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空から降る幾千のカエルたち 超常現象の科学的な根拠

空から降る幾千のカエルたち 超常現象の科学的な根拠

世界中で目撃されている、空から降る動物たち。この世の終焉の兆候か、はたまた超常現象か。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は、生き物が空から降る理由をサイエンスの見地から解説します。

スピーカー
Hank Green(ハンク・グリーン) 氏
参照動画
Why Frogs Sometimes Fall From the Sky

生き物が空から降る?

ハンク・グリーン氏 「It’s raining cats and dogs」(注:土砂降りの雨の意味)という表現を聞いたことがあるでしょう。もちろん、文字通りの意味ではありませんが、実際に生き物が空から降ってくることはあるのです。 この現象は、稀ですが定期的に記録に残っており、記述は古代ローマの時代にまでさかのぼります。もちろん、こういった歴史的な記述は誇張されている恐れはありますが、生き物が本当に降った記録は今世紀にもあり、気象学者たちはその原因をほぼわかっています。 1-022 天からカエルや魚が降ってくるという、プリニウスの著作を読んだ人には、信憑性が薄いと感じられるかもしれませんが、2005年、セルビアの小さな町に、何千匹ものカエルが降ってきました。 2009年には、日本で大量のオタマジャクシが降りました。そして2010年には、オーストラリアのノーザンテリトリーで、活きのよい魚が土砂降りとなりました。この町には、1970年以降、3回も生き物が降っています。 同様に、魚が降る異常気象は、過去20年だけでもウェールズ、インド、フィリピン、ホンジュラス、スリランカ、エチオピア、メキシコなどで報告されています。その他では、鳥の嵐が記録されている地域もあります。クモのケースもありますよ。なんてこった!

どうやって上空にたどり着いたのか

さて、ここで不思議なのは、こういった生き物は、いったいどこから来たのか、ということです。彼らはどのように上空にたどり着いたのでしょうか。 いくつかのケースでは、観測者たちが動転して単に思いいたらなかっただけで、まったく異常事態ではないものもあります。 例えば、3年前にオーストラリアであったクモの雨の場合は、単なるクモの「バルーニング」だったようです。バルーニングとは、クモの幼体が糸を使って空を飛び、気流に乗って長距離移動をするもので、まったくの自然現象ですが、突如あたり一帯がすべて、分厚いクモの糸に覆われたとしたら、少々恐ろしいですね。 2-140 2011年、アーカンソー州とルイジアナ州で、何千羽ものクロウタドリが空から降ってきたのは、おそらくは大みそかの花火に驚いた鳥が、衝突死したものだと考えられます。 3-149 説明が難しいのが、水棲生物の雨です。昔の人は、鳥が空を渡る時に、集団で獲物を落としたためだと考えていました。その理由までは、もちろん誰にもわかってはいませんでした。

海と雲を結ぶ竜巻が原因か

カエルが空から降るには、他にどんな理由があるでしょうか。羽の生えたカエルなんて、聞いたこともありませんよね。 今日では、多くの科学者や気象学者たちが、こういった生き物の雨は「ウォータースパウト」が原因だと考えています。ウォータースパウトとは、海洋や大きな湖などの水面上の竜巻を指します。 熱帯の海でよく見られるものですが、世界各地で発生します。比較的 気象条件が安定していても発生し、気温と湿度が高く、雲の密度が上昇すれば、簡単にできるのです。晴天時に発生するウォータースパウトは、比較的小型で弱く、短命です。 4-219 しかし、陸上のトルネードが海上に移行してできるウォータースパウトもあります。頻繁には発生しませんが、こちらは規模が大きく、危険です。標準的なトルネードであれば、紙のような軽量の破片であれば320キロメートル、重量のある鉄製の看板のようなものであれば80キロメートルも運ぶことが知られています。ドロシーがオズに運ばれたことも頷けます。 ウォータースパウトの場合は、それほど強力でないとはいえ、物を吸い上げ、長距離を移動し、考えられもしないような違う場所に落として行くことは、十分ありえます。この場合の「物」には、小魚やカエルも含まれるというわけです。 近年観測された、生き物が降ってくる「雨」は、同時に嵐や強風を伴っており、ウォータースパウト説は理にかなっています。生き物が水生生物なのも、説に当てはまります。水辺から遠く離れた場所での生き物の「雨」は、陸のトルネードや、その他の強烈な上昇気流により説明がつきます。

空から生き物が降っても、うろたえるな

問題は、実際の目撃者が誰もいないことです。水上で強烈な嵐を観測することは困難であり、ウォータースパウトを研究する気象学者には、空飛ぶ魚にあまり注意を払う余裕がなかったのかも知れません。また、これらの「水陸両用の雨」はたいへん稀であるため、ちょうど発生している場所に居合わせることができなかったのかもしれません。 つまり、ウォータースパウト説はたいへんよくできているにも関わらず、裏付けが取れていないのです。もしうまく目撃できれば、もう一つの小さな謎を解き明かすことができるかもしれません。 降ってくるのが、1種類の生き物もしくは1つの種の生き物だけかという問題です。カエルだけ、魚だけといった単種であり、居住区の近い水棲生物が混じり合うことはありません。 似たようなサイズ、似たような重さの物体が、嵐が終焉する時に、同じタイミングで落下するからだとする研究者もいます。しかし湖や海であれば、似たようなサイズの異なる生き物がたくさんいるはずだとして、この説に賛同しない研究者もいます。もう一つの可能性としては、ウォータースパウトが密集した物だけ吸い上げるという説です。 しかしいずれにせよ、ウォータースパウトが実際に生き物を水上に吸い上げる様が目撃できなければ、生物の種類が制限される理由を確定することはできません。 ですから、魚やカエルが空から降って来て、歩道にポトポト落ちても、パニックには陥らないでください。この世の終焉の証ではありません。完全に科学的な説明のつく、異常気象にすぎないのですから。

  

SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

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