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タイムマネジメント(全1記事)

タイムマネジメントとは? 仕事の効率をアップする時間管理のコツ [2/2]

5分でできる仕事は今すぐやる

仕事が早い人と遅い人の間には、能力や経験以上に、日々のちょっとした習慣と思考の違いが存在します。その中でも特に大きな差を生むのが、タスクを「火の玉」のように捉える意識です。

上司や同僚から「これをよろしく」と仕事を依頼された瞬間、それは熱い「火の玉」を手渡されたのと同じです。この火の玉を長く持っていればいるほど、自分自身がやけどをしてしまいます。仕事が早い人は、この感覚を理解しており、いかに早くその火の玉を手離れさせるかを常に考えています。

仕事が遅い人がやりがちな行動の1つに、「5分でできることでも後回しにする」というものがあります。メールの返信、日程調整、簡単な予約作業など、「また時間のある時にやろう」と考えてしまうことはないでしょうか。この「またあらためて」という思考こそが、仕事を遅らせる元凶です。

5分でできるタスクは、ちりも積もれば山となります。メールが数通溜まれば返信するのに15分、20分とかかり、心理的な負担も増大します。仕事が早い人は、5分でできると思えば、むしろ3分で処理するくらいの勢いで即座に対応します。この小さな行動の積み重ねが、1日の終わりに大きな余裕を生み出すのです。

もう1つの特徴は、「面倒なことほど後回しにする」という点です。多くの人は心理的に負担の大きいタスクを避けたがりますが、仕事が早い人は逆です。彼らは面倒な仕事こそ「大きな火の玉」と認識し、真っ先に手をつけて手離れさせようとします。

例えば「1ヶ月後でいいよ」と言われたレポート作成のタスクがあったとします。仕事が遅い人は、締め切りである1ヶ月後に合わせて作業を始めがちです。しかし仕事が早い人は、依頼された直後からスキマ時間などを利用して少しずつでも着手し、1ヶ月後と言わず2週間前には完成させてしまいます。

この「前倒し」の習慣は、常に心に余裕がある状態を生み出します。先に面倒なことを済ませておくことで、予期せぬトラブルや緊急の仕事にも柔軟に対応できるようになります。また、前倒しで生まれた時間を使って、さらに他の仕事も前倒しで進めるという好循環が生まれるのです。

いつも締め切りギリギリで慌てている人は、周囲に安心感を与えることができず、信頼を損なうことにもなりかねません。タスクを「火の玉」と捉え、5分でできることは即座に、面倒なことは真っ先に処理する。この2つの基本原則を徹底するだけで、仕事のスピードと質は劇的に向上するでしょう。

「スキマ時間」と「ながら時間」の戦略的活用法

「やるべきことが多くて時間が足りない」と感じているビジネスパーソンにとって、日々の生活の中に隠れている「スキマ時間」や「ながら時間」をいかに有効活用するかは、生産性を高める上で極めて重要な戦略となります。

まとまった時間を確保することが難しい現代において、5分や10分といった細切れの時間を戦略的に活用することが、大きな差を生み出します。

成果を出す社員は、この時間の活用が非常に巧みです。彼らは移動時間のような一見無駄に思える時間も決して無駄にしません。あらかじめタスクを細分化し、「10分用の仕事」「15分用の仕事」といったかたちで準備しておくことで、電車の待ち時間や移動中に効率的にタスクをこなすことができます。

スキマ時間を有効活用するためには、事前に「スキマ時間ができたら何をするか」をTO DOリストとしてまとめておくことが鍵となります。時間ができてから「さて、何をしようか」と考えていては、貴重な時間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。

また、「ながら時間」の活用も有効な手段です。例えば、通勤電車の中でただスマートフォンを眺めている時間を、音声教材を聞く時間に変える。入浴中に防水タブレットで資料を読む。食事をしながら情報収集の動画を見るといった工夫です。もちろん、常に気を張っている必要はありませんが、「この時間は何かに使えるかもしれない」という意識を持つことが重要です。

こうした時間を捻出するためには、まず現状の時間配分を可視化し、「やらないこと」を決めることが推奨されます。

無意識のうちに時間を浪費していることは少なくありません。例えば、「なんとなく習慣で残業してしまっている」「寝る前に必要以上にダラダラとSNSを見てしまう」といった時間です。これらは自分の生活パターンを客観的に振り返ることで、初めて気づくことができます。

さらに、集中力を高めるための環境作りもタイムマネジメントには不可欠です。人間の集中力は一定ではなく、時間帯によっても変動します。自分が最も集中できるのが午前中なのか、午後なのかを把握し、その時間に最も思考力を要するタスクを割り当てるのが効果的です。

また、作業中はスマートフォンを机から遠ざける、不要な通知をオフにするなど、気を散らすものを物理的に排除することも集中力を維持するためには有効な手段です。時短家電への投資も、未来の時間を買うという観点から見れば、非常に合理的な選択と言えるでしょう。

手戻りを減らす進捗報告と、周囲を巻き込む仕事の進め方

タイムマネジメントというと、個人のタスク管理やスケジューリングに焦点が当たりがちですが、他者と連携して仕事を進める上では、コミュニケーションの取り方、特に「進捗報告」のタイミングと方法が生産性を大きく左右します。

多くの人が陥りがちなのは、仕事を100パーセント完成させてから上司やクライアントに報告するという進め方です。一見、完璧な状態で提出するのは良いことのように思えますが、この方法は大きなリスクをはらんでいます。

もし完成した成果物が相手の意図とズレていた場合、そこからすべてをやり直すことになり、費やした時間と労力が無駄になってしまいます。こうした「手戻り」は、個人のみならずチーム全体の生産性を著しく低下させる要因です。

この問題を解決する極めて効果的な方法が、「2割程度の進捗での報告」です。仕事を依頼されたら、まずは全体像を把握し、方向性を定めるために作業に着手します。そして、全体の20パーセント程度が進んだ段階で、一度上司やクライアントに「このような方向性で進めていますが、イメージは合っていますでしょうか?」と確認を入れるのです。

この早い段階でのすり合わせによって、もし方向性にズレがあったとしても、最小限の修正で軌道修正することが可能になります。
ここで重要なのは、2割ぐらいできたタイミングでいったん上司とかお客さまに見せて「だいたいこんなイメージですか」というのを確認する。それによって「ああ、そういうことです。このまま進んでください」なのか、「いや、ちょっと違いますね」みたいなフィードバックをいただけるんですよね。

そうした上で進めたほうが手戻りが少なくなりますので、一番効率がいいかなと思っております。それを踏まえて、残りの質問を実施させていただきます。

あとポイントは、僕がこれをやるようになってから、けっこういろいろと評価をいただけているなと。締め切りがあったら当日ではなくて、だいたい2日前ぐらいに送ると、先方からは「助かります」「ありがとう」とけっこう言われます。若干締め切りを前倒しして送るのも手かなと思うので、これもやってみるといいかなと思います。

引用:上司や取引先に褒められる進捗報告のコツ 仕事を効率化する“モノと時間”の整理のキホン(ログミーBusiness)

この早期の進捗報告は、手戻りを防ぐだけでなく、相手との信頼関係を構築する上でも非常に有効です。こまめに報告・相談することで、相手は「プロジェクトが順調に進んでいる」という安心感を得ることができます。

さらに締め切り当日に提出するのではなく、2日前など余裕を持って提出することも、相手への配慮となり、「仕事が早い」「助かる」といったポジティブな評価につながります。

また、そもそも仕事に着手する前に、成果物のイメージを明確に共有しておくことも重要です。特に上司からの指示が曖昧な場合は、「どのような品質を(Quality)」「どれくらいの時間をかけて(Cost)」「いつまでに(Delivery)」やるべきなのかを必ず確認する習慣をつけましょう。

多少嫌がられても、このQCDの確認を怠らないことが、後の大きな手戻りを防ぎ、結果的に双方の時間を節約することにつながるのです。

1日の終わりを決めるパーキンソンの法則対策

多くのビジネスパーソンが「早く帰れたらいいな」と思いながらも、気づけば定時を過ぎ、だらだらと残業をしてしまうという経験を持っているのではないでしょうか。この現象の背後には、「パーキンソンの法則」という強力な心理法則が働いています。

パーキンソンの法則とは、イギリスの歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱したもので、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものです。つまり、明確な終了時間を設定しない限り、人間は無意識のうちに作業を引き延ばし、与えられた時間をすべて使い切ってしまう傾向があるのです。

例えば、締め切りが3時間後であれば3時間かけて仕事を終わらせ、もし同じ仕事に8時間の猶予が与えられれば、8時間かけてしまうということです。これは、より良いものを作ろうと細部にこだわりすぎたり、途中で他の作業に手を出してしまったりすることで起こります。

この法則の罠に陥らないためには、「早く帰れたらいいな」という漠然とした願望ではなく、「今日は必ず18時に帰る」という明確な決意を持って1日の仕事をスタートさせることが極めて重要です。

1日の終わりを最初に決めることで、脳は逆算思考に切り替わります。「18時に終わらせるためには、このタスクを1時間で、次のタスクを30分で終えなければならない」といったように、各作業に時間的な制約(タイムプレッシャー)をかけることができるのです。

このタイムプレッシャー効果は、集中力を高め、作業効率を向上させる上で非常に有効です。期限を明確に設定し、それを周囲に宣言することで、「約束を守らなければならない」という良いプレッシャーが生まれ、先延ばしを防ぐことができます。

例えば、「この資料、来週の水曜日までにご覧いただけるようにします」と具体的な日時を約束することで、自分自身を律し、計画的に仕事を進める動機づけが生まれます。

仕事がなかなか終わらないと感じている人は、まず1日の終わりに退社する時間を決め、そこから逆算して各タスクの所要時間を見積もり、スケジュールを立ててみてください。最初は窮屈に感じるかもしれませんが、この習慣を続けることで、パーキンソンの法則の呪縛から逃れ、集中力を高く保ちながら効率的に仕事を進めることができるようになります。

「なんとなく」の残業をなくし、自分で時間をコントロールする感覚を取り戻すための、最もシンプルで強力な方法と言えるでしょう。

「More with Less」な働き方の実現

タイムマネジメントを突き詰めると、「5日かかる仕事を4日で終わらせる」といった効率化が可能になります。この時に生まれた「1日の余白」。これをどう使うかが、働き方の質を大きく変える分岐点となります。

この余白を、私たちは「良いサボり」と捉えることができます。仕事が終わっていないのに仕事をしないのは「悪いサボり」ですが、やるべきことを高い効率で終えた上で生まれた時間は、自分自身への正当な報酬です。

この「良いサボり」によって生まれた時間と精神の余裕は、単なる休息以上の価値を持ちます。まず、適度に休憩を取ることで心身の疲労が回復し、持続的に高いパフォーマンスを維持しやすくなります。そして、この浮いた時間こそ、先述した「重要度は高いが緊急度は低い仕事」に投資するための絶好の機会となるのです。

例えば、業務プロセスを改善するための新しいツールを導入したり、将来のキャリアに役立つスキルを学んだり、面倒な定型作業を自動化する仕組みを構築したりする。こうした活動は、さらなる「仕事貯金」を生み出し、好循環を加速させます。

4日で終わっていた仕事が、仕組み化によって3日で終わるようになるかもしれません。そうすれば、さらに多くの時間が生まれ、自己投資や新たな価値創造に時間を使うことができるようになります。
林田:そうなんですよね。例えば気が散りやすい時には、すごくありがちですけど、もうテーブルの上に(気が散る物)は一切出さない環境を整えるとか。

あとは注意の切り替えは、もう自分の注意力を信じるのをやめることなんですよね。例えば1つのことを勉強していて、もう1つの勉強に移るとしたら、その勉強が終わる10分前ぐらいと終わるタイミングの時にアラームを鳴らす。 

これは、終わるタイミングだけで鳴らさないのがポイントです。やはり注意の切り替えはちょっと時間がかかる。だから10分前に鳴らすことで、「あ、もうすぐ注意(するのは)終わりだな」と収束させて、「終わり、次」というところでもう1回アラームを鳴らすとうまく切り替えられるとか。

「注意力を高めよう」「自分を変えよう」としすぎなくていいんですよね。じゃあその注意力が自分の脳に頼れないんだったら、どうやってそれ以外のところに任せるかを考えるようなイメージですかね。

引用:勉強の終わり時間「10分前」にアラームを鳴らす 「注意力不足」の人のための集中できる仕組み作り(ログミーBusiness)

このような好循環を生み出すためには、完璧を目指しすぎず、小さな行動実験を積み重ねることが重要です。時間術に関する本や記事には数多くのテクニックが紹介されていますが、それらすべてを1度にやろうとすると、かえって初動が遅くなってしまいます。

大切なのは「どれか1つやってみる」という姿勢です。例えば「会議の冒頭に2分間の雑談を入れる」「作業終了10分前にアラームをセットする」といった、すぐに試せる小さなことから始めてみるのです。

やってみて自分に合っていると感じれば続ければよいし、合わなければ別の方法を試せばよい。この「ローリスク・ローリターン」なトライアンドエラーを繰り返すことで、テクニックは自分だけのスキルとして定着していきます。

最終的に目指すべきは「More with Less」、つまり「より少ない時間で、より多くの成果を出す」働き方です。ぜひ1つでも行動に移し、自分なりの時間術を見つける旅に出てみてください。

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