2017年度 第3四半期実績 および通期見通し

平居義幸氏:それでは、第3四半期および通期見通しについて、ご説明させていただきます。こちらは為替の状況です。参考までにご覧ください。

2017年度第3四半期 損益概要

まず、9ヶ月間の実績でございますが、数字はご覧のとおりとなっております。

新規連結効果もありまして、大幅増収となりました。また各段階で、増益を確保できております。また、昨年あった特別損失が消えまして、最終利益としては大幅増益となりました。営業利益、それから最終利益は最高益を更新しております。

2017年度第3四半期 カンパニー別売上高・営業利益

続いて、カンパニー別の状況です。売上高・営業利益はご覧のとおりとなっております。左側(の表)が第3四半期のみ、右側が9ヶ月間(第1四半期〜第3四半期)の累計です。高機能プラスチックス、それから環境・ライフラインにつきましては、どちらの期間とも増収増益でございます。かつ、売上高・営業利益とも、過去最高を更新しております。

住宅は荒天影響によりまして、施工が遅れた影響で減益となりましたが、全社累計期間では増益を確保できております。

2017年度通期見通し 損益概要

次に、通期見通しですが、全体としては10月の公表値から変えておりません。新規連結効果もありまして、大幅増収の見込みでございます。また、営業利益、経常利益、最終利益とも、計画どおり最高益更新の見込みでございます。

2017年度通期見通し カンパニー別売上高・営業利益

続きまして、カンパニー別の通期見通しですが、3カンパニーとも増収増益を達成できる見込みでございます。高機能プラスチックス、環境ライフラインは、売上・利益ともに過去最高です。住宅は先ほど申しましたように、荒天影響で施工遅延しましたので、売上・利益ともに下方修正しましたが、全社では計画どおりとしております。

2017年度下期見通し カンパニー別売上高・営業利益

こちらは下期(見通し)だけを切り取ったものですが、高機能プラスチックスが大幅増益。また住宅が下方修正をしておりますが、全社営業利益は計画どおりとなっております。

2017年度下期見通し 売上高、営業利益増減要因分析

続いて、下期の売上高・営業利益の増減要因の分析でございます。まず左側のグラフ、売上ですが319億円増えておりますが、新規連結等を除く実質ベースでは169億円の増収です。

右側の営業利益の再分析ですが、数量構成、こちらで77億円。とくに第4四半期は、高機能プラスチックス、住宅を中心に数量・構成増を見込んでおります。

また計画対比では、数量・構成減、それから原料が少し上がっておりますが、こちらはCR等固定費でヘッジできる見込みでございます。

中期経営計画「SHIFT 2019 –Fusion-」の主要施策の進捗

こちらは中期経営計画の主要施策の進捗でございます。詳細は省きますが、成長投資、構造改革、それから融合の取り組みが進んでおります。

高機能プラスチックスカンパニー 下期業績見通し

ここからカンパニーを説明します。まず高機能プラスチックスカンパニーですが、左の売上高217億円増えておりますが、実質ベースでは83億円の増収でございます。営業利益の要因分析ですが、数量・構成で38億円の増。

それから原料高。これは計画以上に上がっておりますが、こちらはCRと固定費でオフセットして、下期の計画を達成できる見込みとなっております。

高機能プラスチックスカンパニー 戦略4分野

続いて戦略4分野の状況を、少し詳しく説明させていただきます。

まず、エレクトロニクス分野ですが、中国のスマホ向けの需要が減速しまして、こちらは第4四半期も回復は難しいと見込んでおります。

一方で、大型液晶向けが非常に堅調。それからOLED、実装・半導体分野への展開は非常に順調に進んでおりますが、中小型液晶減分をカバーできなかったということになります。ただ、ポートフォリオ改革ということでは、順調に進んでおります。

右にいっていただいて、「車両・輸送」です。まず市況は、北米が少し停滞気味ですが、他のエリアでは安定的に成長しております。

グローバルでは、高機能品、中間膜、フォームの拡販です。それからインド、インドネシアで事業をしております外装品の成形事業、この辺が順調に拡大しております。

また、中間膜のメキシコの新ラインは、計画どおり立ち上がっていまして、この第4四半期に本格寄与します。ヨーロッパでの中間膜、それから原料の樹脂の増産投資も決定しております。

放熱材の需要も増えていまして、積水ポリマテック社とのシナジー発現に向けて取組みを強化しております。

左下の「住インフラ材」です。塩素化塩ビ樹脂は、中東で回復傾向にあります。また、アメリカでも順調に市場に参入できております。

また耐火材料につきましては、不燃ウレタン事業が順調に拡大。積水ソフランウイズ社を、この第4四半期から連結子会社化しますが、営業・生産、それからR&D、それぞれでシナジー創出活動が、これからますます進むと考えております。

それからタイのフォーム事業、こちらは中東、インド、ASEANで建築向けの需要が非常に旺盛のために、生産能力が少し逼迫してきましたので、タイの第2のフォーム工場の投資を決定いたしました。

「ライフサイエンス」ですが、検査事業が国内で非常に順調です。また中国でも、伸長率が非常に高く、拡大しております。

エーディア社との統合シナジーですが、固定費でのシナジーに加えまして、限界利益を増やせるような、販売面でのシナジーもこれから発現していくというふうに考えております。

住宅カンパニー 下期業績見通し

続きまして、住宅カンパニーでございます。

こちらは(2017年)9月から10月の長雨台風の荒天影響を受けまして、住宅それからリフォームともに施工が後ろ倒しとなりました。このため、売上収益を下方修正させていただいております。

住宅は仕掛、またオーダー残はありますので、第4四半期を中心に、いわゆる売上の棟数としては確保できておりますので、期末の施工体制、ここもしっかり整っておりますので、今の受注残をきっちり仕上げていく、ということになります。

またリフォームは、第3四半期の受注に占める、戦略商材の構成比が増えておりますので、第4四半期は粗利率の改善にも効く見通しです。

売上は(前年同期比)58億円の増となりますが、計画対比では住宅で12億円、リフォームで13億円、それぞれ落としております。

右側が、営業利益の再分析です。1番下(の青枠)が前年比ですが、住宅で4億円落とすかたちになります。これは部材も影響しております。計画対比におきましては、新築で売上棟数170棟増やすと計画しておりましたが、こちらが120棟に留まるということで、(計画対比)7割ほどに落としております。

住宅カンパニー 受注状況

次に受注状況ですが、こうした中で第4四半期は、なんとか受注を確保していきたいというところでの、施策を説明させていただきます。

まず、第3四半期につきましては木質系を中心に、戸建は伸長しました。分譲も計画どおり大幅に伸長しております。ただ、集合住宅が、また上期に続いて減となりました。市場の基調としては、第3四半期から大きく変わらない見通しと考えております。

(スライド)右にいっていただいて、第3四半期の受注実績ですが、こちらも(2017年)10月に荒天影響を受けまして、非常に集客が減りましたので、(前年同期比)101パーセントに留まっております。下期としては、第4四半期に(前年同期比)105パーセントを計画をしておりますが、そのための施策は下記となります。

商品戦略ですが、第3四半期から発売をいたしました、「グランツーユーV(ファイブ)」、「スマートパワーステーションGR」、寄棟タイプでございますが、ここが非常に好調で、2つで600棟契約を取れております。

この2つは、これまで取れなかった層でございますので、純増には効いていると考えておりまして、ここが第4四半期も順調に契約を取れていくと考えております。新たに(2018年)1月から発売した都市部向け3階建て商品「デシオアーバン」も商品戦略に追加して、受注を獲得していきたいと考えております。

また、土地・分譲につきましても、非常に販売が好調に推移しておりまして、第4四半期でも分譲の受注をさらに評価する、来期に向けての在庫も積み増ししていくというかたちで考えております。

集客も、Webや見学会等で発掘源を多様化しておりまして、(2017年)11月〜12月では(前年同期比)121パーセントの集客ができております。第4四半期におきましても、東名阪を中心にモデルハウス・オープンハウスを増やして、集客増を図っていきたいと考えております。

リフォームはずっと前年比割れが続いておりましたが、この第3四半期は前年比プラスに転換しました。ソーラー等(の売上)が相変わらず減っておりますが、戦略商材が非常に伸びております。

従って、漸減傾向には歯止めがかかったかなと考えておりますので、いわゆるこういった戦略商材、新外壁であるとか、バス、キッチン、この辺の複合提案をして、営業スタイルへの転換を加速したいと考えております。

環境・ライフラインカンパニー 下期業績見通し

最後に環境・ライフラインカンパニーでございます。こちらは各施策とも順調に進捗しておりまして、成長戦略の首都圏のインフラ関連事業等を取り込むことにつきましては、重点拡大製品(高付加価値、市場成長・代替が見込める製品)、例えば管路更生、下水管の構成製品です。こういったものも非常に順調に増えております。

また、基盤強化の部分では、スプレッドを確保できておりまして、また構造改革としては、今後に向けての生産能力最適化、生産品目の再編等に着手しております。

また海外でも、顧客事業で納期ズレを起こしておりましたシート事業も第4四半期から需要が回復する見込みでございます。

加えて、すでに着手しております投資、これはFFUも含めてですが、ここをしっかり行って2018年の効果発現に向けてまいりたいと思います。

売上は、構造改革の影響がありましたので、(前年同期比)6億円の増にとどまっておりますが、それを除くと28億円の増収です。

また営業利益の要因分析ですが、国内で4億円増えております。こちらは数量構成が8億円、それから原料のアップ分を売値でほとんどカバーできているということです。

海外でも2億円増ということで、やっと限界利益で稼げる体質になってきたかなと考えております。

環境・ライフラインカンパニー 戦略3分野・重点拡大製品

最後、戦略3分野と重点拡大製品についてですが、まず配管・インフラ分野。こちらは先ほど申し上げましたが、国内でいわゆるSPR工法(の採用)です。管路更生の材料が非常に増えております。海外でも利益に貢献し出しております。

また、ベトナムの金融本社への出資が完了しました。こちらは来期からASEANでいよいよ本格展開、シナジー発現に向けて活動もすでに開始しておりますが、来期の本格展開に向けて融合を進めてまいりたいと思います。

下にいきまして、「建築・住環境」です。こちらも長年新製品を投入しておりませんでしたが、この第3四半期から例えば雨樋(あまどい)、あるいは新ユニットバス等新、商品を出してきております。

また、重点拡大製品群の供給能力を拡大しておりまして、とくに機能性畳はテレビCM効果もありまして、非常に(売上が)増えております。

右上の「機能材料」です。こちらは、シートが、先ほど申しました航空機向けの納入時期がズレておりましたが、その間、例えば鉄道や医療機器など、他分野の拡大が進みまして、こちらでカバーできております。

また、人工木材のFFUです。こちらも例えば、海外の枕木の需要などを背景に、計画どおりに進んでおります。

重点拡大製品も、下期は14億円の増分獲得の見通しで、新製品の投入も14品目をこの下期に投入して、来期以降の拡大を目指します。

以上でございます。

連結対象会社数と増減影響

続きまして、決算概要を説明いたします。

まず連結会社数ですが、こちらは数字をご覧のとおりです。増加と減少の部分につきましては、欄外に記載しているとおりでございます。

また、それ以外による影響額はご覧のとおりとなっております。

損益概要

次に損益概要ですが、営業利益以下の部分を説明します。

まず、持分法投資損益は、若干減っておりますが、その他はほとんど変わりがありません。為替減の影響を若干受けておりますが、ほぼ前年並みということです。

また特別利益・損失のところは、前年より出入りが非常に少ないということで、税引前でも前年から60億円増えているということになります。

貸借対照表 -資産-

続きまして、バランスシートの資産でございますが、まず一番下の総資産です。こちら、1兆402億円ということで、前年から966億円増えておりますが、連結増減あるいは為替影響を除きますと、実質は559億円です。

現預金が143億円減っておりまして、棚卸資産、こちらは住宅の仕掛品等で増えております。また、有形固定資産、無形固定資産もM&A、設備投資を活発に行っているという結果です。

投資有価証券も、自己評価等もありまして増えております。

貸借対照表 -負債・純資産-

それからバランスシートの負債・純資産でございますが、有利子負債が400億円増えておりますが、これは先ほどの投資と絡むところでございます。

利益剰余金自己株は、吹き出しに書いてあるとおりの出入りがあります。それから純資産のところでは、為替換算、主にユーロ高によりまして、評価額が増えております。

連結キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローでございますが、営業活動キャッシュ・フローは390億円と、前年同期から200億円減っているように見えますが、これはとくに法人税の支払の影響が大きくて、前年は税効果会計で税金が少なかったためで、今年は通常に戻りました。従って、本来の稼ぐ力はむしろ増えているということです。

投資キャッシュ・フローにつきましては、M&A出資、設備投資等が増えておりまして、マイナス433億円。

フリーキャッシュ・フローが232億円のマイナスになっておりますが、これは中期経営計画どおりと考えております。

減価償却費・資本的支出

減価償却と資本的支出につきましては、数字はご覧のとおりですが、こちらも中期経営計画に沿って増えているとご理解ください。

2017年度通期見通し

最後、もう1度通期の見通しになります。

説明は以上になります。ありがとうございました。