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チームのコミュニケーション改善(全1記事)

チームのコミュニケーションを改善する具体策 短時間でできる関係づくりワークが信頼を育てる

【3行要約】
・チーム内のコミュニケーション不全は、言葉の解釈や役割認識、目的意識のズレという「適応課題」から生じる根本的な問題です。
・本質的な対話を実現するには、メンバー一人ひとりが安心して自己開示できる「関係性の土台」を築くことが不可欠です。
・リーダーは「聴く姿勢」を持ち、定期的な声かけを継続することで、メンバーからの信頼を育み、問題の早期発見と解決につなげることができます。

なぜチームのコミュニケーションはすれ違うのか?

チームが一丸となって目標に向かう時、その道のりを阻む最大の障壁の1つが、コミュニケーションのズレです。多くの組織が抱える問題の根底には、「適応課題」と呼ばれる根深い問題が存在すると、株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹氏は指摘します。

これは、単に専門知識や技術で解決できる「技術的な課題」とは異なり、私たち当事者自身の考え方や、関係性を変えなければ乗り越えられない問題です。具体的には、「意味のズレ」「期待のズレ」「動機のズレ」という3つの側面から整理することができます。

まず「意味のズレ」とは、メンバー一人ひとりの言葉の定義や解釈が異なる状態を指します。例えば、会議で「良いアイデア」という言葉が出たとしても、ある人は革新性を、別の人は実現可能性を、また別の人は顧客へのインパクトを「良い」の基準として考えているかもしれません。このように、同じ言葉を使いながらも、その背景にある意味合いが異なれば、議論は噛み合わず、チームの目線は合いません。

次に「期待のズレ」は、役割や責任範囲に関する認識の食い違いから生じます。例えば、Aさんは「このタスクはBさんが担当してくれるだろう」と思い込み、Bさんもまた「当然Aさんがやるべきことだ」と考えているような状況です。

このような期待のズレは、責任の押し付け合いや業務の抜け漏れにつながり、プロジェクトの進行を著しく妨げます。これは、各メンバーが背負っている役割、責任、権限が歪んでいたり、その認識が共有されていなかったりすることが原因で発生します。

最後に「動機のズレ」は、個々のモチベーションや目的意識の不一致です。プロジェクトが始まった当初は全員が同じ目標を共有していたはずなのに、時間が経つにつれて、本来の目的が見失われ、タスクをこなすこと自体が目的になってしまう「自己目的化」が起こることがあります。

また、メンバー間の仕事に対する温度差や熱量の違いも、チームの一体感を損なう大きな要因となります。

チームで円滑にコミュニケーションが行えるよう改善するためには、こうしたミクロなズレを敏感に察知し、それを全員が見えるかたちに「可視化」し、丁寧に解消していくことにあります。

日々のミーティングや少しした会話の中で生じる小さなズレを放置せず、その都度解消していく地道な作業こそが、チームが本当に一丸となるための土台を築くのです。

チームのコミュニケーションを改善する関係性づくり

チーム内での本質的な対話を実現するためには、その前段階として、一人ひとりが安心して自己開示できる、「関係性の土台」を築くことが不可欠です。土台が未熟なまま「さあ、コミュニケーションをとりましょう」と呼びかけても、多くの人は腰が引けてしまい、口を閉ざしてしまいます。

本当の意味でのコミュニケーションは、各メンバーが自分自身に対して「受容感」を持ち、自分を肯定できている状態、つまり「I’m OK」な状態でなければ成立しません。

自分に自信が持てない「I’m not OK」の状態や、他者に対して否定的な感情を抱いている状態では、たとえチームでコミュニケーションをとる場を設けても、一方的な主張になったり、受け身に徹してしまったり、あるいはその場から逃げ出そうとしたりと、建設的なものにはなりません。

したがって、対話の準備段階として、まず一人ひとりの存在を受容し、それぞれの良さを見つけ合うプロセスが極めて重要になります。お互いの違いを間違いとして捉えるのではなく、「違うからこそおもしろい」と尊重し合えるような土壌を作ることが、チームでのコミュニケーション改善に向けた最初の1歩となるのです。

世代にかかわらず、人は「この人たちとなら話したい」と思える良好な関係性があって初めて、前向きにコミュニケーションに参加したいと感じるものです。

忘年会への参加意欲が、実は若手世代のほうが高いという話題もあるように、職場の関係性の質が良ければ、多くの人は積極的に関わろうとします。だからこそ、チームでのコミュニケーションを改善するためには、対話を促す前に、まずはお互いを知り、尊重し合える関係づくりから始めるべきなのです。

チームのコミュニケーションを改善する「お互いを知る」ワーク

お互いを知り、尊重し合える関係づくりのためには、どのようなことができるでしょうか。まずおすすめなのが、自分のことを20個書き出してシェアし合うというシンプルなワークです。性格、趣味、経歴、家族、健康のことなど、テーマは何でも問題ありません。

これを実践することで、多くの人が「毎日顔を合わせているのに、お互いのことをこれほど知らなかったのか」と驚きます。この相互理解は、チーム内の思いやりを育む上で非常に効果的です。

さらに1歩進んだ取り組みとして、「トリセツワーク」があります。これは、自分自身の取扱説明書を作成し、メンバーに共有するものです。新しいメンバーがチームに加わった際に特に有効で、既存の社員が先に自身のトリセツを説明することから始めます。

株式会社ジェイフィール 経営チームメンバー/代表取締役 コンサルタントの高橋克徳氏は、このワークの重要性について次のように語っています。
そこには、「私はこういう人です」ということだけじゃなくて、ご機嫌になるポイントや不機嫌になるポイント、自分の得意なことや苦手なこと、「こういう時はがんばれるけど、こういう時は助けてほしい」といったことを書いています。つまり、「私をこういう時には、こういうふうに取り扱ってください」ということを、あらかじめ説明するんですね。

これをシェアすると、何がいいかと言うと、特に新しく入ってきた人は、この場所がどういうところなのか、どんな人がいるのかがわからない。しかも、「がんばって認めてもらわなきゃいけない」という気持ちが強いと、不安なことや苦手なこと、助けてほしいことは、なかなか言えないですよね。

でも、既存の社員が先に言うんです。「私は、こういうところが苦手です」とか。「こういう時は助けてほしいです」と。そうすると、「ここは、そういうことを安心して言っていい場所なんだ」と感じられるようになる。

引用:“一緒に働くメンバーのことをほとんど知らない”職場… “なんでもう帰るの?”という不信感が生まれる理由(ログミーBusiness)

他にも、ベテラン社員がこれまでの仕事人生で何を経験し、何を乗り越えてきたかを語る「自分史ワーク」や、自分では気づいていない長所を周りのメンバーからフィードバックしてもらう「らしさフィードバック」といったワークも、チーム内で信頼と尊敬の念を育む上で役立ちます。

これらのワークは、いずれも15分から20分程度で実施できるものが多く、2週間に1回など、定期的に職場で取り入れることで、コミュニケーションが生まれやすい土壌を少しずつ育んでいくことができます。

重要なのは、表面的な情報交換に留まらず、お互いの人間性や価値観に触れる機会を意図的に作ることなのです。

チームのコミュニケーション改善のためにリーダーができること

良いチームを作り、成果を出すというマネジメントの仕事において、チームメンバーとの良好な関係構築は何よりも重要です。その関係構築のカギを握るのが、リーダーによる日々のコミュニケーションです。

特にリーダーが「聴く姿勢」を持つことは、チームの信頼関係を築き、問題を早期に発見する上で絶大な効果を発揮します。

ある管理職の男性は、毎日16時になると職場のメンバー一人ひとりに「どう?」と声をかけて回ることを習慣にしたと言います。最初は突然のことにメンバーも戸惑い、「特に何もありません」と返すだけでした。

しかし、上司が毎日粘り強く同じ時間に声をかけ続けるうちに、メンバーの中に「この時間は上司に話を聞いてもらえる時間なんだ」「困っていることを話してもいいんだ」という認識が芽生えていきました。やがてチームのコミュニケーションが改善され、チーム全体の仕事がうまく回るようになったそうです。

このエピソードが示すように、リーダーからの継続的な働きかけは、メンバーが安心して声を上げられる環境を作る上で非常に有効です。この話を聞いた熊谷翔大氏は、自身のマネジメントにもこのアプローチを取り入れ、週1回の1on1ミーティングの冒頭で「どう?」と聞くことを2年以上続けています。
実践してみてどうかというお話ですが、やっていて「いいな」と感じています。理由は大きく2つありまして、1つ目は「メンバーとのコミュニケーションがしっかり図れる」ということですね。

「この上司は話を聴いてくれるんだな」という認識を持ってもらえるだけで、「信頼してもらえているな」と感じます。それだけで十分価値のあることじゃないかと思います。

2つ目は「特にネガティブな話が早いタイミングで耳に入ってくることが増えた」というところです。困っていることとか、それこそ上司に対して不満に感じていることなども、時にはストレートに直接伝えてくるようになってきたと感じています。

人間ですから、ストレートに言われると正直つらいこともあります。それでも問題が大きくなってから耳に入ることに比べたら、先んじて手を打つことができるので、これ以上ありがたいことはないと感じています。

引用:職場で毎日16時に「どう?」と声をかけて回るようになった上司 マネージャーの変化がチームにもたらす好影響(ログミーBusiness)

メンバーの言葉に真摯に耳を傾けるには、「勇気」が必要です。時には自分への苦言や不満といった、耳の痛い話を聞かなければならない場面もあるでしょう。しかし、問題が深刻化してから対処するよりも、早い段階で率直なフィードバックを得られることのメリットは計り知れません。

リーダーが勇気を持って1歩を踏み出し、心を込めて声をかけ続けること。その小さな積み重ねが、メンバーからの信頼を育み、風通しの良い、強いチームを作り上げるのです。

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