竜巻の意外な前兆を読み解く

マイケル・アランダ氏:アメリカ中部など、大竜巻がたくさん起こる地域では、よく言われる「天からのお告げ」があります。よく言われるのは、「空が緑になると大竜巻がやってくる」というものです。

研究によれば、それはそんなに単純なことではないものの、科学的にも、もし空が緑になるのを見たなら室内に逃げたほうがよさそうです。

ほとんどの科学者が言うには、強力な雷雨の周りに緑色が見える場合、それは通常赤い夕陽と水滴のコンビネーションです。日中の空が青いのは、青く短い波長の可視性の光は、赤く長い波長の光に比べて、大気中の分子によく反射します。

青色の光は反射して空全体に広がって見えます。そして夕陽の光は大気の中をたくさん通るので、ほとんどの青色は地平線から跳ね返されるので、そこには絵のように見事な赤とオレンジ色が残ります。

しかしこのように簡略化すると、大切な部分を逃してしまいます。

夕焼けの色は赤とオレンジだけに思えるかもしれませんが、実際は緑と、青の光も混ざっています。ただ他の色に比べてはるかに少なく、私たちの目に見えるようになるには、何かによって緑色が赤色よりよく反射されなければなりません。

そこに出てくるのは水です。大きく高くそびえる、恐ろしい嵐の雲は水滴でできていて、水滴は青い光をよく反射するものの、緑色もかなりよく反射し、赤色やオレンジ色よりよく反射されます。

それで、状況が整うと雲の周囲や中にある水滴が、夕陽に隠れている緑色を私たちの目に向かって反射させるため、空が緑色に見えるのです。この説ならば、空に青色の光が占拠していない、午後の遅い時間に緑色の不気味な空が報告される理由に説明がつきます。

もちろん、日中にも緑色の空が見られることもありますが、その場合には十分な青の光が、雲の上部や、雲の中にある水滴にある正しいコンビネーションの空気分子に反射してどこか違うところに跳ね返されなければなりません。

それでも空を緑にする状態は大竜巻を生み出す雲と関係はありません。それは竜巻と関係がある場合が多いのです。なぜなら、ほのかな緑色の空を生み出す強力な嵐は大竜巻を引き起こすことがあるものの、いつも大竜巻が起こるわけではなく、時にはただ大雨が降るだけだったり、雹を降らせたりするからです。

ですから、もしあなたが大きな嵐の雲が出てきて、空がほのかに緑色になるのを見るなら、それは必ずしも大竜巻が起こる前触れというわけではありませんが、室内に避難したほうがいいかもしれません。