パフォーマンスが上がり、ひらめきが起こる「フロー状態」

司会者:続いて、体の健康の中でも、最も自分のパフォーマンスが上がったり、それによってひらめきが起こる瞬間って、どんなときなんだろうかということを、うち(プロノイアグループ)の世羅からお話しさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

世羅侑未氏(以下、世羅):ありがとうございます、世羅と申します。さっき、プレゼンティーズムという言葉を初めて聞いた時に、私もすごくハッとしました。

「なにかパフォーマンスを出そう」「今日は仕事がんばろう」とか、「今日はいいアイデアを出すぞ」と思ったときに、とりあえず一生懸命アイデアを出すとか、資料をがんばって作りがちなんですけど。

ちょっと一歩引いて、「自分の体は今日ここに万全な状態で来てるかどうか」ということが、長く働いたり、とにかくがんばるということよりも、実はパフォーマンスが出せたり、いいアイデアを出すための重要な要素なんだなと気づいて、すごく大事な考え方だなと思ったんですね。

それで、そのプレゼンティーズムと、私が今から話をすることで少し似ているなと思うことがあるんです。プレゼンティーズムは、今この場にいても体の状態が万全じゃなくて、フルに自分の力を使えないという状態かなと思うんですけど。

私が今から話すのは、体の調子はいいかもしれないけど、意識がいろんなところに飛んでいて、自分の意識や心が、ここの場に向いていない状態だと、すごくプレゼンティーズムに近いなと。ここにいるんだけれども、みなさんの意識や心がここにいないという状態があるんですね。

私自身は今、プロノイア・グループでコンサルティングもやってるんですけど、個人で研究者として「フロー状態」を研究しています。もしかすると「フロー状態」と言うより、「ゾーン」と言うと少し聞き慣れてるかなと思います。あと、とにかく夢中になっていて時間を忘れる状態ですね。

夢中になって、楽しくて楽しくてやってたら、思いがけない結果を出してしまったり。そういうときをフロー状態と私たちは呼んでいます。このフロー状態について、みなさんに今日はお話ししたいと思います。

自分の限界を忘れたときにフロー状態が起こる

世羅:この場に自分がいて、体も健康だったときに、自分の意識や心もこの場に完全に集中させるにはどうしたらいいのか。そういうフロー状態についての説明を、2枚のスライドから話を始めたいなと思います。

(スライドを見ながら)これ、なんでしょうね? (真ん中の円が)赤くないので、日本の国旗ではないんですけど。これは子どもの状態なんです。赤ちゃんがこれ(真ん中の円)なんです。

だんだん大人になって、賢くなるとできるものがあります。なんだと思います?

ふふふ(笑)。答えたい方がいらっしゃったかもしれないんですけど、「自分」という枠ですね。赤ちゃんのときとか、自分が考える能力がないときは、「自分ってこんな人」とか、「こんな能力を持っている」「こんなことが得意」という丸は作らない、作れないんです。

でも、私たちはだんだん賢くなっていくと、だいたい「自分ってこんな人」「こんな能力を持ってて、こんなことができる」ということを考えますよね。

それで、フロー状態は何かと言うと、なんらかのきっかけで、自分の枠をピャッと飛び出していくわけです。その瞬間、すごく夢中になって、自分にどれくらいの限界があるのかを忘れるんです。これがフロー状態なんですよ。

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