エンジニアと社長のコミュニケーション

東明宏氏(以下、東):中川さんはエンジニアの立場でいらっしゃるので、ややもするとビジネスサイドの社長とエンジニアはけっこうコミュニケーションが難しかったりするケースも多々見られるのかな、と思っていまして。

中川草也氏(以下、中川):そうですね。

:どんな感じで、うまくやってらっしゃるんですか?

中川:僕の中で情報共有の基本原則として1つあるのが、基本的に最終的なアウトプットって、インプットに対して決まると思っています。

僕がエンジニアなんで、どういうことが起きてるかという状況をインプットできる。だから「これはしょうがないことなんだ」とか「これはもっとうまくやれた」ということが、一番正しく理解できるんです。社長はできない。

今からそのエンジニアリングを学んでもらうのは、ちょっとコスパが悪すぎるので、そこはもうできるだけ時間を割いて、わかりやすくこなれた説明をして、彼にとっていいインプットをしてあげる。それで、状況を理解できるようにしてあげることを、ちょっと気を付けてますね。

:なんか工夫というか、知恵というか、みなさんにシェアできることはありますか?

中川:できるだけ過程を伝えるようにしています。よくコンサルとか、「結論から言うと」みたいな感じで、最初に結論だけ言っちゃって、「だから、こういうことになりました」で話を終わらせてしまいがちだと思うんです。だけど、要はそれだとインプットが足りてないんですよ。

だから、「こういうことがあって」みたいな。「そもそも、こういうことがあって、こうなってる」「こういうことを検証していって」「これは1回なくなったから、この機能はいったんポシャりました」みたいな。

できるだけ長く、時間の許すかぎり、相手が納得できるまで、経緯やあったこと、その間に自分が考えたことなどを、社長にもインストールしてあげると、「あー、なるほど」みたいな。「わかりました」となりやすいと思いますね。

:なるほど。コンサル型のコミュニケーションをするのは注意。

中川:コンサルをディスってるわけじゃないんですけど(笑)。

:なるほど、わかりました。

コミュニケーションのハブとして気をつけていること

:2個目。社長とのコミュニケーションも、もちろん大きな役割としてあるんですけど、社員とのコミュニケーションのハブとしての役割も大きくて大事かと思っています。みなさんは、そこでどういうことに気をつけていらっしゃるかをうかがいたいなと思います。香田さん、どうしてます? なにか気をつけてらっしゃること、ありますか?

香田哲朗氏(以下、香田):そうですね。基本的にうちの場合はto allで、ビジョンなどは塩田がみんなの前で話すことが多くて。僕も重ねて言うこととか補足することがあるんですけど、そういう役割分担でやっています。

あとはすごくオーソドックスに、気をつけてることが2つあります。1つは時間ですね。単純にコミュニケーションって量と質があるんですけど、信頼関係を築くうえでは量だと思うんですよね。同じ釜の飯を食う的なものだと思うんですけど、やっぱり量を一定やることを大事にしています。

あともう1つは、けっこう1on1だったりとか、何だろう……。結節点というか、1個1個、1人が1人にちゃんと伝えていくというような、情報の経路や信頼の道みたいなものをしっかりつくることを会社の中で意識しています。

僕が今すごくがんばってみんなとつながるというより、やっぱりリーダー陣としっかり話をして、そのリーダー陣が自分の言葉でそれぞれのメンバーに話していけるようにすること。オーソドックスですけど、そこに気をつけてるという感じですね。

:塩田さんとのコミュニケーション上の役割分担でいくと、「ビジョンなどは塩田さんがto allでしゃべる」という話でしたが、その他、役割分担のポイントや工夫とか、あったりします? 「こういう言い方は僕」とか(笑)。

香田:そうですね。役割分担ということでもないんですけど、比較的僕のほうが率直に厳しいこととかも言っちゃいがちかもしれないですね。いいか悪いかは別なんですけど。

あとはけっこう、情報を常にオープンにするというか。わりとゲームの会社とかITとかだと、本当にクローズにしちゃってることもあると思うんですけど、うちだと、月次でまずP/Lをちゃんとみんなに話したりとか、「どのプロジェクトがどういう感じだよ」というのは、かなり早い段階からみんなに伝えてたりするので、そういう部分は気をつけてますね。

いい習慣は組織が小さい時に

:なるほど。ちょっと余談なんですけど、昔、香田さんに聞いて感銘を受けて、Twitterに書いたら……。

香田:あ、ランチ?

:そう(笑)。けっこうリツイートされたやつがあって。ご披露いただいてもいいですかね? 合宿の話。

香田:あれですね。いい習慣は小さい時につけたほうがいい、みたいなことですよね?

:そうそうそう。

香田:僕らがグロービスさんとリンクアンドモチベーションさんに投資いただいたのが、4年目か5年目ぐらいで、その後、リンクアンドモチベーションの小笹さんと、メンタリングのごはんを3ヶ月に1回ぐらい行かせてもらったんです。

小笹さんから教えてもらったことで、「会社を人格的にとらえると、いろいろ理解しやすいよ」みたいな。「メタファーとしてアカツキくんっていう人がいて、『その人がどういうふうに成長していくのか?』ということを考えると、『人だったらこうだよね』というのが組織にも適用できることが多いよね」という話になってて。

それで僕が思ったのは、習慣がやっぱりすごく大事なんだということ。人だったら結局、結果を形づけるのって、考え方があって、結果に(つながる)……。行動の一歩手前って、習慣だと思うんですよね。その習慣をつけるのは、大人になってからだと大変です。

組織も200人に「1個、朝なんとかしましょう」とか、「こういうメールのルールをつくりましょう」。3人でやると、秒で終わるじゃないですか。あと、後からだと、習慣が結果に結びつくのってなかなか難しいですよね。

例えば「ちゃんと合宿をしたほうがいいよね」とか。短期的に見ると、「これ、時間の無駄じゃん」みたいな。

だけど、組織の中に合宿をして振り返りをして、チームがそれで良くなったみたいないい結果として強いかたちで再現できるんですけど、後からだと、反対勢力というか(笑)。「そうじゃなくてもいいじゃん」みたいなことが強くなる。

なので、なるべく小さい時から習慣をつけたほうがいい。いい習慣ほど、短期的には結果が見えづらいので、そういうものも小さい時にみんなに説明してやれると、後から入れるより、すごくコストが低くいい状態になれる、という話をしたということですね。

:そこは、奥さんとしての香田さんの役割? そういうわけじゃない?(笑)。

香田:そういうわけではないんですけど(笑)。今でも新しくプロジェクトする時のリーダーとかには、常にそういうことを言ってますね。(会社が)小さい時こそ、みんなだいたい言うんですよ。「20人になってきたんで、そろそろコミュニケーションが大事です」みたいな。

「いやいや、違う」と。「3人の時に一番いい状態をつくって、それを5人にして、というふうにしていかないとけっこう大変になるよね」みたいな話をしてるんです。

社長の言葉をベースにしてコミュニケーションを取る

:なるほど、わかりました。山田さん、すごい頷いてましたけど……。社長がいて。ハブとして社員のみなさんとコミュニケーションされる時に、なにか気をつけてらっしゃることや、香田さんの話を受けて、なにか(笑)。

山田浩輝氏(以下、山田):うちは、関係者でいうと25名ぐらいの会社なので、まだ社長が全員とコミュニケーションを取れるんですよ。1対1でもフィードバックは当然しますし、なにかあれば社長から言われるということも当然あります。

なので、僕は基本的に彼ら(社員)とコミュニケーションを取る時には、社長の言葉をベースに彼らとコミュニケーションを取ることが原則です。僕のオリジナルの考え方で物を言うのではなく、「社長ってあの時こう言ってたよね」というところから、起点をすべて始める。

なぜかというと、彼らって(社長に)言われてる当時は、それを受け入れることができないんですよ。それは1個理由があって、うちの社長は言い方が非常にきついんです。なので、「そっか、そっか」って言いながら聞けないんです。まず「あー、言われた」(ってなってしまう)。

彼らには「あ、確かにそこ、自分弱いよな」って自覚はあるんですけど、社長とのコミュニケーションの中では、それを受け止めきることがまだできないんですよね。

だからこそ、僕は彼の言葉を起点にして、「それって、やっぱりこういうことだったよね」とか、「それって、こういう解釈の仕方ができるよね」とか、「そうしたら、こういうことやんなきゃいけないのかもね」と。

すべて社長の言葉を起点にしていったほうが、会社にとっても言ってることの一貫性は通ってるし、社長と僕が言ってることがそんなに遠くならないし。

会社としての方向性もそうだし、その人、その子に対して何を求めてるのかも基本的にブレない。だから、自分のオリジナルの考え方を言うより、なるべく社長の言葉をベースにコミュニケーションを取るというのが気をつけてることです。

:なるほど。社長の言葉をベースに、しっかり翻訳をしてあげる。

山田:そうですね。伝道師でしかないですね。

カルチャーを共有する「ペア読書」

:なるほど、わかりました。中川さんはいかがですか。

中川:はい。うちの会社は山田さんのところよりもさらに人数が少なくて、フルタイムじゃない人を合わせても、20人には到達しないぐらい。

気をつけてるのは、全員が持ってる情報をできるだけ均一になるようにすること。今は人数が少ないんですけど、2フロアを借りていて、ミーティングを上(の階)でやったりしてるんですけど、できるだけそういうの(お互いの持っている情報)が入ってくるように、下でも話すようにしたりとか。

どういうことが決まったかというのは、ちゃんとSlackでほとんどのチャンネルをオープンにして、そこでちゃんと共有するということですかね。

あと、僭越ながら香田さんの話、「けっこうわかるな」と思って聞いてまして。やっぱりバックグラウンドとか、そもそものカルチャーとか習慣が同じというか、共通したものを持っていると、めちゃくちゃコミュニケーションしやすいなということがあります。

うちの経営チームは、そもそも付き合いがわりと……長いというほどでもないんですけど、数年単位で長くて。一緒に働いてた時期も長かったので、なんか通い合ってるところがあって。

これから新しく入ってくる社員の人たち、メンバーの人たちと、カルチャーを共有する方法ってなんか生み出せないかなというので。メモしやすい話を言うんですけど、みんなで本を読んでいます。

僕が友達の別の会社のCEOと一緒に開発した「ペア読書」という手法があって、ちょっと前に話題になりました。全社で社員のペアをつくって、十何人とかしかいないので、本を人数分買って、ペア読書をするっていう制度をやっています。

ペア読書って、そもそも読書法としてめちゃくちゃ良いんです。本の内容がめちゃくちゃ頭に入ってくるし、すごく実践的なかたちで中に入ってくる。それを全社でやることで、みんなが同じ本のカルチャーをインストールできるので、たまにやっています。

読書による習慣化、仕組み化は有効

中川:今のところ、おすすめの本がちょっとあります。うまくいった本で、『コンフォートゾーンの作り方』っていう名著。これをみんなで読むのがすごくおすすめです。めちゃくちゃ読みやすいし、言ってることもすごく良くて。

コンフォートゾーンの作り方

できるかどうかわからないのに、やる前から「できない」って思ってたら、人間の可能性って狭まっちゃうじゃないですか。なので周りの人が、「いや、おまえはそれ絶対できないよ」と言わないことがめちゃくちゃ大事で。

「いや、おまえには期待してる」「おまえならきっとできるぞ」というのを会社全体でめっちゃやってたら。みんなが自分に期待してくれてたら、すごく自分の力を発揮できると思うんですけど、その『コンフォートゾーンの作り方』という本をみんなでペア読書したことで、すごくいいかたちができたという。

:なるほど。子どもの頃から習慣をつくると。

中川:そういうことですね。そういうことです、そういうことです。人数が少ないと、ペア読書も大したコストじゃない。本が1冊何千円かと考えると、研修や合宿をすることに比べてめちゃくちゃ低コストでカルチャーをインストールできるので、これ、めちゃくちゃおすすめですね。

:どうですかね? 読書。香田さん。

香田:うちも小さい時は、みんなで読書もしたし。

:あー、そうなんだ。

香田:課題図書的な感じでやってたりとか。

僕、3年前に台湾に行って会社をつくってたんです。最初、うちの会社のカルチャーをインストールしようと思ったんですけど、なんか「無理だな」と思って、みんなで本を読んだんですよ。『7つの習慣』とか、そういうまず土台……。けっこうカルチャーって、上に乗っかる部分じゃないですか。

7つの習慣

やっぱりもっとベーシックな共通言語って、国とか民族とか受けてきた教育によってぜんぜん違うので。それこそエンジニアとビジネス職とか。本は人が命を削って書いてるものなので、プロトコルを合わせるには一番効率的かなと思って。今でもよく本を配って布教活動はやりますね。

:なるほどね。確かに僕の得意先でも、やっぱり本をうまく使ってらっしゃる会社は多い気がしますね。あらためて本を使った習慣化・仕組み化みたいなものは、いいかもしれないですね。

香田:そうですね。社内でも僕のおすすめの本と塩田のおすすめの本と、香田文庫みたいな感じでやってたりとかするんで。

役割にとらわれず、一人ひとりが自分らしく動けるほうがいい

:わかりました。最後の僕の質問です。No.2としての心持ち、みたいな。なんか事前アンケートを見てると、「みなさん、つらいのかな?」とか(笑)。

(会場笑)

ある意味、板挟みと言うと言い方はあれなんですけど、トップがいて、調整役みたいなかたちのものを求められてる方も多いんじゃないですかね。

過去にどういうつらいことがあって乗り越えていったか、という話でもいいですし、どういう気持ちで常に向き合ってらっしゃるかみたいなところをうかがって、最後にしたいんですけど。

香田:そうですね。ちょっとここ、最初にオフレコ的な感じで。

:おー、はい。いいですね。

香田:これ、金融機関出身の方がいる場で言うのはあれなんですけど、金融機関の人ほど、役職と株の持分とかを気にするんで。

(会場笑)

香田:「おまえ、今話してるけど、ぜんぜん俺のほう見てねーな」みたいな。「社長!」みたいな。

:(笑)。

香田:そういう人とは、「そういう人なんだな」と思って……(笑)。

(会場笑)

香田:だから結局、例えばこの会社よりももっと大きい会社があったら、その大きい会社の人を見るし、みたいな。そういう人っていうのは、もうそういう文化なんで、あんまり気にしなくていいんじゃないかなと。

僕の体験として、今日の話とは別として、伝えたいことが1個あるんです。僕自身が気をつけてることは、あんまり役割とかに固執するというか、No.2だからどうこうとか、普段考えないようにしています。

今日もこの話をする時に、「No.2として」と言われても、あんまりそういう役割として考えてないところがあるんです。結局、サッカーだったら、フォワードが点を取ってもいいし、別に誰が点を取ってもいいので、それをどう考えてるかみたいなところがある。

自分らしくやるっていうのが、僕もそうだし、みんなも、会社自体がそうなるようにしていくのがいいんじゃないかなと思ってますね。

:そうですね。さっきもみなさんから「No.2と思ってません」という話もけっこう出たのかなと思います。気張りすぎちゃってる人も、もしかしたら多いのかもしれないですね。

香田:そうですね。なんだか役割にあんまり固執しなくてもいいんじゃないかな、とは思いますよね。

:点を取るために役割分担というルールを、ということですね……。

香田:そうですね。

No.2である確固たる自覚

:山田さんはどうですか?

山田:僕、そういう意味で言うと、たぶん真逆です。僕は明確に強烈に、自分のことをNo.2だと自覚してるんです(笑)。

というかですね、僕は人生において、これから生きる先、「No.2以外やりたくない」っていうぐらい、No.2の立ち位置が好き。僕はこれ以外やりたくない。代表にもなりたくないし、下っ端にもなりたくないし。No.2でいたい。2トップですよね、2トップ。

(会場笑)

山田:それはたぶん僕の最初のイメージが……。僕は諸葛亮孔明という歴史上の軍師さんが好きなんですけど、僕は孔明になりたかったんですよ。孔明は国王に仕える。だから、僕は明確に社長が国王だと思ってるんですよ。明確に国王みたいな存在で、僕は軍師である。

そういうふうに明確に思ってるので、そういう意味合いで、自分の気持ちをどうコントロールしてるかと言うと、「すべては自分がコントロールできたはずのものである」といつも思ってるんですよ。

どんなに悪いことが起きても、それは自分がコントロールできたはずのことであり、それをしなかった自分の判断だし、どんな現象が起きていようが、僕は自分でコントロールできたはず。

良いことがあっても、それは自分がコントロールしたことだし、悪いことがあってもコントロールしてて、すべては自分のコントロールの支配下にある中で、今こういう現象になってる。そういうふうに思ってたら、「うん、しょうがない」としか思いようがないんですよね。

:なるほど。

山田:例えば社長がすごく大きな判断ミスをして、ものすごい状況になったとしても、たぶんそれは「僕のせいだ」と僕は思うようにする。なぜなら、僕は彼を止めることができるから。本気で止めようと思えば、僕は彼を止めることができる。

いつもそういう信頼関係をつくっているし、僕はそういう人間であるべきだと、自分のことを強烈に意識してるんで。その自分が止めなかったのであれば、それは僕が起こした現象であると思ってると、なんかけっこうNo.2って都合のいいポジションだなとも思います。

:なるほど。

山田:あんまり板挟みされてる感覚はないです。

責任は「俺に100パーセント」

:中川さんは、どうですか?

中川:僕も自分がNo.2だと思ってるわけじゃないんですけど、別にNo.1だと思ってるわけでもなくて。経営をやっているなかでめちゃくちゃ刺さった言葉が1個あって。「俺に100パーセント」という考え方。

要は、会社でどういうところがうまくいってなかったか。例えば僕が今、人事を持っていなかったとしても、「採用がうまくいってなかったら、その責任は俺に100パーセントある」という考え方です。

例えば、これが会社じゃなくて、夫婦で子どもを育てています、っていうプロジェクトだった場合に、夫と奥さんで役割分担をすると思います。保育園に連れて行くのは奥さんがやります、みたいな。役割分担は一応するんですけど、奥さんや子どもになにかあった時って、奥さんが悪いのかというと、たぶんそれは全然違って。

普通に夫婦で子どもを育てるプロジェクトだったら、素直に「あ、ちょっと気遣いができなかったな」と感じると思うんですよ。「それと同じだよ」ということをある人に言われて、「まさしくそのとおりだな」と思いましたと。

僕が経営をやっていくにあたって、意識してることは、会社で一番うまくいってないことに自分をアサインすることです。

それで言うと……。うまくいくようにして、僕がいなくてもいいような状態をつくって、また一番うまくいってないところにいく。これをずっと繰り返していくことをしています。それで僕がいる位置って、基本的に一番うまくいってないように見えるんで、すごいつらいですけど。

:まあ、それがおもしろい?

中川:常時すごくつらいんですけど(笑)、まあ、それがなんかいいのかなと思うんですね。胃とかめっちゃ痛いです。

香田:ちょっとだけ。

:はい。

香田:それぞれのポジションによって、こういう悩みが起きやすいみたいな傾向がもちろんあると思うんですよね。ただ、それこそ新卒で入ってくる子とかも含めて、人によってつらさの度合いってあんまり変わらないんじゃないかなと思って。

結局起こりやすい現象はあるけど、たぶん新卒は新卒で……。今うちの会社にもけっこう入ってますけど、みんなたぶん、それぞれいっぱいいっぱいでがんばってると思うしね。その人から見ると、「あ、社長って華やかだな」と思ってるけど、社長からすると、人が増えると背負うもの増えてくるしみたいな。

それぞれの大変さって、立場によって種別は変わるけど、絶対量はたぶん変わらないんじゃないかなと思うから、あんまり個別に問題を特殊化させないほうがいいんじゃないかなと。

結局やっぱり、どんな立場でも自分らしくやってる人は楽しくやってるし、そういうことなのかなって思います。難しいことなんですけどね。