世界最大のスタートアップキャンパス「Station F」

小酒井圭佑氏(以下、小酒井):本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。私は現在、キャップジェミニ株式会社という企業に所属しています。もともとフランスのコンサルティング会社で、主にクライアントに対して、システム側から業務を効率化させるコンサルティングを行っております。

キャップジェミニフランスでは、実際にスタートアップと共業したり、それこそ先々週くらいにはビバ・テクノロジーでもスタートアップとの共同支援を行っていました。今回のクラウドファンディングプロジェクトの背景は、スタートアップの界隈にコネクションがあって、かつフランスの企業で勤めているということが背景としてあります。

この中でビバ・テクノロジーに行かれた方はいらっしゃいますか? 

(会場挙手)

ありがとうございます。では、Station Fはもともと知っていて、スタートアップに興味があって来た人はどれくらいいますか? 

(会場挙手)

結構いらっしゃいますね。ちなみに、こういう業界が気になっているとか、特定な感じで来ている方は? 

(会場挙手)

まんべんなく見てみたいという認識で大丈夫そうですね。

「Station F」にはまだまだ謎が多い

小酒井:Station Fには1,000社ものスタートアップが入っているということで、みなさん結構知っているかと思います。例えば世界最大のスタートアップ施設があるからすごいみたいな感じで(Station Fは)売り出しています。

僕が行ったときに気が付いたのは、施設は大きかったんですけど、スタートアップは実際に1,000社もそろっていなくて、大体400社くらいというのが現状でした。2ヶ月後くらいに1番大きなプログラムで200社スタートアップが入ってくるので、大体今年で700社くらいになるかなと思います。

その400社のスタートアップはネットで調べてもなかなか見つからないというのが現状で、実際に行って、泥臭く「ちょっとすいません」みたいなかんじで立ち止まって話を聞いてもらったり、「一見さんお断り」の施設で、ノンアポ(イントメント)で行ったら、「ここには入らないでくれ」と言われている方もいらっしゃいました。なかなか情報があらわになっていないというところで、情報の希少性というのはあったのかなと思っています。

今現在でスタートアップで働いている方はいらっしゃいますか? 

(会場挙手)

だいたい大企業の方か、CVC(corporate venture captal)の方が多いのでしょうか? 大企業の方、手を挙げてもらってもよろしいですか? 

(会場挙手)

なるほど、それ以外の方はどういう方がいらっしゃるのですか? 特性としては大企業の人が多いのかなと思って今日は来たんですけど、もしかして投資したいという観点から来た人もいるのでしょうか。それでは、クラウドファンディング活動報告会ということで、実際にStation Fとパリに訪問した記録について話をさせていただきます。

スタートアップが産み出されやすい環境 フランス

小酒井:まず簡単に自己紹介をさせていただきます。名前は小酒井佳佑と言います。出身は大阪です。経歴としては、東京理科大学を去年卒業して、在学中に株式会社パラダイムシフトというところで、スタートアップのM&Aのヒアリングとかニーズを聞き出していたというところで。そこで、ちょっとアポイント獲得能力あるのかもみたいなものに気が付いて。自慢とかではないんですけど(笑)。

そのあとデロイトトーマツベンチャーサポートっていうことで、全国で約5,000社以上の企業とかかわりがあるデロイトの社内ベンチャーでインターンをさせていただきました。その中で、スタートアップや大企業のアクセラレーター、オープン・イノベーションについて深く興味を持ったということがあります。そして現在はキャップジェミニ株式会社というところで働かせていただいております。

まず初めになんですが、ここにいらっしゃらない方もいるのですが、CAMPFIREを通してご支援いただいた方々本当にありがとうございました。それではまず目次です。第1部として、フランスのスタートアップの外観ってどうなっているかをお話しさせていただいて、その次に各論のStation F、第3部がまとめというところで事実と自分の意見をお話しさせていただきます。

それでは最初にフランスの(スタートアップの)外観です。フランスというとみなさん何をイメージしますか? やっぱり「スタートアップが熱い!」というところです。具体的な指標からみてみると、シリコンバレーの起業家が毎年グローバルスタートアップランキングというものを作っておりまして、そちらの2017年度版で11位でした。

世界でみたら11位なんですけど、ヨーロッパでは3位です。どの点で劣っているかなといったら、人材の部分で点数が低いのが見てとれます。それを加味して、フランス政府は、フランス政府が発行する起業家向けビザと海外スタートアップ向けプログラムによって、人材確保を意識して変えていっているというところです。

具体的な数値から見たフランスのスタートアップなのですが、(スライドを指しながら)左側がVC(venture capital)投資の資金調達額とディール数の推移ということになっています。それで、赤で囲んだところでは2013年から2017年まで約5倍のVC投資が増加しています。

どうして増加しているのかというと、先ほど申したFrench Tech Visaとか、French Techと呼ばれる(フランス政府からの)バックカバーがあって増加したというところがまず1つ、もう1つがスタートアップが非常に生み出されやすい環境であるというところがフランスの特徴です。

フランスのコミュニティを世界に張り巡らせるのが本当の目的

資金調達を行っているスタートアップのフェーズですが、ダントツでシード投資数が多いというのが現状です。その中でも特に成長している事業領域としては、2014年から約2.5倍、2016年になったらAIが資金調達を行っていたという背景があります。

マクロン大統領というのはフランスの大統領で、皆さんご存知だと思うのですが、フランスを世界で1番のAI大国にしたいとアナウンスしています。先月号の『Forbes』であったりとか、そういうのでAI投資を国の政策として沢山していこうという背景があって増加しているということがあります。

他の海外の大きい企業でも、例えばFacebookですと、すでにパリにAI研究所を持っているのですが、2022年までに当研究所の研究者を現在の2倍の100人にしたいとか、GoogleさんもAI研究所を創設してヘルスケアや環境学に用いていこうとしています。

日本ですと、富士通さんが、2022年までにデジタル領域の新サービス開発や、M&Aに約60億円以上の投資を昨年発表しました。他にはSAMSUNGなどが実際にフランスのAIに注目しているという背景があります。後ほどFrench Techの方よりもっと詳しく説明があると思うのですが、French Techとはそもそも何かということで、フランスのスタートアップと投資家、企業、研究機関、メディアのネットワークのことをさしています。

これがなぜ存在するのかというところですけれども、フランススタートアップのコミュニティを強化したり、世界に対して、例えばフランスのスタートアップはFrench Techというみたいな、そういうところでブランディングしたり、海外の企業をスタートアップ・アクセラレートしたり。フランスのコミュニティを世界中に張り巡らせようみたいなことが本当の目的です。

取り組みとして、French Tech Visa、投資家や起業家向けの4年間有効なビザを発行したりとか、こういうことによって世界から優秀なスタートアップ人材を集めてきているということです。

実際に会った企業の数々

ここからは、実際にお会いした企業の話をしていきたいと思うのですが、フランススタートアップを取り巻く環境ということで、「Kima Ventures」はフランスで1番アクティブなシードVCなんですけど、後ほどご説明させていただくStation Fの設立者、Xavier Niel氏が設立して8年にもかかわらず458社シード投資をしていて、40社Exitしているという、 すごい成績のベンチャーキャピタルがあります。

次は「The Familly」という、意外と知らない人も多いのですが、基本的にはスタートアップ支援(の企業)です。SlackでSEOをこうした方がいいよとかつないだようがいいよといったことがメインなのですが、そのほかにも、毎週土曜日に支援先スタートアップとコラボして、スタートアップで働きたい学生たちに働いてもらっています。

そういうところで、学生はスタートアップってちょっと怖いかもという気持ちがあるかもしれないんですけど、ちょっと経験するような感覚でできます。かつ、スタートアップは人材確保のチャンスにもなるというwin-winな関係が築けているので、スタートアップが生まれやすい環境です。

そして「Hardware Club」。昨年日本に進出してきたばかりの、ハードウェア専門VCなんですけれども、パリで活動されていて、現在300社以上のハードウェアのスタートアップを支援していて、3年後には700社以上の支援を目標としています。

「Hello Tomorrow」さんも昨年日本に進出してきて、渋谷の「EDGEof(エッジオブ)」というめちゃくちゃイケてるスタートアップ施設の中にはいっていて、Deep Tech支援のNPOという形でAIなど科学分野における先端技術の研究者と実業の世界を結ぶコミュニティを作っています。

Station Fはスタートアップのための大学

ここからは、実際に僕が行ってきたStation Fについてお話しさせていただきます。まずStation Fがそもそもなんなのか? ご存知の方も多いと思うのですが、もう一度復習としてお話しさせてください。施設の概要なのですが、フランスのMVNO(Mobile Virtual Network Operator)、格安スマホのFree創設者の個人資産によって設立されました。

オープンしたのは去年の6月で、3つのゾーンから成っています。「Share」「Zone」のふたつは一般開放していて、イベントなどを行っています。「Create Zone」は完全にスタートアップしか入れないゾーンです。「Chill Zone」レストランになっていて、一般の市民の方にも開放されている施設です。毎日24時間オープンしています。

これが作られた背景として、これをつくったFreeの創設者なんですけど、フランスには投資家とかももともとたくさんいたんですけど、規模が小さくて横のつながりが非常に多かったということに気が付いて、例えばドイツだと「Factory Berlin」とか「Nion」とか、イギリスとかもそういうのはあるんですけど、(フランスには)そういうのがなかった。

そこで「では個人資産を投資しよう」というところで、「99%の起業家が抱える問題はほかの起業家とコラボによって解決する」というコンセプトのもと作られました。いうなれば(Station Fは)スタートアップのための大学みたいな存在なんです。スタートアップ同士仲良くイベントで話したりとか、大きな学校というイメージです。

Station Fの2つの「すごさ」

具体的に1個ずつ紹介していきたいのですが、まずは「Share Zone」です。こちらは主にVCとのミーティングやイベント開催で使用されておりました。そのほかにもTechShopと呼ばれるハードウェア施策施設があったり、これはハードウェアスタートアップ用なのです。

そのほかにもパートナーVCの名前が壁に刻まれていたりとか、Station Fにそのまま住めるんじゃないかみたいな。レストランやカフェもあって、Station F住居者用の郵便局も存在する、住めるところというかんじです。

しかし、ここでのポイントはVCとスタートアップは施設内で別に入居していたんです。実際に僕は行くまで気が付かなくて、もっと密に関わっているのかと思ったら実は違うということが気付きでした。

続いて「Create Zone」ということで、スタートアップのみが住居しているところです。施設としては、スタートアップが現在では約400社、500社いかないくらいが入居していて、あとはアクセラレータープログラムが28個存在しています。アクセラレーターは常にオフィスにいるわけではなく、ほぼハンズオフでSlackで会話したり、メッセンジャーで会話することが多くて、そこが意外でした。

ほぼハンズオンで「ここはこうじゃない?」と言っている環境だと思っって訪問したら、意外と人がいなかったなと感じました。また、各アクセラレータープログラムごとに区切っていて座席も決まっていました。

ここでのポイントとしましては、プログラムにもよるのですが、最大でも入居費用は約200ユーロです。ということで、月に2万円払ったら他のスタートアップも見れて、VCさんとも室内では別だけど会える環境ではあるというところが非常に魅力的だなと思いました。しかし、先ほども言いましたが、VCとは別の施設に入居しているので、面談する場合はたとえ施設内でもアポイントが必要です。

ここまで話して、Station Fの何がすごいのかというところですが、2つあると思っていて、1つはFrench Tech Visaによる海外スタートアップを受け入れる環境という地盤が非常にできています。どういうことかと申しますと、昨年6月にできて約1年で400社のスタートアップを集めているというのが事実としてあります。

その中から、世界中からスタートアップを誘致できていて、世界向けのスタートアップ・アクセラレータープログラムというのが存在して、3割くらいは国外からスタートアップが来ているという状況でした。イタリアとか。日本からはなかったですけれども。

すごさの2つめとしては、フランスVCからの資金調達の機会の提供があるということです。Station Fのスタートアップはシード、基本的にここでは従業員は15人以下で、それがほとんどであって、資金調達をすることが目的のプログラムなども用意しています。

他にも「Founders Program」と「Fighters Program」といって、これはStation Fが独自に発信しているプログラムのことです。入居費が低いにも関わらず、フランスのVCパートナーたちとアポイントを入れれば会える環境が魅力的です。

どんなアクセラレーターが入居しているのか

実際にフランスに行ってスタートアップやアクセラレーターのことをStation Fは実際にどう思っているのかということをインタビューしてきました。まず入居スタートアップ側の意見です。

「他社スタートアップが頑張っているので刺激になる」とか、「スタートアップ同士のコミュニティが強く、困った時に相談しあえる」という話はあったのですが、意外とネガティブな意見もあって、「少しオープンすぎて集中が途切れる」とか、「騒がしい」というものもあり、「じゃあ、なんで入ったのか」と思いましたが、そういうのもありました。

入居アクセラレーター側の意見としては、「様々な業界のスタートアップを1つの場所で知れるのは魅力的」だったり、「スタートアップ同士が助け合うには最高の場所」だったり、「スタートアップが成長・集中するための環境が整っている」というものでした。アクセラレーターは少しこういうところがざっくりしてるんです。もっと熱量があるかなと思ったのですが、ギャップがあったというのは事実でした。

実際にどういうアクセラレーターが入居しているのかということで、FacebookさんとかMicrosoftさん、パリのL'OREALさん、BNP Paribas、韓国からですとSPACE GREEN。フランスのUBISOFT、USINE IO、こちらはハードウェアのスタートアップを支援するところで500社くらい支援していて、結構プロダクト製作支援とかしています。

HEC Parisはパリのビジネススクールで、日本でいうと東大をビジネススクールにしたバージョンみたいなかんじで、Station Fではここが2番目に大きなアクセラプログラムでした。NUMAはフランスで1番大きなアクセラレーターです。そしてiPECSはヘルスケアに特化したアクセラレーターでした。

このように28個のスタートアッププログラムが存在していて、特徴としてはいろんな業界に対応したスタートアップ支援企業が入居しているということがありました。そしてStation Fに入居しているスタートアップの概要なのですが、(スライドを指しながら)左側が業態別割合を表していて右側がどのような事業を行っているかを表した図になります。B2B(形態)が多かったというのがありました。右はビジネスサービスといったらマーケティング・オートメーションとか、SEOを上げたりとかそういうところが意外と多かったです。

結構あてにいっているかんじではなく、ちょっとアイデアが出たからStation F入ってみたっていうかんじのスタートアップだったというのも実際います。それくらいの感覚でStation Fに入れるんですけど(友人談)。それで、次はハイテク、AI、AR/VR、ブロックチェーンというところが並んでいました。

今注目のスタートアップ4社

ここからは、自分が個人的に会った注目スタートアップというところをお話しさせていただきたいと思います。まず4つ紹介させていただきたいのですが、1つめが「Short Edition」 です。

こちらは待っている時間を楽しめるポエム発行マシーンということで、どういうことかというと、ユーザーがネット上に1分と3分と5分のポエムを作成してネットに投稿していろんな人が閲覧できるサービスなのですが、この会社の特徴として、もともとはWeb上で投稿と閲覧だけだったんです。

フランスのエバンジェリスト同士で「ここ、こうしたほうがいいんじゃないか」みたいなところでいろいろ話を聞いて、ピボットして、オンラインだけではなくてオフラインでもユーザー体験してもらおうとこういう機械を作って、ネットで投稿された1分、3分、5分のポエムを街中で読めるようにしました。

今は主に病院や駅のホームでちょっと置かれているという状況なのですが、今後の展開としましては、昨年12月に資金調達をしたばかりで、会った時に、今後どういう展開で行きたいのか聞いたところ、「はじめはヨーロッパで攻めたいね」て言っていて、「アメリカは正直みていない」と言っていました。

日本展開も全然考えているということで、密にお話をさせていただいて、連絡先も交換しました。これなら街中での待つ時間が苦ではなくなるのではと個人で感じたので、個人的には魅力的なスタートアップでした。

2つめは「Angus.ai」です。これは小売店の店舗管理からユーザーの感情まで分析できるAIです。今までも店舗の在庫管理ができるカメラとかはあったのですが、ユーザーの感情分析をして、「この人は困っているな」というところまで分析できるAIはまだあんまりなくて。中国でもそんなに例はなくて、バリエーションも高いですし、M&Aの話があるのか聞いたら、「何社から声掛けはもらっているけど、売却せずに伸ばしたい」と濁していて、小売店以外での応用も目指すとのことでした。

次は「Bioserenity」で、着るだけで脳波を測定できる患者用スマート衣服です。正直あんまりヘルスケアや病気(について)は深くはないのですが、着るだけで脳波を測定できるのはすごいなと思ったので載せさせていただきました。

こちらは「Timescope」といって、街中でタイムトラベルができるVRです。フランスの町中の利用可能で、タイムトラベルVRを設置して、2ユーロです。フランスは歴史がある街なので、昔の1932年とか1944年の街並みにタイムトリップできるVRを街中に設置しているというスタートアップがあって、これを大阪とかに置いたらめちゃくちゃおもしろいんじゃないかと思って、日本に来たら連絡してくださいと言っておきました。

日本企業との交流はほとんどない

Station Fの今後に期待することなのですが、2つあって、1つめはVCとスタートアップの距離感を短くすることです。先ほども言ったのですがVCとスタートアップが別の施設に入居していて、それはStation Fの良さをちょっと減らしてないかと思うところがありました。全部Slackで、VCとスタートアップも何百人も何千人もをSlackで管理して、お互いの知識を引き出したらいいのではないかと思っています。

2つめはStation Fがスタートアップをもう少し管理してほしかったというのがあります。Station Fはスタートアップが入居するスペースは持っているのですが、どういうスタートアップがいるかっていうリストは作っていないそうです。

なので正直Station Fに興味があって何の気なしにいったら、どの企業と会えばいいのかってみなさん絶対困ると思います。そのために、今回僕が会った企業やネットで調べた企業はエクセルでまとめたのでみなさん欲しい方がいましたら、後で僕に声かけてください。これがあれば外部企業と交渉するときに、そのリストがあればより円滑に取引が進むし、スタートアップのためになるのではないかと考えられます。

今年の1月には、初めてStation FでM&Aが生まれました。チャットボット領域の「Recasu.ai」というところで、「SAP」というところによって買収されました。そのほかにもチャットボットスタートアップは存在していて、今後も大きな動きがまた起きそうだというところは感じています。

それでは、日本企業とどのように絡んでいくのかというところですが、Station F自体、日本企業との交流がほとんどありません。先ほど話た渋谷のEDGEofさんはStation Fと密に関わっています。

意外なのはSONYさんも日本の大企業の中ではStation Fの中に2ヶ月前に行かれているという事実があって、ヨーロッパに興味があるのかなと個人的に感じています。日本企業からアクセラレーション・プログラムへの申し込みはほんの数社しかなくて、今後はFrench Tech Visaを利用してもっと参加してほしいとのことでした。

ヨーロッパはスタートアップの重要なマーケット

最後にまとめです。やっぱり予想以上に大きかったですが、1,000社は少し盛っていないか? と思いました。しかもStation Fの運営メンバーは全スタートアップを認識していないし、リストすらもなかったのでめちゃくちゃしんどかったというのが本音です。

あとは、VCとスタートアップが別に入居していた。VCとのミーティングも施設内でアポイントを取る必要があるのはびっくりしました。

日本のスタートアップがおらず、1人もStation F付近では日本人には会えませんでした。韓国人が施設内に意外とおおかったのがびっくりしました。あとはフード関連のスタートアップが意外に多い印象を受けました。

最後に今後の私の活動方針ですが、ヨーロッパを地道に攻めていきたいと思います。今もヨーロッパ、フランスの企業で働かせていただいていて、もっと本当にヨーロッパのスタートアップ界隈に詳しい方って限られていると思います。まだまだ自分も未熟なことが多くて、スタートアップのソーシングという点で非常に重要なマーケットではないかと感じています。

ヨーロッパに行くときにお声がけいただけたら、メールベースでもアポイントの営業も全然します。次はドイツに行く予定です。今年の夏4日間くらい、あとはオーストリアにもいこうと思っています。ベルリンにもこういう施設があって、「Factory Berlin」や「Nion Berlin」というところが存在します。

「Factory Berlin」は日本にはまだ全然情報がない状態です。これらを何に繋げるかというと、日本企業でヨーロッパ進出、スタートアップ投資や事業提携とかのニーズがあったら、全然お手伝いさせてくださいというくらいの勢いで無償でやりたいというところが本音です。

長くなりましたがご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)