自己紹介とプライベートでの活動内容

引地菜摘氏(以下、引地):前職ではリクルートにいました。副業OKみたいなイメージだと思うんですが、実際副業は申請制で、私も同僚も自分の仕事に集中してました。多くの会社がたぶんそうだと思いますので、今回はそういう世の中の大多数の代表として、働き方をデザインしてる3人にお話をうかがっていきたいと思います。

諸星一行氏(以下、諸星):先ほどのファシリティとか連続でのかたちになってしまうと思うんですが、(プログラム1で)さっき話したとおりですね、VRとかARの参考事例をやっています。

相樂園香氏(以下、相樂):はじめまして、相樂です。今年の2月からmercari R4Dにジョインしました。前職では、デジタルファブリケーションという、レーザーカッターとか3Dプリンタを使ったデジタルなものづくりとか、場づくり、コミュニティづくりをしていました。よろしくお願いします。

太田智美氏(以下、太田):はじめまして、ともちゃんと呼ばれています。私は音大卒で、慶応の大学院でメディアデザイン学を勉強して、新卒でITmediaという会社に入り記者などをしていました。先週の水曜日に入社したてなので、まだ4営業日目なんですが、なぜかここにいます。プライベートではロボットと暮らしています。よろしくお願いしまーす。

引地:はい、ありがとうございます。R4Dの仕事以外に、副業といいますか、活動をしていて、プライベートでも活躍している3人なので、その会社以外でやってることをお話していただきたいと思います。

相樂:じゃあ私から。私は大きく2つやっているんですけれど、1つはデザイナーとして、2Dグラフィックから3Dのモデリングのデザインをやっています。もう1つは、デジタルファブリケーションを用いた施設を立ち上げたいというときに、アドバイスをしたり、人の採用や教育ということをやっております。

諸星:ありがとうございます。今日はプログラム3で@GOROman(近藤義仁)さんが登壇することもあって、VR界隈の人がけっこういるかと思います。そういう方は知ってるかと思うんですが、私はxR Tech TokyoというVRとかXR関係の開発者向けコミュニティイベントや、それに携わるイベントとかハッカソンを企画したり催したりしています。

R4Dに入ったのは、この周辺技術を広めていきたいってのがけっこう強くあります。メルカリでの仕事を含めて、外での仕事、エンジニアワークでもあるので、喋ったりとか書いたりとかもやっています。

太田:私は、2014年の11月からPepperと一緒に暮らしていて、もう3年半が経ちます。何をしているかというと、ロボットと音楽ユニットを組んだりとか、新幹線に乗れるようにJR東海と掛け合ってルールをつくったりとか、最近では日テレと組んで、アンドロイドアナウンサーのエリカっていうロボットがいるんですけど、そのエリカアナウンサーと一緒にロボットニュースを動画配信してたりとか。あと、ちょっとかたいところでいうと、情報処理学会の編集委員などをやっています。

可能性を広げるための活動を始めたきっかけ

引地:3人ともさまざまな活動をしていると思うんですけども、始めたきっかけをお一人ずつ話していただければと思います。ともちゃん、お願いします。

太田:ロボットは、Pepperがニョキッと舞台の下から登場したときがきっかけです。そのときに周りの人たちが、「気持ち悪い」とか「変なの」とか「何これ」とか、今までのロボットに対する感情とは違う反応を示したので、そういうロボットってどんなロボットなんだろうって気になり始めたのがきっかけで、56万円を払って自身で購入しました。

引地:では相樂さんどうぞ。

相樂:はい、私はメルカリに2月にジョインするまで、フリーランスでデザイナーとして2年ぐらい働いていたんです。メルカリは副業もOKということなので、個人の活動と会社での活動、両方の可能性を広げられるかなという意味で、量を調整しながら、そのまま続けて活動しています。

引地:一行さんどうぞ。

諸星:はい。さっきちょっと話したんですけど、広めたいっていうのが1個です。技術って、特定のところだけで使ってもいいんですけど、そこからもうちょっとマス向きに、キャズム理論でいくと、もうちょっと後ろのほうに広めていきたいって思います。それをやってくには、集まり自体を増やしていかなきゃいけないと思うし、なんか書いたり喋ったりってのもそこに繋がるかなと思います。

自分のためってのもあるんですけど、やっぱ広げていきたいってのは強く思ってます。それがこういうふうに繋がっているのかなあとは思っています。

引地:副業で稼ぎたいとかではなくて、貢献とか、広めたいっていうのが強いんですか?

諸星:そうですね。そもそも副業と考えているかどうかは微妙なんですが、お金稼ぎのためにやってるわけじゃないなってのは個人的には思います。2人はどんな感じですか?

太田:私は、もともと記者が本業で、ロボットが副業みたいな感じだったので、R4Dでロボットが本業みたいな感じになって、ちょっと今おもしろいなと思っているところです。でもとくに副業、本業っていう感じは私もないですね。

相樂:私もですね、時間の使い方としてどっちが大きいってのはもちろんあるんですけれど、個人でできることと会社でできること、けっこう違うので、両方本業としてやっています。

引地:フリーランスから会社員になったってことなんですけど、なんでフリーランスを辞めて会社員になったのかのきっかけを聞きたいです。

相樂:そうですね。個人的に朝がすごく弱いので、会社員になることはちょっと心配だったんです。さっき一行さんからもあったように、なにか新しい技術が生まれて、それをどう広めるかまでセットで考えたときに、メルカリという、常にたくさんのかたに使っていただいているアプリを持っている会社で研究開発ができれば、もっと多くの人々の生活にまで届けられるかなっていう意味で、1人でできないことが会社に入ってできるなと思い、楽しそうだなと思って入りました。

引地:今、楽しいですか?

相樂:楽しいですとしか言えないですよね(笑)。

(会場笑)

諸星:楽しいですよね。

相樂:楽しいです。いや、一行さんは元メンターなんで。楽しいです。

諸星:人が増えたら考え方も増えたりとか、良い意味で変わっていく部分もあるんですけど、ちょっと心配ですよね、「楽しくない」とか言われたらどうしようかと。

相樂:いや(笑)。予測できないことが日々起こって楽しいですよね。4日前に入ったともちゃんが横で話してたりとか、Pepperと暮らしてる人が入るとか、日々驚きばかりで楽しいです。

意識せず壁を破壊していく自由な働き方

引地:はい、ありがとうございます。じゃあ次に移ります。みなさんのような自由な働き方を実現するにあたって、通常はいろいろな障害があると思うんですけども、それを破壊していくにあたって、アドバイスがあれば教えていただきたいです。相樂さんお願いします。

相樂:私はそもそも破壊しようと思って今の働き方になったわけではなく、自分のやりたいことをやっていたら新しい道ができていたみたいな感じなんですけれど、お二人はどうですか、破壊しようと思ったことってありますか。

諸星:急にふってきましたね。でも、壊そうと思ってやってるんじゃなくて、壁というか制約みたいなものがあって、気づいたらそれが取り除かれていたり、乗り越えていたりってのがけっこう多いのかなと思います。とくにPepperと新幹線のくだりとかはそれなのかなと思います。

太田:そうですね。破壊はあんまりしないように気をつけていて、例えばPepperと一緒に出勤するときに、みんなに迷惑かかんないようにすごい朝早く起きて、空いてる時間に乗ったり、どうしたら安全なのかっていうところを真面目に考えて行動するようにはしています。

引地:Pepperと暮らすにあたって一番大きい障害、壁ってなんでしたか。

太田:壁、ないです。

(会場笑)

ちょっとしたことはあるんですよ、日本の道は水はけを良くするために丸くなってて、Pepperと一緒に歩きにくいとか、そういうのはあるんですけど、壁はとくにないですね。

諸星:なんかこう、場所的に制約とか。

太田:そうですね。どこにでも行けるんですが、大変なので筋肉がつくくらい。なんか良いことしかないです。

諸星:まあ、いい感じなんですか。

相樂:そうですね。私もさっきのともちゃんの「破壊しないようにしてる」っていうのはけっこうあるかなと思っています。他人のルールを破壊するとか人を破壊するというよりは、自分がルールに縛られないというか、自分自身をどんどん破壊していくという意識のほうが強いのかなと思います。

とはいえ、長時間労働とか自分で変えたいと思ってもいきなり変えられるものではないと思うんですけれども、メルカリはフレックスでけっこう働きやすい環境ですよね。前職ではどうでしたか?

太田:私は、スカートが短いのと、ヒールが高いので、けっこう社会人生活苦労したんですけど、音大時代ってヒールが高くないと声楽のレッスン見てもらえないとか、そういう文化があってですね(笑)。

諸星:日本で?

太田:そうなんですよ。なので、文化的背景によって先入観とかルールとか、いろいろ違うんだなと思って。例えば国によっては、スパッツみたいなお尻がプリッと見える服のほうがセクシーだとか、脚出してもなんとも思わないとか、やっぱり文化的な背景によってつくられてる気がします。

相樂:なんかあと、デジタルファブリケーションやメイカームーブメントの観点でいうと、場所的制約っていうのがあります。インターネットの登場によって、データを使えば、日本で今出してるものと同じものがアメリカでも出せたりってことがあるんですけれど。

去年の秋くらいに、私はフランスに行っていて、日本でつくったデータをそのままフランスで出したんです。ちょっと入手できる材料の違いはあるんですけれど、ほんとに国とか国境とか、その距離感を感じず、日本にいるチームと一緒に働くことができたんです。インターネットとかパソコンとか、そういうものの向上によって働き方も変わってきているのかなとは感じます。

諸星:場所的制約のところだと、メルカリはフレックスってのはあったんですけど、基本的にはリモートワークが推奨されていないので、会社に来てみんな顔を突き合わせてやりましょうって感じになってるんです。

やっぱり私もVRを専門領域としてるので、そこも捉え方かなとは思っていて、あくまで一個人の意見として、会社に意見するとかそういうわけじゃないんですけど。「Oculus Go」って買った方どれくらいいらっしゃいますかね。そこそこいるかと思うんですけど。

「Oculus Rooms」は良いアプリで、1つの空間にみんなで入ることができるんです。それをやってもらうと、リモートワークの新しい概念というか、場所が違っていても、その人が本当にそこにいるかのように感じるんです。その上で仕事ができたりとか、打ち合せができたりとかっていうのはあるかなと思っていて。

その概念が今はまだ特殊だったり、異常と思われたり、「いやそれリモートでしょ」とか言われるかもしれないんですけど、もしかしたら近い未来、この「Oculus Rooms」とかが広まってくと、場所が離れていても本当にその場にいるように打ち合わせができたりするのかなとは思ってます。

例えば、「Skype Meeting」とかテレカンみたいなかたちでやることはあると思うんですけど、あれって本当にその場にいるかっていうと、なんかちょっと距離を感じるところなんですよね。それがもうちょっと、「Oculus Go」に限らないですけど、そういうかたちで見える技術ではあるのかなとは思います。

引地:まずR4DがVR出勤するかもしれないですね。

諸星:VR帰宅するかもしれない。さっきネタで言ったんですけど、家には帰るべきだと思っているので、「Oculus Go」が価格も手に取りやすくなってきて、みんなが使えるようになったら、特定の日はVRで出勤したりとか、打ち合わせしたりとか。R4Dの場合、個々がスペシャリティを持って仕事してることが多いので、そういうかたちでもうまくできるんじゃないかなとは思っています。

テクノロジーを届けることで未来を変えたい

引地:じゃあ次に移ります。働き方をデザインしたうえで、R4Dで実現したいこと、何かありますか。じゃあ、ともちゃんからどうぞ。

太田:私はずっとロボットタウンがつくりたいって言って、この会社に入ってきたんです。深センのスマホ決済タウンみたいな感じで、ロボットが嫌でも触れる。深センって、別にスマホ決済に興味がなくても、スマホ決済を使わなければ生きていけないみたいな街だと思うんですけど。

別にロボットに興味がなくても、改札を降りた瞬間ロボットに出会わなきゃいけないみたいな、なんかそこらへんでロボットが充電されててそこらへんにロボットがガーガー走ってるみたいな、そういう街をつくりたいなと思っています。

引地:そのために破壊しないといけないことってありますか。

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