logmi・ログミー

世界をログする書き起こしメディア

「幸せはお金で買えます。正しく使えば」 あなたの人生観を変える、お金と幸福のハナシ

「幸せはお金で買えます。正しく使えば」 あなたの人生観を変える、お金と幸福のハナシ

「お金で幸せは買えない」という定説に、ハーバードの准教授Michael Norton(マイケル・ノートン)氏が異を唱えます。さまざまな国の人々の「お金の使い方」を調査し、導き出した「幸せをお金で買う方法」とは?(TED2012より)

スピーカー
ハーバード大学経営大学院 准教授 Michael Norton(マイケル・ノートン) 氏
参照動画
幸せを買う方法

お金で幸せは買える?

マイケル・ノートン氏 私たちの多くがたくさんの時間をつぎこんで、「どうやって稼ぐか」「どうやって増やすか」考えている2つのこと、「お金と幸せ」について話したいと思います。多くの人がこのフレーズに共鳴します。 money_cant_buy_happiness 宗教や自己啓発本は、「お金で幸せは買えない」と言いますが、実はそれは間違いだと言いたいと思います。 (会場笑) 私はビジネススクールにいるので、そういうことをします(笑)。ですから、それは間違いです。もしお金を正しく使っていないと思うなら、いつものように使うのではなく、違う使い方をしてみたら、少し良くなるかも知れません。 you're_not_spending_it_right2

宝くじを当てた人の末路

より幸せになれる使い方を教える前に、幸せになれない、いつものお金の使い方について考えてみましょう。ちょっとした自然実験があります。CNNは少し前に、「宝くじに当たると人はどうなるのか」という面白い記事を掲載しました。 人は宝くじを当てると、「自分の人生は素晴らしいものになるに違いない」と思うことがわかりました。これは、宝くじを当てて人生が台無しになった人についての記事です。 宝くじに当たった人がどうなるかですが、そのお金を全部使ってしまって借金を抱えるか、友だちや会ったことのある人全員に見つけられお金をせがまれたり、人間関係を台無しにしてしまうかです。より多くの借金を抱え、友だち関係も宝くじに当たる前より悪くなってしまうんです。

宝くじを当てたらどうするべき?

この記事で面白かったのは、読者が記事についてコメントし始めたことです。しかも、「お金では幸せになれないのがわかった」ということを話し合うのではなく、他のみんなは「もし自分が宝くじを当てたらどうするか?」と言って、妄想し始めたのです(笑)。 (会場笑) これらがその中でも、考えてみるのに面白いと思った2つです。ある人は、「もし当たったら、自分だけの小さな山を買って、そのてっぺんに小さな家を建てたい」とコメントしました(笑)。 (会場笑) when_i_win1 またもう1人は、「お風呂をお金でいっぱいにして、その中に入って太い煙草を吸いながら、シャンパンをちびちび飲みたい」と(笑)。 この後もっとひどくなりますよ?(笑) 「それでたくさんの8×10インチの写真を撮って、お金をせがんできたり、奪い取ろうとした人には、その写真のコピー以外何もあげない」と言っています(笑)。 (会場笑) ほぼ全てのコメントはまさにこんな感じで、お金を得たら非社交的になってしまうというものばかりです。

お金の使い方で幸福度は変わるのか

お金は人の生活をめちゃめちゃにして、友だちに悩まされるようになると言いましたよね? お金は私たちを自分勝手にし、自分のためにしか使わなくさせたりもします。もしかしたらお金で幸せになれないのは、間違ったもののために使っているからじゃないのか? 特に、いつも自分たちのためだけに使っているからではないのか? と、私たちは考えます。 じゃあ、他の人にお金を使ってみたら何が起こるだろう? と考えてみました。非社交的にお金を使うのではなく、もう少し向社会的にお金を使ってみたらどうなるのだろう? と思い、実際に実験してみることにしました。 何人かの人には、いつもと同じように自分のためにお金を使ってもらい、また別の何人かにはお金を他の人に渡しました。双方の幸せ度を測って、どちらがより幸せになれるのかをみてみました。 はじめにこんな実験をしました。ある朝バンクーバーの、ブリティッシュコロンビア大学のキャンパスに行ってみました。学生に、「実験に参加してみたいですか?」と聞いてみました。「はい」と言った人に、私たちはどれくらい彼らが幸せなのかを聞いてみました。そして私たちは、彼らに封筒を渡しました。 封筒のひとつには「午後5時までに、このお金を自分のために使って下さい」と書かれた紙を入れ、何に使えるのかいくつか例を見せました。 one_vancouver_morning 他の人には午前中、「午後5時までに、このお金を誰かのために使って下さい」と書いた紙を入れたものを渡しました。 other_people_vancouver 封筒の中にはお金も入れました。 money どれくらいお金を渡すかは、こちらで調整しました。何人かはこの紙と5ドルを、他の人はこの紙と20ドルをもらいました。私たちは彼らに1日過ごしてもらって、何でもしたいことをしてもらいました。お金も、お願いしたように使ってくれました。

他人のためにお金を使ったほうが幸せになれる

夜に彼らを呼んで、「何に使いましたか? 今、どれくらい幸せですか?」と聞きました。 彼らはお金を、何に使ったのでしょうか? 大学生なので、ほとんどの人は自分のために、イヤリングや化粧品のようなものに使いました。 what_they_bought ある女性は姪っ子のためにぬいぐるみを買ってあげました。ホームレスの人たちにお金をあげる人もいました。そして、スターバックスに使う人が沢山いました(笑)。 (会場笑) 大学生に5ドルあげたら、それがコーヒーのように見えて、スターバックスにダッシュしてすぐ使ってしまうんでしょうね(笑)。 (会場笑) いつものようにコーヒーを、自分のために買ったという人もいれば、誰かのためにコーヒーを買ったという人もいました。同じ金額を使っていますが、自分のためなのか、他の人のためなのかが違います。何がわかったのでしょうか? その日の終わりに、もう一度彼らを呼びました。すると他の人にお金を使った人は、自分のためにお金を使った人より幸せになっていたのです。そして自分のためにお金を使った人たちには、何も起こりませんでした。彼らを不幸にはしませんでしたが、あまり何の効果も得られませんでした。 もう1つわかったのは、使う金額はあまり関係なかったということです。みんな、5ドルより20ドルのほうがずっといいと思っていましたが、実際はどれくらい使ったのかは関係ないんです。本当に大事なのは、自分のためではなく誰かのために使ったということです。自分ではなく他の人にお金を使う時、この現象は何度も見られます。

万国共通のお金の使い方

もちろんこれはカナダの大学生の話なので、世界の代表というわけでもありません。しかも彼らは比較的裕福で、何不自由ない生活をしている人たちです。これは世界中どこに行っても同じなのか、それとも裕福な国だけに限るのかをみてみることにしました。 私たちはウガンダに向かい、似たような実験をしました。 we_went_to_uganda カナダの人に、「最近、他の人にお金を使ったのはいつか、それについて教えて下さい。またどれくらい幸せを感じましたか?」と聞き、同様にウガンダでも、「最近他の人にお金を使ったのはいつか、それについて教えて下さい。どれくらい幸せですか?」と聞きました。 ここではすごいことがわかりました。世界共通のお金の使い方があるということと、文化の違いによって明らかに異なる使い方もあったということです。 guy_from_uganda 例えば、ウガンダのある男性はこう言っています。 「好きだった女の子に電話して、デートに行ったんですが、結局今まで付き合うことができていません」 (会場笑) こちらはカナダの男性で、とても似たケースです。 guy_from_canada 「彼女を夕食に誘って映画に行き、途中で出てきて彼女の部屋に戻りました……が、ただケーキを食べただけでした(笑)」 世界共通ですね。誰かにお金を使う時、私たちは親切になります。下心があるかもしれないし、ないかもしれないですが。

金額よりその使い道が大切

次は、ものすごい違いです。この2つを見て下さい。まずカナダの女性です。 woman_from_canada 「他の人にお金を使った時のことを教えて下さい」と言うと彼女は、「母のためにプレゼントを買いました。自分の車でショッピングモールまで行って、プレゼントを買って母に渡しました」と言いました。自分の親しい人にプレゼントをすることは、本当に素晴らしいことです。 では、ウガンダのこの女性と比べてみて下さい。 woman_from_uganda 「長年の友だちの息子がマラリアにかかっていたのですが、彼らはお金を持っていなかったので、診療所に行かせて、このお金を渡しました」 これは地元のお金なので、10,000ドルではないです。 this_isn't_$10000 同じ小さな額のお金ですが、動機が全然違います。後者は本当に必要な医療費です。文字通り、命を救う寄付金です。前者は母親にプレゼントを買ったというだけです。これらの特定のお金の使い方は、お金を他の人に使うこと自体と、同じくらい大事だということがわかります。 自分が幸せになるために、これはとても大事なことです。だから幸せになるために、ものすごいことにお金を使わなくてもいいんです。ささいなことでも、使い方次第で幸せになれるんです。

寄付と幸福の関係

今見たのは2つの国だけですので、できればもっと広く世界中の国々を見て、お金と幸せの関係について見てみたかったのですが、こちらは最近、政治調査を行っていることで知られる、世論調査を行うギャラップ社のデータです。彼らは、「最近寄付しましたか? また自分の人生にどれくらい満足していますか?」という質問をしました。 これにより、お金と幸福の2つの関係がわかります。この2つには明確な関係性があるのか? お金をあげることで果たして幸せになれるのか? それともなれないのか? この地図をご覧ください。緑は「お金をあげると幸せになれる」という意味で、赤は「なれない」という意味です。 in_136_countries 世界中、緑だらけだということがわかると思います。このデータを持っている世界のほぼ全ての国が、寄付した人はしない人より幸せだということです。 みなさんは今、真ん中の赤い国を見ていることと思います。それがどこか言わなければ、嫌な奴になってしまうので言いますが、実はそこは中央アフリカ共和国です。調査に対して適当な事を言うこともできるのに、何か理由があったのでしょう。そのすぐ右下はルワンダですが、とてもはっきりした緑色です。 ほぼどこを見ても、お金を人にあげるほうが、自分で持っているよりも幸せになれる、ということがわかります。

自分のためにお金を使っても、それ以上何も生まない

職場ではどうでしょう? 職場は、自分の親しい人たちと一緒にいる時以外、ずっといる所です。私たちは複数の企業で同じような実験をしてみました。 これらはベルギーの営業チームです。基本的な仕事は営業で医師に医薬品を買ってもらうことです。チームの一員として、彼らがどのように上手く売っているのか、見てみることにしました。 あるチームの人には、カナダの大学生にしたのと同じようにお金をあげて、「好きなように使っていい」と言いました。また別のチームには、「この15ユーロを今週チームメイトの誰かに使って下さい。プレゼントを買ったりして、あげて下さい」と言いました。 ここでのポイントは、自分たちにお金を使うチームと、チームを良くするためにお金を使う、向社会的なチームがいるということです。 このおかしなピニャータ人形はあるチームが買ったもので、みんなでピニャータで遊んでお菓子が落ちてきたというようなことがあったからです。 pinata とてもばかばかしくて、ささいなことですが、それを全くせずに15ユーロをもらって、ポケットに入れてコーヒーを飲んで終わってしまったチームと、一緒に何かを買ってグループで活動をする、という向社会的な経験をしたチームの違いを考えてみてください。 ここでわかったのは、実際に自分のためだけにお金を得たチームよりも、向社会的なチームがよりいい売り上げ成績を残したということです。 考えられる理由の1つは、自分のためにもらった15ユーロはどれも、各々のポケットの中に入るだけで、状況は以前と全く変わらないということです。そこからお金は全く得られません。 don't_get_money 実際、より良い仕事をしようというやる気が出ないので、お金はただ失われてしまいます。でも15ユーロをチームメイトのために使うと、すごくいい仕事につながり、結果としてお金を使ったことが大成功につながりました。 huge_win

ドッジボールチームにも有効な法則

たぶん皆さんは「これはとても良い事だけれど、ものすごい重要な社会政策でも通用するなんて思えない。ここでも通用すると証明できなければ、あなたの言ったことは何も信じませんよ」と思っていると思います。皆さんはドッジボールのチームを思い描いているんでしょう(笑)。 dodgeball_teams (会場笑) これは私たちが受けていた大きな批判でした。ドッジボールのチーム全てを見てみないと、こんなのデマだと(笑)。 (会場笑) だからドッジボールチームを探しに行き、交渉して以前と全く同じ実験をしました。チームの一部の人にはお金を渡して、自分のために使ってもらいました。他のチームにはお金を渡して、チームメイトのために使ってもらいました。 結果、自分のために使ったチームの勝率は、以前と同じでした。そしてお互いのために使うようにお金を渡したチームは見違えるようになり、最終的にはリーグ優勝を果たしたのです。

幸せになれるお金の使い道

他にも、例えば私生活や職場、くだらないことをするサークルやスポーツなど、さまざまな環境において、他の人にお金を使うことで自分に使うよりも大きな見返りがあることがわかります。だから、「幸せはお金で買えない」というのは、正しい使い方をしていない場合だと思うのです。 you're_not_spending_it_right2 それは、「あの製品よりもこの製品を買ったほうが幸せになれる」ということや、「自分のために何を買ったら幸せになれるか」を考えるよりも、他の人にあげることを考えたほうがいい、ということです。 ここに、運よくいい機会があります。 donorschoose.org DonorsChoose.orgとは、主に公立学校の先生や低所得の学校のための非営利団体です。彼らはいろいろなプロジェクトを掲載しています。「ハックルベリーフィンを教えたいけれど、本がありません」、「生徒に科学を教えたいけれど、顕微鏡がありません」といった要望があります。それを、あなたや私が買ってあげられます。 先生や子供たちはお礼状を書いてくれます。ときどき、顕微鏡を使った写真を送ってくれることもあります。とても素晴らしいことです。 このサイトに行って、自分のためにお金をどう使うかを考えるよりも、5ドルか15ドルがあったら、他の人を幸せにするのに、何ができるだろうという考え方を、是非始めて下さい。 go_to_this_website なぜなら、最終的にはそうすれば、もっと自分が幸せになるからです。ご清聴ありがとうございました。

  
※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。
この話をシェアしよう!
シェア ツイート はてブ
「幸せはお金で買えます。正しく使えば」 あなたの人生観を変える、お金と幸福のハナシ

話題のログ

編集部のオススメ

人気ログランキング

TOPへ戻る