スマホ・ビジネスの第一線で活躍する3名が登壇

小林雅氏(以下、小林):みなさん、こんにちは。今回のセッションは、スマホの第一線で活躍するプレイヤーの方々に登壇をしていただいています。

サイバーエージェントの宮﨑さんが役員会が終わり次第合流されるので遅れていますが、3人の方をご紹介したいと思います。私の隣に座っているのは、スマートニュースの鈴木さんです。よろしくお願いいたします。

鈴木健氏(以下、鈴木):よろしくお願いします。

小林:続きまして、メルカリの山田さんです。

山田進太郎氏(以下、山田):よろしくお願いします。

小林:そして、LINEの舛田さんです。

舛田淳氏(以下、舛田):よろしくお願いします。

小林:昨日も「よく旬なところを集めましたね」と言われたんですが、ちょうど今日LINE MUSICの発表をされているんですよね。私はそういうのを全く聞いてなくて、旬なテーマをたまたまIVSに合わせてもらったんですが、今日も本当は大変だったんですよね?

舛田:うちのチームからは、「IVSに行くな」と言われたんですよね。「ローンチしてる日に行っている場合じゃないだろ」と言われたんですが、ちゃんと来ました。

小林:ありがとうございます。そのあたりの裏話も後で伺いたいと思います。

今回「最近のホットトピックは何ですか?」というのを聞いていますので、自己紹介をかねてプレゼンしていただいてから、自由闊達に議論するセッションにしたいと思います。それでは、鈴木さんから自己紹介とホットトピックについてお願いします。

世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける

鈴木:スマートニュースの鈴木です。ちょっと風邪を引いてしまいまして、今朝から顔が青白いと言われている状態ですので、変なことを言うかもしれませんが許してください。

会社のホットトピックの前に、個人的な話で申し訳ないんですが、研究活動をしていまして、『なめらかな社会とその敵』という本を2年前に出させていただきました。

それに関連して半分宣伝なんですが、養老孟司さんと対談する本が発売されます。

小林:おめでとうございます。

鈴木:ありがとうございます。タイトルが『文系の壁』という、壁シリーズに組み込まれているんですが。僕は「どういう社会システムを将来デザインするか」ということを話しています。

「『唯脳論』の先にある、なめらかな社会の可能性」という内容の対談をしていますので、もしよかったらAmazonでポチッと押していただけたらと思います。

続いて法人の話になりますが、スマートニュースというのをやっています。

小林:ちなみに、スマートニュースを使っている方はどのくらいいます?

(会場挙手)

鈴木:すごい! ありがとうございます。

スマートニュースは好評をいただいていますが、知らない人のために説明をすると、サクサクと良質なニュースが読めるアプリで「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」ということをミッションとしています。

世の中、すごい勢いでコンテンツの数が増えているわけですが、その中から最も良質な情報だけを集めてくる。それを「集合知」を使って、編集チームではなくエンジニアリングの力で、機械学習の技術を使って配信しています。

今朝方、ユーグレナの出雲(充)さんの話に「栄養バランスが大事」ということがありましたけれども、僕らも「情報における栄養バランス」というものを考えてやっています。1個1個に偏った情報ではなく、パッケージ全体として、多様で良いバランスで情報が受け取れるものを目指しています。

最近のApp Annieさんの調査では、スマートニュースは「非ゲーム系アプリのMAU」で日本9位に上がってきました。もちろん1位にはLINEさんがいるわけですけども。その後に外資系のアプリがバーッとあって9位にスマートニュースというところまで来ました。

これはダウンロード数なんですが、今年の2月に1000万DLを突破しまして、今は1200万を突破しているところです。

これはNielsenのデータです。月間アクティブユーザーが429万人ということで、他のニュースアプリを抑えて今、国内1位となっております。

特筆すべきなのは「月間総訪問時間」でして、要するに1人あたりの訪問時間が長いと。すごく長時間使っていただいております。

広告事業も去年の2月に開始しまして、アプリのインストール広告など400社くらいの広告主さんに広告を出していただいて、順調に立ち上がっています。もし興味がある方がいれば、私ではなくて広告事業を担当している川崎に話しかけてください。

アメリカのほうも、去年の10月にローンチをしました。こちらも順調に成長して、月間アクティブユーザーも100万人を超えています。かなりたくさんのメディアパートナーとも提携ができまして、TIMEさんですとか、USA TODAYさん、AP通信さんなど80社以上と提携関係を持つことができています。

次の主戦場は「身体化するインターネット」

鈴木:真面目な性格なので「次の主戦場はどこか?」と聞かれたので、考えてきました。ニュースや音楽という個別のアプリケーションの視点ではなく、将来スマートフォンがどうなるかをより抽象的に考えると、おそらくEmbodied Internet「身体化するインターネット」がくるんじゃないかと思います。

1つはスマートフォンがRemote Controller、「リモコン」になるんじゃないかなと思っています。例えば、僕は最近ドローンで遊んだりするんですけど、ドローンのインターフェースってスマホやタブレットになっていますよね。

実際、本当にちゃんとドローンを細かく操作しようとしたら、物理的なコントローラを使わないとできないんですが。それは技術が未成熟だからで、操作される対象であるドローンの「自律制御」の技術が上がれば問題はなくなると思います。

他にもUberでタクシーを呼ぶというのもある種「リモコン的な体験」ですよね? つまり、世の中のありとあらゆるフィジカルな物に対して、何らかの操作をしようと思ったときにスマートフォンを通して操作をすると。

それはドローンの操作かもしれないし、車を呼ぶことかもしれないし、ドアをロックすることかもしれない。ありとあらゆる物がリモートコントローラー化してゆく、それによって「人間の身体というものが拡張していく」ことが起こるだろうと。

もう1つがWearable Hubで、みなさんも感覚的に理解していると思うんですけど。結局、アップルウォッチが通信するときには必ずアイフォンを経由しますよね? これから、さまざまなウェアラブルなデバイスが普及していくときには、必ずスマートフォンを経由するわけです。ウェアラブルデバイスも「身体を拡張させる物」ですけど、そのときにスマートフォンが「ハブ」になると。

この2つが1個のデバイスの中で計算処理されることが、ある種「おもしろい相互作用やイノベーション」を起こしていくんじゃないかと思っていて。僕らは手出しできないところなので、AppleさんとかGoogleさんに「OSのレイヤーでしっかりやっていく」というところを、ぜひ目指して欲しいなと個人的には思っています。

小林:ありがとうございます。議論はのちほどということで、次は山田さんお願いします。

スマホから簡単に使える「フリマアプリ」

山田:メルカリの山田です。よろしくお願いします。

メルカリというのは、スマホから簡単に使える「フリマアプリ」です。特徴としては、購入時の支払いが一般的な方法でできるところと。購入した後に商品が届いてから、お互いに評価をしてから、お金を引き渡す安心なアプリになっています。

現状では、日本で1500万ダウンロード、USでは200万ダウンロードと順調に伸びてきています。最終的には「全世界」というイメージを持っていて、例えば「日本で出品した車をアフリカの人が買う」というところまでを目標としています。社員は150人くらいで、結構長くやっているように思われているんですけど、2013年2月に設立されたヤングな会社です。

小林:「ヤング」って久しぶりに聞きましたね(笑)。

山田:(笑)。ホットトピックなんですけど、会社としてはMercari USアプリの改善をしています。リテンションとか購入率のKPIはここ半年くらい、いい感じに伸びてきているんじゃないかと思います。あとは「採用」が課題だなと思っていまして、なかなか良い人を採るのが難しい。採っても辞めてしまうというところがありまして、今は本当に競争ですね。

今はGoogleやFacebookも採用意欲がものすごく強いというところと。いわゆる「メガベンチャー」と呼ばれているUberやAirbnbも採用に力を入れていますし、一方でY Combinatorを代表とするインキュベーターが支援するベンチャーも無数にあるので、ベンチャーとの取り合いもあります。

なかなか難しい局面なんですけど、「我々は日本から来てるから、USはあなたたちがイニシアチブを取ってやっていけますよ」というところを売りにやっていこうと思っています。

今日、みなさんに聞いてみたいことで、ビデオ(動画)については後で議論したいと思うんですが。さっきも(鈴木)健さんの話にありましたけど、ウォッチとかOculusなどの身体的なデバイスがおもしろいんじゃないかというところと。

ちょうど今日LINE MUSICが出ましたけど、「音楽系のところがどうなっていくのか?」というところと。あとは個人的に「755はどうなんだろうな?」というのも聞いてみたいです。

小林:それはじゃあ、宮﨑さんが来てからですね。

山田:はい。宮﨑さんが来てから聞いてみたいなと思います。

小林:ありがとうございました。