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「永遠の未来を我々がデザインする」 世界最高の頭脳集団・MITメディアラボが考える、コンピュータ・アート新時代

「永遠の未来を我々がデザインする」 世界最高の頭脳集団・MITメディアラボが考える、コンピュータ・アート新時代

世界最高の頭脳集団とも言われるMITメディアラボの副所長をつとめる石井裕氏が、TEDxSapporoに登壇。従来のコンピュータ・アートとは一線を画する数々のテクノロジーを紹介するとともに、MITメディアラボが目指すデザインの到達点は「2200年に生きる人々に、どう思われたいか」だと語りました。(TEDxSapporo 2013より)

スピーカー
MITメディアラボ 副所長 石井裕 氏
参照動画
The future, envision and embody

全く新しい色

この中で絵を描く人いますか? 水彩、油彩。絵を描くってとても大事な行為です。 1155_R I/O Brushをご紹介します。 1201_R これは了戒公子さんていう、僕のグループで博士課程を卒業して、IDEOのデザイナーに、今はバークレーで教授をやってます。 彼女と一緒にデザインしてるのはI/O Brush。ペイントブラシです。与えられたインクで絵を描くのではなくて、自ら新しいインクを作り出す。絵の具を作り出す。これは14世紀ルネッサンスの時代に画家は自分たちでピグメントを作りました。 与えられた絵の具で描く、与えられた食材で料理をつくる、食べるのではなくて、積極的に上流にいって、自分が欲しい紫、それがなければ海岸に行って紫の貝殻を集める。そしてそれをベースに自分の紫を作り出す。 それは単なる紫じゃなくて、そこにストーリーがある。自分のエモーショナルな思い入れが入ってくるわけです。 wanko_R wanko2_R ルネッサンス時代の画家がピグメントメーカーでもあった、そのプラクティスを持ち込もう。今犬がいましたけども、このわんこの白ってのは、決してWindowsやMacのカラーピックでは拾えないものです。 何故かと言うと、エモーショナルなアタッチメントがあるからです。あらゆる色に、あらゆるストロークに、ストーリーがある。自分のエモーショナルな思い入れがある、アタッチメントがある。それをウイーブすることによって、新しい芸術作品が作れる、そういう世界を夢見ました。 もちろん、テクノロジーを使いますから、テンポラルにも使える。八百屋さんに行くといっぱいフルーツが並んでる。ただそれを買って食べるんじゃなくて、あるいは、美しい紅葉を見たら、ただそれを見るだけじゃなくて、それを使ってどんな新しい芸術作品を作れるか。World at pallet.世界はパレットだ。というのがメタメッセージです。 I/O Brushを使ってインタラクションすると、子どもも大人も知らないうちに新しいメガネをかけてる。そのメガネを通して世界を見ると、それが新しい可能性を示してる。 帯広、十勝、摩周湖の美しい紅葉を見たら、それを使ってどんな新しい作品がつくれるか。絵画は炭やインクが二次元の表面にはり付いたものです。それはケープペインティングからオイルペインティングまでそうです。 しかしながらテディベア、クマがいますよね。そのクマから色がきてる。どこからその色がきたか、オリジンが全部入ってます。ストロークに。これは絵画からのディパーチャーです。 絵画という、何千年人類が発達させてきた、素晴らしいアートピース、そのスタイルを踏襲しつつ、それを越えるメカニズムがこれです。 3次元目の軸がある。3Dの軸ですね。それを新しい解釈を待ってる。それは絵画には存在しなかった。彫刻にも存在しなかった、新しいディメンションです。それを幼稚園に持っていきました。 1447_R 彼女が素晴らしいのは、MITのおっさんなんかの言う事をまったく聞かない。ヒストリーと言っても聞いてない。これがインタラクションデザインをやるものにとって、最高の瞬間です。 新しい表現、エクスプレッションの可能性を作ったそれを思いがけない意味付を、もっともクリエイティブな人がしてくれた。さらに彼女たちの見る世界ってのは違ってくる。世界がパレットになる。どんな作品を次に作ろうか。 1517_R これはバルセロナにアートフューチャーっていうカンファレンスに呼ばれたときです。その時にバルセロナのマーケットあらゆる八百屋さん、果物屋さんが素晴らしいネーチャーな色のパレットを提示してる。次の世界の子どもたちがああいうブラシで遊び、世界中を旅したときにどんな作品をつくるか、どんな作品をアップするか、考えるととてもわくわくします。

コンピュタの世界と実体の融合

1538_R 砂、粘土。フォームギビングのマテリアルとして、私たち非常に興味があります。そのタクタルなフィードバック。 iy2_R SandScapeという作品をご紹介します。 1553_R これはアラセルトリカで展示した作品ですけど、砂をスカルプティングするとどんどん形状をコンピュータが認知して、コンピューティシャルなアノテーションになる。 今、高さ、色がついてますけども、さらに水の流れですね、いまベクトルで表示してます。シャドーとかウォーターレンジ、いろんなコンピューティシャルな結果をインフォームすることによって、フォームギビングへのタンジブなマテリアルでありながら、コンピューティシャルなメディアである。これがTangible bitsです。 ただ、残念なのは、ランドスケープってどんどん変わります。氷河がユー・シェイプなバリューを作るとか、イロージョン(侵食)、マウンテンビルディング、でもその過去の記憶を覚えてない。受け身のパッシブな砂だからです。 これが次のジャンプ。 1628_R Radical Atomosという、今我々が描かれているビジョンの原動力になってます。Tangible bits面白いけどもAtomの部分ってダンスしてくれない。 皆さん、プログラム書く人、どのくらいいますか? 結構いますね。皆さんコンピューターのプログラム書けば、スクリーンの上のピクセルを踊らせることができる。でもアトム。フィジカル世界のマテリアルってダンスしてくれない、変形してくれない、固さややわらかさ変えてくれない。そういうマテリアルが出来たらどうだろうか。 Dynamic Future Material That Conform, Transform & Inform 変形してくれる、あと、僕が決めるコンストレンツをコンフォームする。更にインフォーム。どういう形状変化が可能かってことを教えてくれるアフォーダンス。そいうったマテリアルをエンビジョンしてます。 1714_R さきほどの、サンドスケープと比較してくれるといいんですけども、ランドスケープデザイン、そこにシェイプディスプレイ、そしてメモリ、形状変化のメモリがある。自由にその形状を変化させることができる。それによって、例えばGoogleアースをマープしてトランスレーション、あるいはズームインズームアウトする。そうすると当然ですけども、フィジカルなランドスケープがその上に現れるわけです。

常識をキャンセルする

これも発展形として、タイムスケープっていう作品を作りました。 1740_R これから情報は2つのかたちでレンダリングされる。ピクセルだけじゃなくて、フィジカルな世界にも。しかも、同じ情報なわけです。全くシンクロナイゼーションしてる。なんのズレも無い。今、このイロージョンの形をしましたけれども、時間変化した形状、それをリングですね、木製のリングのコントロールによってタイムトラベルしてます。 さらに直接マテリアルをさわって、押したり引っ張ったりして変形できる。これは粘土とか砂と同じです。 さらにジェスチャーですね。ミッドウェイのジェスチャーを使うことによって、新たな広域に対するコマンドを発することができる。すなわち、全く新しいマテリアル、それとのインタラクション、コミュニケーション、それが今のRadical Atomosの研究テーマです。 1827_R これが最新の研究結果です。ピンが1000本。1000本のピンで激しくアクチュエイトします。コンピューテイショナリー。その上で踊るマテリアル。 インターマテルインタラクション、コンピューティショナルコントロール サーフェイス、そしてその上にあるマテリアル。その間のダンス。インタラクション。今まで全くなかった、新しいディメンジョンのインタラクション。人間の介入。マテリアル同士のインタラクションが可能になります。 もちろん、ピクセルで同じ表現は出来ます。でもこれはとてもスケアリーです。ものすごいスピードです。しかも、あなたと、あなたの同僚との間にあって、完璧な3Dで、触れる。このリアリティ。この新しいマテリアル。Radical Atomosがどういう未来をつくるかという、研究をやってます。 さらに、グラヴィティサックス。我々は今地面にへばりついてます。何故かというと1G。なぜ1Gにコンストレントされなきゃならないのか、っていう問いかけから発したプロジェクト。 それはゼロンっていう、新しいマテリアルをインベンションしました。まだのってませんけども、このマテリアルを掴んで空中に置くと留まります。 1931_R No.2 コンピューターがそれがどこに存在するかと正確に把握してます。 No.3 コンピューターがそれを動かせます。人間も掴んで動かせる。コンピューターも動かせる。そんな全く新しいマテリアルです。 皆さん、頭の上を見てください。大きな空間が広がってます。空があります。その空間て、全くエクスプローラーされてない。使い用が無い。なぜかと言うと、サーフィス、スタックしてるからです。 1Gを当たり前だと思って、そこで思考をストップしても構わない。でも、新しい可能性を考えようとした場合、それを、なぜ1Gなのか、それをキャンセルしたらどんな世界ができるか、どういうインタラクションデザインが、スペースデザインが出来るか考えたい。 今、太陽、あるいは月が投げかけるシャドー。あるいは、テプラの法則による天体の運行、いろんなものをリアルワールド、フィジカルの世界でもって実現する事が出来ます。 2024_R 今日、高速に述べてきましたけども、Painted bitsグラフィカルユーザに対するピクセルから始まり、Tangible、そしてRadical Atomosというビジョン、ドリブンのリサーチをご紹介してきました。 なぜビジョンなのか。これは先ほど申しましたように、あっという間に無くなってしまうテクノロジーとか、どんどん消えてしまうニーズドリームじゃなくて、骨太の本当に長く生きるビジョン、それをドライビングフォースにしたい。 そういう意味で、未来を作る時にどんな未来が来て欲しいか思い描く、エンビジョン。そしてエンボディ。インプリメントする、そして人をインスパイアする。インベータのインスパイア、それが僕らの未来のデザインのアプローチです。

死の先の未来をデザインしていく

ishi_R 最後に、「2200」というメッセージで終わりたいと思います。 今日、リリップが声をかけてくれてふるさと札幌でお話ができて非常に嬉しく思います。これが今日の僕、そして今後の予定です。 2120_R (会場笑) 2050年、違う場所に参ります。2100年、皆さんご一緒です。行いが良ければ。未来は定年退職とか、僕らの死で終わらない。世界はその後も永遠に存続します。 2138_R 2200年を生きている人々がいる。その人々にいったいどのように思い出されたいのか。何を彼に残したいのか。それを毎日僕は自分自身に、そして学生たちに問いかけ続けてます。 メメント・モリ。「死」。そしてその後に広がる永遠の未来。その未来こそ、我々が責任を持ってデザインしていく未来じゃないかと、僕は思います。どうもご清聴ありがとうございました。

  
※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。
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