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仕事のモチベーション(全1記事)

「仕事のモチベーション」とは? 上がらない・低下・切れる原因や、成果との関係性も紹介 [2/2]

若手にモチベーションがないのはある意味「健全」

マネジメントの現場でよく聞かれるモチベーションの悩みとしては、「若手社員のモチベーションが上がらない」といったものが挙げられます。上司が手を変え品を変えアプローチしても、当人はどこか上の空で、仕事に前向きになれない。こうした状況に頭を抱える管理職は少なくないでしょう。

しかし、この「やる気を感じない」という若手の状態を、少し違う角度から捉え直してみることはできないかとグロービス経営大学院の熊谷翔大氏は問います。

熊谷氏は、若手社員が与えられた仕事に対して「これって意味があるのだろうか?」と疑問を抱き、モチベーションが上がらないと感じているのであれば、それはある意味で非常に「健全」な状態であると言えると言います。なぜなら、それは彼らが単なる「作業者」でいることに満足せず、仕事の意味や目的を希求している証拠だからです。

社会人経験が浅い時期は、どうしても上からタスクが細分化されて下りてくることが多く、最終的に手元に残るのは、全体像が見えない「作業」だけ、という状況に陥りがちです。その作業の一つひとつに意味を見出すのは、ベテラン社員にとっても簡単なことではありません。

そうした中で、思考停止に陥ることなく自分の仕事の意味を問い、そこに意味を感じられないことに対してモチベーションが低下するのは、むしろ主体的に仕事と向き合おうとする姿勢の表れと見ることもできるのです。

このような若手に対して、マネジメント層が取るべき行動は、「あの若手はやる気がない」とレッテルを貼ることではありません。本当に問われるべきは、「自分は、その部下が自ら仕事の意味付けができるように、十分なサポートをしてあげられているか」という点です。

具体的には、3つのポイントが重要になります。1つ目に、若手自身が仕事の意味付けをできているかを確認し、対話を通じてそのサポートをすること。2つ目に、安易に仕事の「答え」を教えるのではなく、「なぜこの仕事が必要だと思う?」「どうすればもっと良くなるかな?」といった問いかけを通じて、彼らが自ら考える機会を創出すること。そして3つ目に、「Z世代だから」「最近の若手は」といった世代論で一括りにするのをやめ、一人ひとりの個人として向き合うことです。

マネジメントは根気のいる仕事ですが、本気でメンバーと向き合い続ければ、その思いは必ず伝わるはずです。

モチベーションを「管理する」という発想

ここまで、組織・上司としての仕事のモチベーションとの付き合い方に触れてきましたが、モチベーションはもちろん個人単位で管理することも可能です。

そもそも「仕事のやる気が出ない」と感じることは、働く人であれば誰しもが経験することです。グロービス経営大学院の中村直太氏によると、ある調査によれば、20代の働く男女の9割以上が「仕事でやる気が出ない時がある」と回答していると言います。

この事実が示すのは、モチベーションを常に高い状態で維持し続けることは、極めて困難であるということです。むしろ、モチベーションには浮き沈みがあるのが当然であり、その波をなくそうとすることではなく、「うまく付き合っていく」という発想が必要になります。

では、モチベーションとうまく付き合うためには、何が必要なのでしょうか。そのためのアプローチとして、「自分のモチベーションを管理する」という新しい考え方を取り入れることが有効だと中村氏は言います。これには2つの重要なポイントがあります。

1つ目に、「自分自身のモチベーションの傾向を知る」ことです。自分がどのような状況でモチベーションが上がり、逆にどのような時に下がるのか。そして、下がった時にどのような対処法が有効なのかを客観的に把握しておくことが、管理の第1歩となります。

この自己分析に役立つツールが「ライフラインチャート」です。これは、これまでの人生におけるモチベーションの浮き沈みを1本の線で可視化するものです。チャートを作成し、モチベーションが上下した時の具体的な出来事や、そこから受けた影響を振り返ることで、自分特有のモチベーションのパターンを発見することができます。

2つ目に、「多様な種類のモチベーションを認識し、活用する」ことです。私たちは、単一の動機だけで行動しているわけではありません。「新しい知識を得たい」という知的好奇心もあれば、「チームの役に立ちたい」という貢献意欲もあります。「社会をより良くしたい」という内から湧き出る情熱もあれば、「周囲に迷惑をかけたくない」という外的な意識も、立派な行動の原動力となり得ます。

このように、自分の中にあるさまざまなモチベーションの源泉を自覚し、状況に応じて最適なものをエネルギー源として活用する。これを「モチベーションポートフォリオ」と呼ぶことができます。いつもモチベーションが高い人は、無意識のうちに、このポートフォリオの中からその時々に役立つモチベーションの種を見つけ出し、活用するのが上手な人なのかもしれません。

マネジメントする立場からも、メンバーのモチベーション管理をサポートできます。体調や人間関係、業務量の適正化といった、モチベーションが下がりにくい環境を整備することはもちろん、メンバーが活き活きとしている瞬間に「今、楽しそうだね」と声をかけることで、本人が気づいていなかったモチベーションの源泉を認識させてあげることも、重要な役割の1つなのです。


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