今週のゲストはビジネス数学の専門家

西澤ロイ氏(以下、ロイ):I couldn't understand sine, cosine,tangent.「西澤ロイの頑張らない数学」。

上村潤氏(以下、上村):このコーナーはイングリッシュドクター西澤ロイが、英語に関するさまざまな話題を取り上げたり、英語を使って活躍している方にインタビューするコーナーです。このコーナーは社会貢献型レストラン予約アプリ「テーブルクロス」の提供でお送りします。ロイさん、おはようございます。

ロイ:おはようございます。

上村:タイトルコールから疑問が湧いたのですが(笑)。

ロイ:とりあえず英語で言ったことは、I couldn't understand「理解できませんでした」sine, cosine,tangent「サイン、コサイン、タンジェント」。あるじゃないですか。サイン、コサイン、タンジェントって。あそこで僕は数学を挫折しました。これが何なのか一体意味がわからない。誰か教えてくれ。今でも疑問です。

上村:そして、そんな疑問に答えてくれる。

ロイ:まあ、そこは難しいところなので、もうちょっと一般向けのお話で、今日はビジネス数学の専門家の方をお呼びしました。

上村:はい。それではさっそくご紹介致しましょう。ビジネス数学の専門家深沢真太郎さんにお越しいただきました。おはようございます。

ロイ:おはようございます。

(一同拍手)

深沢真太郎 氏(以下、深沢):おはようございます。よろしくお願いします。

上村:まずは簡単に自己紹介からお願い致します。

ビジネス数学の専門家、深沢真太郎氏が登場

深沢:ビジネス数学の専門家、深沢真太郎と申します。ビジネス数学って初めて聞いた方も沢山いると思うんですけども、ビジネスパーソンを数字に強くさせて、しかもロジカルに教育している先生だと認識いただければいいかなと思います。

ロイ:例えば、これが最新刊ですけども、『10戦9勝の数字の使い方』。

10戦9勝の数字の使い方 (小学館新書)

深沢:ほんまかという感じですね(笑)。

上村:帯にすごい惹かれるんですけど。僕はやっぱり文系人間なので「文系人間は数学的思考力を鍛えろと」。数学的思考力とはなんぞやと。気になっちゃいますね(笑)。

深沢:偉そうなものですね。これね(笑)。

上村:いやいや、作者、作者(笑)。

(一同笑)

ロイ:どんな感じで数学を教えられているか、まずは、お話いただきたいです。

深沢:みなさんがイメージしている「数学」をビジネスパーソンに教えているわけではなくて、かつて数学で使った考え方を改めて思い出していただいて、仕事に使っていただきましょうということを、企業研修やセミナーでやっているという、そんな感じですね。

例えば、メガネ屋さんをやりたいとします。当然、日本のメガネ市場がわからないとビジネスプランを立てられないわけですよね。じゃあ、メガネ市場ってどれぐらいかなって規模を捉える時に、数学を使って、だいたいこれぐらい「x億円です。x兆円です」って捉えられないとまずはビジネスをスタートできないわけです。そういう教育をやっていると考えると、何となくみなさんもイメージできるんじゃないかなと。サイン、コサイン、タンジェントは教えてません(笑)。

(一同笑)

上村:そこは真っ先に釘を差されちゃいましたね(笑)。

深沢:はい。そんな感じですね。

ロイ:でも、やっぱり数学が苦手な人が多いですよね。

深沢:多いですね「数字を見ただけで吐き気がします」みたいなね。そういう方ってけっこういるんですよ。

ロイ:そうですか。

深沢:いろんな企業で研修をやる時にも。

ロイ:なんか英語と近いですね。

深沢:苦手意識の強烈さというのは、すごく感じますね。やっぱり現場で。

苦手意識=心の病

ロイ:そこにどうやってアプローチしているんですか?

深沢:苦手意識って、文系でした理系でした、ということではなくて、その人の心の病だと定義しているんです。私は。

ロイ:なるほど。

深沢:心の病気であると。だから、病気なら治療をしなければならないだろうと思うんですね。なので、まずは心の病を治してあげなければいけない。私は最初に小難しい話をするのではなくて、例えば円周率の3.14という数字があるじゃないですか。あれは円周率だと思って3.14という数字を見るから、みんな気分が悪くなるんだ。

ロイ:ほうほう。

深沢:あの3.14を、例えばホワイトデーだと思って見ると、気分が少し良くなるでしょ。

ロイ:確かに(笑)。

深沢:つまり、みなさんは数字が苦手なのではなくて、数字というものから連想される、過去の不快な経験があなたを深いな気分にさせているだけなんです。

ロイ:なるほど。

深沢:だから、あなたは数字が苦手ではありません。だから改めて数字の使い方を勉強しようね、なんて言うと一気に扉が開くんですね。

ロイ:イングリッシュドクターとしてすごい勉強になるお話をお伺いしている(笑)。

(一同笑)

上村:すごいですね。いつかの講義で同じこと言ってましたね(笑)。

ロイ:これ病です(笑)。

深沢:あれ? どこかで聞いたな、その言葉(笑)。

(一同笑)

深沢:やっぱりでも人間って感情や気分の生き物なので、結局はそこなんですよね。

ロイ:いやあ、わかります。

深沢:理屈じゃないんですよね。そこにアプローチする数学の専門家というのが、実は極めて少ないんですよ。なので私はそういうポジションで今仕事をしています。

テストに使うかどうかではなく、本質を学ぶ

ロイ:なるほど。やっぱり英語も丸暗記して苦手な人ってすごい多いと思うんですよ。沢山単語を覚えなくてはいけない。文法を覚えなくてはいけない。覚えるものがどんどん出てきて、覚えても忘れちゃうみたいな。それでまた覚えなきゃというすごい苦しいイメージがあるんですけど、数学もちょっと近いですかね?

深沢:そうですね。人間誰でもそうだと思うんですけど、意味のわからないものを覚えさせられるほど苦痛なものはないわけですよね。何で教科書に出てきた公式を覚えなければいけないのかというと、恐らく想像なのですけども、テストでいい点数をとらなければいけないからなんですよね。受験に通らなければいけないから覚えなければならないとか。

それってやっぱりつまらないし、受験に通ったからといっても、その先幸せかもわからないし、だとするならばそういう数学の授業ではなくて、例えばこういう公式だったら「何でこんな公式ができあがったんだろうね?」というようなことを考えて、別にテストに使う使わないではなくて、そういうのをみんなで考えようではないかという授業をやったほうが遥かにいいですよね。そっちのほうが楽しいと思います。