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自律分散型組織(全1記事)

VUCA時代に強さを発揮する自律分散型組織(DAO)とは? メリット・デメリット・導入事例・成功のコツを紹介 [2/2]

自律分散型組織の代表的なモデル

自律分散型組織と一言で言っても、具体的なかたちはさまざまです。ここでは、代表的な3つのモデルを紹介します。

1つ目は「ティール組織」です。経営学者のフレデリック・ラルー氏が提唱した組織進化の5段階における最終形態とされ、生命体のような組織と表現されます。ティール組織には、上司や部下といった階層や管理という概念がなく、メンバー一人ひとりが組織の目的を理解し、自らの意思で判断し行動します。自主経営(セルフマネジメント)、全体性(ホールネス)、存在目的(エボリューショナリーパーパス)の3つの要素が特徴です。ティール組織の詳細については、以下の記事を参照してください。



2つ目は「ホラクラシー組織」です。これはティール組織の1種とされていますが、より具体的なルールに基づいている点が異なります。「ホラクラシー憲法」と呼ばれる文書に定められたルールに従って組織が運営され、メンバーは「サークル」と呼ばれる役割ごとのグループに所属します。サークルごとに意思決定権を持ちますが、まとめ役となる管理者が存在し、規律と自由のバランスを取っているのが特徴です。

3つ目は「アジャイル組織」です。もともとはソフトウェア開発の分野で生まれた「アジャイル開発」という手法を組織運営に応用したものです。「アジャイル」とは「素早い」「機敏な」を意味し、小規模なチームを基本単位として、計画、実行、テスト、改善のサイクルを短期間で繰り返し回していきます。各チームは独立した意思決定権を持ち、顧客や市場の変化に機動的に対応することに重きを置いています。

これらの新しい組織モデルは、実は古くからの思想と通底しているという見方もあります。僧侶であり武術家でもある松波龍源氏は、ティール組織や自律分散型組織といった概念について、「僕からすると『全部仏教じゃん』と思うんですね」と語り、2500年前から仏教が探求してきた関係性や平等の思想が、現代の組織論として再発見されている可能性を示唆しています。

自律分散型組織を成功させるために

自律分散型組織を成功させるためには、単に階層をなくし、権限を委譲するだけでは不十分です。メンバーがバラバラの方向を向いてしまわないよう、組織全体を1つに束ねる強力な求心力が必要となります。その核となるのが、明確なビジョンやミッションの共有です。

ヤフー株式会社の事例は、この点を象徴しています。同社では、ある時期「才能と情熱を解き放つ」という方針で自由な働き方を推進しましたが、一時は組織が緩み、「ぼえーっ」という印象になってしまったと言います。しかし、その後、経営トップが「これをやるんだ!」という明確なビジョンを打ち出したことで、組織に一体感が生まれ、結果として自律分散型へのシフトが進んだと言います。
伊藤:なるほど。なんでお伺いしたかというと、ヤフーがどう変わっていったかを振り返ってみると、宮坂(学)体制になって「才能と情熱を解き放つ」ことを標榜したんですよ。

「好きにやっていいよ」となり、みんな「解放された~」という感じになって。最初はすごく喜んでいたんですけど、途中からだるくなってきて。僕が入った頃はぬるい感じになっていたんです。その時は自律分散型というより、なんか「ぼえーっ」という印象になっていた。

それが変わったきっかけが、やっぱり川邊体制になってからです。川邊はかなり明確にドーンとビジョンを打ち出したんですよ。要するに「これをやるんだ!」と誤解を恐れずに宣言して、みんなが「そうなんだ」と思うようになった。(中略)

だから、「自律分散型にしよう」と思ってなるんじゃなくて、たぶん塩田さんがやられていたように、むちゃくちゃ強力な「これをやるんだ」ということを決める。すると、結果として自律分散型になっているし、丸井さんもそういうことなんだろうと。

引用:自立型分散企業になるためのポイントは「明確なビジョン」 マルイやヤフーの働き方が変わった背景(ログミーBusiness)

組織を機能させるための具体的な仕組み

自律分散型組織が健全に機能するためには、自由な活動を支える土台となる「仕組み」と「環境」の整備が不可欠です。これをTUMMY株式会社では「マントル」と「エアー」という言葉で表現しています。

「マントル」とは、組織の持続性を支えるシステムやルールのことです。自由と規律のバランスを取り、組織が困難に直面した際の回復力、すなわち「しなやかな強さ」を持つために設計されます。具体的には、以下のような要素が含まれていると言います。

・意思決定のプロセス
 誰がどの範囲まで決定できるのかを明確にします。案件の重要度や影響範囲に応じてプロセスを設計することで、意思決定の遅延を防ぎます。

・評価システム
 成果をどのように評価し、報酬に反映させるかを定めます。透明性と公平性のあるシステムが、メンバーのモチベーションを維持します。

・意見対立の解決プロセス
 メンバー間で意見が対立した際に、どのように解決に導くかのルールを設けます。

一方で「エアー」は、組織の心理的安全性を形成する文化醸成を指します。管理をしない組織では、メンバーが「楽しい」と感じ、主体的に関わることが何よりも重要になるとTUMMY株式会社代表のあべなるみ氏は語ります。そのための環境作りとして行われているのが、以下のような取り組みです。

・自律エデュケーション
 多くの人はピラミッド型組織に慣れているため、「会社が与えてくれて当然」というマインドセットになりがちです。TUMMY株式会社が運営している「aiyueyo」では、コミュニティに参加する前に自分軸を育てるプログラムを必須とし、自律的に動ける人材を育成しています。

・独自言語の活用
「挑戦します」を「えい!」、「辞めます」を「テキテキ」といったカジュアルな言葉に置き換えることで、挑戦と撤退のハードルを下げ、活発な循環を生み出しています。

・コミュニケーションプラットフォームの整備
Slack、バーチャルオフィス、Notionといったツールを組み合わせ、ストレスなく円滑なコミュニケーションが取れる環境を整えています。特にSlackでは、独自のスタンプ文化などを通じて、温かい空気感を醸成しています。

これらの仕組みと環境があって初めて、管理を手放し、個々の主体性に委ねる自律分散型組織の運営が可能になるのです。

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