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内省(全1記事)

「内省」とは? 第一人者から学ぶ具体的な方法とメリット

「内省(リフレクション)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。内省とは「自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為」のことです。 リフレクションは、21世紀学び研究所の理事を務める熊平美香氏が第一人者として知られています。経済産業省の「社会人基礎力」にも採用されており、これからのビジネスパーソンにとって「基礎力」として求められるスキルになっています。 ビジネスパーソンにとって「内省」は役に立つものですが、闇雲に始められるものではありません。本記事では内省のメリットや、似たような意味を持つ「反省」との違い、具体的な内省のやり方について解説していきます。

目次


「内省」とは?
内省ができるとなぜビジネスに役立つの?
内省が注目されるようになった背景
内省ができる人のメリット
反省との違い

2 第一人者から学ぶ「内省」の具体的なやり方
どんな時に「内省」をするのか

3 「内省」に役立つ記事紹介
 ・まとめ
 ・参考文献


「内省」とは?

「内省(リフレクション)」とは「自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為」のことです。自分自身の心や行動について深く考察し、自己の内面に向き合いつつ、自己理解を深める、自己成長に欠かせないプロセスです。

内省ができるとなぜビジネスに役立つの?

「内省」が注目されるようになった背景

ビジネスパーソンの間で「内省」という言葉が注目されるようになった理由には、ビジネスにおいて人間関係が重要視されてきたことが関係しています。

高度成長期のビジネス市場では、ある程度決まった「正解」に向かって結果を出すことが最も重要視されていました。しかしVUCA時代、つまり正解がわからない時代になった今では、最適解を探すために、他者とのコミュニケーションやチームでの協働がビジネスに欠かせないものとなっています。

他者との人間関係を築くためには、まず自分の価値観について知る必要があります。内省によって自分自身を客観的に捉え、自己理解を深めることで、自分自身の強みや弱みがわかり、人間関係を良好に保ちながらビジネスを行うことができるようになるのです。

また企業や組織の観点では、内省は人材育成の面で注目されています。内省を通してありたい姿と現実のギャップを認識し、自律的・自主的に学び続けられる「自律型人材」を育てることで、チーム・組織全体のモチベーションや生産性を向上させる狙いがあります。

内省ができる人のメリット

「メタ認知」というキーワードがあります。ジョン・H・フラベルというアメリカの心理学者が定義した認知心理学の概念で、自分自身がどのような人であるのかを客観的に知ることができる能力のことを指します。「認知していることを認知する」こととも言えます。

内省によって自分自身の行動をメタ認知して振り返り、その裏側にある価値観や思考プロセスに気づくことによって、自己評価や学習戦略を改善できます。逆に内省をしなければ、自分自身の思い込みや固定観念に気づくことができず、適切な課題設定ができなかったり、周囲とのズレが起きてしまうといったことが懸念されます。

「内省」と「反省」の違い

「内省」と「反省」は似たような意味合いを持っていますが、微妙にニュアンスが異なります。「反省」は過去の自分の言動や結果を振り返り、誤った行動を正すために考察することが目的です。主な振り返りの対象は「失敗」になります。

一方、「内省」は主に自分自身に向き合って深く考察することを指し、自己理解を深め、学びにつなげる働きがあります。内省は「未来を作る力」という考え方なので「経験した」ことそのものが重要であり、そのため振り返りの対象には、失敗も成功も含まれます。

つまり「反省」は過去の失敗から改善点を見出すこと、「内省」は過去の経験から学びを得て、未来の行動に役立てることが目的となります。

第一人者から学ぶ「内省」の具体的なやり方

リフレクション(内省)を日本に広めた第一人者は、『リフレクション自分とチームの成長を加速させる内省の技術』著者である熊平美香氏です。熊平氏は、「認知の4点セット」を用いて、自分自身をメタ認知する方法を説いています。

具体的な内省の方法は下記の通りです。

「認知の4点セット」とは、自分自身のものの見方を「意見」「経験」「感情」「価値観」に切り分けて可視化するフレームワークです。

  1. まず、自分自身の行動に対する「意見」を振り返ります。「考えたこと」「学んだこと」「思ったこと」がここに当てはまります。

2.意見に紐づく過去の「経験」を考えます。なぜその意見を持ったのか、根拠となることをが当てはまります。具体的な経験だけでなく、知っていること、見聞きしたことがあることも含まれます。

3.その経験にはどんな「感情」が紐づいているのか考えます。ポジティブなのかネガティブなのか、「思ったこと(意見)」ではなく「感じたこと」がここに当てはまります。

4.そこから、自分の大切にしている「価値観」を考えます。意見の背景にある「ものの見方」「判断基準」を明確にしていきます。

内省を行うことで、自分自身が大切にしている「価値観」に気づきます。自分の大切にしている「価値観」がわかると、他の人と意見がぶつかり合う理由や、現状の仕事とありたい姿のギャップが生まれている原因などを客観的に捉えることが可能となります。

また自分1人で振り返る「内省」の他にも、他者との「対話」を通して気づくことも可能です。対話を通して、違う経験をして違う価値観が形成された人たちから、自分とは違う「ものの見方」を学ぶことができます。

どんな時に「内省」をするのか

内省をするタイミングとしては、日常的な習慣とすることが望ましいですが、一番やりやすい方法としては「感情が動いた時」です。感情の動きは価値観に紐づいていることが多いので、感情が動いた時に「なぜ今私はこの感情になったのか?」と振り返ると良いでしょう。ネガティブな感情、ポジティブな感情どちらにも有効です。

「内省」に役立つ記事紹介

ログミーでは熊平美香氏の登壇イベントを複数記事化しています。さまざまな視点で「内省」について語られているので、より理解を深めたい人はぜひ一読してください。

★リフレクションを習慣にしている、伊藤羊一氏との対談

★人事の在り方と内省をテーマに考える、ZENKIGEN石丸晋平氏との対談

★さらにリフレクションを深める「対話」の方法についての講演

まとめ

日常的に内省ができるようになると、自分を客観的に見ることができ、正しい判断や適切なコミュニケーションができるようになったり、自分自身の成長にもつながります。1日5分でも良いので、自分自身の行動・感情を振り返る習慣を身につけましょう。

参考文献

『リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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