カメラをかばんにねじ込んだ、第三者の狙いは?

記者:夕刊フジのウエクサと申します。先ほど、「取り調べが5〜6時間くらいあって覚えていない」とおっしゃって、一方で「自分はそういうことは言っていない」、例えば「カメラに興味があったとは言っていない」とおっしゃって、その辺が覚えてらっしゃることと覚えてらっしゃらないところの違いがあるな、という印象を受けるんですが、どういうふうな状況なんでしょうか?

冨田尚弥氏(以下、冨田):約6時間くらい拘束されたんですけど、実際の取り調べっていうのは1時間くらいで、その後はずっと出国停止命令になっていたり、被害者の方が来て謝ったりしてという状況なので、実際取り調べっていうのは1時間くらいしか行われてなかったんです。

その後「頑張って思い出せ」って言われたことが、出国後の弁明書に書いてある(内容で)、2つくらいしか思い出すことができなかったです。

國田武二郎氏(以下、國田):どうぞ。

記者:「ゴミだと思った」と最初その当時は思われて、それがまったく違ったということを今から振り返って思われると思うんですけど、今の時点で、どういう目的でカメラを入れられたとか、どうお考えですか。

冨田:カメラを渡した人が何をしようとしてたのか、僕にはちょっとわからないです。

記者:それについて毎日考えたりとかってことはあまりないですか?

冨田:それを……。

記者:不思議なことだと思うんですけど。

冨田:それを思うことはあまりないです。

富田「防犯カメラの映像を全て見たい」

記者:國田先生にお伺いしたいんですが、防犯カメラの映像が非常に大きな証拠になると思うんですね。今の話でいうと、両者の主張が真っ向から対立してるわけですよね。

國田:おっしゃるとおりです。

記者:これに関しては、國田先生はどういうご見解ですか?

國田:韓国も自白以外の補強証拠があるとすれば、映像で作った当のシーンだと思うんですね。しかし、当の本人はそういうシーンを見せられていない。しかも自分はやったことがない。というふうに受け入れるとすれば、それを含んだシーンというのは本当にあるのかないのか。

もし弁護人と……これが日本で行われたとすれば、弁護士として当然捜査当局に証拠の開示を求めますね。そして、本当にあるのかどうかということで弁護活動をするんですが。ですから、できれば韓国側の捜査当局にね、それにあたるシーンを見せてもいいくらいだと、韓国に言ってみたいもんですよ。

ただ、裁判以外のことで捜査当局がはたして証拠を開示してくれるかどうか、これはちょっとなかなか疑問であると思うんですけど。

じゃあ本当に、この問題で日本と韓国がさらに悪化しないために、きちんと便宜を図り、保証がありますから弁護士さん来てくださいと言うならば……もちろん日本に帰れるということが前提なんですけどね、私と冨田本人で一回見に行きたいと思います。

記者:韓国の警察は「第三者の存在はなく、ご本人自らでレンズを外して入れたというその詳細が映っている」と。一方で冨田選手は「第三者がいた」ということなんですが、先生のお考えの中にも、あえて韓国の警察がその部分をカットした可能性があるとか、そういったことはあるのでしょうか。

國田:彼の言葉を信じたとすれば、その可能性は大いにあると私は考えております。いいですか、家族が弁明を避けられないシーンが撮影されているわけです。そういう状況の中で彼は、この記者会見をやるということなんでね。

もしこの記者会見の後に、誰が見ても明々白々な窃盗だろうというシーンがあると公開されたとすれば、彼は恥の上塗りをするわけですよ。私はこの記者会見のギリギリまでね、彼に「間違いないか、間違いないか」と確かめましたよ。彼は「絶対に盗んではいない」と、「間違いない、私は冤罪だ」と述べている。だからギリギリまで考えてこの記者会見を開いた。

だから私は彼を信じたいし……最初に戻りますけどね、動機は何なんですか。それから、こういう人目の付く場所でカメラを盗む。合理的にどうお考えですか。私はそう考えると、彼の言っているほうが真実だと思えて仕方がないんです。

記者:冨田選手は、見せられてない映像がもしあるのであれば、すべて映像を見たいとお考えでしょうか。

冨田:……そうですね。見たいですし、なぜそれを僕の取り調べのときに見せてくれなかったのかというのは、すごく疑問に思います。

記者:ひとつ最後に確認なんですが、その映像を見させられたのは、スマートフォンだったわけですか? 例えばテレビモニターとかパソコンのモニターではなく。

冨田:スマートフォンで……これは僕の予想ですけど、防犯カメラをスマートフォンのカメラで撮ったと思うんですけど。なので、ちゃんとした映像をパソコンから取り入れてスマートフォンに入れたとかじゃなくて、防犯カメラをスマートフォンで撮って見たのですごく見にくかったですし、ブレている感じも僕の中ではすごく印象を受けました。

記者:その中身は動画もあったり、静止画像もあったりしたわけでしょうか。

冨田:動画があったのは覚えてますけど、静止画があったのかは覚えてないです。

記者:ありがとうございます。

過去にも窃盗をしたことはない

記者:すいません、フジテレビ『Mr.サンデー』です。報道を通して、冨田選手のさっきのこと(記者会見での発言)は十分理解した上で質問させていただきたいと思うんですけど、第一報としては韓国警察に認めてしまったということがあるので、世間としては冨田選手が本当にカメラを取ったのか取らないのかというのを疑問に持った方がいると思います。

そこでちょっとあえて質問させていただきたいんですけど、冨田選手は過去に人のものを取ったり、盗んでしまったりしたことはありますか?

冨田:韓国警察に認めたのは事実ですけど、JOCの方に僕は弁明をする機会をもらえなかったので、JOCの方に取ったということを言った事実はないです。また、人のものを取ったりしたこともないです。

記者:ありがとうございます。

國田:ふらっと手が出る人間じゃありませんから、その辺は誤解がないように。彼は日本の選手として矜持を持って、プライドを持って試合に試合に臨んでるわけですから。ご理解ください。

韓国の弁護士が高額の金額を要求するため動けない

記者:國田弁護士でも冨田さんでもどちらでも結構なんですけど、弁明書の中に、JOCと水連(日本水泳連盟)の方々にも話した後、大使館に紹介された韓国の弁護士事務所のほうに経緯を説明しに行ったとありますけれども、それはその後どうなっているというか、どういう扱いになっているのでしょうか。

國田:日本に帰ってきてから……韓国の弁護士の先生とは契約してないらしいんですね。契約というのは、韓国の弁護士にきちんと着手金を払わないといけない。委任状を渡して契約をすれば、韓国の弁護士に判決が行く、届く。だから、届いたときから1週間以内に正式な(聞き取り不明)をしないといけないんですけど、きちんとした契約をしていない。

契約というのは、先ほども言ったように彼は非常に高額な着手金の請求があるからです。だから、彼は今言ったように解雇されて給料ももらえない。水連もどこもバックアップされてない。つまり、これがこのままだとすれば冨田個人、冨田家として戦わなくちゃというのは非常に大きな負担なんで、これは今後どうにか考えなきゃいけない。

ただ、彼の無念さ、悔しさ、切なさはなんとしても晴らしてやりたいという思いは、弁護士としてはあります。

記者:つまり、JOC・水連は韓国の弁護士に対して何か追加で調査してくださいとか、そういったことは特別には行ってないという……。

國田:まったくありません。あればいいんですけど冷たいもんですね。早々に追放して、除名して。どうしても弁護士の主観なんですけども、JOCの方も水連の方も、帰国前に彼はやってないと聞いてるわけですから、もう少し彼をかばってやれなかったかな。あるいはデサントのほうもすぐに解雇するんじゃなくて、少し事情を聞いた上で会社として何か信じてやれなかったかなという思いはします。

とにかく早々に首を切って早く日本に帰らせてと。だから後になって私もびっくりしましたよ。罰金立て替え請求なんて請求書を水連が……こんなものあるのかなと私は。息子の借金の立て替えならともかく、罰金というのは本来、本人が払うものなんでね。これは弁護人としての感想なんですが、日本を代表するスイマーにここまでこういうことが起こったと言ってしまうのは大変さみしいと思います。

プールサイドでの行動について

記者:すいません、事実関係でよろしいですか。(事件が起きた時刻は)先ほど「10時48分」ではなく「11時48分」だと韓国警察が新たに言っているという話が出ましたけども……。

國田:ああそうなの?

記者:はい。我々の取材でもそのように韓国警察が言っているようなんですね。その詳細があるんですが、「11時48分の直前に、シャワー室からジャージ姿でかばんを持って冨田さんが出てきた」ということのようです。それはそういう時間帯でよろしいでしょうか。11時47分頃……。

冨田:僕はシャワーは浴びてないので、シャワー室は出てないのでちょっとわからないです。

記者:シャワー室のほうからプールに出てきた。ジャージ姿でかばんを持っていた。これは、大体その時間帯にそういう行動でよろしいでしょうか。

冨田:(國田弁護士に)シャワー室ってどこにありますか?

國田:(資料を探す)

記者:サブプールとメインプールをつなぐ通路の途中に更衣室があって、そこから出てきたんではないかと。

冨田:いや、僕は更衣室は使ってないので、そこから出てきたというのはないと思います。

記者:ジャージ姿ではあったということですか?

冨田:はい。

記者:その後、電光掲示板のあたりで一回立ち止まったと。その後に、今回の件になった台の上に座ったということのようなんですが。これはそういった感じでした? ジャージ姿で出てきて、電光掲示板の前で一回止まって、台に座ったと。そういうような動きをしたというご記憶は……。

冨田:電光掲示板で止まったという記憶は、今、僕にはないです。

記者:わかりました。その後で、ひな壇のところで、警察が言うにはカメラとレンズを分離してかばんに入れたということのようなんですが、これはないということですね?

冨田:はい。

記者:で、その後一回ひな壇を離れて、改めて飛び込み&シンクロ用のプールのカメラ記者席のひな壇に座ったということなんですが……そういうふうに言ってるんですけども、向こうが言う、カメラをかばんに入れた、もしかしたら取り合いがあったとおっしゃるときかもしれませんが、その後にもう一回別のところに座ったということはありました?

冨田:そこでチームメイトに「一緒に帰りませんか」ということを言われて、一緒に帰りました。

記者:そこは合っているわけですね。その後、出て行ったということなんです。その一連の動きはだいたい同じであると。

冨田:はい。

記者:そうすると、違うのはカメラを取り合いになって無理やり入れられたとか、あるいは冨田さんが自ら入れたのか。そこだけが食い違うという考え方でよろしいでしょうか。

冨田:はい。

記者:わかりました。

國田:あの、レンズを外したということであれば、レンズのどこかに指紋が付いててもおかしくないわけですけども、韓国側の発表はレンズに指紋が付いてたと言ってるのでしょうか。

記者:その話は、あったともなかったとも伝わってきてません。

記者:今の話でもうちょっと聞きたいのですが、最終的には仲間と競技場から出て行きましたよね。しばらく仲間を待ってはいたのでしょうか。飛び込み用プールとメインのプールの間の少し段が高くなってる部分で、その端っこの部分で冨田選手がしばらく仲間を待っていたということが、警察のひとつの主張でもあるんですが。

冨田:はい。僕はその台の上に座って練習を見ながら、チームメイトを待っていました。

記者:待っていた場所というのは、記者席ではなく別の場所で待っていたということでよろしいですか? 一旦記者席を離れて、仲間を待つために飛び込み用プールとメインのプールの間の通路の端っこのほうで待っていたというふうに、防犯カメラの映像では見て取れるということなんですが。

冨田:……すいません、ちょっと記憶にないです。

記者:何人と合流したか覚えてらっしゃいますか。

冨田:チームメイトですか? 1人です。

記者:1人とそこで合流して、競技場から出て行ったと。

冨田:はい。

記者:そのときはもう、バッグの中にカメラが入っていたという状態なわけですね。合流したとき。

冨田:はい。

記者:すいません。日本選手団の追放ですとか、選手登録停止のタイミングなどで、本当にお世話になった、育ててきてくれた監督ですとか、そういった方から掛けられた言葉はありましたか?

冨田:上野先生も平井先生も、僕のことを信じて「頑張れよ」と言ってくれました。

記者:その監督の先生方を悲しい気持ち、悲しませるような感覚……。

冨田:すごく迷惑をかけたと思います。

記者:ありがとうございます。

現地での釈明は行ったのか?

記者:毎日新聞のフジモトと申します。冨田さんに伺いたいんですが、現地の選手村本部で事実を話した。このときは、今日の会見と同じくらい詳細な内容というのは伝えられてるんですか。カメラをアジア人の男性に無理やり入れられたというような、詳細なことは選手村本部において伝えられたのでしょうか。

冨田:服の緑色とかそういう細かい部分は言ってないですけど、大まかには伝えました。

記者:市場でもらったとかいう報道もありましたけども、そうではなく無理やり入れられたということを伝えられたのでしょうか。

冨田:そうですね。それもありますし、韓国の弁護士事務所では、僕がどこからどこまで歩いて行って、韓国警察にはどこの映像を見せられたのかということも、すべて話してきました。

國田弁護士が推測する真実とは

國田:よろしいですか? 時間の問題もあるので……どうぞ、最後。

記者:さっきおっしゃるように、人目につくところでカメラを取るというのは非合理な印象があると思うんですけども、逆にわざわざ人のかばんを捕まえて他人の物をかばんに入れるということが、もし事実としたら、冨田さんは理由がわからないかもしれないですけども、弁護士さんは、推論になっちゃうかもしれないですけども、どういう目的が考えられるでしょうか。

國田:そこは推論の余地を出ないんですが、日本選手団の誰かに何らかの罠をしかけたというか陥れたというか、そうとしか考えられない。カメラのレンズを外してわざわざ本体だけ入れたということは、それはたぶんバッグに入れるために入るはずがないから、レンズを外さないと入れられないということも含めて。

しかもその誰かが「ニヤッと」的な笑いをしたということなんかを見ると、非常に日本選手団の……冨田くんはたまたま台座に座っていたということから、個人的な恨みということじゃなくて、日本選手団に対しての何らかの嫌がらせをしたというふうにしか考えられません。これはわからないですけど。

皆さん、確かにカメラ本体をいきなり第三者が入れるってのは私が見たって不自然、不合理だと思うんですけど、だからといって彼の言っていることを否定するかというと、誰もできない。今日、彼の記者さんとの応対を見てどう思われたでしょうか。彼が嘘をついて、皆さんの前で明々白々な嘘を言ったという印象をお持ちでしょうか。

私はさっきから彼の姿を見た限りでは、彼は混乱している面もあるかもしれないけども、ひとつひとつ真摯に答えたと思います。これを作りごとや嘘で、フィクションで皆さんの前で話すというのはありえるでしょうか。

最後に私が弁護人として言いたいことは、本当に未だ25歳、今が選手として一番ピークの時期です。リオデジャネイロオリンピックを目指して頑張ろうとしているときにこういう事件に巻き込まれて、リオデジャネイロオリンピックの道も遠くなり、彼にとっては本当につらい。

もしこれが冤罪だったら、やっぱり日本の中にひとつの風を起こして、韓国の捜査当局にまずは再捜査ということをできればなというふうに思っております。どうしても司法の場でというならそちらも考えられないわけではないんですが、まずはこの場所から訴えていきたい。

まあ内心「本当かなあ、どうかな、怪しい」と考えている方がいるかもしれません。それは仕方がないと思うんですけども、まだ信じられない部分があるかもしれませんが、私は少なくとも(10月)11日から今日までほとんど毎日のように、しかも何時間も、皆さんの質問を予定しながら陳述書を書いてきたもので、かなり詳細で具体的に書いたわけで、少なくとも彼の供述は一貫してブレていない。

それから述べていることが極めて具体的で臨場感があって、経験したのでなければ語れないほどの具体性を持っている。私はその点、十分信用に足りるなと思う。取り調べが、彼の言ったように実質1時間くらいしかなかった。それが国を変えて……1時間といったらあまりにも調べが届いてないと思う。

私も外事係の検察官をやっていましたから、やっぱり外国人の事案を調べるっていうのは、どんな窃盗でもやっぱり3時間4時間かかるわけです。通訳を介しての調べなんで。1時間でって、よほど表面的な、簡単な調書だけじゃないかというわけなんで、向こうで弁護活動ができるなら法廷に立ちたいくらいですが、残念ながら日本の弁護士は韓国の法廷に立てませんので、韓国の先生にお願いするかもしれませんけども。

いずれにしても、この25歳の若者が「冤罪だ!」と、こうやって皆さんの前で大きく叫んでいるわけなんですから、それをひとつずつ受け止めていただいて、皆さんの中でどういう記事になるかわかりませんけども、信用を回復するため、彼の汚名をはらさなければというふうに思っています。

競技以外のことで注目を集めたことについて

記者:本来であれば、これだけ今日報道陣が集まってますが、水泳の結果を出して集まるのであれば非常に名誉だと思うんですけども、今回は残念なことにカメラを盗んでしまったのではないかという疑惑で集まってしまったこと、これだけ多くのカメラに囲まれてることについて、どんな心境でしょうか。

冨田:はい。韓国から帰ってきてテレビとか見るんですけど、その中のニュースとかでもどうしてもやっぱりカメラに目が行ってしまいます。そのカメラに今日はとり囲まれているので、すごく今はきつい状況です。

記者:記者会見をこれまでやってきましたけども、ここまでいろんなお話を報道陣に話せたと思います。実際今の感想はいかがでしょうか。

冨田:まあ真実は、自分の中では話せたと思います。

記者:今回、國田弁護士に弁護をお願いした理由は何だったのでしょうか。

冨田:僕が自分で調べて、電話しました。

記者:それはどのように調べて……。

國田:まあいいじゃない。そのことは。

記者:ありがとうございます。

韓国での裁判を考えている

記者:すいません、TBSです。今後の予定といいますか、どういった段階を踏んで……例えば、年内に何か行動を起こすとかいったことはありますか。

國田:えーと9月……判決がいつ送られてくるかなんですが、近々3ヶ月ということになると11月の下旬頃か、あるいは12月の下旬頃に、領事館を通して韓国から判決が送られてくる。

そのときに、7日間はちょっと短いですからね、やるとすればおそらく韓国の弁護士の先生に頼んで正式裁判の申し立てということに……これは、先ほどから大変恐縮なんですが経済的なこともあるので、それを含めてもう少し冨田家と話をしていきたいと思っております。まあ、可能であれば正式裁判は申し立てをしたいと思っております。

先ほども言ったように、条件により冨田くんが行ったときに必ずまた日本に帰れるという保証が必要なので、出国停止となると本当にこれは……(聞き取り不明)。

記者:すいません、補足で。この絵を少し見せていただいて、台座があった場所を示していただけますか?

冨田・國田:(資料を準備する)

記者:どこの台座でそういうことがあったのか。それを実際に指差してもらっていいですか? 台座の場所です。

冨田:メインプールの下です。

記者:メインプールの下。もう一回指差して、止めてもらっていいですか。

記者:記者席なんですね。

冨田:はい。

記者:記者席と横の……もう一回いいですか。まさにそこで奪われそうになったと。

冨田:奪われそうに?

記者:すいません。台座に座っていて左手をガッとつかまれて、バッグの引き合いをした場所です。それはその場所ですか?

冨田:はい。

記者:まわりに人はいたんですか?

冨田:僕の記憶ではいないです。

記者:じゃあ叫んでも、すぐ駆けつけてくれる人はいなかった。

冨田:はい。

記者:ありがとうございます。

記者がかまえるカメラと同型機だった

記者:荷物をこちらに一度……撮れていないので。

國田:はい。(バッグの中身をテーブルの上に広げていく)ゴーグルが3つ、それから水泳帽が7個……。逆ですね、これ。(水泳帽を裏返す)

記者:冨田さん、その中には翌日着用する水着は入っていたんですか?

冨田:レース用水着は入ってないです。

記者:翌日の50m用のは入ってないと。

冨田:はい。

記者:國田さん、カメラの実物を用意しなかった理由はあるんですか。

國田:いや、実物は私わからないから、彼に買いに行ってもらって、まあこんなものかと思って。私持っていませんし、実物は。

記者:じゃあ実物は見ましたか?

國田:いや、どこかの局で昨日入手したというのを見せてもらいました。

記者:持ったりはされましたか?

國田:ええ。若干これが(聞き取り不明)もちろん実物。あとで実物持って……。

記者:実際、それは重いんですか?

國田:持って……。(カメラのレプリカを記者に手渡す)

記者:同じ重さなんですか?

國田:彼の感覚で(同じ重さに)作ってもらってます。

記者:(レプリカを持って)はい、わかりました。ありがとうございます。

國田:どうなんでしょうか、今日もカメラがおられるから……同じようなのはありませんか。キャノンの。(前列の記者のカメラを指さして)これとだいたい同じですか?

カメラマン:すいません。ちょっと今撮影中なんで。

(会場笑)

國田:同じもんかもしれないね、これ。

記者:同じです。同じ大きさですけど、もっと形が変わったり、重さで変形してると思ったんですけども。

國田:だから、彼は知識もあまりないという前提で、こんなものを一応の感覚で作ってもらったから、実際それ……キャノンのECS(正しくはEOS-1DX)? これだと思っていただければよろしいと思います。これだって、外せばそれなりに重いんじゃないですか? これ(かばん)に入れれば。

記者:そのかばんは持ってたものと同じですか?

國田:同じものです。

記者:当日持ってたのと。

國田:はい。

記者:中身もかばんも。

國田:はい。

記者:それから、再現写真で着てるあれも……。

國田:当日のものはほぼ再現されてます。

普通の生活がしたい

記者:冨田さん、韓国の捜査員の方たちは非常に冨田さんに対して同情的で、最後送り出すときに「頑張ってください」と声をかけたと言ってるんですが、覚えていらっしゃいますか?

冨田:頑張ってくださいと言ったのかはわからないですけど、何か日本語で言ったのは覚えてます。

記者:今、冨田選手は韓国の警察に対してどのような感情をお持ちでいらっしゃいますか?

冨田:まあ、再調査してもらえばいいかなと思います。

記者:特にこういう状況になったことに関しての……まあ、自分の真実の主張が通ってないわけですもんね。何か、怒りの感情というものがあったりするんですか?

冨田:いや、自分が認めなければこんなことになってなかったと思うので、自分が悪いです。

記者:冨田さんはまったく泳いでらっしゃらないんですか。プールに浸かってませんか。

冨田:もう、はい、1ヶ月以上泳いでないです。

記者:泳ぎたいというか、今一番したいことって何ですか。

冨田:今は普通の生活して、あとはご飯食べに行ったりとかがしたいです。

記者:今はプールで泳ごうともまったく思ってない状態ですか。

冨田:まったく思ってないです。

國田:個別の会見がしたいという要望も各社からあったんですが、個別の会見に応じていると同じことを何度も言ったりしないといけないので、記者会見は一度終わることにしまして、あとは個別のことで質問があればこの場でお答えしたいと思います。一応4時まで、私も大学の授業を持っているんですが、4時過ぎには出ないといけませんので。とりあえず正式な記者会見ということでは、これで終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。