「鈴木おさむ氏の育児休暇」について

堀潤氏(以下、堀):オピニオンCROSSのコーナーです。このコーナは専門分野に長けた論客の皆様に独自の視点で今、知るべきニュースを思う存分お話いただきます。

榎本麗美氏(以下、榎本):改めてゲストをご紹介します。フリーアナウンサーの竹下佳奈さんです。お願いします。

竹下佳奈氏(以下、竹下佳奈):よろしくお願いします。

榎本:そして、弁護士の元榮太一郎さんです。よろしくお願いします。

元榮太一郎氏(以下、元榮):よろしくお願いします。

:どうですか? 竹下さん、初登場ですけれども。

竹下:いやいや……、緊張してきました!

:今ですか! もう1時間くらい放送してます!(笑)

竹下:なんですけど、やっぱり、ここ緊張しますね!

:ここねぇ。やめますか?

(スタジオ笑)

竹下:やります!

:それでは、竹下佳奈さんよろしくお願いします。

竹下:こちらです。

(テーマ「鈴木おさむさん "1年の育休"へ」について)

榎本:放送作家の鈴木おさむさんが6日、おそよ1年間の「育休」をとることを自身のブログで発表しました。

:何かと話題になる鈴木おさむさんと森三中の大島さんですが、6月22日にめでたく第1子を出産されました。笑福くんという名前で。笑う福、ですね。テレビの放送作家業は休むんですけれども、脚本などの執筆業は続けると。なので、育児をしながらお家で仕事ができますね。

育休を、父親になるための「父勉」と称すということから、なかなか、なるほどおもしろいなと思いましたね。

1年間旦那がずっと家にいるのは…

竹下:2人の注目度が高いというのはもちろんなんですけど、これだけの大きなニュースになるということ自体が、やっぱり日本では、育休というものがなかなか取られていない、珍しいから。

:珍しいほうだと。制度があってもね……。

竹下:ニュースになってるんだなと思うので。これがニュースにならないくらい、当たり前になるといいのかなという。きっと、鈴木おさむさんも、そういう思いで発表したりとかしているかな、というふうにはみてるんですけどね。ただ……。

:ただ。きました! こっからです。

竹下:やっぱり、お金があるから……はい。1年間休めるのかなっていうのが。

:蓄えもあるでしょう。

竹下:という正直な気持ちはあってですね。

:あと、会社組織ではないから、ある程度どこにいても自分の技能を発揮すれば、それはお金に返ってくる。ちょっと、組織とは違いますしね。サラリーマンの状況とは違いますからね。

竹下:実際、自分も旦那さんに育休を1年間取ってほしいかといえば、正直思わないんですよね。

:なるほど。

竹下:それは、一番は金銭的な面ですし。もう1つ、1年間旦那がずっと家にいるのかな……って考えると……。

(スタジオ笑)

:そんな熟年カップルじゃないでしょ?(笑)

竹下:リアルなところ、周りの友達に聞いても、「1年はいらないんじゃない?」っていう。ただ、「育休がいらない」ってわけじゃないんですよね。必要な時に、さっと休める環境だったり、空気作りをしてほしいっていうのが。やっぱり周りの友達もみんな……。

:おっしゃる。

竹下:はい。

勤務形態を選択できるのがベスト

:確かに僕も、アメリカに留学している時に、カリフォルニア大学の職員の方とかが、「育休なんだよ!」って言って。

「でも、仕事来てるじゃん!」「選べるんだよ、いろいろ選択肢が」半休、この日は休むとか、いろんなオプションがあって。必ずしもガツンと休んで、じゃなくて。「時短勤務にする時。ちょっと3日間ぐらい休める。トータルで1年間で、自分の働く時間はこれだけって決められるんだ」って言ってて。あぁ、いいオプションだなと思いました。

竹下:いいですね! そういうのは理想だと思います。

結局、育休を取っちゃうと、お給料は出ないんですよね。ほとんどの会社では。ハローワークで手続きをして、雇用保険に加入していた方だけが、お給料の5割から7割くらいしかもらえないので。実際、金銭的に厳しいっていうのは絶対ありますし。

:しんどいですよね……。

竹下:ただ、子供がちっちゃい時ってよく熱出したり、風邪ひいたりするんですよね。その度に、お母さんも一緒に風邪ひいたりすることがあるので。

そういう時に「お願い! 今日明日休んで!」って言った時に、「あ、いいよ!」って言って、すぐ休んでくれたりとか。それを会社も「どうぞどうぞ」と言ってくれる環境があるといいなぁっていうのは思いますね。

:これ、どうしますかね……。子育て環境を整えることと、一方で生業を成立させながら普通の生活を営めるかどうか。どういうやりようがあるんでしょうかね?

フランスの育休制度について

元榮:旦那さんも、柔軟に休みが取れたり、半休とかも含めて取れるような形で、夫婦が子育てを分担できるっていうような制度にしていくっていうのもいいと思いますし。

ベビーシッターとか、待機児童の問題を解消していくとかで、全部セットで合わせ技一本でいろいろな働き方ができると。

こうやって、「1年間休む」って人も。鈴木おさむさん、相当激務だと思うので、こういうのきっかけじゃないと、「休む」って言えないみたいなところもあったと思うんで。そういう生き方もありですし。

やっぱり、生まれた直後から、フランスなんかそうらしいじゃないですか。2週間くらい休んだら、現場復帰でしたっけ。2週間とか1カ月とかくらいで復帰できるような社会の後押しっていうのもあっていいと思いますし。多様化していること自体が、すごくいいかな、っていうふうに思いますね。

1カ月以上の育休を取得した人はいる?

:さぁ、みなさんの意識調査を見てみましょうか。「あなたの周りの男性で1カ月以上の育休を取得した人はいますか?」ということで。「いる」「いない」せーの、どん!

やっぱり、「いない」が1386票ですから、「いる」に比べると、10倍近くある。まだまだですね。

竹下:そうですね。会社によっては、「育休」という形じゃなくて、「サポート休暇」みたいな形で1年とかじゃなくて、1週間や2週間とかで取らせてくれるところも実際にはあるみたいで。そういうほうが、取得しやすいみたいなんですよね。

:でもね、正社員ベースの話じゃないですか。今のも。今度「非正規の現場どうなの?」っていうと、余計にさらに難しくなってきますよね。そういう労働環境に対応した細かいオプションっていうのを作っていく、これが必要ですよね。ありがとうございました。

竹下:ありがとうございます。