アクセンチュアからKDDIへ

司会者:Supershipホールディングス株式会社執行役員CSOの八重樫健より、Supershipホールディングスの事業戦略および新規M&A、新規サービスをご説明いたします。八重樫さん、お願いいたします。

八重樫健氏:Supershipホールディングスの執行役員CSO、経営戦略本部長の八重樫と申します。よろしくお願いいたします。

多くの方が私のことをご存じないかと思いますので、簡単に自己紹介だけさせていただきます。私、前職はアクセンチュアで経営コンサルタントをやっておりました。

私の最後のクライアントさんがKDDIさんで、そのまた最後のプロジェクトが、このSupership、Syn.(シンドット)を立ち上げるというところでした。途中まで足を踏み入れてしまったといいますか、ご縁があってそのまま入社させていただきまして、今に至るというかたちです。

Supershipでは、これまで数多くのM&Aを実施してきましたが、そちらを主導させていただき、全体のグループ戦略を担当させていただいておりました。本日はこのような場をいただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、さっそく事業戦略の説明をさせていただければと思います。まず、我々の会社は複雑な部分もあるため、ホールディングス全体のストラクチャーからご説明させていただければと思います。

我々Supershipホールディングスの株主は、KDDIさんと電通さんで、ただいま、KDDIの子会社であり、電通の関連会社でもあるという状況です。

そのなかで、事業を推進するスタートアップ5社が合併しまして、Supershipとして事業推進をしています。その上で、ママ向けメディアを展開しているコネヒト社、いま非常に話題になっている不正広告を防止するツールであるアドベリフィケーションを展開するMomentum社、そしてデジタル広告の運用のトレーディングデスクのシナリオ社というかたちでのグループストラクチャーです。

日米企業のデータ活用度の格差

これまでの経緯について、簡単に触れられればと思います。まず2014年に「Syn.」の構想がスタートし、2015年にSupershipが誕生、あわせて2社買収というかたちです。そののち、コネヒト社の買収、さらにAppVador社、Socket社が合併し、同時にMomentum社とシナリオ社もM&Aでジョインしました。

2018年、本日のタイミングで、今回発表させていただく新規にM&Aを行った会社を加えて、いま合計10社のスタートアップの共創体というかたちでございます。

先ほど森岡からも、我々は何者なのかというご紹介がありましたが、ひと言で申しますと「データテクノロジーカンパニー」です。あらためて、私たちがなぜこのデータを中枢に置いてやっていこうと考えているのか。先ほどのプレゼンの中で触れさせていただきましたが、この30年で大きく顔ぶれが変わってきています。

この(ランキングの)中で日本企業がなくなっているところに加えて、デジタル企業が圧倒的に伸びてきていると思っています。これは顧客体験価値にしっかりとデータを活用できている会社がいるということです。

例えばAmazonであれば、彼らの事業のコアである商品レコメンドのパーソナライズや、物流といったところに、いかにデータが使われているか。一方でFacebookに関しても、事業のコアであるコンテンツ、広告のパーソナライズにしっかりとデータを使っています。

こういった会社の事業のコアに、ちゃんとデータを使われている会社がしっかりと伸びてきているのが現状かなと思います。一方で、日本とアメリカで見たときに、このデータ活用がどこまで進んでいるのかを簡単に見ていきたいと思います。

左手が日本企業で、「ある程度データを活用できている」ところと「すでに積極的にデータを活用できている」ところを合わせても30パーセント程度に留まります。それに対し、米国企業においては70パーセント程度と、活用に大きな開きが出ています。

今後、5G・IoTという世界に突入するにあたって、どんどんデータ量が増えていきます。そこで、日米の差もどんどん広がっていってしまうのではないかと考えています。だからこそ、データ活用にもっともっと注力していく必要があると考えております。これを踏まえて、我々の戦略方針を簡単にご説明できればと思っています。

14兆円の巨大市場を視野に入れる

会社の戦略の中心にデータを据えることは再三ご説明しておりますが、大きくマトリクスとして、縦軸を「既存市場」と「新規/海外市場」に分けさせていただきました。また、「マーケティング領域」と「非マーケティング領域」でも分けさせていただいております。

これまで我々は、このマーケティング領域のなかで、いわゆるデジタル広告、デジタルマーケティングの領域において、いかにデータを使って伸ばしていけるのかと考えて進めてきました。ここに対しては、事業としても順調に伸びております。

ただ、今後もずっとこの領域だけをやっているのではなく、我々としては、このデータと、いわゆるデータ分析、データサイエンスを強みとしながら、マーケティング以外の領域にしっかりと出ていきます。非マーケティング領域の、いわゆるビッグデータアナリティクスという領域に打って出ていくというところが、我々の2つ目の大きな戦略の方向性です。

最後の3つ目に関して、我々がデジタルマーケティングで培ったデータと、配信プラットフォームをしっかりと海外に展開していく軸です。

もう1つは、今後5Gという世界観になったときに新しい接点が生まれてきます。そこに対しても我々は、しっかりと既存のプラットフォームとデータを横展開していくかたちで考えています。これらをあわせ、14兆円という巨大市場を捉えながら進めていきたいと考えております。

まず、デジタルマーケティング事業からご説明いたします。我々のデジタルマーケティング事業を大きく分けると、広告主様向けに提供しているサービスとメディア向けに提供しているサービスに分かれます。ただ、その中心にはデータを据えています。

1つ目が、メディア向けに提供しているもの。Supply Side Platformというかたちで、メディアのマネタイズを最大化するための広告配信プラットフォームです。

2つ目が、メディアが自社サイト内で検索(の仕組み)を持っている場合、サイト内検索およびサイト内検索の中での検索連動型広告を提供するというソリューションを提供しています。

3つ目が、広告主様に向けて、コンサルティングも含めて(サービスを)データを活用したマーケティングを提供していくのがデジタルマーケティング事業です。

Supershipが高い成長率を実現している理由

最後の4つ目は、DSP(Demand Side Platform)という、広告主に向けたアドテクノロジー、広告配信プラットフォームを提供しています。この中でアドベリフィケーション事業を営んでいる状況です。これまでデータを使いながら各事業を大きく伸ばすことができたと考えています。

各事業の成長を追っていければと思います。まず1つ目、DSP事業ですが、こちらが2014年からの売上の推移です。これに関しては、スケールアウト社にM&Aでジョインしていただきながら、データを活用して伸ばすことができました。これまで年平均成長率が49パーセントというかたちで、M&A以降急成長しています。

一方、SSP(Supply Side Platform)という、メディア向けに提供していくサービスですが、ここに関してもサービス開始以来、年平均成長率で78パーセントと、非常に高い成長率を保っています。

このSSP事業という領域においては、今、GoogleがグローバルでシェアNo.1という状況ですが、日本市場において、とくにアプリの領域においては我々がシェアNo.1と言えるかなと思っております。Android・iOS共に、50パーセント以上のシェアを獲得しています。

もう1つ、データを活用した事業として、2016年に開始した検索事業もサービス開始以来、急成長しています。

最後に、Momentum社が提供しているアドベリフィケーション事業でも、しっかりと伸ばしてくれており、2015年から468パーセントという高い成長率を実現できています。

この成長がなぜ実現できたのかというと、1つはデータをしっかり使ってこられたというところです。もう1点は、先ほど森岡のプレゼンにもありましたが、我々がグローバルプレイヤーと要所要所でしっかり組んで進めてこられたところが大きいと考えています。

ではなぜ、グローバルプレイヤーの方々と我々がアライアンスを組むことができたのかをご説明します。

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