第33期(H30/6)第2四半期連結業績

秋本淳氏:売上につきましては17億2,100万円で、前期比でマイナス2億1,700万円になりました。

エリテックさん(向けのOEM製品である全自動遺伝子診断装置の販売)や自社販売など、最近我々が力を入れているところは、増収増益になってきています。一方でこの上期は、OEM先さんの調子が、あまりよくなくて。「なんでだ?」と言われると、ちょっと困るのですけれど。

いろいろな事情もあって……OEM先と言っても、弊社の場合は8社ぐらいです。大手のところでいうと、6社ぐらいのOEM先がありますので、その人たち(の業績)が好調だったり不調だったりして、(弊社にとって)なんとなく収まりの良い感じがあったのですけれど。

続きまして売上総利益も、6億1,900万円で(前年同期より)ちょっと少なくなりました。

一方で、販管費です。販管費をできるだけ削減するということは、引き続きやっています。研究開発費につきましては、約3億円ぐらいということで、少しだけ膨れましたけれど、販管費総額としては前期比マイナス2,800万円になりました。

したがって、営業利益別では2億2,900万円の赤字に着地しております。

第33期(H30/6)第2四半期連結業績(セグメント別)

これは、セグメント別の第2四半期連結業績です。

まずは、装置関係です。(前年同期と)大きくは変わりません。先ほどの説明と同じで、(OEM先の)エリテック社さん(の販売)や自社販売はまあまあ好調で、ちょっと(ほかの)OEM先さんの調子が悪かったということもあり、装置については、前年同期比で1億1,400万円のマイナスとなりました。

試薬・消耗品は、けっこう(四半期毎に多少のバラツキが)出ているところもありますが、主力購入先の消耗品が減少してしまいまして、トータルとしては7,000万円の減になりました。

メンテナンスは、それほど金額も多くないのですけれど、だいたい去年並みです。

それから受託製造は、我々の子会社のエヌピーエス株式会社でやっている、PSS以外の受託製造です。これについても、ほぼ横ばいです。(数字としては)少し減ったという感じですけれど、ほぼ横ばいで着地しております。

だいたい実績値としては、そのような感じになってしまいました。ちょっと前期と比べますと、若干減収減益みたいなかたちにはなりますけれども、何か大変な事態になっているわけではないと思いますので、引き続き我々としては目先……エリテックさんをはじめ(とするOEM先への販売)や、自社販売に関して力を入れていくことで、業績を上げていくことに、力を入れていきたいと思っています。

第33期(H30/6)通期連結業績見通し

今期の着地見込みです。こちらも申し訳ないと思いますが、大きく修正をさせていただきました。我々の当初の見込みほど、やはり(販売)台数なりが出なかったものですから、現状の様子等を加味しまして、通期の見通しの見直しをかけました。

申し訳ないのですけれど、売上高が40億円です。なんとか去年より増収を確保しようということで、下期はがんばっていきたいと思っています。

販管費は18億5,000万円です。これに関してもだいぶ削りましたけれども、開発費に関して、上期から下期に1億円ぐらい持ち越すというようなことで、そのあたりの影響も加味して、18億5,000万円と設定をさせていただきました。

その結果、営業利益については4億円のマイナスにならざるを得ないかなということで、予想の修正をさせていただいております。

業績改善の取り組みについて

それだけではちょっとなんなので、「(業績改善の取り組みは)今どのような感じです」と、足元のことをなんとかご説明したいということで(こちらに記載しています)。できる限り、あまり断言しないようにとは思って書いたのですけれど。

1つは、新たなOEM先の確保です。今はやはりエリテック社を売り出していますが、ほかの会社さんからもいくつか引き合いがきています。それに関して、いろいろな交渉を進めております。

「この会社とこのような感じで何月頃には(OEM先獲得へ)」ということは言えませんが、弊社の機械を貸し出すなどして、向こうでデータを取ってもらってというやり取りを日々続けておりますので、その中からなんとか、新しいお客さまを獲得していくことを画策しております。

2番目としては、自社販売(の積極的な推進)です。DNA自動抽出装置の「magLEADシリーズ」というものを売っています。「magLEAD 12gC」を中心にしており、とくに国内やタイあたりでは、だいぶ台数も出てきておりますので、順調に売上の台数を伸ばしてきてます。

今はとくに、欧米の販売体制も整いつつあるので、今後も子会社を通じた販売を強化していきます。あと、(現時点であまり実績のない)「中国をどうするんだ」という話はまだくすぶっていますが、このあたりをターゲットとした活動をやっておりますので、その強化もしていきたいなと考えております。

あと、ネットでも話題になっているんですけれど、「gene LEAD Ⅷ」をいつ発売するかなどです。ホームページに「近日発売予定」と書いていて、それについてもかなりお問い合わせをいただいています。なかなか「いつ(販売開始します)」とは言い難いのですけれど、数ヶ月内……なんとか年度内(6月末まで)には、発売にこぎつけたいと考えております。

ただ、発売すると言っても、「ヨーロッパで先行発売」などのかたちになると思います。「CE-IVD マーキング(欧州規制規格対応)というものが取れます」などと、自己宣言でできますので。そのようなものを取って、ヨーロッパから発売を開始して(いきたいと思っています)。

例えば、診断用機器として国内で販売となると、それからさらに厚生労働省の認可承認という話になりますので、「いつ(販売開始します)」と、今からはなかなか言えないのですけれど。ただ、そういう活動を粛々とやっていきたいと思っております。

Diagenode社という、ベルギーの遺伝子診断薬の会社で開発を進めております。だいぶ項目も揃ってきていますので、そういうものを載せて、やっていきたいと考えております。

この間、DiagenodeのAllaer社長と、僕自身も10年来付き合っているのですけれど、久しぶりに(日本に)来るということで、わざわざ(エヌピーエス株式会社がある)大館まできて、弊社の診断用の施設(大館試薬センター)を見ていきました。「非常に素晴らしい施設だ」と驚いてくれたというか、お褒めの言葉をいただきましたので、それを自信にして、またやっていきたいと思っています。

せっかくベルギー人がきたので、会社の工場の人たちをみんな集めて、とにかく「DiagenodeとPSS(プレシジョン・システム・サイエンス)のコラボレーションについて、みんなに説明してくれ」ということで、(Allaer社長が)非常に簡単な英語で、喋ってくれたので、とてもよかったんじゃないかと思っています。

(業績改善の取り組みの3番目として)これも、株式会社日立ハイテクノロジーズさんと、今はいろいろとやっています。業務提携契約を結びましたので、それに沿った抽出装置の販売提携や新機種開発ということで、粛々といろいろな合同のチームをつくって、それに向けた活動を開始しております。

まだ目に見えて(業績の)数字が上がるかたちにはなっていないのですけれども、私もステアリングコミッティという、大きな方針をお互いで決めていく会合を、少なくとも3ヶ月に1回ずつ、必ず開いています。そこで大方針を決めて、あとは個々の案件について共同チームをつくって進めていくということを、すでに開始しております。

近い将来(と言うと)「いつだ?」という話になってしまうのですけれども、どこかで少しずつ目に見えたかたちで進んでくるんじゃないかと、期待しています。

上期の業績につきましては、このような状況でございます。

技術戦略 オープンシステムによるコラボレーション

弊社の技術戦略のご説明です。このあたりは、イメージみたいなものになってしまうのですけれども。

まずは、オープンシステムです。弊社がシステムメーカーからきていますので、PSSオリジナル技術・製品コンセプトをつくって、いろいろな試薬メーカーさんがこれに乗っかりますよということで、進めていきたいと思います。

多様な専門分野の要求に正確に応える技術ネットワーク構築

あとは、このように、いろいろなバイオのターゲットがありますので、このようなものに自動化システムとの連携を加えながら、技術ネットワークを広げていく活動をしていきたいと思っています。

様々な形のコラボレーションによる事業展開

それから、「PSSの社会貢献」と書いてありますけれども、多様な分野で自動化システムの開発・販売を通じて、生体情報を有効活用するということで、OEMであったり、自社販売であったり、さまざまですが、このようなことを目指していきます。

自動化システムTechnology

テクノロジーの紹介です。「Magtration」はもうご説明不要かと思いますけれども、「リアルタイムPCR」や「Scanner」といった技術、まだ正式に販売していませんけれども「LuBEA」という新しい測定システムの読取機の開発を今進めております。

装置 ラインアップ

それから製品ラインアップです。これは全部自社製品ですけれども、「geneLEAD Ⅻ plus」はエリテック社へのOEMで、エリテックでも同じ製品を売っているということになりますが、我々も自分で売ることができます。

それから開発中の「geneLEAD Ⅷ」です。このあたりが「geneLEAD」シリーズの診断機ということになります。

「geneLEAD Ⅷ」を含め、まだ発売を開始していませんが、こちらは「LuBEA」という免疫の測定を目指して開発している機械になります。

こちらは今、実際に売っている(DNA)抽出機、「magLEAD 6gC/12gC」と「magLEAD 5bL」です。

もう1つ、生化学のイヌ・ネコ(血清または血漿中のCRP)診断の機械、「SpeLIA」も売っています。「SpeLIA」自体はまだ、認可承認ということではなくて、研究用の機器として了承していただいたお医者さんに、買っていただいている状況です。

今後、これをもう少しブラッシュアップして、しっかりとした診断機器としての認可承認を取って、上市していくという活動を今、粛々と進めています。

このような自社ブランドとしての品揃えとなっています。

試薬 ラインアップ

装置に乗せる試薬類が、こちらにいろいろ記載されていますけれども、今メインで売れている「MagDEA Dx SV」というものがあります。このようなカートリッジに試薬を詰めて、上にアルミシールを貼り、ユーザーさんに(装置に)置いていただいて、ボタンを押してもらえれば、遺伝子の抽出ができるという試薬になっています。

また、最近上市するものとして「MagDEA Dx LV」という大容量のもの。

それから、イヌ・ネコ診断の「SpeLIA」用の試薬も手掛けています。

このような試薬類を実際に売っています。

中、長期(2~5年)計画の製品化ターゲット

今後中、長期のターゲットですけれども、今説明したものと変わらないとは思うのですが、「geneLEAD」シリーズのハイスループットリアルタイムPCRシステムということで、このような遺伝子診断に向けたPCRシステム。

それから、DNAシーケンサー、実際にシーケンサーを組み込むということは、まだ構想(段階)ですけれども、基本的にはシーケンサーの前処理機として使えます。ですから、まず、弊社の抽出機で抽出していただいて、それをDNAシーケンサーにかけていくという流れはひとつありますので、そのようなところも狙っていきたいと思います。

それから「LuBEA」、「SpeLIA」です。このような小型システムを、免疫や生化学の検査に使っていきたいということです。

こうしたことを全部踏まえまして、今はまだシステムの方が売上は大きいですけれども、最終的に試薬事業(中心)ということになると思います。そのため、感染症やガン診断を中心に、さまざまな項目を揃えて、それをうちの自動化システムに乗せていくという活動を進めていきたいと考えております。

私からは以上です。あとは上田からご説明させていただきます。

PSSが現在販売している製品

上田哲也氏:PSSの営業部上田と申します。よろしくお願いいたします。

私は元々、開発の人間で、エリテックの「InGINIUS®️」や「geneLEAD Ⅻ」や、抽出試薬の開発を行っていました。自分で作ったものを自分で売れるということで、今、営業に異動しまして、営業部長としてやっています。

本日は簡単ではありますが、PSSの自社製品の販売の現況を紹介させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

現在、販売している製品は、先ほど秋本からも話がありましたけれども、核酸抽出システムである「magLEAD 6gC/12gC」という製品と、核酸抽出試薬の「MagDEA Dx SV」が主流の製品になっています。

今後ますます売上を伸ばす材料として上市に近づいてきているものが「geneLEAD Ⅷ」と、また、抽出試薬のみではなく、遺伝子検査用のPCR試薬も、実際には製品に近いかたちにはなって、もう外で評価を実施しはじめています。

このような機器と抽出試薬とPCR試薬を、併せて販売するということになっています。

PSS自社製品の販売にあたり---その1

これらの製品を、今どのように販売をしているかなのですけれども。今までは、どうしてもOEMの商売が長くて、自社販売に関しては、非常に労力をかけずにやってきた面があります。あと、実際にはPSSのブランドが、まだ市場に名前がぜんぜん浸透していないということが現状です。

もちろん、社内の体制も作っていかなければいけないし、外に対するアピールをどうしていくかを、今は積極的に整えているところです。

「すべての製品をどこで作っていますか?」と聞かれたときに(お答えしているのは)、これらは一応、全部日本国内……いわゆる、メイドインジャパンを謳っています。

理化学機器の、とくに遺伝子検査の業界で、「すべてが日本製であるということは珍しい」という見方があります。意外とこれは、この業界ではまだ使っていける決まり文句になっていますので、(販売をする際には)このような言葉を使っています。

PSS自社製品の販売にあたり---その2

さらに日本国内においては、お客さまのニーズに合わせて、若干のカスタマイズをした製品販売もやっています。

また、先ほど申し上げたとおり、(PSSの)名前はぜんぜん知られていない中で、「似たような機械を知っているぞ」というお客さまが、けっこういらっしゃいます。そのようなことをうまく利用して、OEMの事業を中心に、2万台を超える機械を世の中に出しています。

要するに、システムとしては非常に信頼のおけるシステムです。それをベースにして、私たちは製品を作って販売しています。信頼感と、今までのOEMの(販売)実績を活かして、自社の製品をアピールしております。

PSS自社製品の販売にあたり---その3

それでは、「実際に、どのようなところに販売しているのか?」というところですけれども。遺伝子検査の用途として、抽出機等を販売していくかたちになります。

こちらに、遺伝子検査のワークフローを書いているのですが、非常に雑多な検体です。遺伝子検査は、いろいろなものから遺伝子を抽出しなければいけないので……血液・尿・便などと、いろいろなものがあるんです。そこから、核酸を抽出(・精製)しなければいけない。

(また、それを)増やすためのPCRという反応(ポリメラーゼ連鎖反応)を、セットアップしなければいけない。さらにそれを増幅させて、検出して解析しなければいけないというところです。

(遺伝子検査は)やはり非常に便利な検査ではあるのですけれども、本当に良い結果をコンスタントに得るためには、どうしてもある程度のテクニックがなければいけませんし、時間もかかります。また、非常に遺伝子の検査では問題になる、コンタミネーション(実験汚染)など(への配慮)です。

先ほども申し上げたように、さまざまなサンプルから抽出しなければいけないところとか、抽出された核酸自体が検査の良し悪しそのものになってしまうので、そのようなところにまで管理を行き届かせなければいけないというところです。「(遺伝子検査業界の)みなさん、このようなことが課題になっていますよね?」というところです。

PSS自社製品の販売にあたり---その4

そこでPSSは、このような領域(に対応しており)、例えば核酸抽出であれば、「magLEAD」という機械で自動化ができます。あとは、本当に全工程を自動化したければ、「geneLEAD」というものもあります。「(工程を)自動化することで、先ほどご紹介した諸問題を解決できますよね」というかたちで、お客さんに売りに行っています。

PSS自社製品のTarget

「(自社製品を)どこに売りに行っているんだ?」というところでは、1つは基礎研究分野です。これは、大学さまや企業さま、または公共研究機関さまがターゲットになっております。

次は、ヒト医療分野で、遺伝子関連の検査を行っているところです。病院さま・受託検査の会社さまや、衛生研究所さまをターゲットにしています。

あと、もう1つ力を入れているところとして、獣医学・畜産分野です。こちらも、感染症や疾病検査は意外と(すでに)やられている領域ですけれど、まだまだ自動化が遅れている領域です。とくにこの家畜保健衛生研究所のようなところに、機械を入れていっています。

現状ですと、ヒト医療分野がほぼ半分を占めていまして、こちら(獣医学・畜産分野)が2割~3割で、残りは基礎研究分野となっております。

PSS自社製品(全自動核酸抽出システム)

今実際に販売している、製品のご説明です。全自動核酸抽出システムということで、「magLEAD 6gC」と「magLEAD 12gC」です。

「簡単な操作でできますよ」ということで、抽出は30分で終わります。あとはスループットに載せて、6連と12連(のモデル)をお選びいただけますよというかたちです。お客さまのニーズに合わせて、製品を提案させていただいています。

「大量に処理したい」というお客さまもたまにいらっしゃるので、そのようなときには、例えば「2台買ってください」「3台買ってください」という売り方をしています。

PSS自社製品(核酸抽出試薬)

核酸抽出試薬は、この「MagDEA Dx」という試薬です。こちらは秋田県の大館(大館試薬センター)で作っている試薬です。

特徴としては、1種類の試薬と1種類のプロトコルで、多様なサンプル種(に対応しています)。血清・尿・スワブ・便・喀痰・組織など、いろいろなものから遺伝子を取ることができます。

あと、抽出に必要な試薬がすべてこのカートリッジに入っていますので、お客さまが何か準備をする必要はありません。

PSSの核酸抽出試薬が対応できるアプリケーション①

(PSSの核酸抽出試薬が対応できる)ラインナップとアプリケーションです。今は主にこの「MagDEA Dx SV(E1300)」という試薬で、200マイクロリットルまたは400マイクロリットルからの核酸抽出をメインに、販売しております。

ここに(サンプルを)ずらっと書いています。固形のサンプルを液状化しなければいけないので、(サンプルが固形の場合は)液状にするという操作は入るのですけれども。「これらのサンプルから、この1種類の試薬で遺伝子を取ることができる」として、販売しております。

さらに、これは昨年(2017年)の9月に「MagDEA Dx MV(E1320)」という、1,000マイクロリットルからの核酸抽出試薬も、ラインナップとして加えております。

また、今は開発中で「今春リリース予定」ということになっているものが、「Total RNA抽出試薬」です。研究分野では非常によく使われている試薬なので、RNA(リボ核酸)だけを取る試薬も、ラインナップに加えていく予定になっております。

PSSの核酸抽出試薬が対応できるアプリケーション②

先ほどちょっと申し上げた、「1種類の試薬でいろいろ(なサンプル種に対応)できますよ」ということについて、どのようなメリットがあるかというところなのですけれども。(こちらの資料に)PSSの試薬・A社さん・B社さん・C社さんで、サンプルから遺伝子を取るために、どのような試薬を使わなければいけないかを、並べて書いています。

例えばA社さんだと、ヒト全血にはBloodという、ヒト血液用のキットがあるんです。血清・血漿には、ウイルス用のキットがあるんです。スワブには、スワブ用のキットがあるんです。細胞には、細胞用のキットがあります。組織には組織(用のキット)だし、唾液には唾液(用のキット)となっています。その他の会社さんも、けっこうそのようなかたちで、DNA用・血液用・ウイルス用・組織用・マイコバクテリア用・結核用……と分かれています。

ただし弊社の場合は、「(試薬の購入は)1個でいいですよ」というかたちで販売をしています。これが、メリットです。ユニバーサルな試薬ということで、販売させていただいています。これが非常に、特徴的な面です。

PSSの核酸抽出試薬のメリット

何が良いかと言うと、たくさんの試薬を買うことはけっこう大変なことですし、お客さんの側でも管理をするときに、1種類だけ、これを管理していけばいいので、非常に管理面でも購入面でも楽になるところをメリットにして販売をしています。

あと、もう1つのメリットですけれども、先ほど申し上げたように血液のキットと便のキットが違うということになると、血液から核酸を抽出した後に、あらためて便から抽出する。要するに(血液から抽出した)30分後に、また30分かけて(便から)抽出するということ、それを繰り返していかないといけないんです。

ただし、弊社のPSSの機械と試薬であれば、こういったもう血液や便、細胞、血清、スワブなど、これらを全部一度に(キット)乗せて、一気に取ることができますので、何度も抽出しなくていいというところをメリットとして、販売をしています。

magLEADの販売状況

多少、後発製品でもあるので、そのようなメリットを押し出しながら販売をしていくことで、今だいたい2年弱ですかね、(納品実績が)ようやく130台まで来ています。販売先としては日本国内もありますけれども、先ほども話があったようにタイが今一番大きな出荷先になっています。

あとは、イタリアだったり、スウェーデン、スペイン、韓国、中国。その他に、香港やモンゴル、メキシコだったり、アメリカだったりと、かなりいろいろな国に納品しています。

やはり、とくにメインに(受注が)入っているのはヒトの臨床検査になります。その次は、日本国内で主に注力しているのは、家畜保健衛生所です。家畜の遺伝子検査の部分に注力をしています。

研究分野では、いろいろあるのですが、腸内フローラ研究はけっこうマニアックですけれども、ニッチなニーズで、とくに食品会社なども、こちらニーズがありますので、このような部分に注力をしています。

PSS自社製品の販売状況

「じゃあ、実際、状況はどうなんですか」と言ったときに、今、30期を起点として置いていますが、そこから現状33期目で、これは着地見込みになりますけれども、およそ3倍くらいになっています。

「元々、(売上高は)いくらだったのか」ということになるかと思うのですが、だいたいの額で言いますと、(販売数が)3倍になり、6〜7ほどのOEMが先がある中で、かなり目立つ売上高と言いますか、ボリュームとしてはけっこう増えてきています。会社売上の中でもかなり(の割合)を占めてくるようなところまで伸びてきました。

また、製品別で見たらどうかというところで、「magLEAD」のユニットとしては徐々に伸びています。また、試薬のキット数としては、数万から数十万という数まで伸びてきています。

セールスに関しても順調に伸びているということで、機器の売上増に伴って、試薬の販売量がしっかりと増加していますし、あとは今、医療関係のところを非常にターゲットして狙っています。試薬の使用数が多いところをどんどん狙っていくかたちで販売をしています。

エリテック社向けのOEM抽出試薬の製造数も増加していまして、試薬センターの稼働率は、ほぼ毎日、毎週、稼働をしている状況にまで来ています。そのような点で、ようやくこちらは立ち上がってきたかなといったところになります。

トータルのセールスに関してですが、新システム「geneLEAD Ⅷ」を投入することによって、より成長していくだろうと想定しています。

PSS自社製品販売の拡大

新しいシステムですけれども、全自動遺伝子検査装置「geneLEAD Ⅷ」の販売を開始するということを、長々とホームページでは案内をしているのですが、このシステムはエリテックグループと共同で開発した「geneLEAD Ⅻ」の兄弟機となっています。「Ⅻ」と「Ⅷ」では何が違うのかと言うと、一番違うのはサンプル取扱数が(「geneLEAD Ⅷ」は)8サンプルまで、「geneLEAD Ⅻ」は12サンプルまでです。

「geneLEAD Ⅷ」は8サンプルまでとなっていまして、価格面と機能面、価格面を下げることと、「もう少し小さくならないの?」という声に応えて、まず、余計な機能、いろいろな機能を減らしました。そうすることでシンプルですけれども、それほど大きくもなく、価格も手頃なところにまで落とし込んでいますので、非常に期待している製品です。

geneLEAD Ⅷ用Real-time PCR試薬 「LeaDEA Amp Series」も販売

ただし、(「geneLEAD Ⅷ」の)中身はと言うと、抽出のリアルタイムPCR試薬も「geneLEAD Ⅻ」と同じなので、性能は落とさずに、機能をかなり抑えた、価格も抑えたというところになります。こちらは33期、今期中には販売を開始する予定になっています。

実際にこの販売に当たって、先ほどお見せしました核酸抽出・精製とPCRセットアップ、増幅・検出といったところで、このようなエリアに対してようやく、今まではここ(PCRセットアップ)までしかなかったのですが、PCR試薬まで含めた完全なシステムとして販売をすることができますので、売上としても、伸びるだろうということになります。

実際、何をするかと言うと、結核やインフルエンザ、RSVという呼吸器のウイルス、レジオネラなどから販売を開始して、順次メニューを拡大していく予定になっています。

すでに国内外の複数機関で外部評価を実施していまして、臨床の試験なども行っています。データとしては非常にいいデータが出ていますので、安心して使っていただけるシステムにはなっているということになります。

geneLEAD ⅧのWW展開戦略

「それでは、実際にどのように(geneLEAD Ⅷを)販売していくのですか?」というところです。各国によって医療機器の規制が違いますので、そのあたりを分けて、いろいろ考えていますけれども。

ヨーロッパは、今やっているものに関しては、自己宣言というかたちでCE-IVDのマーキングをして、販売することになっています。これは、今試薬を共同で開発しているDiagenodeさんのネットワークと、PSSのヨーロッパの子会社であるPSSEのネットワークで、販売していくということです。

Diagenodeさんは、もともとPCRの試薬も販売されている会社さんなので、そのようなところで自動化のソリューションとして、こちらの機械も一緒に販売していくというところになります。

アジアにおいては、国によって法規制が違うので、すぐ立ち上げられるようなところとそうではないところがありますけれども、それに合わせて販売をしていくことになります。

タイ・ベトナム・韓国・香港・モンゴル・中国・インドというところをターゲットに、まずは(販売して)いこうと考えています。とくに中国・インドに関しては、市場がかなり大きいので、なんとか早めに投入しようというかたちで、動いています。

フィリピン・インドネシア・オーストラリアにも、今後は展開していきましょうというかたちになります。タイ・ベトナム・韓国・香港のあたりは、もうすでにネットワークがありますので、そちらのネットワークを使って販売をしていくかたちになります。

日本は、医療機器としての届け出……機械は別ですので、そちらを販売開始と同時に行います。ただし、実際の試薬の承認を取るためには、かなり時間がかかります。販売開始から1年後くらいには(MTB認証取得を目標に)、まずはやっていこうという計画で、進めています。

アメリカも、けっこう厳しいFDAの規制があります。当面は研究機器として販売していくという中で、進めていきたいなというところです。スタートはヨーロッパ・アジアが中心になってきますが、やはり市場として大きいのは日本・アメリカですので、そこは順次販売ができる体制に持っていくという計画を、今は考えています。

私からは、以上になります。