都知事選に立候補した理由

家入一真氏(以下、家入):家入一真と申します。よろしくお願いします。自己紹介……僕自身は会社を21のときに起業しまして、それが上場した後にやめて、ほかにいろんな事業やる一方で、いろんな子たちの居場所をつくることをやってきました。

いじめられて学校にいけなくなった子、就活を途中で辞めちゃった子、さまざまな子たちがいっしょに生きていく中で、いろんなビジネスやモノをつくって、自分たちの本当にやるべきことを見つける場所づくりですね。そのために、安価に寄り添って生きていくためのシェアハウスを日本中につくったり。

堀江貴文氏(以下、堀江):そこから実際に成果上がってるんですよね?

家入:BASEというサービスが急成長していて。店舗数でいくと楽天抜くくらい成長している。なにもできない子たちがつくったサービスが急成長していて。この前サイバーエージェントから2億円調達したり。

堀江:なぜ知事選に立候補したのかを。

家入:きっかけは、先月ツイッターで1000リツイートされたら出馬するって書いたら、1000リツイートいってしまって、あとにひけなくなったんです(笑)。でもきっかけはそうなんだけど、正直興味あって、1000リツイートもいくと思っていた。具体的に決めたのは今年に入ってからで、事前審査の締め切り1日前にやっぱ出ようって決めました。

先ほど言った居場所作りという話ですが、中2の頃に僕はいじめにあっていて、ひきこもりになったんです。18ぐらいまで家の中でずっと過ごしていて、学校に行かないでずっとインターネットをやっていました。いわゆる今でいうひきこもり、うつ状態ですね。

今の世の中にも当時の僕と同じようにふさぎこんで家から出れないとか、出られるけど行き場所がない子たちがいっぱいいる。そういう子たちが自殺をしたり。なんで日本でこんなに自殺が多いのかと思うんだけど、そういった質問に誰も答えられない。学校行かなくなった子が行けるフリースクールとかもあるけど、存在が知られていないし、大々的にそのことを言えない状況にあったりとか。就活したくないけどせざるをえない空気があって自殺しちゃったりとか。

そういう子たちが多い中で、僕らは自主的に行政に頼らず、居場所を自分たちでつくっていくことで、彼らが助けあって生きていく共同体をつくっていく。ネット使ってやれることがあるんじゃないかと。国とか行政に期待せずに、自分たちでつくってきました。

それで、シェアハウスの問題とかで、法律が厳しくなっていくとかあると思うんですよね。だから、そういう共同体を自主的につくっていくにしても、政治に無関心でいられないと思ったんです。

なんで居場所がないとか、自殺が多いのか答えられる大人がいない。政治家の答えは本当に正解なのかというと、そうは思えなくて。ひとりひとりがそういう質問を持つことに、動き始めることに日本の未来があるんじゃないかと思っていて。

選挙とか政治とかって、政治家のものじゃないですか? 本当はもっと身近なものだったはずなのに。だけど、政治家のものになっちゃっていて、僕らからするとすごく遠いものに見えてしまう。言ってることも刺さらないし、よくわからないし、興味が持てない。もっとみんなの小さな質問を集めて、身近なものにしていって、政治や選挙を僕らの身近なものとして取り戻したい。

3つの政策

堀江:政策をザクッと説明してください。

家入:本当にざっくりとしかなくて(笑)。正直、政治はよくわかんない部分も多いので。でも、一応3つあります。

1つめは、「居場所がある街・東京」。もっといろんな人たちが多様に生きていくための場所をつくりたい。

2つめは、仕事や遊びがとことん楽しめる、「遊べる街・東京」。

3つめは、政治をもっと身近に。特にインターネットを使って。「政治に参加したくなる街・東京」。

政治の世界をハッキングしたい

堀江:言いたいことは言えた?

家入:政治とか選挙とかを遠いところのものにしちゃいけないと思うんですよね。20代・30代の僕らは興味が無いというか、まずわかんない。だからとりあえず、質問をもつところからはじめたい。

僕はお金がないので街頭演説とかできないんだけど、24時間ネットで生放送し続けようかと思ってて。そしたら違法なお金もらったりしないし(笑)。ずっとネットで放送していくなかで、みんなで政策をつくっていこうぜ、と。

「僕らの公約」みたいなハッシュタグつくって、みんなの意見をどんどんもらって、掲示板とかに掲載していって、それぞれのトピックの中で票が集まったやつを専門家を呼んで聞いてみたりとか。ブラッシュアップしていって、最終的にみんなで政策つくれれば超すごくないですか?

ネット使って民主主義2.0みたいな。ツイッターで意見集めていけば、ここから3つの政策とか言ってるより、よっぽどいいものできると思うんですよ。なんで原発ダメなのかとか、そういう質問あると思うんですよ。風営法、なんで踊っちゃいけないのか、分かる人いないんですよ。そういう小さい質問をどんどん集めていって、政策を作れば超いいものができる。

選挙とか政治とか既存のシステムを、僕はインターネットの人間なのでこういう言い方なんですけど、ハッキングするつもりで。真っ向から闘うのではなく、その中に入って撹乱することで新しい動きをつくることができるんじゃないかと思っていて。戦わない、やさしい革命を起こしたい。

最後に、僕には知名度もお金もないですけど優秀な少数の仲間と、インターネットの向こう側にいろんな想いを抱えている若い子たちがいっぱいいるいので、そういう子たちが応援してくれれば、クラウド選挙対策本部じゃないけど、すごい人数の本部ができるんじゃないかなって。

この選挙期間、ネットを使い切ります。ネット使いきって、こんなやり方ありなの? てとこまでやってくつもりなので、お楽しみに。

堀江貴文氏「僕があおって、お金も貸した」

堀江:私からもひとこと。僕も今回都知事選を見てて、正直おじいさんばっかで、これどうなの? ていう話があって。僕もいろんな人に言われたんですけど、出ないかって。でも僕、1年9ヶ月社会にいなかったので、自由を満喫したかったっていうのがあって(笑)。僕じゃない、もっと若くて経営センスもあって、弱いものの気持ちもわかるし、実行力がなさそうに見えて実はあるっていう彼みたいなタイプのほうが、いいんじゃないかと思っていて。

彼自身がいじめられっこでひきこもりで、そういう弱さを知ってる人がトップに立つと、まわりに優秀なスタッフが集まって良い政治ができるんじゃないかと。そういう人たちってなかなか知事選に出てこない。

でも彼が出たそうな顔してたんで、僕があおりまくって、やっと出てくれました。金も貸しました。彼はこうやって金貸してくれるような仲間が周りにいますし、優秀なスタッフが実はたくさん集まっている。泡沫だとかいう人いるんだけど、僕はそんなことないと思う。若い人たちにとっては有力な選択肢。投票したい人が僕もいなかったし、なんだかなぁ、て若い人みんな思ってると思う。

世界的に見ても知事とか40代とかが多くて、若さみたいなのが必要なのかなって。そういう意味で、彼はこう見えて企業を上場させた実力があるんですよね。そういう人が都の運営をやったことってないと思う。そういう意味でも画期的。世界に冠たる経済都市・東京が、もっと発展すると思う。彼にその辺を期待したい。今回応援団として、応援したいと思ってますんで、家入一真をぜひよろしくお願いします。

記者からの質問と回答

記者:ニコニコ動画の七尾です。居場所のある街、選挙期間中に公約をつくる、これは新しいですね。現時点での、ご自身の原発問題とオリンピックについてのお考えを。

家入:原発については脱原発で。脱原発依存っていうのか。大きなものに頼ってきたじゃないですか。国とか原発とか。そういうものに依存する時代じゃないと思う。原発をなくしていくってときに、代替案をってなると、僕には細かいことはわからない。だからいろんな人から意見を聞きたい。いろんな意見を吸い上げて、まとめればいいと思ってる。

オリンピックはすごくいいと思ってます。僕は裏オリンピックをやりたくて。オリンピックって、スポーツが出来る人の象徴で。スポーツできるやつがリーダーになるじゃないですか。僕は体育1だったし、僕らはリーダーになれない。だからニコニコ超会議とかに近いのかもしれないけれど、そういう人たちのための裏オリンピックをやりたい。

記者:堀江さんは応援団ということですが、役割とかは明確なんですか?

堀江:外部の応援団なので、選挙スタッフではないです。会見についてきてくれと言われたから来ただけで。僕のほうがこういうものの雰囲気わかってるんで、サポートをしてます。ネットとかマスメディアも含めて、僕がいることで彼の存在が拡散される、彼が言ってることを僕が増幅してみんなに伝えていく。ネットをやってない人にとっては、彼は「誰?」ていう人もいるんで、年配の方とか。僕が応援してるって言えば、ああそういうことなのね、て伝わると思うので。僕は増幅器みたいなもんですね。

記者:泡沫というキーワードが出ましたが、10万票というのがひとつのポイントだと思うんですが、数はある程度必要ですよね? 具体的な目標みたいなものは?

家入:そこでいうと、300万円戻ってきてほしいですね。5~60万票いけば供託金返ってくるので。そうすれば堀江さんにお金返せるし(笑)。みんなで意見を集めて政策つくっていくためにも、説得力持たせるのに票は必要だし。

堀江:当選してください。出るからには。

家入:訂正します。当選します(笑)。

記者:フリーランスのタケヤマです。選挙に実際に行くのはネットやらない人も多いと思うのですが、そういう人たちへのアプローチは?

家入:ネットに引き込めばいいんじゃ? ネットやらない人たちって、これから厳しいと思うんですよね。これを機にネットにくればいいんじゃないですかね。インターネット楽しいよって。

それでもネットやらない人については、選挙ポスターや街頭演説とかなんですかね。ポスター108枚、煩悩の数だけ印刷しようとか、どこに貼られたかみんなでさがしに行こうとか考えてるんですけど、ふざけすぎですかね?

東京都を地区ごとに地図をわけて、「おれ貼ります」て人たちに勝手に貼ってもらって、信長の野望みたいに勝手に色変わるようにしたりとか。

堀江:貼るにもいろいろレギュレーションがあるんで。

家入:じゃ、やめます(笑)。

記者:供託金の担保は?

堀江:無担保です。

家入:契約書はちゃんと交わしてます。

記者:七尾です。アイディアが画期的でユニークだと思うんですけど、システム開発期間は足りないんじゃ? 選挙期間17日間なんですけど。

家入:一応システム作りました。それが動いたらそれ使うし、ダメだったらツイキャス、ニコ生、ツイッター、Google docsなど、既存の仕組みでいけると思います。ミニマムのコストでミニマムの選挙をやる。コストゼロ、騒音ゼロ、超エコな選挙やります。

記者:日経新聞です。東国原さんはどういうかたちで応援されるんですか?

家入:会ってみたいって言ってただけです(笑9。

堀江:家入くんていうおもしろい子がいるんでって言ったら、その場では行くって言ってたんだけど、やっぱりこないですね(笑)。

記者:選挙スタッフフではないということですか?

家入:はい、そうです。

記者:産経新聞です。生年月日が1978年12月28日。福岡県立玄界高等学校中退、ということで合ってますか?

家入:はい。

記者:現在、肩書は会社役員でいいんですか?

家入:はい、そうです。

記者:明日の行動予定は?

家入:なにしますかね……。

スタッフ:いまスケジュール作成中です。

記者:何の会社の役員と書けば?

家入:IT企業です。インターネットですね(笑)。