なでなですると声が出る? センサー付き抱きまくら登場

内村康一氏(以下、内村):よろしくお願いします。ジョイアスの内村と申します。福岡のほうから来たんですけれども、私自身は鹿児島の出身で、先ほどお話いただいた「フリープ(freep)」さんとは創業の初期の頃に一緒に話し合ったような仲です。高校までいたというのもありますし、鹿児島とは縁があるということで、今回プレゼンさせていただきます。

今回ご紹介するのは、「なでなですると声が出る」という新しいコンセプトの抱きまくらなのですけれども、ちょっとご紹介しようと思います。

(会社は)小倉のほうにあるんですけれども、今3人でやってるんです。私自身は九州工業大学のほうにいまして、それも小田先生(注:鹿児島大学助教・小田謙太郎氏)のご紹介で行っていたんです。

そこでおもに生体センサー(の研究)をやっていまして。その関係で、今回使うこの「なでなでセンサー」。これの研究もその一環というか、実際はほとんど先生にもらったようなものなんですけれども。

そういう形で大学の研究成果を交えてというか、表向きは大学発ベンチャーという形でやらせていただいてます。それで抱きまくらをやっていいのかっていう話もあるんですが、そこはちょっと……はい(笑)。

(会場笑)

背景として真面目な話で「コミケとか声優志望者とかはめちゃいるのに、プロになれるのは何でこんなに少ないの?」ってみんな思ってると思うんです。そこで「痛すぽ」を使って、ぐっとこういう人たちを盛り上げていけないかなと、ずっと考えてまして。

これはうちらのやる事業、「痛すぽ」に限らず全部そうなんですけれども、こういう形で同人作家・同人声優の方々を持ち上げていくようなことをやっていきたいなと思ってます。

今回ご紹介するのは、なでなでするとキャラクターの音声が流れる、抱きまくら向けキットなんですけれども。無線でスマホにセンサー情報を送って、スマホから音声が流れるという仕組みになっています。

これがそうなんですけれども。具体的にいうと、1回タッチするとセンサーでその情報をとって、それをスマートフォンのほうにBLEっていうBluetoothのLow Energyで送りまして、この送ったデータを元に音声をアプリのほうから流すというような仕組みになっています。

非常に単純な仕組みではあるんですけれども、なかなかハードウェアのほうが制作にあたって難しい点が多くてですね。今難航しながら、なんとか製品化に近づいているというような状況です。

先ほどお話した九州工業大学の「なでなでセンサー」というもので、これが布越しでも検知できて、なおかつ強さも検知できるという特殊なセンサーでして。今回これを使って、この抱きまくらに声を付けようということをやってます。

枕はプラットフォームであり、売るのは「音声」

内村:ビジネスモデルとしてはこういう感じです。絵師さんからカバーのイラストをいただいて、このカバー+「痛すぽ」をECサイトで販売するわけです。その支払いの数パーセント、正確に言うと今15パーセントでやっているんですけれども、それを作家さんのほうにお返しするという仕組みです。

なおかつうちで音声を組み込んでいただいて、その音声をユーザーのほうに販売するわけです。販売した音声の利益のほうも、これもだいたい10パーセント前後をお支払いするような形です。

結局このビジネスというのは、単なる物売りではなくて、アプリで音声を売るというのがメインのビジネスになってくるので、例えばハードウェアが1万個売れると、それがプラットフォームになって、音声がそこに流し込めるというような仕組みです。それを売りにしていまして、そういう感じのモデルになっています。この辺はちょっとあれなんですけれど。

B2B2Cというのもやる予定です。こちらは結局、メーカーさんがコンテンツを持ってらっしゃるんですね。たとえば、あるアニメキャラクターの版権を持ってらっしゃるところに、うちがセンサーを卸すわけです。

するとそのコンテンツを持っている会社が、自社の抱きまくらと抱きあわせでうちのセンサーを売るわけです。音声も自ずとセットで売るんですけれども、その売ったものに関してセンサーの代金を当然いただくわけです。

音声についてもそのプラットフォームの使用料として何パーセントかいただくような形です。そういう感じで広めていこうかなということを今考えてまして、B2C+B2B2Cというような、こういう仕組みでやっていこうと思っています。

音声のほうはAPIを公開したりとか、アプリ自体を提供してその手数料をいただくような形で、ちょっと結構お固い感じのビジネスなんですけれども。手堅くやっていこうということで、こういうことをやろうと思っています。

クラウドファンディングで目標金額の700パーセントを達成

内村:今チームはこういう感じでやっています。3人でやってるんですけれども、1人が僕と同じ大学だったんです。もう1人が今大学を辞めて、元々オタ系のイベントで知り合ったんですけれども(笑)。その経緯がちょっとおかしいんですよ、その中で。そういうこともあります。

(映してはいけないスライドが表示されてしまう)

(会場笑)

この辺はちょっと、秘密なんですけれども(笑)。原価はすごく安いです。こういう感じで。あ、この辺はちょっとヤバすぎますね。すいません。非常にまずいものを(笑)。

(映してはいけないスライドが続いてしまい、プロジェクターへの接続を断つ)

(会場笑)

これが「Makuake」さんで(資金を)集めたときのものです。373万円で700パーセント以上集めています。50万円が目標だったんで、700パーセント以上ですね。こういう形でやっています。

これが先ほどご案内した今回の提案で「御社がお持ちのキャラクターで、音声付き抱きまくらをつくりませんか?」ということで、いろんな所にこれからご提案していこうかなと思っています。

この辺は先ほとご案内したんですけれども。実績はこういう感じでいろんな展示会に出たりして、いろいろ活躍しています。

代アニとのコラボオーディションも開催

内村:今回ご案内したいのが、このボイスオーディションというのをやるんですけれども。代々木アニメーション学院の福岡校とコラボレーションして、代々木アニメーション学院の生徒さんに、うちらが用意したキャラクターに音声を吹き込んでもらう、というようなものをやる予定です。

こういう感じで、これはうちのキャラなんですけれども。こういういかにもな感じです。(注:画像の左から)これが1つのキャラで、もう1つのキャラがこのキャラなんですけども、これは「フリープ」さんの関係でつくってもらったものです。

これが今いる全キャラなんですけれども。「枕葉リナちゃん」というのが、僕が最初に考えた僕好みのキャラクターです。「ユカちゃん」というのはそのお姉さんなんですよ。この後の2キャラはファンタジーな感じで今やっています。

(会場笑)

このオーディション、今度の7月20日に絶賛やってます。公開オーディションで小倉の「あるあるCity」でやりますので、もし足を運ぶ機会があればぜひいらっしゃってください。

なで方の強弱を認識して、声パターンが変化する

内村:遅くなりましたけれども、実演のほうをやっていきたいと思います。

(会場拍手)

内村:ちょっと、電源が切れてるみたい。あ、きました。

抱きまくらキット(以下、まくら):なでなでされるの、すきだよー。

参加者:おおー!

内村:という感じで、今のがなでなでなんですけれども。強くなでると、もっと違うの(パターンの音声)が出ます。今、強くなでたんですけれど。これですね。

まくら:う~ん、もっと優しくできないの?

内村:という感じで、声が出ます。この辺とかにセンサー入ってるんで。

まくら:なでなでされるの、すきだよー。

内村:これが強くなでるときで、軽くなでると……。

まくら:いやーん、くすぐったいよー。

内村:こういう感じです。

参加者:いいー!

内村:要するに、タッチでもわかるし、軽くなでるのもわかるし、強くなでるのもわかるし、叩くのもわかるんですよ。叩くのはちょっと今うまくいってないんですけれど、まあ、でも叩くと……。

まくら:もっと優しくできないのー?

内村:これが叩くです。非常にうまいこといきました。本当はこうやって寝てやるんです。こういう感じで(笑)。

参加者:欲しい~!!(笑)

まくら:なでなでされるの、好きだよー。

(会場笑)

内村:いたって健全なものですね。今後の展開としては、あまりエロに走らないようにとみんなから言われてまして、僕も走る気はあまりないです。抱きまくら自体は、本来健全なものだと思っているので。現状、エロがあまりにもあふれているので、そこをなんとかしたいなと。

問題提起でもありますし、真面目に取り組んでいこうかなと思っています。という感じで以上になります。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

声のパターンは1500種類、キツめのセリフも・・・

司会:いや、すごいですね。ぽかんとされていますが、質問のある方はどうぞ。

質問者:すいません。1点だけお伺いします。先ほど叩かれたときの反応ですが、これは「ぶって、ぶって」にカスタマイズしていただくことも可能ですか?

内村:すぐにできます(笑)。今、1キャラにつき500パターンの収録が終わりましたので。3キャラで1500(パターン)はあるんですよ。だから「ぶって、ぶって」みたいなのもあります。

質問者:あるんですか、すでに!(笑)

内村:あります。もっとひどいのもありますので、お楽しみに(笑)。

(会場笑)

質問者:ありがとうございます。

司会:ご購入決定ですね(笑)。他に質問のある方、いらっしゃいますか?

質問者:音声を話されている方っていうのはお知り合いか何かですか? それともプロ?

内村:プロの声優さんです。私の知り合いというか、もともと別の事業で知り合いになったんですけれども。ちゃんとした声優業者さんで、ある程度知名度のある声優さんでやってます。

質問者:名前は内緒ですか?

内村:言えます。桜木アミサさんっていう方です。今の方は、えーと何とかっていう……。好きなものに関しては覚えているんですけれども……。

(会場笑)

質問者:特にその方でないといけないみたいなことは?

内村:やっぱり僕のイメージの中で声がフィットしたんで。そこが一番大事ですね。

質問者:声優そのもののオーディションをやったりなんて考えてないですか?

内村:はい。それを考えてます。声優オーディションではそれをやる予定です。

質問者:ちなみに、私アドバイザーをしているんですけれども。もし良かったらそこでぜひ、ちょっと確約はできないですけれども、コラボなんか。もしよろしければ。

内村:ぜひ。(画面の)拡大ってできますかね? 例えば「あんたなんか、私のほうがずっと偉いのよ」とか「信じらんない。私がこんなに優しくしてあげてるのに」とか「この変態! 近寄んないで」とか、そういう感じの結構キツいのもありながらという感じです。いろんなセリフがあるんですけれども。

質問者:これを機にぜひ、あとでちょっと名刺交換でも。

内村:ぜひ、よろしくお願いします。

萌えに留まらない「痛すぽ」の可能性

司会:ありがとうございます。他に質問ある方はいらっしゃいますか?

質問者:ありがとうございました。非常におもしろい話を聞かせていただきました。僕、ずっと遠距離恋愛が長かったんですけれど、いわゆる遠距離恋愛をしているカップル向けにこういうのを提供できると、遠距離が原因で別れちゃうカップルが少し減るんじゃないかなと思ったんですけれど、そういう感じではどうでしょうか?

内村:すいません、興味がない……。

(会場笑)

質問者:すいません。愚問を。

質問者:基本的に3次元とかどうなのかなっていう問題意識を持っているので。ちょっと(質問に)センスがないなって、思いました(笑)。やっぱり、(質問者が)すでに○○さんに見積もり出してるあたりがデスクトップから感じ取れる辺りが。

(会場笑)

質問者:見えてない? みんな(PC画面)見えてないよね? たぶんソーシャル苦手な人が多いから、わからないと思うんですけれども。僕「KOEBU」っていう声関係で、製作委員会とかラノベからのアニメ化の深夜のDVDの販売をどうやっていくとか、結構マーケティングでいろいろお手伝いしてますけど。

やはりDVDとかは全部、基本的にこれオプションで、ものすごく、B2B2Cのでビジネスの可能性、マーケットの可能性をものすごく感じるなと。ぜひ、鹿児島発という形で鹿児島の過去の偉人の方もさらに擬人化していただいて、そういう声も展開していただけたらなと(笑)。ぜひ、お願いします。ありがとうございました。

内村:そうですね。ありがとうございます。その意見、いただきました。

(会場拍手)

司会:内村さん。ありがとうございました。