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承認欲求が強い部下(全1記事)

承認欲求が強い部下の対応で意識したいこと 「認める」から始める適切な指導ガイド [1/2]

【3行要約】
・承認欲求の強い部下への対応に苦慮する上司は多くいます。
・株式会社selftune平岡氏らは、評価せずに受け止める姿勢と過程を認める関わりが、部下の自律性を高めると説明します。
・上司は「受け止める」「うなずき」「リフレイン」の3つのテクニックを実践することで部下との信頼関係を築きましょう。

承認欲求の強い部下の対応時に意識したい「認める」こと

上司の中には、「僕・私を受け入れてほしい」と強く要求してくる、承認要求が非常に強い部下への対応に苦慮している方もいるかもしれません。そんな承認欲求が強い部下への対応時に意識したいのが、部下の自律性を育むアプローチである「コーチング」です。

一般的にスポーツの世界で使われる「コーチ」という言葉は、技術を教える、つまりティーチングの側面が強いですが、ビジネスにおけるコーチングは、その本質が異なります。

コーチングとは、「教える」のではなく、相手の中から答えや能力を「引き出す」アプローチだと、株式会社selftune代表取締役の平岡洋平氏は言います。リーダー(コーチ)が部下(クライアント)の話を深く聴き、適切な質問を投げかけることで、部下は自らの頭で考え、内省を深めます。このプロセスを通じて、部下自身の頭の中が整理され、自発的な行動が促されるのです。

平岡氏によると、このコーチングを構成するスキルは大きく5つに分解できますが、その中でも特に重要な要素の1つが、承認欲求の強い部下への対応として効果的な「認める」というスキルです。

ここで言う「認める」とは、一般的に使われる「同意する」「賛成する」といった意味合いとは一線を画します。コーチングにおける「認める」とは、相手を全人格的に認め、相手の言うことを評価や判断を交えずに「そのまま受け止める」ことです。

この「受け止める」と「受け入れる」の違いを理解することが極めて重要です。例えば、部下が「給料を倍にしてほしい」と要求してきたとします。この要求に「わかった、倍にしよう」と同意するのが「受け入れる」ことです。これは部下の言いなりになることに他なりません。

一方でコーチングにおける「認める」とは、「君は給料を倍にしてほしいと思っているんだね」と、相手の意見や感情を事実としていったんキャッチすることです。その上で、会社の規定や評価について説明するのは、また別のプロセスとなります。

つまり「認める」スキルとは、部下の言動に対して「良いか悪いか」「正しいか間違っているか」といったジャッジを一切しないという点が核心です。誰かが髪を切った時に「似合うね」と評価するのではなく、まず「髪を切ったのですね」と変化の事実をそのまま伝えること。これが「認める」という行為の本質です。

このジャッジをしない関わり方が、部下に安心感を与え、自律的な思考と行動の土台を築くのです。

部下の安心感を引き出す3つの承認テクニック

次に、部下とのコミュニケーションにおいて特に効果的な3つの承認テクニックをご紹介します。これらのスキルを意識的に使うことで、部下は「自分の話を聞いてもらえている」「自分という存在が認められている」という安心感を抱き、より心を開いて対話できるようになります。

1つ目は「受け止める」ことです。これは前述の通り、「○○なんだね」と、相手の言葉や感情を評価せずにそのまま受け止める行為です。部下がどのような意見を述べたとしても、まずはその内容を否定せず、事実として認識する姿勢が重要です。

2つ目は「うなずき・相づち」です。一見当たり前の行為に思えるかもしれませんが、意識的に行うことでその効果は大きく変わります。「はい」「ええ」「なるほど」といった相づちや、深くうなずく動作は、「あなたの話を真剣に聞いていますよ」という強力なサインとなります。これが部下の安心感に直結し、話しやすい雰囲気を作り出します。

3つ目は「リフレイン」です。これは、相手が話した言葉の中で、特にポイントとなる単語や感情を表す言葉をそのまま繰り返すスキルです。

例えば、部下が「先日のプレゼン、なんとか受注できました」と言えば、「受注できたんだね」と返す。あるいは「来週の予定が埋まっていなくて困っています」と言えば、「埋まっていないんだね」と繰り返します。このリフレインは、相手に「正しく理解してもらえた」という感覚を与え、非常に効果的です。

リフレインには、より高度な活用法もあります。Cheer Coaching合同会社代表社員/銀座コーチングスクール日本橋校 代表の橋本ゆり香氏は、リフレインが話の方向性を導く役割を持つと指摘しています。
もう1個レベルの高いリフレインをするならどうするかというと、リフレインって“お話の方向指示器”みたいな役割もあるんですね。例えば「こっちに持っていきたいな」というところを拾うのも良いですし、単語だけ拾ってもいいんですね。

例えば、部下が「この企画を作ろうと思ったんですけど、やっぱり浮かばなくて。私、ぜんぜんできないんです」みたいなことを言ったとします。この部下を励ましたいと思っているのに、「あ、できないんだね」ってリフレインしてネガティブな話題ばっかり拾ってくると、「できないんですよ……」という話がそこから始まりますよね。(中略)

でも、「作ろうと思ったんだね」ってリフレインすると、「いや。実はやっぱりこういうのが必要だと思って……」とか、作ろうと思って話が展開していく。なので、どこを拾うかもけっこうポイントになるかなと思います。

引用:承認欲求が高すぎる部下に苦戦……どう接すればいい? 上司に必要なのは「受け入れる」ではなく「受け止める」スタンス(ログミーBusiness)

このように、部下の発言の中からポジティブな部分や深掘りしたい部分を意図的に拾ってリフレインすることで、会話を建設的な方向に導くことができるのです。

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