2018年度1Q実績

多賀敬治氏(以下、多賀):みなさん、こんにちは。本日はお忙しいところ、当社のコンファレンスコールにご参加いただきまして、本当にありがとうございます。当社は本年度より、第1四半期および第3四半期には、このようなかたちでコンファレンスコールを実施したいと考えています。今回初めての開催でございますので、進行などに至らない部分があろうかと思いますが、何卒ご容赦いただければと存じます。では、早速始めさせていただきます。

2ページ目をご覧ください。ここでは、2018年度第1四半期の業績をお示ししています。売上高は1,492億円で、前年同期と比べまして、18.1パーセントの増。営業利益は233億円で、同じく2.3パーセントの増。経常利益は229億円で、3.7パーセントの増。純利益は157億円で、3パーセントの増ということで、前年同期比で増収増益となりました。

なお、今期より主要なたな卸資産の評価方法を先入先出法に統一いたしましたため、前年同期の実績にはこれらの変更を遡及して適用しています。また、後ほど説明いたしますが、2018年度第1四半期の実績には、Calgon Carbon社の業績が含まれています。売上高はCalgon Carbon社の業績が加わったことや、原燃料アップによる値上げ、為替の影響もあり、前年比増収となりました。利益につきましても同様に、原燃料価格上昇によるコストアップを吸収し、増益となりました。

カルゴンカーボン社の連結決算算入について

続きまして、3ページ目をご覧ください。

このスライドでは、本年(2018年)1月以降に行ったセグメント変更について説明しています。本年3月9日にCalgon Carbon社の買収を完了し、2018年度第1四半期1月より、当社連結決算に業績を反映するとともに、4月1日付で、機能材料セグメントにカルゴン・カーボン事業を編入いたしました。のれん代の確定は2018年度の末を予定していまして、今回の四半期決算におきましては、暫定のれんを使用しています。

なお、本年よりクラリーノ事業部を機能材料カンパニーから繊維カンパニーに移管し、変更後はスライドで示しているとおりの体制となります。その他の事業セグメントに関しては、変更はございません。

ビニルアセテートセグメントの概要

続きまして、4ページ目をご覧ください。

ここからは、セグメント別に事業の状況を説明いたします。まず、ビニルアセテートセグメントですが、第1四半期は前年同期比、増収微減益となりました。また、計画の進捗状況についいてですが、売上・利益とも、ほぼ計画線上で推移しています。2018年度第1四半期より、有形固定資産の減価償却方法と耐用年数、および全社共通費の配賦方法の変更を行いましたため、当セグメントの営業利益はマイナスの影響を受けています。

個別の事業ですが、ポバール樹脂は、昨年から本格的に稼働を開始しました北米工場が寄与し、北米市場での販売が増加しましたが、原燃料価格上昇の影響を受けました。光学用ポバールフィルムは、販売量が増加いたしました。また当第1四半期に、倉敷事業所における新設備投資を決定しました。新設備の稼働は2019年末を予定しています。水溶性ポバールフィルムは、引き続き数量が拡大しました。

PVBフィルムは販売量が拡大しましたが、原燃料価格上昇の影響を受けました。エバールは食品包装用途・自動車ガソリンタンク用途ともに、販売量が拡大し、好調に推移しましたが、第2四半期には米国の工場で定修とデボトル工事を予定していまして、第2四半期につきましては、その影響を受けることになります。

イソプレンセグメントの概要

続きまして、5ページ目をお願いします。

こちらはイソプレンセグメントです。こちらは、第1四半期は前年同期比で増収減益となっています。また、計画の進捗状況につきましては、売上・利益ともほぼ計画線上で推移しています。このセグメントは、本年(2018年)も第2四半期に毎年行っている定修が予定されていまして、第2四半期の営業利益は減益となる予定です。

ファインケミカル・液状ゴムは、販売の拡大により堅調に推移しましたが、セプトンは昨年の第1四半期に値上げ前の需要の先取りなどがあり、前年比較では販売量が減少しました。ジェネスタは、自動車用途・コネクタ用途・LED反射板用途のいずれも、順調に販売が拡大しています。

機能材料セグメントの概要

6ページ目をお願いします。

先ほどご説明しましたとおり、機能材料セグメントの第1四半期実績には、Calgon Carbon社の業績が含まれていますので、前年同期比では増収増益となっています。また、計画に対する進捗につきましては、売上高は大きく上振れする見込みで、利益も若干上振れする傾向にございます。メタクリルは好市況が継続しましたが、樹脂の一部用途で在庫調整などがあり、販売が減少しました。メディカルは歯科材料のジルコニア系製品が好調でした。また、炭素材料は汎用用途の販売量が減少しましたが、カルゴン・カーボンは販売が順調に推移しました。

繊維セグメントの概要

7ページ目をお願いします。

こちらは繊維セグメントです。こちらは、第1四半期は前年同期比減収減益となりました。計画に対する進捗状況も、売上・利益とも、若干下振れ傾向にございます。クラリーノはスポーツシューズ向け出荷が減少し、数量が低調に推移しました。ビニロンは一部用途での出荷の時期ずれによる数量減に加え、原燃料価格上昇の影響を受けました。一方、生活資材は総じて順調に推移しました。

セグメント別売上高・営業利益

8ページ目をお願いします。

このスライドでは、各セグメントの第1四半期の実績と前年同期との比較を一覧にしたものでございます。ご参考までにご覧ください。

カルゴンカーボン社の影響

続きまして、9ページ目をお願いします。

このスライドでは、Calgon Carbon社の2018年度業績への影響を示しています。売上高につきましては、上期・下期それぞれ350億円の増を見込んでいます。暫定ののれん代は、米ドルで7億5,600万ドル。日本円に換算しまして、855億円を見込んでいまして、20年の定額での償却の実施を予定しています。従って、2018年度ののれんの償却額は、暫定時で40億円になります。

冒頭に申し上げましたとおり、のれん代の確定は2018年度末を予定しています。従いまして、現時点では不確定要素が多いため、通期の営業利益につきましては、見込んでいません。貸借対照表への影響につきましては、資産・負債、それぞれ表に示しているとおりでございます。

営業利益増減分析

10ページ目をお願いします。

このスライドでは、2018年度の第1四半期と2017年度の営業利益の差額、5億円の増減要因を示したものでございます。数量および操業度につきましては、光学用ポバールフィルム、水溶性ポバールフィルム、エバール、ジェネスタ、メディカルなどの販売量の増加に加えて、Calgon Carbon社の新規連結によって、40億円の増益影響となりました。

交易条件につきましては、為替は主にユーロが円安に進んだ影響で増益に働きましたが、原燃料コストの上昇をカバーしきれず、5億円の減益影響となりました。経費その他につきましては、Calgon Carbon社の減価償却費、および買収に伴うのれん償却費用などで、約30億円の減益影響となりました。

貸借対照表①(資産の部)

11ページ目をお願いします。

このスライドでは、貸借対照表の資産の部を昨年末と比較しています。まず、流動資産320億円の増加になっていますが、それはたな卸資産が227億円、受取手形および売掛金が108億円などの増によるもので、主にCalgon Carbon社の新規連結が影響しています。固定資産につきましても、1,161億円の増になっていますが、これも同じく、Calgon Carbon社の新規連結に伴う有形固定資産の増が341億円。

それと、3月末時点での暫定ののれんの額が、為替影響も含めまして、約800億円ございます。それが主な要因でございます。

貸借対照表②(負債の部)

12ページ目、お願いします。

このスライドは、貸借対照表の負債・純資産の部を示しています。流動負債の1,287億円の増は、Calgon Carbon社の新規連結に伴う、短期借入金の増が771億円。コマーシャルペーパー発行による増が460億円。これが主なものでございます。固定負債は303億円の増となっていますが、これもCalgon Carbon社の新規連結に伴う長期借入金の増が239億円。また、退職費用に関わる負債の増が45億円、というのが主なものでございます。

純資産は利益剰余金が93億円増加した一方で、為替換算調整勘定が204億円減少し、トータルでは109億円の減となりました。

2018年度業績予想①

13ページをお願いします。

そのスライドでは、今回見直して行った、2018年度の上期・通期の業績予想を、期初予想との比較で示しています。Calgon Carbon社の買収完了に伴う、現時点での売上高影響を反映し、2018年度上期および通期予想をご覧の表のとおり、修正いたしています。

2018年度業績予想②

14ページ目です。

このスライドでは、2018年第1四半期時点で見直しを行いました、2018年度の上期・通期の業績予想を、前年度との対比で示しています。

セグメント別売上高予想

続きまして、15ページ目です。

ここはご参考としまして、セグメント別の売上高の2018年度修正後の予想を、前年度および期初予想との対比で、上期および通期別に示しています。

セグメント別営業利益予想

16ページ目をお願いします。

ご参考としまして、セグメント別の営業利益の2018年度修正後の予想を、前年度および期初予想との対比で、上期・通期別にお示ししています。

自己株式の取得について

17ページ目、お願いします。

自己株式の取得についてご説明申し上げます。

本日(2018年5月15日)リリースいたしましたとおり、当社は昨年に続きまして、本年5月16日から10月31日までの期間におきまして、株数で220万株、または金総額で40億円を上限とする、自己株式の取得を実施いたします。

以上で、説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。