山中勇成さん、自己紹介

山中勇成氏(以下、山中):自己紹介しましょう。本名は山中勇成といいます。ネットではよく「みゆっき」って名前で活動しています。Twitter IDは「鳥居みゆっき」をローマ字で打ったものです。1994年11月28日生まれですね。もう18歳です。

18歳というと若いように聞こえるんですけど、僕は今高校生で4月から大学生なんで、高校生って言うのと大学生って言うのはやっぱり違いますよね。若々しさがないっていうか、もう若い世代の言葉で語れないんで、これが最後になるかなぐらいなんですけど。

次、さっきのTKMi君の話があったんで、好きな食べ物は漬物です。漬物類、結構しょっぱいものが大好きです。塩辛も大好きです。

1994年11月28日生まれの18歳ということで話をしていくんですけど、小学1年生のときに初めてパソコンにさわりました。きっかけといえば、きっかけですね。それから、その間はいろいろなインターネットで、例えば、ブラウジングしたりおもしろフラッシュとかを見ていたんですね。

小学6年生のときには自分でホームページをつくったり。全然そんな高度なことはしてなかったんですよ。なんですけど、中学2年生のときに、こんなドラマがあったんですね。ちょっと知ってる人いますかね?

今ちょうど話題の遠隔操作とかハッキングとか、そっち系の話なんですけど、この主人公の名前は忘れちゃったんですけど、高木君っていう主人公が、例えば問題の事件だとかにコンピュータを駆使してハッキングして、ストーリーを進めていくっていう物語なんですけど。

当時すごくこれを見てまして、こんな画面にこんな画面が、テレビに出てくるんですよ。「いや、かっこいいでしょ!」と。

画面見てたら、黒い画面にバーッと文字が出て来て、「うわ、かっこいいなあ!」と。これ、俗にいう「中二病」ってやつですね。

(会場笑)

中学3年生ではじめてサービスを作った

プログラミング……、かっこいいなと思ったけど、プログラミングってどうやって始めるんだ? と。自分、まだ全然何も知らないですから、ホームページで、brで改行とか、そういうぐらいはできますけど、プログラミングって何なんだろう? って。だからとりあえず本は買ってみたんですね。

Amazonで1,995円なんで、「うーん、買ってみてもいいかな」とこんな本を買ってみたんですけど。これ、「Hello,World!」っていうプログラミングの結構初歩の、一番初めにやるようなものなんですね。

こういうコード、英語の記号とかを書くと画面にこの文字が出る。すごい!

これ、本当に感動するんですよ。一番初めにできると。これだけですごいなと思うんですよ。でも、本を見てどんどん話を進めていくうちに、よくわからない言葉が出てくるんですよ。メモリだとか、ポインタだとか。

今もちょっとよく把握してないんですけど、たくさん出てくるんですね。『猫でもわかるC言語プログラミング』っていう本だったんですけど。

自分は猫より頭が悪かったと。

で、まあ、ちょっと一旦挫折をします。「プログラミング難しいよ。ちょっとこれは大変だな」みたいな。でも、また、中学2年生ぐらいのときに作りたいものを見つけたんですね。

あるサイトなんですけれど、そのときニコニコ生放送っていうのがすごく流行ってて、今、ニコニコ生放送って録画とかがあるんですけど、当時録画とかが見れないときで、それをどうにか録画を見たいなっていうものがあったんですね。

それでまた、今度は別の本を買いました。これ非常にお勧めなんです。

で、本を買って、「お? 作れた」と。これ、意外にすぐつくれるんですよ。自分の目標があると、本当に作りやすいんですね。

これは今はないサービスなんですけど、生放送の映像を1分おきに画像にしてっていう感じのサービスですね。こうしてプログラミングを覚えていきました。大体これを作ったのが中学3年生ぐらいのときなんですね。

高校1年生でドワンゴからオファーされた

それから、自分はニコニコ生放送とか生放送系が結構好きで、ニコニコ生放送と同じようなサイトを作ったんですね。こんな感じのサイトなんですけど、Ustreamやニコニコ生放送みたいに、ブラウザで普通に生放送をすることができるっていうサイトですね。こんなのを作ったりしてました。

それからあるときにはセキュリティーのほうにも手を出して、セキュリティーの穴をつく。本当に、今、この時期に言うとちょっと危ないんですけれど、そんなことをしていました。

自分はニコニコ動画というサイトが大好きで、ニコニコ動画でちょっとセキュリティーの穴を見つけて担当者の人に報告したりしていたら、高校1年生の夏休みごろにドワンゴから、「ちょっとうちに来てくれ」というメールが来て。

「いやあ、これは怒られるなあ」と思ったんですけど、結果的には怒られる内容じゃなく、「ちょっと君、是非うちで働かないか?」という内容で、15歳のときにドワンゴでエンジニアとしてアルバイトを始めました。

それから結構どんどんいろいろものが進んで、ドワンゴでいろんな知識を覚えたりしていたんですが、さっき矢倉君の話にも出ていた「未踏プロジェクト」というものなんですけど、実は自分も出ていて、矢倉君と同期に出ていたんですね。まあ、最年少の座は奪われましたけど(笑)。

そこで矢倉君と同じく、自分の作りたい企画を出して、お金をもらって開発するということをやっていたんですけど、自分はそこで「未踏」というのは、一次審査、書類審査があって、二次審査はプロジェクトマネージャーの前で、「こういう企画です」って発表する審査があって、それが選ばれたら採択されて実際事業になるんですけど、その後にさらに、今期の大体30名ぐらいいる中から数名だけ選ばれるスーパークリエーターっていう賞をもらいました。これは最年少ですね。矢倉君にこの座を奪われなくてよかったです(笑)。

「好きなものを見つける」ことの大切さ

これが、去年の11月の出来事ですね。なので、わりと最近でして、最近はこんなことをしていました。自分がいろんな人に言っているのが、「好きなものを見つける」。

ここに、お母さんとかお父さんとかいるかわかんないんですけれど、自分の好きなものを見つけるっていうのは結構大変なものではあるんですけど、見つけたほうがいいんですよ。

自分もこう見ると、すごくプログラミングが好きそうな人に見えるんですけど、実はTehu君みたいにいろいろやっていまして、公文もやったし、水泳もやったし、エレクトーンもやったし、結構いろんなことをやってるんですね。

今でもエレクトーンも好きだし、音楽系のことも結構大好きなんですね。好きなものを見つけるっていうのは、結構重要なことなんで、いろいろ手を出して手を広げて、あっちの方面、こっちの方面とかいろんな方向に行くのはすごくいいことだと思います。

このイベントのサイトを見ると書いてあるんですけれど、自分のテーマっていうのは「教育の必要性」って書いてあるんで……っていうのは、このタイトルを決めるのが大体1週間ぐらい前に決めろって言われたんですよ。

でも、1週間前に資料を作ってなかったんで、ちょっと適当に「教育の必要性」とかいうタイトルをつけてしまったんですけど、全然それの話をしてなかったので、最後にその話をします。

教育の必要性なんですけど、さっきも言いましたが、いろんな体験をするっていうことは非常に重要なんですけど、自分の学校は高校では珍しいのかな? 土曜日に授業がありまして、土曜日に授業があると、自分が行きたいイベントとかに行けない機会がすごく多いんですよ。

すごい、学校休んで行きたいけど、学校休むと欠席日数が……とかなっちゃうんで休めないんですけど、今の日本の制度的にも自分の好きなものに発展したいのに、学校の教育のせいで、自分の好きなものの手を塞がれるっていうのは、すごい改善していかなければいけないことだと思うんですね。

なので、「教育は必ずしも必要ではない」って言ってるんですけど、何かもうちょっといいやり方を日本ではできないのかなと。結局、さっきの話でもありましたけど、計算なんて今はパソコンがやってくれますから、発想が重要で、実際計算するのは、今そんな重要ではないかもしれません。

そんなこと言うとやっている人に怒られちゃうかもしんないですけど。ということで、「教育は必ずしも必要ではない」という結論でした。ご静聴ありがとうございました。

Tehu氏(以下Tehu):ありがとうございました。

学校の勉強は役に立ってない

Tehu:最後のスピーカー、山中さん。「教育は必ずしも必要ではない」というのは、ある意味、僕と矢倉のような灘の人間に対しては、否定されてるような感じになっているんですけれども、でも、僕もやっぱりそう思うんですよ。

本当、大賛成しちゃうわけですよ。僕、正直灘で勉強してるんですよ。どうでしょう? じゃあ、あえて勉強しないことによって何か損をするっていうのはやっぱりあると思います?

山中:勉強はしなきゃいけない。ちょっと言ったのが違うんですけど、教育は必要ではないんですよね。でも、勉強は必要かもしれなくて、自分の好きな方面の勉強、例えば自分だったらプログラミングの勉強っていうのは、今後いろんな言語を学んでいったり、いろいろ広げる上で必要なんですね。

でも、日本の学校で今やっている数学だとか、もちろん数学方面に進みたい人はそういうほうがいいですけど、プログラミングの方面に進みたい人に例えば国語だとか古文だとかやっても意味ないだろうと。そういう感じですね。

Tehu:そうですね。学校で学ぶことっていうのはやっぱりどうしても、数、国、英、理、社になっちゃいますよね。でも、それだけじゃないんだよ、ということですね。なるほど、わかりました。さあ、というわけで、会場から質問を承りたいと思います! いかがでしょう? いらっしゃらないですか? どうぞ。

質問者:どうも、お話ありがとうございました。最後に、「教育が必要ない」というふうにおっしゃっていたと思うんですけど、自分で自発的に勉強すればそこは必要ない、自分が必要なところを勉強すればいいという話だったと思うんですけど、ご自身は自分で興味を持ったところを突き詰めて勉強したと思うんですけど、教育を受けなかった、教育はあまり自分の身になっていないというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。そこの点をお聞かせください。

山中:何か、あんまり言っちゃうとイメージがすごく悪くなりますけど……。

Tehu:ぶっちゃけましょう!

山中:ぶっちゃけると、学校の勉強、一切役に立ってないですね!

Tehu:ありがとうございます!

質問者:教育っていうのは、学校での授業というふうな意味で……。

山中:そうですね。

質問者:わかりました。ありがとうございます。

学校に求めるのは好きなことを追求できる場所づくり

Tehu:ありがとうございます。あ、もう1個質問のほう出てますね。後ろの方。

質問者:お話ありがとうございました。「教育は必ずしも必要がない」っていう最後の一言、僕もちょっとおもしろいなと。でも若干ひっかかりを感じたところがあって、恐らく、ご自分で気づいて勉強されるからこそ突き詰められたっていうことだと思うんですよ。

本来の教育のあるべき姿って、僕は教え込まれるんじゃなくて、おっしゃるとおり気づかされることがすごく一番重要だと思っていて、ご自身で、学校の教育現場ではなかったかもしれないんですが、自分に「これがおもしろいんだ」とか「これが必要なんだ」と気づかせてくれた機会って何かありました? 人とか。

山中:結構、やっぱ、いろんな機会があるんですけど、例えばこういう場所ですね。こういう場所にスピーカーではなく、参加者として参加しているときに話している人のことだとか、あとは参加者の人同士の会話とか聞いて、「もっとこうしなきゃ」とかいうことはありますね。ただ、そういう場に参加するっていう意思自体がないとその方法はだめなのかもしれないんですけど。

質問者:ありがとうございます。

Tehu:まだありますけど、どうしましょう。じゃあ、そちらの奥の方。これを一応最後にしましょうか。

質問者:お話ありがとうございます。是非伺いたいのが、ご自身にとって学校が何を提供してくれたら一番うれしいでしょうか。

山中:はい。いい質問なんですけど……。

Tehu:ですね! どうでしょう?

山中:でも、自分、これから大学生になるんですけど、大学と高校って全然違うと思うんですね。どっちのことを?

質問者:じゃあ、今までの中、高。

山中:今までですか。今までか(笑)。うーん、今までか!

Tehu:何か、ないような雰囲気醸し出してますけど、大丈夫ですか?

山中:今までか……。ちょっと今までは……ないかな。じゃあ、大学の話を!

Tehu:いいですよ、どうぞ、どうぞ。

山中:大学は自分の好きな方面を本当に追求できるんで、いいと思います。あと大学の一番のメリットは時間がとれるというのがやっぱりすごく大きなことだと思います。高校だと時間とか全然とれないし。

Tehu:つまり、中学、高校も大学みたいになればいいっていう話ですか?

山中:そうですね。

Tehu:それ、極限の理想ですけどね。

山中:はい。

Tehu:というわけで、ありがとうございました。

制作協力:VoXT