感が高まります。そのためには、日頃から部下の行動を注意深く観察し、良い点を見つけたら具体的にメモしておくことが重要です。そして、そのメモを元に本人に伝えるのです。

この方法は30秒もかからずに実践でき、部下の自信を育むだけでなく、上司と部下の良好な人間関係の構築にもつながります。

人を動かすリーダーシップの本質

部下の指導をする際、「この方法で良いのだろうか」と迷う上司の方も少なくないでしょう。部下への指導に「これが正解」という唯一無二のスタイルは存在しません。言葉を尽くして語る上司もいれば、多くを語らず背中で示す上司もいます。

しかし、どのようなスタイルであっても、人を動かすリーダーシップの根本には共通する本質があります。それは、相手の中に「この人と一緒にがんばろう」という気持ちと、「ここに自分の居場所がある」という気持ちを、同時に呼び起こせるかどうかです。

リーダーシップが相手に深く届いた時、部下は仕事の意味を深く理解できるようになります。「なぜこの仕事をやるのか」「なぜこの方法で進めるのか」といった背景や意図が腹落ちすることで、仕事への納得感が生まれます。そして同時に、上司や周囲の仲間に対して健全な好意や信頼感を抱き、「この人たちと一緒に働きたい」と感じるようになります。

つまり、真の上司とは、相手に「理解」と「共感」を同時に生み出し、納得と信頼の下で人を動かす存在なのです。この本質を理解せずに、部下を叱ることと怒ることの違いを認識できていない上司もいます。

株式会社コーチ・エィの鈴木義幸氏は、この違いを明確に解説しています。
ちなみに、褒めるの逆の「叱る」なんですが、心理学辞典では叱ることは「挽回への励まし」と書いてありました。叱るというのは、何か失敗をしたということだと思うんですが、それを自ら相手が挽回しようと思うように、ある意味でストロークをかける言葉をかけるのが「叱る」。それが挽回への励まし。

「叱る」と「怒る」は違うわけですね。何が違うかをすごくシンプルに言うと、叱るのは基本的に相手のため。挽回への励まし、相手の成長に向けて叱ってるわけですが、怒るというのは、スタンスが「for me」なんですね。自分のために怒っている。

引用:ただ褒めるより、部下のやる気アップにつながる“声のかけ方” コーチングのプロが教える“やりにくい職場”を変えるコツ(ログミーBusiness)

相手のためを思い、成長を促す「叱る」行為は、信頼関係を深め、相手の「理解」を助けます。一方で、自分の感情に任せた「怒る」行為は、相手との関係性を遠ざけ、「共感」を破壊します。

上司は、自分のスタイルを確立する以前に、人を動かす根本原理である「理解」と「共感」を育むコミュニケーションを常に意識する必要があるのです。

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