見栄が強い人は「すごくない」

質問者10:すごく抽象的な質問になってしまうんですけど。お2人が思うすごい人がたぶんいらっしゃると思います。お2人が思うすごい人に共通する事柄が、何かしらあるのではないかなと思っていて。すごい人に共通することを教えていただければと思います。

芦名勇舗氏(以下、芦名):僕は見栄をはらない人ですね。僕も普通の方よりはすごい人に会ってるつもりではいるんですけど、いくら経済的に成功をしてる人だったり、お金を持ってる人に会っても「この人ぜんぜんすごくねぇな」と思うのは、やっぱり見栄が強い人のことは「ぜんぜんすごくねぇな。だせーな」とすごく思っちゃうんですよね。

昨日も、とある業界のすごい人に会ったんですけど、その人とかも「ヤフーの役員のあいつ? 僕、友達です」「ああ、あそこ。あそこのベンチャー企業の社長さん、知ってる? 彼も友達で」。(芦名氏が思ったのは)「こいつクソだせーな」という。

(会場笑)

「お前の話をしろよ」とすごく思っちゃうので。だからやっぱりそれは、その人が経済的に成功している人だとしても成功していない人だとしても、見栄をはらずに、等身大で「自分はこう思う」「自分はこれが嫌だ」「自分はこれが好きだ」と言える人が僕はすごいすてきだと思うし、すごいなと思います。

質問者10:ありがとうございます。

福山敦士氏(以下、福山):言動が一致している人ですね。僕はイチロー選手が大好きで。イチロー選手は言動がいつも一致していて、成果のレベルが世界トップクラスです。

例えば最近いいなと思ったのが、「これからも僕のことを応援してくださいと言うつもりはありません」というふうに言った記者会見があって。YouTubeであるんですけれども。「応援されるように僕はがんばります。見ててください」という言い方をしてて、「かっこいいな」と思って。僕もそんなふうに言ってみたいなと思いました。世界で1番ヒットを打っている人の言葉って、それだけで人の心を動かせる説得力が出る、その意味で行動や成果が伴った人はすごいと思います。

違う軸でいうと、福澤諭吉先生です。死んだ後にも名前が残って、1,000円札、5,000円札は変わるのに、1万円のお札の顔は彼だけ変わらない。いろんな陰謀があるという話もありますけど。そういう死んだあとにも名前が残るってかっこいいなと。

僕の場合は、バイネームで「この人のこの部分かっこいい」という部分を、なんとか自分にインストールできないかなということを常に考えています。すぐにリバースエンジニアリングをかけます。

相手に伝わらなかったら発信者の責任

司会者:ありがとうございます。では、最後のご質問で。いらっしゃいますでしょうか?

芦名:じゃあ2人いきますか。

司会者:はい。2人いきましょうか。

質問者11:今日はありがとうございます。お2人のお話を聞かせていただいていて、非常にやっぱりお話がお上手だなというか、スッと入ってくるというか。芦名さんは適度に笑いを入れたりしますし、話すときに、やっぱり時間も限られているので端的に話す必要があると思うんですけど、意識されてることはございますか?

芦名:僕は一番意識してるのは、相手の理解度をすごく意識しています。つまり僕が話したいことはもちろんあるし、僕が伝えるべきことはあるんですけど、それがわかっていなかったら、「じゃあここでこういう例え話出したほうがいいかな」とか。眠そうな人がいたら「ここで笑い入れたほうがいいかな」とか。

1対1の営業はもちろんそうですけど、常に相手がどこまで理解が進んでいるかということを考えながら話をしています。

質問者11:ありがとうございます。

福山:(芦名氏の考えと)けっこう近いですね。キャッチボールと同じかなと思っていて。小さい子どもとキャッチボールするときは、やっぱり下から投げてあげないと取れない。でも一方、プロ野球選手とキャッチボールするんだったら、けっこう全力で投げてもOKみたいなのがあると思うので、そういうのはすごく心がけています。なので、相手の理解度に合わせるという話かなと。

これは発信者責任と受信者責任ということがあって。基本的に発信者責任をすごく大事に考えています。というのは、日本の教育の場合は、「言ったのに聞いてなかったんですか?」と、聞いたほうの責任にするのが受信者責任なんですけど。

アメリカの場合は「言ったんですか?」「伝わったんですか? 伝わっていないということはあなたの責任です」と教えられているみたいなんですね。実際行ってないのでわからないですけれども。

そういう違いがあると思っていて。プレゼンターは、どっちかというと「え、あの時言ったじゃん」「本に書いてあるの読んでないの?」というのはたぶん発信者としてはダメです。発信者責任は、伝わったかどうかまで確認しなきゃいけないと思っているので。

今日そのフィードバックは得られないんですけれども、そこを心がけて発信す。言ったけど伝わっていないし、今日ここに来た方々がそのあと活躍できなかったら発信者の責任だなと思って、伝え方を変えなきゃなと思っております。まだまだできてはいないんですけれども、そんなことを意識しています。

質問者11:ありがとうございます。

最近うれしかったこと、萎えたこと

司会者:ありがとうございます。では、パーカーの方、よろしくお願いいたします。

質問者12:ありがとうございます。そんな大した質問ではないんですけれども、最近一番うれしかったことと、めっちゃ萎えた、一番振れ幅が大きい、良かったことと悪かったことを教えてほしいです。

芦名:一番萎えたことは覚えていないですね。一番うれしかったことは……、仕事をしてて、いいアイデアが見つかった時にすごくうれしかったですね。

質問者12:どんなアイデアだったんですか?

芦名:ちょっとそれは言えないんですけど。

(会場笑)

言えるときになったらまたお話しします。一番萎えたのは……ちょっと考えておきます。先に福山から。

福山:いや、ちょっと俺も萎えたことが出てこないなと思って。うれしかったのは、今、子どもが5ヶ月なんですけれども、こっち側の働きかけに対して笑ってくれた時にむちゃくちゃうれしかったという、そのぐらいですかね。萎えたこと……。

質問者12:なにか「失敗したなぁ」とかでもいいんですけど。「うわぁ……」みたいな。最近した一番大きな失敗。

福山:最近? ああ、原稿の締め切りを守れなかったことですね。やっぱり約束を1回守れなくなると癖になるのですごく嫌なんです。歯を磨かないのと一緒ぐらい気持ち悪くて。2月に発売する2冊目の原稿の締め切りなんですけれども、守れなかった自分がすごく嫌いで、僕は気持ちが落ちたかなという。わりと最近の話ですね。

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質問者12:ありがとうございます。

悩んでいる時間があるのは暇だから

芦名:一番萎えたのは……今思い出しました。不動産屋ですね。今、新しい事業で店舗を1つ出すんですけど、その店舗の不動産がぜんぜん決まらなくて。ネットに書いてある不動産情報って……。不動産屋さんの方はいらっしゃいますか?

(会場挙手)

芦名:1名。何系の不動産屋さんですか?

参加者:売買です。

芦名:売買ですね。僕はその賃貸の店舗の不動産をネットでいろいろ調べてるんですけど、あれ嘘ばっかりですね。不動産のサイト、全部嘘です。

福山:「情報が更新されてなかったみたいですねぇ」と。

芦名:もう全部嘘で、掲載している物件を問い合わせても「ああ、ちょうど契約が入ってしまって……」みたいな、釣り物件ばっかりで。「こいつらマジ終わってんな」と思ったのが最近一番イラっとしたことかもしれないです。

(会場笑)

質問者12:ありがとうございます。

司会者:じゃあ、あまりネガティブになることはないということですか?

芦名:ネガティブになることが一番僕のパフォーマンスを低下させることを僕は知っているので、ネガティブにならないように生きています。

福山:僕は「暇なんでしょ」と言われたことですね。サイバーエージェントの副社長に、「悩んでます」と言ったら「えっ、暇なんだね」と言われて。その言葉がまだ忘れられないです。要は、悩む時間があるという(意味での)「暇なんだね?」。だからやばいと思って、週110時間働いたつもりだったけど、悩んでる時間があったと思って、仕事を詰め込んでいました。

でも、これは1個の真理な気がするんですよね。悩む時間って実はあんまり生産的ではない。悩みを思考に変えるためにはアウトプットが必要なんですね。可視化すると悩みは思考になります。

悩みというのはこの中で(頭の中で)することなんですけど。「ああでもない」「こうでもない」と。ああなのかこうなのかわかるために書き出すということをすると、悩みが思考に変わるというふうに僕は思っています。

そこで答えが出なくても、やっぱり悩みと思考はアクションにつながるかつながらないかで明らかに違うので、そこは違うかなと思っています。

「身体をでかくしたい!」という人募集

司会者:ありがとうございます。では、最後に今後のお二人の展望についておうかがいしたいと思います。こちら芦名さんからよろしくお願いいたします。

芦名:僕はいつも具体的な展望というものは決めないですね。よく目標設定とかという話をされるんですけど、僕は1年も目標を決めたことがないです。だいたい3ヶ月後とかというのをずっと繰り返してる感じですね。なので、1日でも目標が変わったりするので、会うたびに言うことが変っているというのはすごく頻発しています。

今、具体的にやろうとしていることは、「身体づくりしたい!」という欲求がある方っていらっしゃいます?

(会場挙手)

芦名:けっこういますね。これからフィットネスジムを作ります。人間って本来、生きてるだけで幸せなのに、みんな「生」が当たり前になりすぎて、とくに先進国の人って「生」に幸せを感じなくなっちゃってるんですよ。だから先進国って「死」を求めるんですよ。「死」を求めて「生」に幸せを見出そうとする。

動物界では、どの動物でも一生で20億回脈を打つと死ぬって言われるんですね。つまり僕のロジックでは、脈を打って、死に近づくと、生を感じ、幸せになる。という。

例えば緊張したらドキドキして達成感あるし、フィットネスはまさにそうだし、初恋もドキドキして幸せになるじゃないですか。これが僕の脈マーケティングです。

あとはキャッシュポイントですね。世の中の不幸を生み出してる要因って、「キャッシュポイントが1つしかないこと」だと思うんですよ。会社からしか給料をもらっていなければ、聞きたくないウザい上司の言うこと聞かなきゃいけないし、女性なら旦那さんからしかお小遣いもらってない専業主婦とかなら、一緒にいたくもない旦那と一生一緒にいなくちゃいけない、お客さんが一社しかなかったら、そのお客さんに媚びなきゃいけない。

これってすごくヘルシーじゃないと思うんですよ。だからキャッシュポイントを複数持つことが不幸をなくす第一歩になると思うんです。

そんなジムを作ります。これから営業マンも募集するので、ぜひ筋トレしたい方や、稼ぎたい方、一緒に仕事がしたい方はご連絡いただければと思います。さっきの彼(参加者)なんかもうずっとニヤニヤしてるんですけど、さっきから(笑)。

(会場笑)

芦名:ぜひ連絡いただければと思います。後ろに秘書の○○さんがいらっしゃいますので、彼に言っていただければ、また情報はお伝えします。ジムの場所はおそらく代官山、恵比寿とかになると思います。

司会者:ありがとうございます。ちょっと僕もさっそく通おうかなと思っちゃいました(笑)。

「きれいごと」を言い続けたい

司会者:福山さん、今後の展望いかがでしょうか?

福山:僕の場合は、ビジョンはあまり変わらなくて、「勇気を与える存在になる」ということと、ミッションは「学問をつくること」という、その2つをブラさずにやっていこうと思っています。そこに仲間が必要だなと思っているので、もし共感される方がいたら、一緒に働くなのか、なにかを一緒にやるとか、そういう仲間を募集したいなと思っています。

ポリシーとしては、きれいごとを言い続けたいと思っているので、きれいごとを言うためには自分がちゃんと稼いでなきゃいけないし、ちゃんと自分が偉い立場じゃなきゃいけないと思っているので、それはやり続けたいなと思っています。きれいごとを言うためにとことん稼ぎ、とことん偉くなろうと思っております。

直近では、人事部長を務める株式会社ショーケース・ティービーで「社長人材」を募集しています。グループ会社の経営や、新規事業を責任者としてやりたいという、鼻息荒いメンバーを募集しています。

司会者:ありがとうございます。では、みなさまいかがでしたでしょうか? あっという間に2時間あまりが過ぎてしまいましたが、まだまだ聞き足りないことや話してみたいことがございましたら、このあとサイン会であったり名刺交換会もございますので、そちらご活用していただければと思います。

それでは、本日はお忙しいなかこの出版記念講演にお集まりいただき、ありがとうございました。では、これにて出版記念講演を閉演させていただきます。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

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