2018年度 第1四半期実績ハイライト

石松俊雄氏:石松でございます。それではさっそく、私から第1四半期の決算説明をさせていただきたいと思います。会場のみなさま、それからネットを通じてご覧のみなさま、よろしくお願いいたします。

それではさっそくですが、第1四半期の実績ハイライトからご説明してまいりたいと思います。

第1四半期の売上の実績は、ここにありますとおり15億3,300万円で、対前期に比べますと、13.4パーセントの増加となりました。営業利益は289万円で、前年よりも94.5パーセント減少となりました。四半期純利益につきましては、マイナスの360万円となりました。

売上は13.4パーセントの増加で、僕らとすると、「もう少し伸ばしておきたかったな」というところではありますが、通期計画に関して22.1パーセントの進捗で、例年並みの進捗となっています。

課題は、営業利益が前年割れをして5,000万円ほどマイナスとなっていますが、これは後で詳しく述べますが、売上の構成比が、今四半期はちょっと特色のあるものになっていまして。

売上構成比がずいぶん変わったことで、その分、原価がアップしています。その分が増加いたしまして、営業利益とすると、289万円にとどまったということになっています。

四半期決算 連結損益計算書

さあ、もう少し細かく見ていきたいと思いますが、連結の損益計算書でございます。

先ほど売上高と営業利益はざっとご紹介しましたが、2018年度の第1四半期の売上原価は9億8,825万9,000円で、ここが25.6パーセント増加をしています。これが、営業利益が減少した原因となっていますが。受注動向として、少しコメントを書かせていただいています。

まず、売上の増加要因としますと、前年度子会社化しましたイノコスという会社が、これは売上がそのまま乗ってきていますので、売上の増加に貢献をしています。それから、去年(2017年)はWeb講演会が、非常に例年になく増加した第1四半期だったんですけれども、この第1四半期に関しましては、回数がちょっと減少しました。その分、売上が減っているという状況になっています。

その他には、メディア系のお客さまからは、非常に好調にお仕事をいただいていまして、大型の運用案件が、これは年間を通して受注が決まっていたりとか、TV向けのアプリの開発なんかが受注できたりということで、非常に好調に推移をしています。

その他、「新ジャンル」と書いていますが、これはeスポーツです。eスポーツのスタジオの構築の受注とか、そういった新たな受注も増えてきています。

一方、損益分析のところにもコメントを書かせていただいています。売上に貢献していますイノコス社ですが、これはエンコーダとかを売っている商社なんですけれども。大型の商いが、実はちょうど第1四半期にありまして、その分、仕入れの原価が非常に増えたのが、1つの大きなポイントでございます。

それから、「大型の運用の開発・受注ができた」というお話をしましたが、それに伴って、運用・開発案件での外注、あるいは業務委託費が増加をしてきています。ここが1つ、原価が増加した要因となっています。

販管費は、ここにありますとおり、増減比は5.7パーセントでございますので、比較的抑制された、コントロールされた中で進んでいるということでございます。そういった意味では、冒頭で申し上げましたように、売上の構造の変化によって原価率が少し上昇して、営業利益は低調になったという状況でございます。

連結バランスシート

さて、続いて、連結のバランスシートについてご説明してまいりたいと思いますが、(まずご覧いただきたいのは)一番下です。負債・純資産の合計が載っていますが、47億8,355万6,000円です。これはそんなに増えていませんが、998万5,000円増えています。

上から見ていきます。資産合計の欄がありますが、その中で固定資産が若干増えてきていますが、固定資産の中でも無形固定資産が増えてきています。

これは主に、ソフトウェアの開発が進んだということです。ソフトウェア開発あるいはソフトウェアの購入もしていて、開発の工期をスピードアップして、すぐにサービス化できるように準備をしていますので、このあたりが増えていると捉えていただければと思います。

その下の欄に、負債の部がございます。ここは、流動負債が若干増えていますが、ちょっとコメントがありますけれども、買掛金(が増えています)。これも、子会社の買掛金です。

それから、未払費用が多く増えているように見えますが、これはちょうど(2018年)6月末の期日の問題です。6月に払う予定が、実際は7月2日になりましたので、その分が未払と計上されていると捉えていただければと思います。

あとは、純資産の部を見ていただきまして、利益剰余金が減っていますが、これは配当金で8,700万円ほど払っていますので、こちらがマイナスとなっています。

売上原価(連結)主要項目

続きまして、売上原価を詳しく見ていきたいと思っています。

先ほど、「売上原価は25.6パーセント増えた」というお話をしました。向かって左側には、2017年度の第1四半期の数字が並んでいますが、構成比を見てください。我々Jストリームグループの売上原価は、もともと上からある労務費・外注費を合わせて、だいたい構成要素としては90パーセント。原価は、ほとんど労務費や外注費で構成されているというご説明を、毎回させていただいているんですが。

(続いて)右の欄です。2018年度に関しましては、この表で言うと下から3番目、仕入高のところが、新たに欄として追加になっています。去年(2017年度)実績がなかったところが、今年(2018年度)は1億1,100万円、仕入高が売上原価として計上になっていると。これが1つ、大きな特徴になっています。これだけで、構成要素が11.2パーセントになっていますので、ここが増えていると(いうことです)。

これは、先ほど申し上げました子会社……イノコスという会社があるんですけれども、そちらがエンコーダを仕入れて、お客さまに販売をしていると。そこが販売するだけでなくて、SIでいろいろな構築をしたりとか、あるいは保守というかたちで、今後お仕事をいただくことになっています。これは毎回あるかと言うと、実はちょっと規模が小さいんですが、今回は非常に大型案件があったとご理解いただければと思うんです。

これは、イノコスが毎回このくらいずっと仕入れているかと言うと、そうではなくて。ちょうど、大型案件が受注できたと思ってください。これは、お客さまがちょうど機械を入れ替える時期とかに当たると、ちょうど大きなお仕事がいただけるというふうになっています。そこに、ちょっと付け加えさせていただきます。

そして、構成比で外注費がけっこう占めていますが、11.8パーセント外注費が増えてきています。これはもう、お仕事の受注をいただいたものに、ほとんど関連するものでございまして、システム開発でしたり、大きなサイトの運用も新たにいただいています。それに伴って、外注費が増えてきているとご理解いただければと思います。

そして、労務費も9.5パーセント増えていますが、もちろん子会社が増えていたりとかしますし。あと、後でも述べますが、制作売上がかなり伸びてきていまして。その制作をこなすためにも、外出しするよりも、子会社で人を採用して、できるだけグループ内で収めようとしていますので、子会社で採用も進んでいます。

そういった意味で、グループオールで言うと、労務費が増えていると。そういった状況でございます。

販売費及び一般管理費(連結)主要項目

続きまして、販管費についてご説明していきたいと思います。

販管費は5.7パーセントの増加で、比較的抑えられたものになっていますが、ここも構成比見ていただければと思います。2018年度の第1四半期は、(構成比の)53.8パーセントが人件費です。ということで、こちらが(前年同期比で)8.2パーセントほど増えていますが、これも子会社が仲間に増えましたので、その分、人件費が増えているということです。その他、家賃だったり。

あとは、Jストリームでも業務プロセスをできるだけ改革して、プロセスを効率化しようということに、今はシステム投資をしています。そういったものも増えているということでございます。それ以外は大きく使ったということではなく、比較的抑えられた状況です。

ちなみに、これ……人数がどこかに載っていなかったかな。全体で、先ほどの原価と販管費も含めてですけれども、グループオールで言うと、去年(2017年度)よりは全体で29名増えていますので、29名分の人員が強化できていると、ご理解いただければと思います。

四半期別売上、利益推移 (連結)

続きまして、四半期別の売上ということで、推移を書いています。ここは時系列で見たほうが、非常に理解が進むと思いますので、グラフを見ていただきたいんですけれども。

2016年度の売上高が(左から)第1四半期、第2、第3、第4四半期となっていますが、だいたいJストリームは(四半期ごとに)均等と言うよりは、第1四半期からスタートして、徐々に第4四半期に向けて売上が伸びてくる。こういったものがだいたい、いつものパターンでございます。

去年も第1四半期から第2、第3、そして第4四半期に(かけて)、すごく売上が増えていた状況です。そういった意味では今期、このスタートのラインは、売上的にはまあまあのスタートラインに立っている状況でございます。

ただ、今度は営業利益のグラフを見ていただきたいんですが。これも、Jストリームの特徴なんですけれども。

2016年度は、第1四半期が営業利益がちょっとしか出ていなくて、第2、第3、第4四半期で出てくると。これも、例年ずっと同じようなパターンだったんですが、去年はけっこう第1四半期に、先ほどのWeb講演会だとか大型のライブがあったこともあって、かなり営業利益が例年になく伸びた時期でした。去年は営業利益の出方がかなり変則で、ラストの第4四半期にまた、たくさん出たということでございます。

こういった特徴を頭に入れながら、先ほどのお話で申し上げたとおり、イノコスの子会社化で売上が出てきた。ただし、配信売上と制作売上で言うと、制作売上が非常に伸びたということで、原価構造の違う商品構成になっているということです。それで、営業利益がちょっと減少している。

あと同時に、去年からお話ししていますが、設備投資(を行っています)。ネットワークの増強だとか、あるいは機器の入れ替えといった先行投資もしていますので、そのあたりの費用と経費も、一方で増加要因であると思っています。ただ、通期を見たら、あまりそんなに悲観する数字ではないと思っています。

セグメント売上・営業利益状況:配信事業

続きまして、今度はセグメント別にご説明をしていきたいと思います。Jストリームの配信事業と制作事業と、2つのセグメントについてお話をさせていただきます。この配信事業に、ライブサービスだったり、オンデマンドのサービスだったり、CDNのサービスが含まれます。

冒頭で申し上げたように、今回はWeb講演会の回数がちょっと少なかったりとか、去年は大型のイベントやライブがあったので、その反動減があるということです。これも、時系列で見ていただけるとわかると思いますが……グラフを見ていただいて、2016年。ここは、第1四半期・第2四半期・第3四半期・第4四半期という売上の棒グラフ。(一方で)2017年が、ここ(グラフ)を見ていただければわかる。第1四半期が、ポコッと上がってるんです。この第1四半期は非常に、年間を通しても(とくに)好調であったという状況でございます。

利益も、隣(のグラフ)を見ていただければだいたいわかるように、去年は配信事業においては、一番利益を稼いでいた第1四半期ではあります。そういった意味では、年間を通して受注動向だったりとか、お客さんのマーケティング戦略によって、どこで販促を入れるかにも絡んできますので、ここは年間通して判断していきたいと思っています。

ちなみに、「Web講演会の回数が少なかった」という話ですが、第2四半期以降は今のところ、回復する見込みだと思っていますので、年間を通して考えると取り戻せるのではないかと考えています。

セグメント売上・営業利益状況:制作・システム開発事業

続いて、制作・システム開発事業についてお話ししますと、これもグラフを見ていただければわかりますが、制作はそれこそ年間を通すと、動きはバラバラです。受注をいつするかで変わってきますので、とくに大きな法則はないんですけれども。

ただ、第1四半期で見てみると、過去からすると非常に、制作とするといいスタートを切れた状況だと思っています。それは、大型の開発案件でしたり運用も取れていますし、スタジオの構築案件もありました。そういった意味では、前期よりも2割ほど売上が増加している状況でございます。そのぶん、開発案件・外注費も伴っています。

ただ、例年第1四半期は、制作はマイナスからスタートしてましたが、今期はほぼプラマイゼロですので、制作とするといいスタートを切ったかなと。ただ、去年から映像制作系の子会社は引き続き苦戦をしてますので、このあたりが持ち直すことは1つの大きな、我々としての課題だと思っています。

用途別売上比率 (個別)

続いてここからは、連結と言うよりは、Jストリーム単体の状況を少しご説明したいと思いますけれども、用途別の売上比較を載せています。

一番右のグラフが、この第1四半期になりますけれども。これは、どういうお客さまが利用をしているのかということです。青いところがシェアの44.3パーセントですが、これは販促系です。これは残念ながら、前年よりも9.6パーセントマイナス。先ほどのWeb講演会が販促で利用されていますので、ここがそのままマイナスになっている状況です。

ご注目いただきたいのは、この下です。採用・教育・研修が、30パーセント伸びてきています。最近、社内での研修あるいは教育の場面、情報共有の場面で、非常に動画を使われるようになってきたというお話を何回かさせていただいていますが、そういったところがようやく少し載ってきたかなということで、30パーセントほど伸びてきています。

その下の会社案内・IRも12.9パーセント伸びてまして、これは中身を見てみますと、主に決算説明です。まさに今、私がやっている決算説明をライブ中継することでお仕事が増えたり、会社案内あるいは広報ビデオを作ってほしいということで、そのぶんが少し載ってきた状況でございます。

それと、(ほかに)伸びている分野とすると、この上です。番組・放送局が、15.1パーセント載ってきています。先ほど、「メディア系からも、お仕事が順調です」というお話を申し上げましたが、ここは15.1パーセント伸びて、全体のシェアでいくと、だいたい23.2パーセントになってきた状況でございます。

業種別売上比率 (個別)

次のページが、業種別の売上比率になります。これは、我々Jストリームのお客さまの業種別です。今まで、医療・製薬メーカーさんからのお仕事が、去年あたりは32パーセントでしたが、今年は25.9パーセントまで下がってきています。30パーセントを超えると、かなり偏りが出るかたちでしたが、今年は逆に25.9パーセント。そのぶんメディアが、シェアで言うと19パーセントまで増えてきているということであります。

あるいは、金融が7.7パーセントで、去年の7.3パーセントからちょっと増えてきている。その他のどの業種も、医薬・製薬メーカーさん以外は、売上的には伸びてきている状況にあります。

第22期投資計画

さて、少し投資もさせていただいているとお話ししましたが、これは事業計画でご説明しましたけども、今期は5億9,000万円ほどの投資を予定しています。サービス開発だとか競争力向上を考えて、投資をさせていただいています。社内の業務効率化を重視ということで、去年からとくにハードウェアの入れ替え、あるいはソフトウェアの投資で……このグラフを見ていただければわかるんですが、これは今年のこと(を示したもの)です。

投資実施状況

そういった投資状況を計画してまして、この第1四半期では、このように1億3,000万円ほどの投資を完成させています。これはだいたい、計画値の22パーセントです。売上も先ほど(申し上げたように)だいたい22.1パーセントの進捗でしたから、ほぼそのような流れで投資をさせていただいていると、ご理解いただければと思っています。

出資について (7/18発表)

さて、決算の説明は以上で、最近のトピックスを1つだけお話ししたいと思います。

これは(2018年)6月を過ぎた7月18日の発表で、決算の次の月ではありますが、もうすでに発表していますので取り上げさせていただいていますが、ビッグエムズワイという会社に出資をさせていただきました。

このビッグエムズワイという会社は何の会社かと言うと、まさに医療業界において、デジタルコンテンツを制作している会社であります。過去、デジタルコンテンツを3,000本ぐらい作ってまして、我々も実はいろいろなお客さまからよく聞くことがあるので、非常に評判がいい会社でございまして、実績も申し分ない会社でございます。今回は、ビッグエムズワイの39パーセントの株を取得させていただいています。

ここは、映像制作をたくさん作っている。映像制作だけではなくて、今は医薬のメーカーさんは、直接お客さまであるお医者さんのマーケティング活動に力を入れているんですけれども。このマーケティング活動をする上で「Veeva」というシステムを入れて、そこで例えばメールの管理をしたりだとか、マーケティング活動の一環をオートメーション化してやっているわけなんです。

この「Veeva」のシステムに連動したコンテンツを、ビッグエムズワイはやっているんです。これが、だいたい今は売上の30パーセントぐらいまで、非常に急激にここのところ伸びてきてまして、非常に成長している会社でございます。

Jストリームとすると、この映像制作の分野では一緒にお仕事ができる。それから、この「Veeva」に関連したところでは、製薬メーカーさんにある程度上流でのマーケティング戦略を一緒に考えるチャンスが増えるだろうと思っています。そういったことを狙って、今回は株を出資させていただいています。

お客さまの層も、我々の持っているお客さまと被っているところもありますが、ずいぶん違う分野もお持ちですので、そういった意味ではグループオールで言うと、お客さまの層が広がるのはあります。あと、「Veeva」とのシナジーを今後出していくことを視野にしているということでございます。

それから、この出資に関しましては、発表を7月18日にさせていただいていますが、実際の手続きは8月末の予定でございます。

2018年度(第22期) 経営方針

続いて、経営方針は4月の発表のときに(ご説明)させていただきましたので、このあたりは飛ばさせていただきます。

業績予想値

そして最後に、業績予想です。

通期予想として、売上高が69億5,000万円、営業利益が3億7,500万円、純利益が2億5,000万円で、予想を変えていません。先ほどから申し上げたとおり、売上高は、ほぼ進捗は順調です。営業利益が、ちょっと出だしではスタートが遅れてますが、これは十分回復可能だと見ていますので、通期予想はそのままということにしています。

私からの説明は、以上でございます。