CTOの役割・期待・付き合い方

玉川憲氏(以下、玉川):では皆さん、この「IVS CTO Night & Day 2014 powered by AWS」の最後のプログラムを始めたいと思います。

「CEOからCTOへ」……結構和風なタイトルがついておりますけども(笑)。今回パネリストとして素晴らしい経営者の方々、真田さん、吉田さん、けんすうさん(古川氏)に来ていただいております。

わたくし、モデレーターを務めさせていただきます玉川と申します。私は技術本部長ということで、今のアマゾン データ サービス ジャパンのエンジニアチームのマネージャーをやってるのでCTO的立場なんですけども、その視点からCEOの方に問いかけたいなと思ってます。

ただし私のボス、社長である長崎(忠雄氏)も後ろに座ってるので(笑)。プレッシャーを受けながら私も実施するということで、皆さん温かい目で見守っていただければと思います。

今回のパネルのゴールなんですが、CEOの視点から「CTOの役割・期待・付き合い方」、それぞれ会社によって異なっているところはあると思うんですね。それをお話しいただいて、我々(CTOは)気付こうじゃないかと(笑)。

(会場笑)

玉川:そういうことでやっていきます。ではさっそく今の会社の現状といいますか、エンジニアの数とかパーセンテージとか……実は、今回CEOの皆さまの会社のCTOがみんな会場にいるんですね。

なので、その方のご紹介も入れていただいてもいいので、一言ずつお願いします。

スタッフ:すいません! 大事なもの忘れてました!(ビールを運んでくる)

(会場笑)

玉川:真田さんに「ビールがないと来ない」って言われたんで、用意させていただいています。ログミーも、切る必要があるときは「切って」と言っていただければ切りますので。

じゃあ乾杯から。かんぱーい。(全員一口飲む)

(会場拍手)

真田哲弥氏(以下、真田):一気じゃないですね?

吉田浩一郎氏(以下、吉田):一気にしますか?

玉川:一気にしましょう!

(全員一気)

(会場大拍手)

吉田:(真田氏のグラスにすかさず注ぎにいく)

真田:これは何の会ですか?(笑)

吉田:すみません、ビール2本!

「ラブライブに課金してください」

真田:(笑)。それでは自己紹介させていただきます。KLab株式会社、真田といいます。弊社のCTOの安井(真伸)さんはどこですかね? ああ、あそこにいました。安井がCTOをしております。

弊社がまず何をやってる会社かというと、元々は違ってたんですけど、今はスマートフォン向けゲームをやっています。

社員数は、グローバルで800人くらい。日本国内がたぶん500~600人。800人のうち、グローバルで300人くらいがおそらくエンジニアだと思います。

かなり事業を変遷してきていまして、元々はゲームではなくて、どちらかというとサーバーサイドでスマホ向けのWebコンテンツを提供するような事業だったり、DSASと呼んでいるサーバーを貸すような事業だったり……まあ、サーバーを貸すというと語弊がありますね。

運用を受託してサーバー運用をする事業をやっていました。今は、ゲームが儲かるのですっかりゲームにシフトして(笑)。弊社の安井は……。

(会場から「ラブライブ」の声)

真田:あ、ラブライブ知っていただいていますか! ぜひ、知っていただくだけじゃなくて課金してください。

(会場笑)

真田:弊社の安井は、決まったレベルでサーバーの仕組みとかインフラの領域をしっかり守るというところが強くて、そこからゲーム事業にシフトしても「落ちないゲーム」「重くならないゲーム」というところで、非常に貢献していただいております。

玉川:ありがとうございます。では吉田さん。ニュースも含めてぜひ。

吉田:皆さんこんばんは。クラウドワークスの吉田と申します。事業としては、AWSの運用とかノウハウを貯める会社……あっ、それは大石(良)さんのところですね。

玉川:それはサーバーワークスですね(笑)。

(会場笑)

吉田:ワークス違いですね。クラウドワークスを立ち上げたあと、大石さんと何度か話し合いを持ちまして(笑)。

というのは置いといて、クラウドワークスというのはクラウドソーシングの会社でして、最近のトピックスとしては一応来週末の12月12日に東証マザーズのほうに上場します。

全員:おめでとうございます!

(会場拍手)

吉田:人数としては……(CTOの大場光一郎氏に確認)全社員で34人? そんなにいるんですね。34人で、エンジニアが7人いらっしゃいます。

CTO経験者が3人? 4人? CTO経験者が4人いるということで、結構経営目線の人たちが多いと。あと、元々創業(のときのCTO)の野村(真一)というのが……今日は来てないんですかね?

大場氏:来てます。

(会場笑)

吉田:来てるんですね。離れて座ってるのは仲が悪いの? それは大丈夫ですか(笑)? 元々創業のCTOがいて、大場さんが入ったタイミングでCTOを引き継いだという形で。あと、非常に円満にやってます(笑)。今日はそこらへんの話もできればと思います。よろしくお願いします。

仲が良い人と仕事がしたかった

玉川:細かい背景も含めて、ありがとうございます(笑)。けんすうさん、お願いします。最近のニュースも含めて。

古川健介氏(以下、古川):nanapiの古川と申します。本日は真田さんと吉田さんがだいたい9割くらいしゃべるので、話すのは1割くらいかなと思ってます。

僕、この前はスタートアップ・ファイナンスというところで講演してたんですけど、それに比べてここはお客さんがあったかくていいなあ……。

(会場笑)

真田:このくらいの規模、いいですね。

古川:いいですよね! IVS本編のセッションではKDDIの人が前に3人座ってて、すっごい圧を感じてしまって(笑)。

うちはエンジニアが大体3分の1くらいで、和田(修一)という者がCTOをやっております。和田とは中・高の同級生で、仲が良かったから起業したという形ですね。

そこはちゃんと理由があって、スキルがあっても嫌なやつとやってるとテンション下がるじゃないですか。

中・高から仲が良いと、失敗しても「別にいい」と思えるというところで(一緒に)やりました。あと、中・高で皆勤賞だったというところも大きくて、一度も休まなかったんですね。12歳くらいから風邪をひいたことがないと。CTOとしてはめちゃくちゃすごい資質じゃないかと思っています。

真田:絶対落ちないCTO(笑)。AWSみたいですね。

玉川:ありがとうございます(笑)。

(会場笑)

玉川:和田さんも私もトライアスロンやってますので。

真田:なるほど(笑)。

古川:よろしくお願いします。

「CEO一見一答」匿名アンケート結果は……?

玉川:では自己紹介をいただきましたので、今日の流れをお話ししたいと思います。「CEO一見一答」と名付けましたけども、皆さんのアンケート結果を見ていただいて、一言いただきたいと思ってます。

質問によって「これはこのCEOに聞きたいな」というのを私が勝手にチョイスしましたので、これをアイスブレイクも兼ねてやりたいと。

その後はパネルディスカッションで、会場からご質問をお受けしたいと思います。CEOの皆さん、実は事前にCTOの皆さんに匿名でアンケートを取っておりまして……。

真田:(スライドを見て)これ、すごく回答しづらい質問ばかりですね。なるほど。

玉川:給料とか、いろいろアンケートを取っておりますので、ちょっと見ていただいて一言ずついただければ。皆さんにコメントをいただいていると長くなってしまうので、ひとつ1人ずつでお願いします。まず、真田さん!

<アンケート結果:参加者の中に引き抜きたい人がいる>

吉田:これ、CTO同士が答えたやつですね?

玉川:そうです。

真田:うわあ。ちょうど拮抗してますね。ぜひ安井さん、引き抜いてください。お土産に持って帰ってください(笑)。

(会場笑)

玉川:ありがとうございます。じゃあ吉田さんお願いします。

<アンケート結果:実はもうCTOをやめたいと思っている>

真田:うわあ。(吉田氏に)これ、御社の……(笑)。

吉田:これ、それぞれに宛てて書いてませんか(笑)?

(会場笑)

玉川:いやいやいや(笑)! 全然そんなことはまったく……ランダムにやってます。

吉田:大丈夫(笑)? でも、なんか思ったよりは少ないっていうか、まあ満足してると。

玉川:そうなんですかね?

吉田:やばいですね、これ。

真田:ちなみに、やめたい人はやめた後に何をしたいんですかね。乗っ取ってCEOになりたいのか、普通の平(ひら)でいきたいと思ってるのか。

吉田:もしかして、アマゾンさんはこれが誰か全部わかってて、転職紹介を始めるんじゃないですか?

玉川:いやいや(笑)。匿名なので我々はわからないです。

真田:CTOの時間貸しサービスを始めるみたいな。

(会場笑)

吉田:クラウドソーシングで(笑)。

真田:従量制課金で必要なときだけ(笑)。

玉川:そうですね。それちょっとおもしろいので、メモを書いといてください(笑)。では、真田さんにまいります。

CTOとCEOは必ず意見対立がある

<アンケート結果:正直に言うとCEOと意見が合わない>

吉田:おいおいおいおい! これなんか、趣旨おかしくないですか(笑)!

真田:でもね、逆に僕はYESの人がたった9人しかいないっていうのがびっくりで。CEOとCTOっていうのは、当然出自が違うわけだし機能が違うから、ある意味「健全な意見対立」っていうんですかね。

そういうのがあって当然だと思ってて、それが完全に一致してるのも気色悪いというか。民主党と自民党がずっと同じことを言ってたら意味ないじゃないですか。それと一緒で。

玉川:(参加者に)皆さん、もっと意見を言えと! じゃあけんすうさんに。

<アンケート結果:現在の年収を正直に答えてください>

全員:おおー。

吉田:(スライドを見て)これ、「0円」って……。

真田:0円ってどういうことですか?

玉川:株とかですかね? 「給料いらない」みたいな。

古川:でも、絶対だまされてますよね。

吉田:3000万円以上も2人いるんですよね。

古川:吉田さんって、どれくらい役員報酬もらってるんですか?

(会場笑)

吉田:えっとですね(笑)、一番上と一番下ではないですね。

玉川:じゃあ、最後吉田さんに。

お金よりも仕事内容が大事

<アンケート結果:現在の給与・収入に不満がある>

吉田:これ、(社員から)私に宛てて……。

玉川:いや、全然関係ないです(笑)。

吉田:でも、不満なしが47人なんですね。これって、普通のサラリーマンだとYESのほうが絶対ですよね。

玉川:みたいですよ。ウチの社員が調べたところ、サラリーマンは普通もっと不満が多いと言ってたんで。

吉田:これ、不満はあってほしいですけどね。

真田:そうですよね。上昇志向……。

吉田:まあでも、お金がモチベーションじゃないんですかね。

真田:でも、上昇志向があったほうがいいですよね。

吉田:あったほうがいい……。(古川氏に)どうなんですか? 給料に不満は。

古川:僕がですか?

吉田:いやいや、この(話の流れで)。違うじゃないですか、世代が。

古川:確かに、お金よりも仕事内容というところはあります。

吉田:おもしろいとか。

真田:それは大事ですよね。