AWSとスタートアップは非常に相性がいい

高山博史氏(以下、高山):はい。そんな感じで今日やっていきますので、皆さん、よろしくお願いします。はい、またやりますよ。大丈夫ですか。「九州スタートアップナイト!」。では最初のプログラムですね。AWSスタートアップ支援プログラム、お願いします。

畑浩史氏(以下、畑):はい、皆さんこんばんは。完全に段取りを間違えて、高山が時間を5分ほど使ったので私の時間がないんですけど、簡単にいきたいと思います。ではお約束なので、皆さんグラス、缶ビールいいですか。はい、持ってください。行きますよ。「九州スタートアップナイト!」。

では飲みながら始めたいと思います。AWSスタートアップ支援プログラムの説明をします。アマゾンデータサービスジャパンの事業開発マネージャー、スタートアップ担当をやっております、畑と申します。スタートアップとAWSと。AWSでスタートアップとはどんなところが使っているのというところなんですけれど、例として1つご紹介すると、Airbnbですね。宿泊数のこんなグラフがあります。

2013年1月に400万人でしたと。それがなんと1年で1500万人まで増えました。

  いいですね。「オー!」とか「エー!」とか、どんどんやってください。気持ち良くなるので。それが裏で実はAWSを使っていて、EC2インスタンスの総数がこんな感じでグイッと上がったと。

ということで、AWSとスタートアップとは非常に親和性がよくて、このようにスケールしていくようなものに、特に良いというところです。AWS、5つのスタートアップ支援ということで、我々も非常に力を入れてスタートアップ支援をやっております。まず1つは、スタートアップ支援プログラム。

AWSがおこなっている5つのスタートアップ支援

AWS Activateというものをやっていて、無料クレジット最大5000ドルとか、有償技術サポートとかあります。これにどうやって応募するかはググってください。いろいろ書いてありますので。ちょっと色々ここで細かいご説明をする時間はないので、ググって確認してください。

2つ目、ソリューションアーキテクトによる技術支援ということで、先ほどは金銭的支援ですけれど、人ですね。人が、いろいろスタートアップが悩むような、アーキテクチャだったりとか、新しい機能をどう使ったらよいかとか、色々なそういう相談に乗るようなこともやっております。実は、ソリューションアーキテクトはこういうふうにゾロゾロいまして。

Amazonってクラウドで、外資で、本当に人いるの? みたいな話もあるんですけれど、こうやってゾロゾロいます。これは、2012年の夏ですね。これが着実にどんどんどんどん増えていきます。

最後2014年には、また、こういう形でさわやかになってくると。

この中の誰かが相談に乗るような機会もあります。ちょうど明日、福岡スタートアップカフェで10時から16時まで開催します。

スタートアップ関連イベントのスポンサーも

3つ目です。

支援策としてスタートアップ関連イベントということでいろいろスタートアップイベント、スポンサーとか企画とかやっています。明星アド和楽、TechCrunchとか、いろいろあるのですけど、スタートアップカフェのオープニングとかこんなこともやっています。

また宣伝ですが、明日「スタートアップなら押さえておきたいAWS入門」というのを、18時から20時で同じように、スタートアップカフェでやります。あとビール、ピザを連日無料で飲み食いできますので、ぜひいらしていただけたらと思います。

スタートアップマーケティング支援ということで、freeeさんという会計ソフトのクラウドサービスとか、Amazonのeコマースで販売したりとか、あとAmazonトップページに、これはコイニーさんですけれど、24時間出て、お客さんのリーチを高めるとか。

あとウェアラブルトイのMoffさん、この横にいるでっかいおじさんAamazonのCTOのWernerという人で、その人が来たときにMoffをつけて、Wernerが「超おもしろいよ!」みたいな感じでツイートしたみたいです。プロモーション支援とか、このような後方支援もやっています。

あと5つ目、スタートアップカフェの提携で、TSUTAYA天神さんの3階にちょうど10月オープンしましたので会員大募集しています。今もう200人いるって聞いていますけれど、AWS100ドル分のクレジットとか、技術支援とか、あとスタートアップのサービスが無料で使えるとか、このようなものもありますのでぜひご利用いただけたらと思います。

まとめますと、詳しくは明日のイベントに来てくださいというかたちになります。いろいろ支援やっておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。以上です。

5ヶ国、8つのロケーションにオフィスをかまえる「ヌーラボ」

高山:続きましてヌーラボ橋本さんから「世界が舞台! ヌーラボの裏側」。これウチの畑が勝手にバイラルメディアっぽいタイトル付けようかなと思いまして、つけたタイトルです! ご準備よろしいでしょうか? 橋本さん、ぜひお願いします。

橋本正徳氏(以下、橋本):ギルガメッーシュ?

会場:ナーイト!

橋本:知らない? そうですか(笑)。若い子知らない? すみません(笑)。何でしたっけ?

高山:「世界が舞台!」

橋本:「世界が舞台」(笑)。お話しします。もう出落ちで終わったかなと思うんですけど(笑)。

僕、橋本正徳といいます。正徳のほうが名前で、橋本のほうが苗字になります。株式会社ヌーラボのCEO兼創立者の1人という立場でおります。ヌーラボなんですけども、今順調にですね。

最近だと1ヶ月に1人ぐらいの感覚で社員が増えてきて、今28人のメンバーでやっています。3つのコラボレーションサービス、みんな大好きCacoo、Backlog、Typetalkのコラボレーションサービスですね。それをつくっています。

世界各国にオフィスを持とうとしていまして、今5カ国にオフィス、ないしはコミュニティマネージャーがいます。5か国っていうのは、まず日本、次にシンガポール、台湾、ベトナム、アメリカ、この5つです。

8つのロケーションというのが日本は、東京、京都、福岡の3ヶ所。アメリカのほうには、ニューヨークとアリゾナなどに、うちのスタッフ、デザイナーだとかコミュニティマネージャー、開発者などが現在散らばっています。今日はAWSということで、ヌーラボではインフラエンジニアを募集中です。やっているサービスは、Backlogという……。

ヌーラボが展開する3つのサービス紹介

ご存知ない方、<a href="http://www.backlog.jp/” >backlog.jpにアクセスしていただいて一度無料で使えるようになっていますので1ヶ月間ちょっと使ってみてください。プロジェクト管理ツールになります。おそらくですけれども、日本国内ではBacklogっていう名前はWeb制作とか、そこら辺に関わる方は知っているんじゃないかなと思います。細かなことはWebで。

こちらCacoo。ブラウザ上で図を書くツールです。Cacoo、知らないよっていう方、結構いますね。Cacooと書きます。ブラウザ上で図を書くツールです。さっき言いました(笑)。こちらが結構ヒットしていまして、世界中で使われていまして、今150万人です。なので、知らないって方のほうが少数派だと思っていただいていいです(笑)。こちらがTypetalk。

こちらはまだ知らない人が多いんじゃないかなと思いますけれども、チャットツールです。チームディスカッションツールとかって呼んでます。こちらもやっています。<a href="http://www.typetalk.in/ja/” >typetalk.inがURLです。

その3つのサービスを同じアカウント・パスワードでログインできるように、ヌーラボアカウントというのも準備しています。こちらを使えば、例えばBacklogのスペース、いろんな方に招待されちゃっていちいちログインが面倒くさいとかっていうときには、こちらを使っていただいたら、ヌーラボアカウントを使って、どんなBacklogのスペースにも、ログイン可能になっています。

その他Cacooだったりだとか、Typetalkだとかにログイン可能で、しかもBacklogを使っている方でTypetalkを使っている、とかいうと特別な機能がついたりとか、そういう裏技チックなこともありますので、ぜひヌーラボアカウントを使ってない方は使ってみてください。

国内ユーザーが15%しかいないサービス「Cacco」

今日のAgenda、去年末ぐらいのCacooの状況と、内側でなぜAWSにしたのか。あと現在取り組んでいる課題。こちらを解決したので、最近解決した課題というふうに、資料の中では変えてます。あとスタートアップの方へちょっとメッセージみたいなものを言われましたので、最後にスタートアップの方へみたいな感じでやっていきます。

最近のCacooの状況なんですけども。今150万アカウントで86%ぐらいが全部海外のユーザー、14%~15%ぐらいが国内のユーザーになっています。日本が確か15万とかそんな感じて、その次にユーザー数の多いUSのほうが14万とか、同じような人数です。同じようなアカウント数です。最近伸びてきているのが、謎なんですけどもコロンビア(笑)。

コロンビアがすごい伸びてきて、なんと日本、アメリカ、コロンビアっていう順番になっています。理由がいまいちわかんないんです(笑)。コロンビアの次が台湾になっていて、その次が確かヨーロッパのどっかの国だったと思います。

ほとんどのユーザーさんがワイヤフレームとかフローチャートに使ってくれていて、その他UMLだとか、サイトマップ、マインドマップ等で使ってくれています。図だったら大体書けるような状況になっていますんで、ぜひCacooを使ってないって方はぜひ使ってみてください。これはCacooの内側です。

こんな感じです。わかる人はわかるかな? って感じですね。こんな感じになっていまーす。特別なところって言ったらこんな感じです。

ユーザーがいきなり増える瞬間に対応できるAWS

なぜ僕らがAWSを使っているのかっていうところをちょっとお話しします。Cacooをローンチするちょっと前、もしくはローンチ日に僕らはニューヨークにいたんですよ。ニューヨークのWordCamp 2009というやつに参加していて、現地でイベントの主催者に一生懸命お願いして、僕らのブースを持っていいかっていう話をして、どうぞって言われたんですけども席がなくて、ちょうど大学だったので椅子とか机とかをその場で組み合わせて僕らのブースを作って、使ってみたものの、その時は日本にサーバーがあってすごく重かったですよ。なんかレイテンシーが。

そういうわけで、これは国内にサーバを持っていったらちょっとまずいんじゃない? ってことで、外に持っていこうということでAWSに決定しました。

あとは各種メディアに取り上げられたりだとか、Chrome Web Storeとかで結構上のほうに表示されたりとか、そういったときに、ぐんとユーザーが増える瞬間があるんです。その時に素早く対応できるというのが、AWSを使ってて良かった点です。まとめるとこんな感じです。

ネットワークレイテンシーは、海外展開を前提としてましたんで、ここら辺が必要じゃないかということでAWSにしました。あとCacoo、SWFファイルが結構なボリュームがあるので、そちらの配信速度っていうのは肝になるので、CloudFrontを使って極力速めにブラウザでロードできるような環境を築きたかったなっていう所があります。

これはもう対日本じゃなくて、いろんなところに、世界中に使ってもらうためにCloudFrontを使ってって感じですね。あと柔軟なストレージです。ユーザーがブン! と増えてブン! ってなるので、すぐ調達可能なテラバイト級の容量っていうのが必要になるなと。

あとS3など、普通にファイルシステムが使えるのがすごくいいねみたいな。そういうところで選んでます。もう1個理由があって、この小島という男がいまして。

もう(彼が)Amazonに入る前からの知り合いです。その前、Adobeさんにいた頃からお付き合いがあって、Cacooがちょうど表面がAdobe Flashで裏面がAWSで支えてあって、小島さんとしてはもう、喜ばしい組み合わせなんですけども、AWSのコミュニティというのがすごく熱い感じ、熱いって言ったらすごい情熱がありそうなので違うんですけど……盛り上がっている感じ? わーっ! てなっている感じ。

そういうのがあって、すごくいいなと思っています。デベロッパー満足度が高いというか、同じ仲間のデベロッパーが使っているので俺も使っている、それで情報交換がしやすいっていうのは、結構デベロッパー満足度が高いんじゃないかなと思います。

すごくニッチでもちろん安いクラウドサービスとかあるんですけれども、そこの満足度は極端に下がるところがあって、そういったところがあってイキイキとして仕事ができないなと思うので、やっぱりAWSがいいなと思います。

AWSだけでは対応しきれなかった問題

同じようなこと言っていますけども、2度言います。AWSにして良かったことは、世界から利用できる環境を構築できたというところと、成長に合わせてインフラを拡張できたっていうとこです。この2点なんですけども、問題がありました。つい先日解決した問題なんですけども……。

CloudFrontの障害が結構あって、これが特定のネットワークだけ発生するんで、全然わかんなかったんです。どこかのユーザーさんは見れなくて、あるユーザーさんはちゃんと見れるとか。

例えばCSSがロードできてないとか、イメージがロードできてないとかっていうのが、特定のネットワークだけ発生して、他のネットワークでは全然発生しないと。なので社内でも確認しようにも、なかなか確認できないとかっていう問題がありました。その回避方法としては、もうCloudFrontを使わないでおこうかみたいな方法しか回避策がなかったんですけども、最近解決したので、今はCloudFrontを無事に使っています。

解決方法としては、マルチCDN対応っていうのをやりました。代替CDNの準備をして、S3を配信元にできるもので、定額課金をされないもの。要は緊急時に必要になっちゃうので、定額で毎月取られてもちょっとなってところで、定額課金されないものを選んで。

CloudFrontからの取得に問題があるとき、下のパターンです。CloudFrontで正適ファイルがロードできないよっていうときには代替CDNのほうにパキッと切りかえて、代替CDNから正適ファイルを取って表示するという感じのものを探してですね、探して、緊急時にはそちらが動くようにしました。KeyCDNってやつです。

そちらを使うようにして普段はCloudFrontを使って、ネットワークエラーが起きたをユーザーさんにだけKeyCDNのほうで正適ファイルを受け取ってもらうっていうふうにしました。そのKeyCDNみたいなものが、Amazonさんがまたサービスとしてやってくれると、オールAmazonでいけると思います。

会社に余っていたノートパソコンをサーバにしていたことも

うちの開発で大事にしていることは、事前にコストをかけるのではなくて、事後に状況に合わせた対応を素早く行うということ大切にしています。オーバースペックな事前準備とかっていうのはあまりしない。

なので最初の頃はCacooもそんなにユーザーが出てくると思ってなかったので、社内サーバでやってたんです。正月休みに入る前は500ユーザーぐらいたったんですね。正月休みが終わって事務所に入ると何かサーバルームがウンウン言ってるんです。

よく調べるとユーザーが急増しちゃって。500人が、正月超えたところで8000人だか1万人くらいになっていて、ウンウン唸っていて、こりゃいかんみたいな感じで。でもそこからきれいに移行できたんですけども、あとBacklogです。

Backlogはもっとひどくて、最初のサービスローンチ時はうちの開発で余っていたノートパソコンをサーバにしてたんです。2006年あたり。ローンチ直後にスラッシュドットっていうサイトがありまして、そちらのほうで「こんなサービスを小っちゃい会社がやってて大丈夫かね?」みたいなそういう批評で炎上しまして、ノートパソコンが落ちる落ちる。

パッカンパッカン落ちてて。でも無事それも、当時はAmazonがなかったので、リンクスさんのサーバを借りて無事回避して、Backlogの世界に出ていこうということで、今BacklogもAmazonのほうで動いています。

あと、障害をゼロにする設計じゃなくて、障害が起きたときにすぐ復旧できるような設計を考えるというのを重要としています。障害をゼロにしようとする設計って、大半が使われないロジックになってくるので、そこに時間をかけるよりは、使われるところを着実にやってって早期リリースしてっていうふうな感じで。

でも早期リリースしてお客さんに不具合とかで困らせるのもあれなので、すぐに復旧できるパターンっていうのは考えてやっています。次、スタートアップの方へっていうことで、ひとつメッセージをお願いしますということだったんで、ちょっとメッセージ的なものなんですけども。

世界はインターネットでアクセスできる

今、世界に出よう出ようとかいってなかなか世界に出ない人たちがいっぱいなんですけども、世界は海も壁もなくて、平均3Mbps以上の速度でアクセスできる身近な商圏だと思っていただければいいかなと思います。

どういうことかというと、インターネットでアクセスできるんですね、世界って。意外と飛行機とか乗らなくても。例えばTwitterの上の発言が外人だったりとかするじゃないですか。あと海外の人と知り合ってFacebook上で検索したらそこにもういて、すぐメッセージが送れる仲だったりとかするので、意外と海外とか世界っていうのは実は、隣の家に醤油を借りにいくよりは全然近いところかなと思います! ありがとうございます(笑)。

僕よく言われるんですよ(笑)。特に僕らみたいなインターネット廃人にとっては、もう近距離としか言いようのない距離感じゃないかなと思ってます。あとサービスを作る環境も、僕らはスタートアップした時よりは全然楽になっていて、オープンソースと、あとクラウドで小さなチームでも、世界で使われるサービスを作れるみたいな環境と土台があるので、誰でもできるなと。

ただ最近スタートアップの人とかがよく勘違いしてるのが、サービスとかって1発大当たりして儲けれるぜぇい! みたいな風潮あるじゃないですか。ない? ある? ない? ある、ある。その人たちって狙って構えて打つっていうスポーツをやってると思うんですよ。

こうこういうサービスはこういうロジックで、市場はこんなでっていうふうに狙って、それに対して準備して、エイ! ってリリースするんです。で、多分1ヶ月とか2ヶ月とか見て、あれ、ユーザー増えねーな、やめよっかな、みたいな……そういう風潮ありますよね。

そういうのじゃなくて、実はこうサービスってずっとお客さんを狙い続けないとユーザーが増えないものなんで、ホームラン感っていうのはいつもないものだと思ってもらって、ある程度は諦めて、オンラインメディアでチヤホヤされるみたいのはとうに諦めちゃって、ユーザーがちょこっとずつ増えていくっていうところを、ずーっと狙って狙って狙ってってやっていくと、いつか増量がソーシャルネットワークみたいに、ぽっぽっぽみたいな感じで増えていくんで、ぜひリリースしてそれで終わりで諦めるんじゃなくて、お客さんの動きっていうところをずっと狙い続けてほしいなと思います。以上、橋本でした。

高山:橋本さん、ありがとうございました。超いい話ですよね。特に、AWS縛りじゃなくて、スタートアップの話してくださいとお願いしてるのに、AWS入れていただけるこの大人。ありがたいですね(笑)。