体の左側を下にして寝るメリット

オリビア・ゴードン氏:毎晩あなたが電気を消して毛布をかけると、同じ睡眠の姿勢に落ち着いている可能性が高いでしょう。もしあなたが大半の人と同じなら、横向きになって、ひざを胎児の姿勢のように抱えているでしょう。

しかし、多くの人が仰向けに寝たり、うつ伏せで大の字になって寝そべったり、3つの枕とぬいぐるみにからまれて寝たりしています。

しかしこれらの中で、他よりも優れた姿勢はあるのでしょうか? たくさんの疑似科学がありますが、本当の答えは……そうですね、場合によります。あなたがもし問題なくまどろんで、変な痛みや苦痛で起きることがなければ、あなたの睡眠の姿勢はおそらく問題ないでしょう。

しかし、もしあなたが不満をもっているのであれば、あなたの寝方には問題がある可能性があります。例えば、(体の)右側を下にして寝ることは胸やけを悪化させると考えられます。実証実験はどれも多くありませんが、一握りの研究では、高カロリーの食事をしたあと、右を下にして横になると、食道の酸のレベルがより高くなることを示しています。

我々はそれがなぜだかはわかりませんが、科学者の中には、右を下にして寝ることは胃と食道をつなぐ弁をゆるませると考えている人もいます。その弁は、通常胃酸をあるべき場所にとどめています。なので、もしあなたが胸やけと戦っているのであれば、寝る時の姿勢を回転してみる価値があるかもしれません。

おまけとして、左側を下にして寝ることは循環を改善するかもしれません。そんなに研究で考察されているわけではありませんが、あなたの体は右側から血液を心臓に戻します。つまり、左を下にして寝ることは、それらの管が体重によって抑圧されることがないということを意味します。

もっとも体に悪い寝方

左側に寝ることは、妊婦にも推奨されています。より良い血液循環は、より多くの血液と栄養が胎盤に届くことを意味します。また、それにより、成長する子宮が右側にある肝臓を抑圧することを防ぎます。

横向きに寝ることは、あなたの脳にも良いかもしれません―—少なくとも、もし我々がねずみと同じようなものならば。2015年に『Journal of Neuroscience』で発表された研究では、右側を下にして寝た8匹のラットは、腹這いになって寝た7匹のラットや、仰向けで寝た9匹のラットよりも効率的に脳から廃棄物を排除したことを、MRIスキャンを使用して発見しました。

横向きで寝ることは、ちょうど人間と同様に、ねずみにとって最もよくあることであり、その説の立案者は、動物は脳の廃棄物をきれいにするために、このように寝るように進化したかもしれないと推測しています。しかし、我々がこの研究を人間で行うまで、あなたの日常の慣例を変える価値はおそらくないでしょう。

さて、横向きで寝ることには良い点と悪い点がありますが、最も悪い姿勢があるとすれば、それはおそらく腹ばいで寝ることでしょう。これは体全体に圧力をかけ、脊柱が自然な位置におさまりません。そして息をするために顔を横に向けると、それもまた首をぎこちなくゆがめます。

なので、もしあなたが痛みを感じながら起きて、腹這いになって寝ているのであれば、考えるべきことがあるかもしれません。しかし、もしそれが本当に困難ならば、平らな枕が少なくとも首の痛みを減らすことになるかもしれません。

快適な睡眠のためには脳を疲れさせること

文字通り反対の向きでは、仰向けに寝ることにより、脊柱は真ん中の位置になるため、背中の痛みには良い可能性があります。それは頭を枕の上に持ち上げ続けるため、重力が胃酸を食道外にとどまらせ胸やけを減らします。

しかし、頭を枕に乗せて仰向けに寝ることは、首を前方に曲げるため、空気の通り道を狭め空気の通りを悪くします。それは、いびきや睡眠時無呼吸――睡眠中に呼吸が止まったり再開したりする原因になる症状――がひどくなる可能性があります。

究極的には、最適な睡眠時の姿勢は人によると思われます。もしあなたが妊娠していたり、いびきをかくのであれば、いくつかの方法は、他の人より効果的かもしれません。

しかし、もしあなたが快適に眠れているのであれば、夢の国へあなたを送るものは何であれけっこうです。そして、私が発見した、充実した夜の睡眠を得る1つの素晴らしい方法は、学ぶことと新しいことに挑戦することにより、疲れることです。