2018年6月期第3四半期決算説明会

津寺毅氏:こんにちは、成長戦略室の津寺でございます。本日は当社の決算説明をご聴講いただき、誠にありがとうございます。まず私から、第3四半期の業績概要の説明をさせていただきます。

業績概要①(連結)

それでは、5ページの業績概要をご覧ください。

通期の業績は、売上高390億6,500万円。前年比118.1パーセント。営業利益が28億5,100万円。前年比が158パーセント。経常利益が31億8,800万円。前年比146.8パーセント。四半期純利益が19億9,800万円、前年比140.1パーセントとなり、増収増益となりました。

また、計画に関しても第2四半期時点から変わらず、焼肉部門が牽引するかたちで順調に推移しております。

まず、全体的な業績概要をお伝えします。売上高の増収は焼肉部門を中心とした基本店舗の売上増加。また焼肉キング、ゆず庵の積極設営に伴う店舗数増加に伴うものです。店舗数増加は、前年同期と比較して41店舗増加。また、既存店売上高前年比は104.2パーセントで推移しました。

次に、売上総利益は増収に伴い増加をしておりますが、売上総利益率は前年と比較して0.1ポイント悪化しております。これは焼肉部門のメニューを、昨年(2017年)1月に全面改定しており、それに伴い原価率が上昇しております。また、ラーメン部門における値引率上昇が悪化した要因でもあります。

しかし、第2四半期期末時点と比較しまして、売上総利益率は0.1ポイント改善する傾向を示しております。

次に、営業利益の増益は既存店舗の売上増加、店舗数拡大に伴い増益となりました。また、営業利益率は前年同期と比較して1.8ポイント改善しております。これは、既存店舗の営業利益率が1.3ポイント改善したことが主な要因です。

次に、経常利益・四半期純利益の増加は、営業利益の増加によるものであります。なお、減損損失や店舗閉店に伴い、特別損失として2億300万円を計上しております。

業績概要②(単体)

次に、個別損益概要を用いて、売上と利益の主な計画差違を説明させていただきます。次のページをご覧ください。

左側は、物語コーポレーション単体。右側は海外子会社合計の損益概要となります。まず、物語コーポレーション単体の業績は、連結の業績同様に計画に対して順調に推移しており、第3四半期は既存店舗の売上高計画比は、102.4パーセントで着地しており、また新店舗の業績も概ね計画に対して順調であることから、第2四半期同様に全社では計画を上回るかたちで進捗しております。

次に、右の海外子会社合計の業績は、第2四半期同様に出店の遅れなどにより売上・利益共に計画を下回っておりますが、蟹の岡田屋(総本店)につきましては、引き続き順調に推移をしております。

業績概要③(四半期業績の推移)

次のページをご覧ください。こちらの表は売上高、経常利益の推移を四半期毎に表したものでございます。

営業利益の額・率につきましては、既存店舗の売上げ増加傾向により、引き続き改善しております。また、第3四半期については既存店舗の売上総利益率が改善したことと、本社経費の増加率が鈍化したことから、第2四半期と比較してより改善傾向を示しております。

業績概要(売上高の対前年増減要因)

次のページをご覧ください。

こちらの表は、売上高前年に対して59億9,400万円増加したポイントを表しています。増収の主な内訳は、右下の表に記載しておりますが、店舗数増加などで39億6,900万円増加し、既存店舗全体でも11億4,500万円増加したことが主な要因です。

第2四半期から引き続き、主力の焼肉部門をはじめとして好調な推移を維持しております。さらに表の④で示しております、海外子会社による増収も大きく貢献をしております。

既存店売上高前年比推移(国内・直営)

次のページをご覧ください。これは既存店全体の売上高前年比の推移を示した表です。

全体のトレンドとしましては、第2四半期から変わらず好調を維持しており、その結果、第3四半期累計の既存店全体の売上高前年比は104.2パーセントとなりました。

出退店状況①(計画と実績)

次に新店舗の増強です。新規出店34店舗、退店3店舗の純増31店舗となり、第3四半期期末店舗数は直営・フランチャイズ併せて455店舗となりました。

出退店状況②(国内・出退店の内訳)

また、出店と退店の内訳につきましては次の11ページに直営とフランチャイズのそれぞれの出店と退店の内訳を表しております。

ご参考:店舗展開(国内直営・FC)

さらに12ページでは、全国の店舗展開状況を示した資料ですので、それぞれ後ほどご覧ください。

経常利益(連結)の増減要因

次のページをご覧ください。こちらの表は、経常利益の増益要因を表しております。

増益の内訳につきましても、右下に記載をしております。既存店舗の増益、店舗数増加による増益が牽引要因となっております。表の⑩の既存店舗の売上原価率の上昇は、第3四半期には減少に転じております。

また、⑫のエネルギー比につきましては、原油価格の上昇に伴い、ガス・電気料金単価が上昇しているためですが、第4四半期につきましては、抑制される見通しでございます。

財務概要(連結)-B/S・有利子負債の概要-

次のページをご覧ください。こちらは財務の状況でございます。

左のバランスシートにつきましては、概ね業容の拡大に伴う変動ですので大きな問題はございません。右側は、有利子負債と自己資本比率の推移を示した資料です。

有利子負債は積極的な出店により、64億3,200万円となり、自己資本比率は49.8パーセントとなりました。

業績計画(連結)①(期初計画)

次のページをご覧ください。こちらは今期の業績計画です。

通期計画は、この期初計画からの変更はございません。

業績計画(連結)②(期初計画)

次の16ページ以降につきましては、昨年(2017年)8月の決算発表会でお伝えした、今期の業績計画の作成根拠を記載しておりますので、後ほどご覧ください。

下半期の見通し

さらに19ページには、下半期の見通しを記載しております。第2四半期決算説明会にもお伝えしましたが、計画に対して順調に推移していることから、焼肉キング、ゆず庵、丸源ラーメンの既存店舗改装を、下半期には予算枠を越えて積極的に実施を取り組んでおります。

なお、損益計算書に直接影響ある金額としましては、最大5,000万円程度と試算をしております。

配当政策

最後の20ページにつきましては、配当政策を記載しております。今期の予想金額は、10円増配の80円の予想を掲げております。以上が決算概要でした。次に、社長の加治より業績の説明をさせていただきます。

第3四半期業績総括

加治幸夫氏:こんにちは、私が社長の加治でございます。第3四半期の業績総括について今からご説明申し上げます。

まずはおかげさまで、第3四半期及び今期累計におきまして、好調な業績をあげることができました。規模の拡大に伴って、既存店の成長が大きく影響することを、ますます実感しております。

今後も開発力と人材力というこの2つの力を営業力で発揮して、各業態フォーマットの改善、さらには再開発という観点で鋭意取り組んでまいりたいと考えております。いずれにしても時代にあわせた経営をしていかなければならないと、改めて身の引き締まる思いをしております。

トピックス

その上で、この第3四半期のトピックスは以下の3点を挙げました。

1つ目は、今年も133名の新卒者を迎えました。もはや名物といわれております、8時間にも及ぶ入社式を(2018年)4月1日に行いました。うち27名のインターナショナル(外国籍の)社員達は、それぞれの民族衣装の正装で出席してくれて、多様性を目指す物語コーポレーションを象徴するかのような入社式を行うことができました。

2点目は、焼肉1番カルビ豊川店がリニューアル・オープンをいたしました。もともと、我が社の焼肉業態は,、この焼肉1番カルビという食べ放題専門ではない、アラカルトの業態としてスタートしたわけですが、それが時代の要請とともに、食べ放題専門の焼肉キングにかたちを変えてきたという経緯があります。

現在は、単品利用と食べ放題利用がだいたい半々ぐらいで利用されており、1人のお客様が時には単品で利用、ときには食べ放題で利用するといった、客層や利用動機をよりフレキシブに対応でいる業態として地域に不覚根付いている業態です。

しかし、焼肉キングが誕生してからは、より収益性が高い焼肉キングに業態変更してまいりました。

しかしながら、この豊川の店は焼肉1番カルビとして地域の方々に長く親しまれてきており、単品利用のお客様も多いことから、今回は焼肉1番カルビとして再生させることにいたしました。

ただしかし、元通りを再現するということのみならず、新たな商品や企画を取り入れて今後立地特性や競合環境、あるいは市場の成熟度などにより、食べ放題専門よりも単品と食べ放題をミックスさせた方がよいと判断するケースにそなえた、実験店舗という意味合いを持たせております。

積極的に出店するのは焼肉キングに変わりありませんが、将来の布石としてじっくりフォーマット化に挑戦したいと考えております。

3点目は、(2008年の)3月26日にジャスダックに上場してから、(2018年3月26日で)10年が経ちましたので、1つの区切りとしてトピックスにあげました。

トピックス1 133名の新卒採用

それでは、24ページをご覧ください。写真は、入社式の夜から始まる研修に旅立つ前の集合写真ですので、すでに民族衣装の姿はありませんが、今年はとくに一人ひとりが自分の考えをしっかりもった、自立した人が多かったという印象を持ちました。

この1年間で少し離職率が高くなった要因として、昨年(2017年)入社した人達の離職が増えたことの分析と反省を活かして、今年は初期研修や配属のやり方を変えて望みました。物語(コーポレーション)には入りたかったけれども、飲食業という業種を選んだという意識が希薄な人達が、比較的近年増えております。

そういうなかで、物語という会社と同時に飲食業という業種を選んだという意識を、さらに強固なものにするための協力研修に力を入れたことで、今年は配属後のお店でのコミュニケーションや、日常のオペレーションにスムーズな入り込みができたことを実感しております。

今後の離職率は、私達がもともと目指すところの15パーセント以内に収めることができると今では判断しております。

トピックス2 豊川店がリニューアル・オープン

次に、焼肉1番カルビ豊川店は2年前(2016年)の4月と今年(2018)の4月の売上比が132パーセントと、非常に好調なスタートを切ることができました。新しい装置としてアイスコールドバーを導入して、ディナーのお客様の7割が注文するということで、焼肉1番カルビの大きな個性・特徴として存在しています。

焼肉1番カルビは、単品でも食べ放題でも利用できて、エンタメ要素も高いアイスコールドバーというランドマーク的な特徴を持った、ハイブリットな焼き肉屋として業態の確立を今後目指していきたいと思っています。

トピックス3 2018年3月で株式上場10周年へ

26ページの上場10周年ですが、会長の小林が上場の際に目指したこの7つの目標を、全社で取り組んできたことにより、上場時の2008年3月末に512円だった株価は、この3月末には1万1,010円となりました。株価は(2008年当時から)21倍、時価総額は36倍になりました。これも一重に株主の皆様のご支援によるものと深く感謝をしている次第でございます。

焼肉部門業績総括

では、各部門についてご説明します。焼肉部門は、5四半期連続で前年比100パーセント越えとなりました。

食べ放題のトップブランド確立へのさらなる取り組み

主な取り組みは、28ページにありますように、社内的には満足度日本一の298(ニキュッパ)と呼んでいまして、2,980円のスタンダードコースがどこよりも満足度の高いバリューとクオリティで提供できていることが、業績の下支えをしていると考えております。

その上でさらなる高級食材の導入や、これまであまり挑戦してこなかった新しいテイストのメニューの挑戦などが、業態鮮度の維持につながっているものと思っております。ナンバー1ブランドを目指すものとして、どこよりも先駆けて新しいことを仕掛けるという意識で、今後も運営していきたいと考えております。

「同時に鯖を見たらキングを連想する」といったようなユニークなイメージ戦略もさらに推進しています。また、出店融資拡大に向けた小型店舗の開発を進めながら、既存店の外装やサインのリニューアルも順次行って、既存店の業績向上をさらに図ってまいりたいと考えております。

ラーメン部門業績総括

次に、ラーメン部門でありますが、これは5年連続で既存店を成長させることができました。

さらなる成長に向けた取り組み

看板商品の肉ソバのプロモーションと磨き込みを主軸に、期間限定メニューの質にこだわった改廃が功を奏していると判断しています。

それに加えて、昨年(2017年)の11月に全店導入して現在約4パーセントの注文率にまで伸びている糖質(50パーセント)カット麺、また従来の青菜野菜たんめんという商品を野菜ちゃんぽんという商品にリニューアルして、健康志向への対応も市場から好感されていると判断しています。この健康志向への取り組みが、今後もじっくり取り組むべきテーマであると考えております。

お好み焼部門業績総括

最後はお好み焼き部門でありますが、看板商品の開発や新しいコースの導入、気軽な利用を促進するための新たなアイコンの開発等、さまざまな施策を行っておりますが、現状では確たる業績の向上にはまだ至っておりません。

リーズナブルで使いやすいフォーマットへの推進

現在は3つの食べ放題コースで、半数の注文率を占める1,980円のコースの魅力、バリューアップの準備を進めています。未だ実験段階ですので、これは次回のご報告の時には良い報告ができるようにしていきたいと考えております。

ゆず庵部門業績総括

ゆず庵部門でございますが、6四半期連続で前年比100パーセント越えで推移しています。これまでに反して値引率を抑えた販促を展開して、むしろ品質向上、ブランドイメージの向上を優先して、マーチャンダイジングを構築しようとしております。

オンリーワンフォーマットへの磨き込み

とくに寿司ネタの品質アップ、シャリの管理手法のブラッシュアップで寿司の強化を図り、和食専門店のイメージを訴求することで差別化を進めていきたいと考えております。

また、ランチが非常に強い業態特性ということに対応した、松花堂ランチのブラッシュアップやバースデイ、家族での利用の促進にも力を入れております。これは同業他社との差別化を図るのが当然ながら、今後焼肉キングの隣でも成立するような利用動機の違いを鮮明にしていくことにチャレンジをしております。

一方で、90坪タイプの店舗の開発、既存店舗の厳択による作業効率のアップなどにも取り組んだ結果、ゆず庵の利益率は大きく改善することができました。このことにより、今後さらに出店攻勢が掛けられるものと考えております。

新業態「熟成焼肉 肉源」「源の屋」「きゃべとん」

最後に新業態であります。肉源は異なる3ヶ所の立地でそれぞれ様々な実験をしています。同じ港区でも、赤坂と六本木では客層もモチベーションも大きく異なり、仙台に至ってはさらに営業の構成要素が異なります。

しかし現代は、この共通する要素を引き出したところで、この業態フォーマットを確立することを目指しております。そのことで、出店立地の拡大を図ろうということを考えております。

源の屋は2年かかりましたが、ようやくフォーマットが確立してまいりました。人形町店では、ランチ営業を辞めたにも関わらず、売上も利益も伸ばすことができました。来期は、さらに異なる立地に3店舗を出して、どこにでも出せるフォーマットの確率を図っていきたいと考えています。

きゃべとんラーメンも同様で、2号店の準備も進めています。丸源ラーメンの商圏内でも互いに成立するように、ともすれば似てきがちな要素を洗い出して、違いをより明確にするためのスペックの開発を現在重点的に行っています。看板商品のきゃべとんラーメンの評判が、すこぶる高いことが大きな励みとなっています。

海外事業「蟹の岡田屋総本店」蘇州、杭州へ

最後に海外ですが、上海で展開している蟹の岡田屋は大変好調です。集客とマネジメントに対するデベロッパーからの信頼感が、さらなる好立地の獲得、有利な経済条件の獲得につながっており、模倣店もたくさん出ているなかで、岡田屋ブランドの浸透がどんどん進んでいます。コンサルタント会社主催のQSCや、衛生などのコンテストでも常に表彰されるような、高い運営力が非常に評価されています。

今後は、上海近郊の蘇州と杭州への出店も決めております。業績も完全に黒字体質に育ちましたので、今後は国内同様、既存店前年比にこだわりながら、業態フォーマットの磨き込み、ブランドイメージの確立に向けて経営をしてまいる所存でございます。

私からの説明は以上です。ご静聴ありがとうございました。