健康経営は企業のブランディングにつながる

質問者4:忽那さんに質問なんですが、私がふだん広報や、これまでにインナーブランディングなどをやっていました。

そういった経験もあるので、なにか健康経営というと、経営者を動かすときに最悪のシナリオを言って脅迫するようなものではなくて、例えば攻めのブランディングのような感じで健康経営を使えないのかと思いました。

あるいはそのようにふだん活用しているところはないのかなと。もしご存じであればおうかがいしたいと思いました。

忽那幸希氏(以下、忽那):そうですね。おかげさまで「健康経営」というキーワードをいただいてからは、そういったかたちでお話をいただくことも増えてはいますし、それに関連してメディアでもそうしたお話ができたりもしますので、そこは明確に会社としても1つのブランディングといいますか、とくに採用の部分ではプラスに働いているということはあるので、その部分は積極的に出していければいいと思います。

質問者4:ありがとうございます。

司会者:採用時の申し込み数がバッと上がったとおっしゃっていました。

忽那:そうですね。やっぱりカスタマーサポートなどのメンバーは、こういった食事補助のようなところで非常に魅力を感じてきてくれる方が多いので、そういったところでちゃんと健康であったり、食事に気を使っていると言えるのは、会社としてもプラスになっていると思います。はい。

司会者:ほかはいかがでしょうか。あと1〜2問になってしまいますが、どうですかね。もしなければ、私、質問はそろそろ終わりかな。大丈夫ですか?

ポテンシャルのある若手を育てる必要性

司会者:ではまず、健康経営というものはまだまだ走り出したばかりで、なかなかこれという感じではないと思うんですが、これからやろうとしていることで、なにかプランをしていたり、アイデアを練っていたり、そうしたことはお二方もあったりするのでしょうか?

村上儀明氏(以下、村上):どこの企業もあると思いますが、やっぱり「下を育てなさい」という話がよくあるじゃないですか。「でも、具体的にどうやったら育つの?」というところで、そうしたプログラムがしっかりあるところもありますが、意外とやっぱり難しかったり。

あと、スキルは教えられても、例えば「マネージャーにするのに必要な要件をどうやって教えるの?」というところが難しかったりしますよね。

司会者:はい。

村上:でも、そこは結局その上司の人間性や、人格のところに関わってきちゃうので、やっぱりそこは「どのように底を上げようかね?」という話に会社の中でやっぱりなってはいますね。

司会者:会社全体でどう底上げをしていくのかという。

村上:会社全体で。そうですね。ポテンシャルのある若手の人間は、幹部層で「ここだね」という話があって。「じゃあそれを育てる側の人間性はできているの?」となったときに、それぞれみんな、部下とコミュニケーションがうまくいかない。上司と部下なのに、男女の別れ話のような話になってしまうケースもあるわけですよね。

司会者:(笑)。

村上:なんか……わかります? あ、わかりますよね、きっとね。やっぱりそういうのは、上司もすごく悩んでいたりするし、そのへんをどうトレーニングというか、解決していこうかみたいなところは議題に上がったりはしています。

司会者:それはマネージャーレベルの底上げですか。

村上:マネージャーレベルの底上げというか。でも、そこは人間性の部分だったりするので、非常に難しいという部分はありますが。

司会者:そうですね。難しいテーマですよね。

村上:ですよね。

司会者:村上さんとお話をしていると、人生経験が豊富なので、どうしても人間的魅力のようなところを見させていただいていたんですが、それを会社で、やっぱりマネージャーレベルに投入しようとすると、なかなか難しいと思ったりもするんです。そういうことを今やろうとしている。

村上:そうですね。

司会者:はい。ありがとうございます。

それぞれの会社に合った健康経営を目指す

忽那:健康経営といっても、今うちがやっていることは、はたして健康経営と大きな声で言えるレベルのものなのかというと、まだまだそうではないという思いはあります。

例えば、私のようなバックオフィスの人間が、「これおもしろそう。あれおもしろそう。ちょっとやってみよう」というレベルでまだまだ走りはじめの段階ではあるので、本当に胸を張って健康経営をしていると言える状態になりたいですね。

それはどうした状態かというと、経営陣の力もしっかり「うちは健康経営をやっています」という言葉がすらっと出てきたり、こうした旗振り役がいなくても、会社として当たり前のようにそうしたことがなされている状態を作っていければいいと思っていて。

では、それにはなにが必要かというのは、たぶん健康経営というのはあまりにも幅が広く、会社それぞれに合う・合わないもあると思うんですよ。たぶん部活動であったり、そうした運動、身体を動かすようなところがすごく合うところもあれば、食事面のサポートがすごく合うところもあれば、専門家の先生を入れて、ちゃんと相談ができる環境を整えるようなところが健康経営みたいなものだったり。

たぶん、それぞれの会社に合った健康経営があると思うので「ラクスルに合った健康経営とはなんなのか?」というところは、これから探していきたいと思いました。

「おかん」はラクスルの重要ポジション

司会者:ありがとうございます。そして最後に、せっかく「おかん」を導入していただいているということなので、おかんを導入して、なにか社内の変化があった、どんなことがあるかということをご紹介していただいて終わりにしようと思うんですが、ぜひシェアしていただいてもよろしいでしょうか?

忽那:実は私、おかん導入に立ち会ったわけではなくて、もう入社をしたときから入ってはいたんですが。当初導入するタイミングでは、やはりなかなかランチに行く時間がなかったり、周りに気軽に食べに行くお店がないというところが社員の不満というか、「もっとこうなればいいな」というところとしてあったものが、おかん導入によってそこの不安が解消されて、その食事も1つのコミュニケーションの時間となりつつ、社員がお腹を満たされ、やる気を持って仕事ができるという状況になったと思います。

実はオフィス移転をする際に、虎ノ門から目黒に移ったんですが、「周りはけっこうレストランやスーパーがあるし、おかんはもういらないんじゃない?」という話も出たことはあったんですよね。

ただ、その時点で、社内にすごくコアなファンがやっぱりいまして。「いやいや、やめるなんて言わないでくれ」というようなところで、熱烈な支持があり、導入を継続しているんですが。

これを継続したことによって、やっぱり安心してまた「ああ、よかった。残った。残った」ということで、そこもやっぱりプラスに働いているので、今「オフィスおかん」はラクスルにはすごく重要な一ポジションを担っているのかなと思っています。

司会者:ありがとうございます。

社員みんなが待ち望んだ「おかん」導入

司会者:村上さんはいかがでしょうか?

村上:そうですね。うちはもともと北青山にオフィスがあったときに、導入検討を始めて、さっき言ったように、僕はいろんな人に聞いて、「こんなのがあるんだけど、どう?」と言って、「わー、やりたい!」となったんですが、従業員が増えて、カフェのスペースがどんどん削られていって、オフィスおかんが入れられない状態になっちゃったんですね。

去年の10月に神宮前に新しいところに引っ越しをしまして、そのときに従業員の側から「おかんは入れるんですよね?」という話が出て。社長からも「村上さん、おかんの話はどうなってるの?」というような感じで詰め寄られまして。「あ、もう考えております」という感じで導入にいたったということがあるんです。

ですから、従業員の人たちはやっぱりすごく待ち望んでいた導入だったところと、あとはやっぱり実際に入れて、うちにカフェスペースがあって、そこでみんなでお昼を食べたりしているんですが。

それまではコンビニで買ってというような、外でなにか買ってきて食べるとなるとコンビニぐらいしかなかったんですが、おかんがあることで、値段もやすごく安いですし、けっこうみんな家でおにぎりやご飯だけ作って持ってきて、おかずを2品ぐらい買って食べると、200円ぐらいで1食食べられちゃいますから。

たぶん若い社員にとっては、例えばものすごく経済的なメリットが大きい。だからそういう意味でも、みんなやっぱりすごくそこはありがたいということを言っていますし、やっぱり若い社員はお給料だってそんなに高くない人にとっては、すごくメリットが大きいというところはやっぱりおすすめかな? 

司会者:ありがとうございます。