若いうちはまず、やってみればいい

質問者:けっこうざっくりした質問なんで。自分がホンマに大雑把に持っている夢があるんですけど、アメリカで日本茶を売りたいっていう夢があって。しかも今インターネットとか見ていると「おーいお茶」とかめっちゃアメリカで人気で。行くなら今やなって思うんですけど。飲食業を一回生(大学一年生)からいきなり海外で展開するのってムリだなっていうか、難しいのかな、どうしよう、でもやりたいって思ってて。アドバイスを欲しいなって思って。

国光:でも一番いいのはとりあえずネットで英語のサイト作ってみて。そこで一旦販売してみるみたいな。そこである程度形になったら……。それだったらお金かからへんしね。

真田:お茶の葉っぱを売りたいのか、それとも飲食業ってことは店舗をやりたいのか。どっち?

質問者:お茶そのものをまず売って、お茶の味を知ってもらってから、家でも楽しめるようにお茶葉を売りたいんですけど、お茶葉だけ先に売ってもみんな淹れ方知らないから売れないかなって思って。だったらカフェみたいな感じで展開していったほうがいいのかなって思っているんですけれど。

真田:究極にやりたいことはお茶の葉を売りたいわけね? その手法として日本茶のカフェをやりたいとそういう順番ね。

質問者:はい、そういうことです。

真田:若いんだからやってみればいいじゃん。それだけでしょう。

小野:解決になりましたでしょうか。ではやってみようということで。

質問者:はい、やってみます。

小野:ありがとうございました。

国光:がんばれー!

1つの成功の裏に、9個の失敗

質問者:特に投資家の方々にお伺いしたいんですけれど、こういう起業家、経営者の方々で「こういうのはダメだ」っていうパターンをお伺いしたくて。2つのレイヤーでお伺いしたくて、スタートアップの時点で、そもそもコイツは人間としてダメだみたいな簡単なレイヤー。

それとこっちが本当に聞きたいんですけれど、いま隣にいる方々は企業を運営されている方々であって熱量もあって意識も高くて知識もあり経験もあり、しっかりやられていると思うんですよね。それでも失敗される方が多いじゃないですか。そういう、ちゃんとしているのに失敗されている経営者の方、ドツボにハマったなというパターン……。

小野:ちなみに質問の意図としてはダメになるには、ドツボにハマるにはどうしたらいいか。どうしてもそうなりたいっていう質問ということ?

質問者:いえいえ、どういうパターンの失敗が多いのかなっていう質問です。よろしくお願いします

川田:失敗のパターンって本当にいっぱいあって。よく言うじゃん。幸福な家庭は同じパターンだけど、失敗している悲劇の家庭は色んなパターンがあるって。失敗しているパターンはすごくいっぱいあって一概に言えないんだけど、ネット系でよくあるのは、エンジニアがいないというのが典型的なダメなパターンで。

例えば、昨日もそんな話してたな。40歳くらいのおじさんが、割とどこかの業界でそれなりに人脈も持ってて力を持っている人が「起業したい」って出てくるケースがあるんだけれど、大体エンジニアがいないわけよ。おじさんのビジネス力だけでネットのビジネスを立ち上げようとするんだけど。

「エンジニア、プログラマーの方はどうするんですか?」というと「そんなのは外注すればいい」とか言って、そこらへんがものすごく浅い。そのパターンは必ず失敗する。だからネットでやる場合はエンジニアがきっちりいるというのがものすごい重要で、それが一つ。

あともう一つはですね。さっき成功と失敗の話をしていたんですが、ここにいる人は基本的に全員失敗しているわけ。基本的にはうまくいってるというのは氷山の一角で、その下に山のように失敗していて。ほんとに10個やって1個成功してたらそれでOKなんだけど、その裏では9個の失敗が必ずあるわけですよ。

だから大事なのは継続できるかどうか。ある確率×時間で何回勝負できるかで、いわゆる期待値って決まってくるじゃん。とにかく繰り返し繰り返しトライするというのが結構重要で。

僕も新しいスタートアップにけっこうお金入れるんだけど。ダメなパターンっていうのは基本的に失敗を繰り返して成功するまで待てないところが死ぬわけよ。一方で失敗し続けているんだけどなんらかの形で月次収入を入れている会社というのは、その後なんとかなるわけです。

DeNAだって月に一億円とか溶かしてたわけよ。だけど四年でなんとか黒字化して、そこからモバイルに転換してパーッとひらけていったんだけど、それまでは失敗の連続。その四年を耐えられるかどうかが非常に重要。ダメなパターンってこれも一つの典型なんだけど。大前研一さん。ケン・オオマエさん。

国光:なんで英語で言ったんですか(笑)

川田:大前さんが前回のIVSのセッションで来ていて。あの時の典型的な失敗パターンって言ってたのは、同じような人が集まったチームってダメなのよ。だから「仲間で集まりました」みたいのは、リーダーシップがうまく出ないっていうのもあるんだけど。共倒れかケンカ別れ。

それは本当に自分が(資本を)入れてる先を含めてみてもすごくよくあるパターンで。ダイバーシティがもうちょっとあったほうがいい。色んな年齢差の人とか、あと男だけじゃなくて女もいたりとか。つらい四年とか五年を耐えるためには色んな人が集まってたほうが耐えやすいかな。

あとはやっぱりプログラミングスキル。エンジニアリングスキルがあると日銭稼げるから。その2つがあって、あと時間頑張れると成功確率は僕は上がると思っています。

小野:いかがだったでしょうか。解決しましたか?

質問者:ありがとうございます。

自分だけの人生を送れるか

小野:それではそろそろ時間も迫ってきましたが。最後にそれぞれの方から、学生にせっかく今日来ていただいたのも何かの縁ですから。「どうしてもこれだけは言いたい」というメッセージをいただいて締めたいと思うんですけれど。国光さんから行ってみましょうか。

国光:最後真面目にいきますね。一番人生の中で大事なことって、小澤さんが最初に言ったことがまさにそうで、結局のところは自分だけの人生をどう送れるかというのが決定的に重要で。「人がこう言ってる、親がこう言ってる、周りがこう言ってる」っていうのは本当に関係なくて。本当に自分しかできない、俺がやりたいっていうのを見つけるということが一番重要なんじゃないかなと。

ただそういうのが簡単にすぐ見つかるわけじゃないっていうことも思ってて。僕も高校卒業してから大学行かずに「どうしよう」とモンモンとしてたときに、ちょうど神戸にいたんでそこで地震があって、その時にすっごい気づいたことが、人ってやっぱり死んじゃうんだよね、ちょっとしたことで。タンスが倒れてきて頭に当たったら死んじゃう。だから生きてると死んでるって本当に紙一重。

だから一番重要なのって、今日この瞬間死んだときに「まあいい人生だったよね」と自分で思えるか。ここの部分って結局人が「すごいね」とか言ってても、自分自身のところ、どれだけ自分がしっかりやってて、どれだけ自分が満足してるかっていうのは絶対に自分の中でわかるはずなんで。基本的には自分に正直に、一生懸命毎日を生きていくしかないかなと。

煮詰まったら環境を変えろ!

国光:とはいえ、なかなかやりたいことって見つからへんかなと。そのときに僕やったのはとにかく環境を変えようと。そのとき1995年だったんだけど、「このままじゃダメだ、とにかく海外行こう」と。当時「21世紀は中国の時代だ」って感じで言われてたんで。とりあえず中国行こうみたいな。とくに中国語もしゃべれなかったけどそこから中国行って、そこに四年間いて。

中国に四年間いた後で「やっぱりアメリカにも行きたいな」と思って。「でもアメリカ行く前にバックパックもしたいな」って中国国内とかチベットとかインドとか東南アジアとか中南米とかちょっとしたつもりで行ってたら、気づいたら二年間くらい経ってて。「ヤバイ、アメリカ行こうと思ってた」ってアメリカに戻って四年間くらいいて。合計10年間くらい海外に行ってたと。

結局その後縁があって、前の会社、アットムービーという映像系の会社を友達と一緒に作って映像やってて。その後独立して今の会社作って。結局今のところってモバイルのゲーム作ってるんやけど。結局、中国やめてアメリカ行こうっていう時に、中国語一生懸命勉強してやってきたのに全く意味なくなるじゃんみたいな。

で、アメリカ行ってた時に英語すっごい勉強したけど、(日本帰るときに)これ全く意味なくなるじゃんと。その後映像系入って一から一生懸命勉強してたけど、ネット入ったらまた意味なくなるって感じで思ってた。

でもいつの間にか気づいたらネット会社というかゲームの会社になってて、ゲームで世界をとるというときに、やっぱり中国語しゃべれるとめちゃくちゃ有利。英語しゃべれるとめちゃくちゃ有利やし、映像もめちゃくちゃ有利みたいな。だから今やりたいことができるって感じなんで。

一番重要なのは、今(やりたいことが)見つからへんって思ってても、とにかく目の前のことを全力でやっていくと力になっていって。いつかそれが見つかった瞬間にドンといくみたいな。とにかく見つかってなかったら環境変えるべき。今のところにいると見つからへんから環境変えて、他のところにドンドン挑戦していくというのがいいんじゃないかなと。頑張ってください。

小野:なるほど。国光さんありがとうございます。どの順番で行きましょうか。年功序列で下から行きましょうか。次に若いのは小澤さんですよね。小澤さんお願いします。

一生懸命やらないと、なにが良いかなんてわからない

小澤:挑戦っていうテーマでお話をして答えがあったかどうか分かりませんけれども。皆様方は多分僕らより若いと。下手すると半分くらいかもしれないと。挑戦って本当にいい言葉でね、挑むわけ。一生懸命、挑むんだったら挑んで欲しい。一生懸命ってすごく重要で。色んな意見あるかもしれないけど、受験勉強でも新卒の就職活動でもとにかく一生懸命やると。その先に何かが見えてくるから。変に斜に構えてバカにしたりするんじゃなくて、一生懸命やると。

その中から何かが見つかってきて「これをやりたい」というのが決まったら、今日議論があったようにトコトン人の目なんか気にせずやり抜けと。人にどうこう言われようが知るかと。それがすごく重要だと僕は思う。それは色んなことに挑戦したり挑んだりするとね、人より目立っちゃうから、あれこれ言われるわけだけど。それであれこれ言われても挫けないほど強い目的を持ちなさい。それで人に言われて心が揺らぐようだったら、それはひょっとしたら自分がやりたいことじゃないのかもしれない。

自分たちが何をやりたいか。見つかってないんだったら、国光さんが今言ったように目の前のことを一生懸命やりなさい。とある会社に入って上司から命じられたことを180%でやっていきなさい。必ず次の世界が見える。自分にとって何が得意か不得意か、何が心地よくて何かが心地よくないかわかる。それは一生懸命やらないと分からん。

スポーツやる、野球やるって言ったときにキャッチボールを2~3球して向いてるか向いてないかなんて分からん。千回ノック受けてみて、千回素振りしてみてもこれでも分からん。これを一年続けて二年続けて初めてわかる。皆はこれから社会に出ていくけれど体育会以外でそういうことをやる機会があるのかと。

僕は同世代のビジネスマンを見てて、そういう努力をしている、一生懸命やっている人が実はものすごく少ないし。自分自身を振り返ってみると、受験勉強がひょっとしたら最後だったのかもしれないと思った時期もある。これは俺はダメになるなあと思った。受験勉強が努力のマックスだったなんてありえん。

じゃあ俺にとって努力するタイミングというのは自分で作れると。受験っていうのは人に作られるもんだ。こんなもん他人に作られてたまるかと。自分でやりたいことは自分で場を決めて自分で頑張ると。そのときにインターネットが出てきた。インターネットってのは本当に素晴らしくて。自分自身の力を世界にまで影響力を及ぼすことができる。これが無かったときとあったときでは、全然世界が違う。

皆が生きている時代というのはインターネットが目の前にある。フル活用しない手はないぜ。インターネットを使って、自分が実現することが今よりも昔よりもずっとこれからはやりやすくなる。だったらこんな時代に生きているんだったら、江戸時代とか昭和とか5年前10年前の時代よりも、皆さんが世の中に対して価値を生み出すことが本当にやりやすくなってる。こんな時代に生きててやらないほうが損だって話。絶対に頑張ってほしいと思います。

ここにお集まりの皆さんは少なくとも一日潰してここに来ている。自分は頑張りたいと思っている方々だ。三分の一は見つかっていて三分の二は見つかっていない。そんな方々だったら、インターネットはもちろんツールの一つだから、使う使わないは自由だけども。そういう時代に生きてるということ。とにかく頑張って欲しいと。僕らはひょっとしたら頑張りきれてないかもしれないけども。皆はきっとやれると。頑張ってください。ありがとうございました。

小野:ありがとうございました。川田さんお願いいたします。

20代前半は病みやすい 病む前に踏みだそう

川田:僕、さっきも話しましたけれど、20年ちょっと前に、まだ19とか20歳の頃に真田さんと一緒に学生ベンチャーに首突っ込んでたんですよ。それが19、20歳の頃。そこからかなり僕は遠回りして、大学院行ってそれからコンサルティング会社に入って、それからようやく起業しているんですね。

僕は19とか20歳の頃から「いつかベンチャーを立ち上げたい」と、「いつかやりたい」って思ってたけど。そこから10年待ってたんですよ。僕ベンチャー初めて始めたのはDeNAが最初なんです。それは30歳のときです。10年間待ってたんです。なんで10年なんにも出来なかったかというと、やっぱり今思うと決められなかったんですよね。決めきれなかった。

待ちに待って、ようやくネットがきたんですね。これだったら今乗らなきゃだめだと。だけどインターネットのビジネス山ほどあるわけですよ。それこそ当時からポータルサイトからコマースからコミュニティから何から何まで色んなのがあるんですよ。どれにするのか。これも決められなかったんです。最後の最後まで。すごいずっと悩んでたんですね。

これはあんまり言ってなかったんだけど、DeNAは最初南場さんが、So-netの社長と話があって、「オークションやらないか」という話になって僕を誘ってきたんですよね。オークション私と二人でやろうよって。そのとき実は僕ほかにも色々オポチュニティはあったんです、コマースとかそれ以外にもネットの色んなビジネスで。

でも決めかねてたんです。それで結局休みとったんです、僕。マッキンゼーで休職期間とって。一ヶ月くらいかな。まず最初にオークションをちょっと調べてみようって。二日くらい調べたらもうオークションのトリコになってたんですよ。

「どれ選ぼうかな」と思って選ぶ目線で見てると決められないんですよ、いつまでたっても。だけど実際にやってみたらどうかな、っていう仮説をもって調べ始めると、熱狂するんです。たった一日、たった二日で。だから決められない、Whatがまだ決まっていない三分の二の人がいると思うんですけど、その人たちへのおすすめはまず一歩足を踏み出すということなんですね。

一歩足を踏み出した途端に、つまり実際に自分がやろうと思って調べ始めた瞬間に、あるいは何か準備して、お茶だったらお茶売るサイトを作るというふうに決めて2日くらい動いただけで入ってくる情報量が全然違うんですよ。悩んで選んでいる段階だと全然情報が浅いんだけれども、一歩足を踏み出した途端、情報がドワーッと山のようにくるから。次の方向性はどっちに進むべきかっていう意思決定がものすごい楽になるんですよね。

その一歩を踏み出せないでモヤモヤしてる時ってどうなるかって言うと、自我を見ちゃう。自分を見つめ始めて、内向的になって外を見ないんです。だから事に当たるんじゃなくて自分を見ちゃうんですね。自意識過剰になって、俺はどうだとかキャリアがどうとか考え始めると段々病んでくる。そういう時期なんですよ。皆さんがこれから社会人になっていく20代前半くらいって。

僕は病むのは危険だと思います。病む前に一歩踏み出す。悩むんじゃなくて問題を解く。具体的な一歩踏み出した瞬間にものすごい物事が具体的になるから。具体的になった後は数学の問題解くのと同じになるわけですよ。ものすごい気持ちが楽になります。だから僕は皆さんには病んで欲しくなくて。とにかく一歩、物理的に足を踏み出す。悩むのではなくてきちんと問題を解く、課題に当たる。そういうふうに動いて、この20代前半を乗り切ってほしいと思います。

小野:ありがとうございました。最後に真田さんお願いいたします。

インスパイアされた瞬間から行動を!

真田:今日は長時間お疲れ様です。今日は朝からたくさんたくさん色んな話を聞いたと思います。すごい大事なことは、前回も同じこと言ったと思うんですけど、「あぁ、いい話聞いたな」で終わってしまったら今日来た一日は非常に無駄だったということになりますね。知識は後に残ります。だから知識を得るためにここに来て、知識を得たんであれば、それはそれで価値があったと思うんですけど多分そうではなくてインスパイアされるものがあると思うんですね。

インスパイアされたものっていうのは、当然順番に減衰していって今の瞬間が一番高くて、今日寝るまでが高くて、明日起きたら今日より大分下がっていて、明後日になったらまた下がって下がって下がって……ってなっていくわけですよね。今日一日使って、人によっては名古屋から来ている人、東京から来ている人、そうやってお金も時間も使ってやってきて。

僕は必ず時間とか何かを使った場合は成果をしっかり確認するべきだと思っていて。企業でもそうだし個人でもそうです。この成果を確実にするためには、今日、このあと寝るまでの時間が僕はすごい大事だと思うんです。今インスパイアされている状態で行動出来なかった人が、そのインスパイアされたものが減衰していった明日とか明後日に行動を開始できる確率は普通に考えてどんどん下がるわけですね。

今日行動しない人が明日行動するか。いや、しないですよ。だから、まず今日感じたことを帰って整理して。紙に書くなりパソコンに打ち込むなりまず文字にしてみる。それで具体的に何をすべきか決めて、具体的な行動にする。僕はこの具体化なり具現化っていうことがすごい大事だと思うんですけど。

そうせずになんとなくボーッと考えて「面白かったなあ、今日は役に立ったなあ」。いや役に立ってないですから、何も行動しなかったら。何かの役に立ちましたか? 行動した人にとっては「あの時あそこで聞いて役に立った」んですけど。「今日は役に立ったなあ」って行動していない人にとっては結果何の役にもたってないでしょ。

読書でも全部そうだと思ってるんですけど、親にすごい怒られるんですけど、僕は本を読むと、物語や小説ではなくてそうではない本を読んだら、必ず捨てることにしてるんです。大事なページだけをちぎって残してそれ以外は捨てる。本を残しておく人って「いずれ読むかも分からないから」残してるわけですけど。残してると思うとまず読まないですし。残してあるっていう安心感があるとその本の中身が、また後で読めばいいと思うから、結局記憶に残らない。

だから僕は本は読んだら捨てる。その代わり捨てる前に復唱してこの本で俺にとって価値のあったことはここだということを暗唱して記憶する。授業でもメモをとらない、その場で暗記する。そういう主義なんですけれど。こういうところに来ても何か具体的な行動に結びつける。それで初めて結果役に立ったわけで。具体的な行動に結びつかなかった人は、今日ここに来たことは結果論でいうと「無駄だった」ということじゃないですか。

僕も昨日、一昨日とこのIVSの大人版、社会人版に出てて色んな話を聞いて。できるだけセッション聞いてる最中に「あ、これ使える」とか「なるほど、これいいな」と思ったことは、僕はその場でセッション聞きながら、担当者にメールで指示を出します。

じゃないと、せっかく2日間使って京都に来て時間使っているのに「へー。なるほど面白かったなぁ」だけじゃ全然役に立ってないことになるので、とにかく一個でも二個でも具体的な結果とか成果に結び付けないと。今日一日何してたのか、無駄だったなという話になるんで。僕はその場で聞きながら指示を出してる。「これ検討しろ」とかってやってます。

だから皆さんも、皆さんがこの場で指示を出せるのは自分自身だと思うので。今日帰ったあと、まず一つは「これをこうしよう」と感じたことがあって「これから俺もこうしよう、ああしよう」と感じたことがあったはずで、それを忘れないうちに文字にする。これは反復しますから文字にするとどんどん自分の中に入ってきます。っていうことが一つと。

決めるから、気付く

具体的にさっき川田さんも仰ってたけども一歩踏み出す、何か行動にしてみる。本当に踏み出すと、たとえば街を歩いていて、仮にラーメン屋をやろうと思ったら、今まで気付かなかったラーメンの看板が見えるんですよ。

ラーメン屋をやろうと思ってなかった人にはそこにラーメン屋があったことに気づかないんですけど、やろうかなと思い始めてやろうって決めた瞬間に今まで歩いてた通学の道に「ここにもこんなラーメン屋があったんだな」とか「このラーメン屋、実はこの時間帯は意外に客が朝より入ってるな」とか色んなことに気づくようになる。

決めるから気付くっていうことが本当にあるんですね。決めた瞬間から色んな情報が入ってきます。今日の質問でも、失敗を恐れて、失敗について質問する人って「失敗しないでおこう」と思うから。それはそれですごい大事なことんですけど、「失敗してもいいからやってみる」っていう姿勢が若い時にはすごく重要だと思います。

ある程度年取って奥さんや子供が出来てくるとなかなか失敗できない環境になっていくわけです。失敗するわけにはいかない環境。

でも皆さん学生の間っていうのは、別に失敗して大丈夫です。まだまだリカバリーできるんで。なので失敗を恐れずにまずやってみるっていうのが僕はすごい大事だと思っています。「そうか、失敗を恐れずにやればいいんだ」と思って何もしなかった人は多分一生そのまま何もしない人生を送ります。

でもそれで具体的な行動を起こせた人は、ひょっとして今日をきっかけに別の人生を送れるかも分かりません。もしそうだったら今日ここに来たのは非常に価値が高かったと思います。この一日を無駄にするか無駄にしないかというのは、多分この後の寝るまでの4~5時間ここに懸かっていると思います。まず具体的な行動を。

小野:ありがとうございました。とにかく皆さん共通していることはまず行動に移さないとだめだとか、全力でやるということだと思います。今日は一日通して本当にお疲れ様でした。今日は、今のセッションも含めて本当に良かったなという人は、全力のスタンディングオベーションで拍手をするという形で締めたいと思います。ありがとうございました!

会場:(拍手)。