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離職率の改善(全1記事)

離職率の改善に効果的な施策・対策とは? 人材定着を成功させる具体的な実践ガイド [1/2]

【3行要約】
・中小企業では新卒3年以内の離職率が50%を超え、1人の離職コストは約489万円にのぼる深刻な問題となっています。
・離職率の改善を行うためには、データの可視化と「関係の質」向上が組織の好循環を生み出すと指摘。
・企業はデータに基づく意思決定と関係性の質向上に取り組み、若手には成功体験を、中堅には成長機会を提供することで離職率改善を図りましょう。

離職率の改善が企業にとって重要な理由

企業の持続的な成長において、人材の定着は極めて重要な経営課題です。特に中小企業においては社員の離職がもたらす影響は深刻であり、離職率の改善に向けては、その実態をデータから正しく認識することから対策は始まります。

まず新卒社員については、一般的に3年で3割が辞めると言われますが、これは主に大手企業に当てはまる話であり、中小企業の実態はさらに厳しい状況にあります。

株式会社PDCAの学校の宮地尚貴氏によると、従業員30名未満の企業では、大卒・高卒を問わず3年以内の離職率が50パーセントを超え、30名から99名規模の企業でも、離職率は42パーセントから45パーセントと高水準で推移しているとのデータもあり、多くの企業が人材の定着に苦慮している現状がうかがえます。

特に問題となるのが、入社後わずか1年以内での早期離職です。中小企業では同期入社の社員が少ないため、例えば3名採用したうちの1名が辞めてしまうと、残りの社員もそれに引きずられて連鎖的に離職してしまうケースが少なくありません。結果として、入社1年以内に離職率が50パーセントを超えてしまう企業も珍しくないのです。

こうした離職は、企業にどれほどの経済的損失をもたらすのでしょうか。一部では「売上にまだ貢献していない新人なら、辞めても影響は少ない」といった声も聞かれますが、これは大きな誤解です。

ある試算によれば、新入社員1名が入社後1年で離職した場合の損失額は、約489万円にものぼるとされています。この金額には、採用活動にかかった広告費や紹介料などの採用単価、給与や社会保険料といった人件費、採用担当者の工数、そして研修やOJTにかかった教育コストが含まれています。さらに、育成に関わった上司や先輩社員が本来の業務に充てられるはずの時間を費やしたことによる「機会損失」まで含めると、実際の損失額はこれをさらに上回ります。

離職は、単に人員が1人減るというだけでなく、企業にとって想像以上に大きな金銭的・時間的コストを伴う経営リスクなのです。

このように大きなリスクを伴うからこそ、離職率の改善は、企業にとって重要な取り組みとなるのです。

若手社員が辞める理由・離職率改善のヒント

若手社員の離職率の高さに課題を抱える企業がまず着手すべきは、彼らが何を求めて働き、どのような要因で離職を決意するのかを深く理解することです。

数々の新入社員・若手研修で実施されたアンケートからは、「やりがい」と「上司の関与」という2つのキーワードが浮かび上がってきます。例えば、「この会社で長く働き続けたいか」という質問に対しては、実は約7割の若手が「長く働きたい」と回答しています。

その理由として挙げられるのは、「上司が熱心に指導してくれる」「定期的に相談機会を作ってくれる」「しっかりと目標設定してくれる」といった、上司からの積極的な関与に対する肯定的な評価です。このことから、相談できる環境の有無が、定着率に密接に関係していることがわかります。

一方で、離職につながる大きな要因の1つが「成功体験の欠如」です。これは仕事に限らず、スポーツなどでも同様のことが言えます。例えばゴルフでは、始めてから2年7ヶ月以内にスコアが115を下回ることができなければ、多くの人が「楽しくない」「自分には向いていない」と感じて辞めてしまうというデータがあるそうです。

仕事においても早期に成功体験を積むことができないと、若手社員は「この仕事は自分に合わないのかもしれない」という錯覚に陥りがちです。まだ仕事の全体像をつかむ前に、あるいは成果を出すために必要な行動量をやり切る前に、早々に見切りをつけてしまうケースが非常に多いのです。

このような状況を防ぐためには、会社側が意図的に成功体験を積ませるための仕組みを設計することが、離職を防ぐ最も効果的なマネジメントと言えます。ただ漠然と最終的な成果である「受注」や「売上」だけを目標に掲げるのではなく、そこに至るまでのプロセスを細分化し、段階的な目標(KPI)を設定することが重要です。

営業職であれば、架電数、アポイント数、案件化数といった行動指標を設け、その達成を称賛する文化を醸成するのです。週間目標である500件の架電を達成した際に、「500件も電話を掛けられたなんてすごいじゃないか」とフィードバックがあるかないかで、社員が感じる成長実感は大きく異なります。

数字を設定するだけでなく、その行動に対して周囲がきちんと認め、称賛することがセットになって初めて、若手社員は成功体験を積み重ね、仕事へのやりがいを見出していくことができるのです。こうした小さな成功体験の積み重ねが、やがて大きな成果へとつながり、離職率の改善に結びつきます。

中堅社員が辞める理由・離職率改善のヒント

新入社員や若手の離職が注目されがちですが、企業にとってより深刻な打撃となるのが、戦力となった中堅社員の流出です。入社3年目から5年目、あるいは10年目を迎え、これから組織の中核を担ってほしいと期待されるタイミングでの退職は、企業にとって大きな痛手となります。

彼らが会社を去る背景には、若手社員とは異なる特有の要因が存在します。退職者へのアンケートからは、「ふだんから放置されている」「キャリアプランが示されず、目指す先が見えない」「管理職がプレイングマネージャーから脱せず、部下指導をしない」といった声が多く聞かれます。これらの声に共通するのは、会社や上司からの関与が薄れ、いわば「放置プレイ」状態に置かれているという不満です。

多くの企業では、新入社員向けの研修は手厚く実施される一方で、中堅層以降の教育機会は極端に少なくなります。あるデータによれば、入社3年目以降の社員に育成機会を提供している企業は、大企業を含めてもわずか22パーセントに過ぎず、中小企業に限定すればその割合はさらに低くなると推測されます。

キャリアを重ねる中で新たなスキル習得や視点を得る機会がなく、日々の業務にマンネリを感じてしまうのは自然なことです。このような刺激のない環境が、社員の成長意欲を削ぎ、社外に新たな活躍の場を求める動機となります。

さらに、昨今は転職市場が活性化し、優秀な人材であれば働き口を見つけることは難しくありません。転職サイトのCMが日常的に流れ、転職エージェントからのアプローチも頻繁にある中で、会社への不満を抱えた中堅社員が新たな選択肢に目を向けるのは当然の流れと言えるでしょう。

「放置されている」という不満、「成長したい」という価値観、そして「どこにでも行き場所がある」という外部環境。この3つの要素が組み合わさることで、中堅社員の離職は加速してしまうのです。

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