グミ協会会長のSNSの使い方

武者慶佑氏(以下、武者):鷹鳥屋さんの場合は、どちらかというと「鷹鳥屋さんと何か」という、鷹鳥屋さんがあって成立する部分があるのかなって。

鷹鳥屋明氏(以下、鷹鳥屋):まぁ、そうですよね。

武者:たぶん、オシャレな砂漠の写真を上げてても何も起きないという部分だと思うんですよ。

鷹鳥屋:うんうん。私がオシャレな砂漠で「ヒャッハー! 水だ水だ〜!」って、バギーぶっ飛ばしてるほうがおもしろいんですよ。

(会場笑)

武者:そう、そういうことだと思っていて。一方で、僕が「グミかわいいでしょ?」とやっても、何も起きないんですよ。

鷹鳥屋:何も起きないですね。「こいつ何やってるんだ?」で終わりますよね。

武者:フォロワーが減る一方。

鷹鳥屋:はははは(笑)。

武者:僕のInstagramは、構図というか、新作のグミを渡して、「味とかこういうところが新しいよ」というところを口頭で伝えて。それでInstagramは、うちの会社の社員でInstagramの運用がうまい人が撮ってるんです。自分でやっていて、グミの写真をかわいく撮れるということを重視してたりとかするんですけど。おもしろくというよりは、この場合はちょっと違くて。

鷹鳥屋:まぁ、本当に戦略的に。

武者:そうですね。ちゃんと数字が取れるようなかわいさ的なものをグミで出さなくちゃいけないとか。あと新作の情報は早くレビューを出していかなくちゃいけないだったりとか。まぁ、言うても別にコンビニ行けば新しい商品が出てるんで、カシャッてやればそれだけなんですけど。

鷹鳥屋:私、コンビニでこの格好で行ってカシャッてやったりとかしますよ。

武者:それは絶対おもしろいから(笑)。

鷹鳥屋:おもしろいから。ローソンでよくやってましたよ。

武者:(笑)。それで肉とか食べないようにしてるんですね。

セーフとアウトの線引き

鷹鳥屋:まぁ、豚肉じゃなきゃ大丈夫ですが。やっぱりこの格好でいるときに絶対にお酒と一緒に写らないようにするとか、いろいろ気を遣うところは多いですね。

武者:今日もお酒を、あえて出さないようなイベントにしようというところでやっていただきました。

鷹鳥屋:そうですね。この格好でお酒飲んでるところをアップして、実は大問題になったりとか、別の国ではけっこうしてるんですよ。だからそういうところもやっぱりアンテナ立ててわかっているので。

武者:そのギリギリの、ギリギリじゃないですけど……。

鷹鳥屋:ギリギリ(笑)。

武者:セーフ・アウトの線引きというのは、おもしろいかおもしろくないかの中でも敬意があるといいですね。

鷹鳥屋:そうですね。「バカにしてるのか」というのと「おもしろいな」というところの境目って、けっこう難しくて。私も過去、失敗したことはありますね。

武者:そうなんですね。

鷹鳥屋:この格好でジンベエザメと一緒に泳いでいたら、「その格好は泳ぐ服じゃありません」というすごいマジな返答が来て。「いや、知ってますが、すいません」みたいな感じで謝ったことはありますね。

武者:へぇ〜。まぁでも、そうですね。言われてみれば、服着て泳ぐのは全部NGになるわけですよね(笑)。

鷹鳥屋:まぁ、いいじゃないですか。この格好で泳ぐのが私はおもしろいと思ったわけだから。それでやったという。

好きなものにスタートダッシュをかける瞬間

武者:じゃあ、ここでもうちょっと進みますね。好きなものにスタートダッシュをかける瞬間というのがあるのかどうなのかということなんですけども。ちなみに、もうお仕事にされてる方というのは、スタートダッシュをかけていらっしゃるというか、もうそれで成立していらっしゃると思うので。今度はどんなところに課題感があるのか気になるんですけど。ちなみに、この中で、バズりたいと思ってる方はいらっしゃるんでしょうか?

(会場挙手)

武者:そうじゃない、バズりたい。もうお仕事にされてる方は……。

鷹鳥屋:バズらなきゃいけない。

武者:バズってらっしゃったりするのかなって思うんですけど。好きなものをSNSで発信をされているよという方はいらっしゃいますか? アカウントを持っている方はおられますよね?

鷹鳥屋:大丈夫ですか? SNSがほとんど今日食べた昼メシになってるとか、そんなことはないですか?

武者:なるほどなるほど。ちなみにどういう発信をされてらっしゃるんですか?

参加者:ポケモンGOアカです。

鷹鳥屋:あ〜、なるほど。ポケモンGO。

武者:あっ、ポケモンGO。はい。何かをしていきたいと思ってらっしゃる?

参加者:いや、他にもやってますけど、TwitterはポケモンGOをリリースした時に作って、やって、だからポケモンGOの交流用です。

鷹鳥屋:交流ツールとして?

武者:ポケGOを使って仕事だったりとか、自分のコンテンツに変えていこうというようなところの狙いはまったくないですか?

参加者:そっちじゃないです。単純に趣味、趣味のやつです。

武者:あぁ〜。趣味といったところで日常をSNSに投稿するというのがいわゆる普通のSNSの使い方だと思います。だけれども、次の部分とも関係しますけれども、好きなものをSNSで発信するというのは、また違うのかなと。

スタートダッシュというか、「これ、SNSでこうやったほうがいいな」って見極める瞬間がちゃんとあったほうがいいんじゃないかと。

最初にバズったとき

武者:あと、FacebookとTwitterとインスタでそれぞれプラットフォームが違えば、発信することだったり反応してくれる人たちというのは違いますよね。なので、そのあたりの見極めはどうですか? Twitter、インスタ、Facebook、どう捉えてらっしゃいますか?

鷹鳥屋:僕、Facebookは基本的に個人的に使ってるんですよ。本当に仲のいい人とかとしかやらないですね。でもTwitterとInstagramは、完全に自分の中東アカウントみたいになってて。

Twitterのほうは拡散力がすごくあるので、Twitterのほうにニュースとかいろんなリンクとかを飛ばすんですけど、それが最終的にInstagramに来るように誘導してますね。

私がたぶんアドバンテージがあったのは、Instagramが日本で有名になる前から、中東絡みのことをちょこちょこ上げてたんですね。それでバズって、当時Instagramというプラットフォームで、中東に関してやっている日本人が誰もいなかった時代からやっていました。

だからたぶん、「日本っていったら鷹鳥屋だね」みたいな感じで、アラビア語でシャムスカマルなんですけど、「シャムスカマルだね」というかたちで中東の方が認知してくれたので、それが雪だるま式に広がっていって。

最初は通知の設定とかを全部オンにしてたら、「フォローされた人」「フォローされた人」「フォローされた人」ビャビャビャビャーッて出て、携帯が壊れたかと思いましたね。

(会場笑)

ヒュヒュヒュヒューンって。テュルルルーンって延々と鳴り続けてて。

武者:それって、たまたまバズったって感じなんですか? バズった影響なのか、何かメディアさんが取り上げてくれた影響なのか。

鷹鳥屋:当時、中東でインスタがバーッと栄えていたときに、今でも忘れない、浅草で、今から5年ぐらい前かな? 東京で3〜40センチ積もる大雪の時があったと思うんですよ。

あの時に、浅草の仲見世通りが全部雪で埋まって、それを私が全部シャベルできれいに真っ平らにして、この格好でスライディングを全力でやってたんですよ。人力車のお兄さんに、こうやって紐で引っ張ってもらって、シャーッてボブスレーみたいに。

(会場笑)

この格好って、凹凸がないじゃないですか。しかも繊維もツルツルなので、おもしろいぐらい滑るんですよ。その動画を撮ってインスタに上げたら相当バズったんです。たぶん、翌朝起きたらフォロワーが3〜4,000人増えてて。

武者:へぇ〜!

鷹鳥屋:それが5,000人から、7,000人、8,000人、10,000、15,000、20,000、25,000、みたいな感じで。

武者:ティッピングポイントを越えた感じなんですね。そこで、「この人はおもしろい人だ」というような。

鷹鳥屋:おもしろい人だという認識になって。だってその前って、この格好でうどん食べてるlike数なんで、たかだか2〜300しかなかったんですけど。

武者:でも、もう十分取れてるじゃないですか。

鷹鳥屋:でも100から1,000、1,000から10,000の壁ってやっぱりあると思います。

武者:確かにそうですね。位が変わると確かにぜんぜん変わりますね。インスタとかTwitterというのは、知らないところでバズっていくわけですよね。

鷹鳥屋:うん、自分のまったく知らないところから、まったく知らない、ぜんぜん関係ない会社の人から「これ、あなたですか?」って、私がこの格好で中東のケーキをむしゃむしゃ食ってる動画を、その人から突然見せられて。「これどこで見つけたんですか?」って言ったら、「いや、なんかバズってますよ」とか。業界関係者の中では、「すげぇ変態の日本人がいる」みたいな感じで。

武者:ふふふ(笑)。

鷹鳥屋:「それ、会ったことある」みたいな感じの話に上がってきたりしましたから。

SNSの使い分けをどうするか

武者:Facebookを中心に発信すると、あまり広がりはないのかなという印象があります。

鷹鳥屋:ないですね。僕はFacebookは完全にプライベートで、たまに私のフォロワーがFacebookを見つけてフォローしてくるんですよ。それは、受けないようにしてますね。もうインスタとTwitterだけの関係にしています。収拾つかなくなっちゃうので。

武者:けっこうスタートダッシュをかける瞬間というのは、バズったその後、なにか戦略的におもしろいことをいっぱいやったということはありますか?

鷹鳥屋:その後、この格好で何人か集めて雪合戦やったり。でも、純粋に私が「この格好でこれをやったらおもしろいんじゃない?」というところを攻めていったので、けっこう後付けになるんですけど。今思うと、これはみんなにウケたものなんだなって。

だって中東ってそもそも雪が降らないので、この格好で雪合戦やっているのは、二重の意味で大変珍しい光景だったんですね。しかもそれをやってるのが全部日本人ってどういうこっちゃ、みたいな感じになるわけです。その部分が当時は新鮮だったと思います、間違いなく。

武者:今でも新鮮ですけどね(笑)。

鷹鳥屋:あっ、そうかな〜? みなさん、着てるうちになんかだんだん慣れてきません? うん、慣れてくるんですよ。

武者:ははは(笑)。

鷹鳥屋:だんだん麻痺してきますよね。それで、こうやって話した後に、一緒に街中へ出て、フッと見て、あっ、実は違和感、って思うんですよ。みなさんよく言うんですけど。

武者:まぁ、一緒に渋谷歩いたこともありますけどね。

鷹鳥屋:ですね!

(会場笑)

鷹鳥屋:たまに半蔵門線にこれで乗ってるので、見かけると思います。

武者:席は、周り空いたりしてるんですか?

鷹鳥屋:意外と大丈夫ですね。1回見て、もう1回見て、二度と見てくれない、みたいな。

(会場笑)

武者:なるほど(笑)。