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リスキリング(全1記事)

リスキリングとは? 定義と企業が取り組む必要性、成功の秘訣を解説 [2/2]

「従業員が辞めてしまうのでは」という企業の不安を覆すメリット

多くの中小企業の経営者は、「リスキリングを施したら、スキルアップした従業員がより良い条件を求めて転職してしまうのではないか」という不安を抱いています。特に人手不足が深刻な状況では、人材の流出は死活問題であり、この懸念からリスキリングに踏み出せないケースは少なくありません。

しかし、この考えはリスキリングの一側面しか見ていないと言えます。本来のリスキリングは、人材流出のリスクを上回る、大きなメリットを企業にもたらします。

結論から言えば、適切なリスキリングは従業員の定着率を向上させます。なぜなら、リスキリングは「会社が従業員の成長に投資している」という明確なメッセージとなり、従業員のエンゲージメント(企業への帰属意識や貢献意欲)を高めるからです。

さらに、リスキリングは優秀な人材を引きつけるための強力な採用ツールにもなり得ます。特に成長意欲の高い若手層は、終身雇用が崩壊した現代において、「自分を成長させてくれる会社」を職場として選びます。
後藤:なので、リスキリングに成功している会社の経営者の方が共通でおっしゃるのは、「もちろんリスキリングをする結果、辞めるかもしれない」と。でも、「自社の成長事業ができて、どんどん成長していく人が増えていくから、デメリットよりもメリットのほうが大きいんだ」と、みなさんおっしゃっています。

——リスキリングが広まっていくことで、採用のかたちも変わっていくんでしょうか。

後藤:今の20代の新卒の方たちは、「うちの会社ではこんなスキルが得られるよ」と、ちゃんと説明してくれる会社を選ぶんですよ。というのも、今の若い方たちは、「自分を成長させてくれるところで働きたい」という意欲が高い。

引用:リスキリングは企業主導で行うべき理由 従業員の定着率もアップする、中小企業の生き残り戦略 (ログミーBusiness)

リスキリングによって会社が成長し、その利益を従業員の給与に還元できれば、好循環が生まれます。従業員が辞めてしまうことを恐れるのではなく、リスキリングを企業と個人の双方にとっての生存戦略と捉え、積極的に取り組むことが、これからの時代を生き抜く鍵となるでしょう。

成功への道筋を描く「3つのリスキリングマップ」

リスキリングに踏み出す決意ができたら、次に行うべきは、やみくもに学習を始めるのではなく、成功への道筋を具体的に描くことです。そのために有効なのが、「学ぶべきスキルを明確にする」「学び方の選択肢を洗い出す」「学びのロードマップを立てる」という3つのマップを作成することです。

1. 学ぶべきスキルを明確にする

まず「そもそもどのようなスキルを身につけるべきか」を可視化します。いきなり目についた本や広告で見たスクールに飛びつくのは危険です。

例えば、DX人材を目指すのであれば、プログラミング、UXデザイン、マーケティング、プロジェクトマネジメントといった必要なスキルを体系的に洗い出します。ChatGPTのような生成AIを活用してマインドマップを作成し、全体像を把握するのも良い方法です。

これにより、自分がすでに持っているスキルと不足しているスキルが明確になり、学習の優先順位をつけやすくなります。

2. 学び方の選択肢を洗い出す

次に「そのスキルを身につけるために、どのような学び方が最適か」を検討します。書籍やオンライン講座といった「コンテンツ型」、大学院や資格取得を目指す「学位・資格取得型」、より実践的な「実践参加型(ブートキャンプやコミュニティ参加など)」、実際の業務経験を積む「実戦体験型(越境学習や副業など)」といった選択肢があります。

自分の使える時間や費用、いつまでにスキルを習得したいかを考慮し、最適な学び方を選択します。

3. 学びのロードマップを立てる

何を、どうやって、いつまでに学ぶかを計画する最後に、具体的な学習計画を立てます。スキルセットの変革は、以下の4つのステップで進むと考えると計画を立てやすくなります。

Step1・・・概念の理解(知っている状態)
Step2・・・具体の理解(やったことがある状態)
Step3・・・体系の理解(できる状態)
Step4・・・本質の理解(教えられる状態)

それぞれのステップについて、「いつまでに」「どのような状態になるか」という達成目標を設定し、そのために必要なインプット(学習)とアウトプット(実践)の機会を時系列で計画に落とし込みます。これにより、「学んだだけで終わってしまった」という事態を防ぎ、着実にスキルを習得していくことができます。

リスキリングはポジティブな活動

リスキリングは、しばしば「やらないと時代に取り残される」「AIに仕事を奪われる」といった、不安を煽る文脈で語られがちです。しかし、そのような悲壮感を漂わせながら行うものでは、学習の質も効率も上がりません。

本来リスキリングとは、変化を楽しみ、自らの手で未来の可能性を切り拓いていくための、ポジティブな活動であるべきです。

人生100年時代と言われる現代において、1つの会社、1つの仕事でキャリアを終える人はますます少なくなっていくでしょう。キャリアのステージが移り変わっていくことが当たり前になる中で、その変化の波に無理やり対応するのではなく、楽しみながら乗りこなしていくためのスキルこそが、リスキリングの本質です。

新しいスキルを身につけることは、将来への不安を解消し、より豊かで楽しい人生を送るための力となります。

AIの台頭は、人間の仕事を奪う脅威としてだけ捉えるべきではありません。89歳のプログラマーである若宮正子氏は、AIを「有能な副操縦士」に例えています。AIが多くの業務をこなしてくれても、最終的な判断を下し、操縦桿を握るのは機長である人間です。

そして、有能な副操縦士を使いこなすためには、機長自身が幅広い知識を持ち、学び続けていなければなりません。
若宮:AIは何でも達者ですが、例えば、私が飛行機の機長さんで、AIが副操縦士じゃないかと思うんですね。機長さんが少し居眠りしていても、副操縦士がどんどんやってくれることもあると思うんです。でも、何かがあった時には、機長さんが操縦桿を持たなければなりません。ですので、AIはすごく有能な副操縦士、コパイロットじゃないかと。

コパイロットにいろいろ頼むためには、機長さんが何でも知っていないと、どのタイミングで、何を頼めばいいかわからないと思うんですね。だから、自分自身も勉強して、有能な副操縦士が活躍できるようにしてあげないとダメなんじゃないかなと思います。

引用:89歳のプログラマー若宮正子氏が今も学び続ける原動力 AI時代の学びにおける、熱意やパッションの源泉(ログミーBusiness)

学び続けることは、自身の知的好奇心を満たし、ワクワクする人生を送るための原動力となります。「おもしろがり屋」であることが、学びの情熱を燃やし続ける源泉になるのです。

リスキリングを義務や脅威としてではなく、自らの人生をより豊かにするための冒険と捉えることで、私たちは変化の時代を力強く、そして楽しく生き抜いていくことができるでしょう。

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