英語のコミュニケーションにおける問題点

カン・スニ氏(以下、カン):会場からもお話を伺ったり、質問を聞いてみたりしたいなと思うんですけど。質問ある方、いらっしゃいますか?

質問者1:私の会社のオフィスは渋谷にあるんですがたまにリモート開発をしているんですけど。

日本語の場合ハイコンテクストで会話するじゃないですか。俺いつも口を酸っぱく「主語と目的語と述語はどれですか」みたいな注意をよくするんですけど。

海外にメンバーがいる場合、特に外国のエンジニアの場合そういうことってあまりないんでしょうか? 3人に聞きたいんですけど。

長永健介氏(以下、長永):日本人の立場で言うと、英語があまり得意でないので英語だと非常に簡単なことしか言えないですね。あと伝わらないとしょうがないので、中学生的な英文になってしまうと。ただそれで伝わることは伝わるので大丈夫という感じで。

あと基本やっぱり英語という言語自体がおそらくちゃんと主語述語というか、しっかりとした枠組みで書くようなものっぽくて。

フィリピン人が書く英語とかは全く問題なく、スタックオーバーフローが読めれば読めるぐらいの感じでできています。例外はイギリス人のジョーク交じりのやつで、あれは詩なので読めないと(笑)。そんな感じですね。

尾崎良樹氏(以下、尾崎):おっしゃる通り、英語って主語とか目的語を省略しちゃうと変に感じるらしくて。目的語を取るべき動詞がなかったりするとすごい不自然らしいので。そういうのはたぶん英語の言語的にちゃんと書かないといけないことになってるので、それでカバーされるんですけど。

当然itとか使っちゃうとわかんなくなっちゃうので、明示的なときは使いますけど、何指してるのかわかんないかもなってちょっと不安になるときは、僕はちゃんともう1回繰り返したりします。そこは個人的にはかなり気を使ってはいますね。

相川直視氏(以下、相川):直接的な答えじゃないかもしれないですど。僕たちは日本でもあるかなと思っていて。Githubの人たちはやっぱりいまここにいない人のことを考えて書こうっていうのをやっていて、それはすごい大事だなって思うのと。

あと具体的な解決法としては、フォーマットをちゃんとつくってあげるというのはあって。ウォンテッドリーはWhy, How, Whatみたいなものを結構やってる。Why, How, What は全部のGithubのIssueとかPull Requestに書くみたいなことをやって。日本人同士でも結構改善しているので、もしかしたら海外でも改善するのかなと思ったりします。

代蔵巧氏(以下、代蔵):僕は英語喋れないままフィリピンに行って。フィリピンに英語学習のために最初行ったんですけど。

そんなせいか、中学生レベルの英語、会話とか生活できるレベルの英語になったんですけど。何か指示を出すとかは簡単にできるようになってきて。ただ、抽象的なものをファシったりする会話とかは怪しくなったりするんですけど。

あと一番難しいのが賢いフィリピン人の使う、さっき言ったイギリス人の英語に近くて、すごい難しい単語をめちゃくちゃ使われるとやっぱり全然わからないというのがありますね。

参加者:じゃあ英語でコミュニケーションしてるほうが「これはどういう意味なんだろう」というストレスをあまり感じないという感じですか?

尾崎:逆にそうかもしれないですね。日本語だと曖昧な感じで通じて逆に誤解を生むかもしれないっていう。

長永:英語だとミーティング、特にビデオ会議とかがすごく短くなります。なぜなら英語をみんなあまり喋れないので、必要最低限なことしか言えない(笑)。

道がそれて「あれだけどさあ……」っていうのができない、みたいな。ミーティングが時間通りにきっちり終わるっていう副作用があったりしますね。

相川:Googleのときの経験なんですけど、アメリカにいたとき「あいつら何考えてるんだ」ってアメリカの人に結構言われて。僕が日本人として向こう行ってて、日本とミーティングしていて、(相手の日本人は)ほとんど喋らずに頷いているだけみたいな。

よくあるじゃないですか。「何考えてるんだ」「あいつらは納得してるのか」って。「俺もわからない」と(笑)。そういうことはないんですか?

長永:僕個人的に言うとビデオ会議とかではあまり喋れてないですね。ただそのぶんGithub上のイシューとかそういうところでは、辞書とグーグル翻訳というツールがあるので、それを駆使してたっぷり時間をかけて長文を書く、みたいなことでカバーするという感じではあります。

質問者1:ありがとうございます。

(会場笑)

エンジニアの特徴は国ごとに異なる?

カン:ありがとうございます。最後もう1人質問あれば承ろうかなと……お願いします。

質問者2:海外で採用されることって多いと思うんですけど、エンジニアとエンジニア以外の人で、インドネシアとかフィリピンとかそういった国で何か特徴とかあれば教えていただけるとうれしいです。

尾崎:それは「フィリピン人のエンジニアはこういう特徴があってインドネシア人の人は……」という話ですか?

質問者2:そうです。

尾崎:一応僕たちはフィリピン人とメインで仕事をしていて。あとは最近僕は、話しましたけど、ベトナム人のエンジニアとも面接したりしていて。

それで違うと思うのは、フィリピンのほうは基本的には性格はスペイン系で結構陽気なんですね。なので、あまり細かいこと気にしないみたいな人が多くて、ポジティブな人が多い。

一方ベトナムのほうって、中国的な性格なので、文化的に真面目で、熱心で。あとは国として理数系に力を入れているという話があるので、エンジニアも優秀な方が多いという話は聞いています。

数学オリンピックが世界で7位6位とか。そういうのものあって優秀なエンジニアの人が多いですね、ベトナムは。

あと採用で言うと、LinkedInを使ってやるというのは海外ならではかなと思っていますね。LinkedInに採用広告を出すのと、ダイレクトメッセージを結構送ってスカウトを直接して採用した、っていうのをわれわれやってますね。

代蔵:エンジニアの特徴というか、僕の下についたAndroidデベロッパーに限ってのことかわからないんですけど。

あちらの人って結構モノを完成させるまでは好きなんですけど。まあ日本人も変わらないと思うんですけど。完成してしまって運用のフェーズに入った瞬間に飽きるっていう。顕著に出てきて。

勤怠も悪くなりますし、コードも継ぎ足し継ぎ足し適当につくっていくみたいな状態になって。まあそういう人は辞めてもらったんですけど。そういうのがあってちょっと悲しい気持ちになりますね。

あと採用をしていても「アプリ完成してるのに何で採用するの?」っていうコメントがあったりもするみたいなので。

スタートアップ3社が求める人材とは

カン:そんなところでしょうかね。じゃあそろそろ時間も……

だいたい皆さんお察しいただいているかと思うんですけど、YOYO、Quipper、ウォンテッドリー各社ともに絶賛エンジニアの採用を行っていまして、最後、締めの挨拶に代えて各社から「こんなエンジニアが欲しい」「こんな人が欲しい」っていう熱いメッセージをいただきたいと思います。じゃあYOYOからいきますか?

尾崎:皆さん今日はありがとうございました。YOYOではポジションで言うと、Androidデベロッパーと、あとはWeb、バックエンド系というのが募集しているところではあります。

YOYOって海外ベースで海外向けのサービスをやっている、あんまりない日本人の創業でやってるところなので。Qipperさんもそうですけど。

いま伸びてる東南アジアにすごい興味があるとか、会社のビジョン「新興国の人々にインターネットを提供してもっと生活を豊かにしたい」というところに共感していただける方。あとはフィリピンに来て英語勉強したいなという方とか、フィリピンに来ると日本と違ってコンドミニアム、結構いいところに住めて基本的にジムとプールが付いてる、みたいな。

そういう暮らしもできるのが一応メリットとしてあるので、そういうのに興味がある方ぜひお話しましょう。ありがとうございました。

長永:Quipperも絶賛全ポジション積極採用中なんですけれど、特にいま求めているのがiOS、Androidのネイティブのモバイル開発に強い方です。

iOSに関しては現状いままだ社内にiOSの専任の人がいないので、逆に言うとしがらみのない状態であなた色に染めてアプリをつくれるっていうのがひとつアピールポイントかなと思います。

もうひとつは、Androidに関しては、某検索の会社で某地図のアプリをつくっていたという経歴を持っている凄腕Androidエンジニアがチームのリードをやっているので、ハイレベルな環境でAndroidエンジニアとして経験を積みたいという方はぜひチャレンジしてみてほしいなと思います。

あとは会社全体で言いますと、やっぱり教育のサービスで世界を良くしようっていう大きなビジョンを掲げているので、そこに共感していただける方、社会的意義のあることを仕事でやりたいと思っている方がおそらくフィットするのではないかなと思います。

それからやはりグローバルとか英語とかそういうところにチャレンジしたい「いきなり海外に行くのはちょっと」って思っているけれども「でももう少し背伸びしたい」みたいな方には、Qupper、特に日本のオフィスは最適な環境だと思うのでぜひご検討ください。ありがとうございました。

相川:ウォンテッドリーはまずはエンジニアの方もそうなんですけど、もしかしたらビジネスの方もいるかもしれないので、インドネシアとかアジアとかで「売り切ってやる」って「ウォンテッドリーの概念をなるべく変えないで展開してやるっていう気合いのある人がほしいなと正直に思っています。

あとは、ウォンテッドリーって採用の部分もあるので、日本に偏っている部分も結構あると思うんですね。

それをグローバルの視点で、インドネシアもやるんですけど、全体を見ながら全体に通用するようなサービスを一緒に探り合っていける人。データでもヒヤリングでも、全部含めてそういうことを考えていける人がほしいなと思います。

技術は、うちRuby使ってるんですけど、僕Rubyできずにこの会社入って。ほとんどの人がそういう感じなので、技術に関しては結構なんでもいいかなって思ってます(笑)。

尾崎:うちもPerlって結構推してたんですけど、全然いま新しい言語もハイブリッドで使っていきたいなと思ってるので。RubyとかGoとか。なので、そのへんは全然大丈夫です。

相川:一応Goは欲しいかもしれないですね。

カン:では今日ご登壇いただいたYOYOの尾崎さんと代蔵さん、Quipper長永さん、ウォンテッドリー相川さん、みなさんに大きな拍手をお願いいたします。ありがとうございました。