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失恋で死に至る? 「ブロークンハート症候群」について解説

失恋で死に至る? 「ブロークンハート症候群」について解説

失恋や愛する人を亡くしてしまった悲しみは筆舌に尽くしがたいものがありますが、まれに心を痛めすぎたことで身体に症状が現れる場合があります。「ブロークンハート症候群」とよばれるこの症状は、ときに命に関わることすらあります。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は、ブロークンハート症候群について解説します。

スピーカー
Hank Green(ハンク・グリーン) 氏
参照動画
Can You Actually Die from a Broken Heart?

「ブロークンハート症候群」とは?

ハンク・グリーン氏 最愛の人を失った心痛でその晩に亡くなってしまった、なんて昼ドラのような話ですね。 ですが、大げさに言っているわけではなく、ブロークンハート(心痛)症候群は極めて珍しいものの、実際にある症状で、命に関わる場合もあります。 Image01 ブロークンハート症候群、ストレス性心筋症ともよばれるこの症状は、心臓のはたらきが弱くなって、胸の痛み、息切れ、時には不整脈など、一般的な心筋症や心臓疾患と同じ症状を示します。 症状がとてもよく似ているため、1990年代まで特別な病気とは考えられていませんでした。ですが、重要な違いがあります。ストレス性心筋症の患者には、ほとんどの一般的な心臓疾患で原因となる、動脈の詰まりが見られなかったのです。 さらに心臓をX線検査してみると、日本でタコを捕まえる時に使う壺、「たこつぼ」のような形をしていました。 Image02 このため、この症状は「たこつぼ心筋症」ともよばれています。とくに左心室が一時的に肥大化することで、このたこつぼのような形ができます。 Image03 普通に考えれば大きくなるのは良いことのように思えますが、左心室が大きくなるのは心臓の筋肉繊維が機能していないために起こります。弾力性が少なくなり、動きも弱くなってしまうため、正常に血液を送り出すことができなくなるのです。 こうした肥大化が起こる理由ははっきりしていませんが、カテコラミンという物質の急激な分泌が有力な仮説です。アドレナリンのようなこの物質は、ストレスに晒された時に分泌されて「闘争・逃走反応」と呼ばれる反応につながります。 カテコラミンは筋肉への血液量を増やし、心拍数と血圧を上げることで、体に迫った脅威に対処できる準備を整えるのです。 ですがブロークンハート症候群では、このカテコラミンが何らかの理由で増えすぎてしまい、筋肉が収縮するはたらきを阻害してしまいます。 大抵は愛する人を亡くす、解雇、虐待といった、感情をかき乱されたり、トラウマとなる状況によって引き起こされます。ブロークンハート症候群と呼ばれるゆえんですね。 さらに言えば、どんなかたちのストレスであっても、家の鍵をなくして締め出されたというような軽いストレスであっても引き起こす可能性があります。また、悪いイベントだけとも限りません。たこつぼ心筋症は、誕生日パーティーのサプライズやカジノで大当たりしたような幸せな瞬間に起こる可能性もあるのです。 ブロークンハート症候群について分かっていない点は多くありますが、研究者が突き止めたことの1つは、ほとんどが高齢の女性に見られるというものです。その理由ははっきりしていませんが、ストレスを抑制するエストロゲンというホルモンレベルの低下が理由ではないかと考えられています。 女性が歳を重ねると、エストロゲンの数値は低下します。 Image04 そのためストレスの大きい状況から受ける影響が深刻になり、ブロークンハート症候群のようなストレス性の症状が現れるのです。 ですがこれでは、同様にホルモンレベルが低下する男性にほとんど見られない理由は説明できません。おそらくエストロゲンはパズルのピースの1つにすぎないのでしょう。 心痛で死んでしまうかもしれないという今回のエピソードで動揺しても安心してください。この症状は極めて珍しく、ましてや命に関わるケースはさらに珍しいのです。 大抵は数週間のうちに自力で治せて、医師も心配はないと診断するでしょう。昔から言われるように時間が解決してくれるのです。少なくともブロークンハート症候群に関してはね。

  

SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

・公式チャンネル

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