2018/3期 3Q累計決算の概要

山畑聡氏:それでは早速ですけれども、ご説明いたします。お手元に資料があると思いますので、そちらをご覧いただきたいと思います。

3Q累計の決算の概要でございます。前年に対して売上高は、為替影響の142億円を含めて、204億円の増収となりました。営業利益も同様に、26億円の為替影響を含めて、41億円の増益です。すべての事業セグメントで増収増益となりました。

楽器事業は、先進国市場で回復基調です。上期では少しもたついていたところがございましたけれども、それが回復してまいりました。中国市場は二桁成長を継続しており、その他の地域も好調です。音響機器事業は、AV機器・PA機器とも若干期待値には届いていませんけれども、全地域で前年を上回っています。その他事業は、FA機器が好調です。

前回の予想に対しましては、売上高は為替影響もあり、12億円の増収です。営業利益は、ヤマハ発動機株式会社の株式の一部売却を受け、外形標準課税が発生したことにより、420億円の想定を若干下回る結果となりました。こちらは、販管費に計上されています。当期利益は、ヤマハ発動機株式会社の株式の一部売却により、大幅な増益でございます。

2018/3期 3Q累計業績概要

続いて3ページをご覧いただきたいと思います。(3Q累計業績の)数値について、確認いたします。売上高が3,287億円、営業利益が415億円、当期利益が496億円です。右側の前期比をご覧いただきたいと思いますけれども、増収増益ということです。それから、一番右側の前回予想比では(売上高・経常利益・当期利益で)増収増益ですけれども、営業利益だけは若干届かず、マイナス1.3パーセントという結果になりました。

2018/3期 3Q累計事業別業績

4ページ目は、セグメント別の業績です。左側が売上高、右側が営業利益です。為替影響につきましては、その下に記載しているとおりでございます。

売上高は為替(の影響)も含んだものですけれども、前年に対して、楽器が6.2パーセント増、音響機器が8.6パーセント増、その他が3.1パーセント増と、全体で6.6パーセントの増収となりました。

営業利益は415億円です。為替影響が前年に対して26億円ございますけれども、それも含めて、41億円の増益という結果となりました。

2018/3期 3Q累計営業利益増減要因

続いて、5ページ目です。その営業利益の差異要因ですけれども、前年の374億円に対して、ネットで41億円の増益となりました。その内訳について、ご説明します。海外の労務費が、継続して上昇しています。これは、インドネシア・中国が中心です。それから、将来の成長のための投資として、販管費が13億円増えています。

それから、その他のマイナス13億円について、ご説明します。こちらは、上期はマイナス10億円でございました。中国でのリベートの計上等がございまして、上期では10億円だったのですけれども、こちらに先ほどご説明した外形標準課税3億円を加算して、マイナス13億円となりました。これは、一時的な経費という見方をしています。

それに対してプラス要因ですけれども、為替影響でプラス26億円、実質の増収増産モデルミックス等で33億円、コストダウンの進捗で17億円となり、ネットで41億円の対前年の増益でございます。

前回予想に対しては5億円ショートしていますけれども、(その要因は)主に、実質的に減収であったということです。モデルミックスも含めて、マイナス18億円でした。それに対して販管費を使わなかったということで、プラス16億円。それから、その他の特殊要因マイナスが3億円。これらを合計して、5億円ショートしたという結果でございます。

楽器事業 3Q累計の状況

6ページ目以降は、事業セグメントごとのご説明をしてまいります。

まず、楽器事業の3Qの累計ですけれども、売上高が2,088億円、営業利益が281億円となり、増収増益です。商品別では、為替を含まないかたちで、3Qで対前年104パーセントとなりました。累計でも、ほぼすべての商品カテゴリーで前年を上回っています。とくに、電子ピアノ・ギターが全体を牽引いたしました。

地域別では、上期に少しもたついた欧米に関して、3Qの3ヶ月では北米で対前年104パーセント・欧州は102パーセントと、回復基調になりました。欧州が若干低いのは、販売条件の改定の懇談が(2017年)10月まで続いたことです。11月からほぼ平常に戻ってまいりましたけれども、その関係で102パーセントと、若干北米より遅れています。ただし、3Q累計では前年にまだ届いていないという状況でございます。

中国市場は、ピアノに加えて電子ピアノ・ギターが大きく伸長して、二桁の成長を継続です。それからその他地域、新興国ですけれども中東・インド・ロシア、それからここ(資料)に書いていませんけれども、中南米も好調に推移しており、好調が継続しています。

音響機器事業 3Q累計の状況

続いて7ページが、音響機器の3Q累計の状況です。売上高は923億円、営業利益は101億円となり、増収増益です。AV機器はサウンドバー、ネットワーク・オーディオを中心に堅調です。ただし、一部で4Qへのずれ込みがありまして、対前年は103パーセントにとどまっています。

PA機器は、中国市場・その他地域で好調を継続し、北米市場も回復基調となりまして、対前年で103パーセントとなりました。

ICT機器は、音声コミュニケーション機器……これは会議システムのことですけれども、こちらが堅調でございます。(音響機器事業は)全体的にも、堅調を継続ということです。

その他の事業 3Q累計の状況

それから、その他事業の3Q累計です。売上高が277億円、営業利益が33億円と、対前年増収・大幅な増益という結果になりました。部品・装置は、FA機器の好調が寄与して、対前年を二桁成長の継続です。ゴルフも、新商品効果で好調ということです。

2018/3期 4Q及び通期業績見込み

9ページ目からは、(4Q及び通期業績の)見込みになります。

まず、4Qの見通しについてですけれども、楽器事業は欧米市場の回復が継続というところを見込んでいます。また、中国市場・その他の地域の好調継続を見込んでいます。音響機器事業は、国内の設備工事の来期への後ろ倒しがあります。その影響がありますけれども、製品売上は伸長することを想定しています。

その他の事業です。電子デバイスの一部来期への後ろ倒しがあり、若干の減速を想定しています。為替は今回、前回のUSドル110円から105円・ユーロが125円から130円に、それぞれ見直しをしています。通期の見込みに関しましては、売上高・営業利益・経常利益とも、前回見通しを据え置いています。また当期利益も(2017年)11月28日、ヤマハ発動機株式会社の株式の一部売却を発表したときの想定から、変更なしということでございます。

2018/3期 通期業績予想

10ページで、(通期業績予想の)数字の確認をさせていただきます。売上高が4,320億円、営業利益が500億円、当期利益が570億円と、前期に対して増収増益を想定しています。そして、当期利益に関してはとくに大幅な増益を想定しています。(当期利益の)前回予想に対して46.2パーセントというのは、11月1日(の前回予想)に対しての伸長です。これは主に、ヤマハ発動機株式会社の株式の一部売却によるところでございます。

2018/3期 通期事業別業績予想

続いて、11ページをご覧いただきたいと思います。セグメント別の売上高と営業利益です。通期の為替影響は、その下の記載のとおりですのでご覧ください。楽器は通期で前年に対して6.1パーセント増、音響機器も6.1パーセント増、その他は2.6パーセントと、全体で5.8パーセントの増収を見込んでいます。営業利益は500億円ということで、前年の443億円から57億円の増益です。そこには、40億円の為替影響を含んでいるということでございます。

2018/3期 通期営業利益予想増減要因

(通期営業利益予想増減要因の)具体的な内容は、12ページをご覧ください。前年の443億円に対して500億円ということで、57億円増益の内訳について、ご説明します。

3Q累計と、ほぼ同じ傾向です。海外生産の労務費のアップ、販管費の増、そして特殊要因としてのその他でマイナスです。それに対して、為替影響で40億円のプラス、増収増産モデルミックス等で50億円。それからコストダウンで20億円という想定で、57億円の増益です。

前回予想に対しましては、まずはコストダウンの未達ということで、調達コストが上がっています。それを継続していまして、コストダウン未達がマイナス8億円です。それから、実質的な減収とモデルミックス等により、マイナス22億円。その他がマイナス3億円です。それに対して、為替影響のプラスと販管費を、前回よりも絞る……というよりも、使わないということで、プラス21億円です。これらをネットして、前回予想と変わらないという内容でございます。

楽器事業 (予想)

13ページ目からは、セグメントごとの通期の予想になります。楽器事業の、通期の売上高が2,735億円、営業利益が355億円ということで、増収増益でございます。売上は、中国市場、その他地域の好調継続、それから為替影響によって、前回予想から20億円の増収を見込んでおります。

ただし営業利益は、調達コストの上昇などもあり、前回予想を据え置いております。

楽器事業(地域別の販売予想)

14ページが、毎回ご覧いただいていると思いますけれども、地域ごとの売上高の実績と予想です。グラフの見方ですけれども、左側の棒グラフが前年・右側が今年ということで、下から1Q、2Q、3Q、4Qとなっております。カッコ書きのところは、為替影響を除いたところの実績ベースで、前年に対する増減を示しております。

通期で日本は98パーセントと、若干の減収です。それから、北米は100パーセント、欧州が100パーセントということです。下期もかなり回復してくるとみておりますけれども、上期のもたつきを完全にカバーして前年を上回るところまでは見通しておらず、対前年で100パーセントという見込みでございます。

それから中国は、通期で116パーセントです。その他市場は、通期で107パーセントとなっております。中国は、前回よりさらに上方修正ということでございます。

音響機器事業 (予想)

続きまして、15ページです。音響機器の通期の予想でございます。売上高が1,225億円、営業利益が120億円ということで、前年に対して増収増益です。ただし、前回予想からは減収を見込んでおります。ですので、楽器でプラス20億円、音響でマイナス20億円ということで、ここでプラスマイナスゼロということになります。

売上は、国内の音響設備工事の来期への後ろ倒しがあり、これを含めて前回予想から20億円の減収です。営業利益は、前回予想を据え置いています。

音響機器事業(地域別の販売予想)

16ページです。楽器と同様に、地域別の売上高を示しています。日本が、設備音響の工事の来期のずれ込みがありますので、97パーセントです。北米が102パーセント、欧州が104パーセント、中国が102パーセントです。

これは毎回説明しておりますけれども、中国の工場へのOEM商品の納入が少し低調ということで、全体で102パーセントになっております。ただ、ヤマハブランドの中国での売上は108パーセントということで、堅調な売上の伸長を見込んでおります。

その他地域は、106パーセントです。

楽器・音響機器事業(主要商品別販売予想)

17ページは、製品ごとの(主要商品別販売予想の)棒グラフです。ピアノが通期で対前年105パーセント、電子楽器が105パーセント、管楽器が102パーセントです。弦打楽器は伸長をみておりまして、107パーセントです。

それから、音響機器に関しましては、AV機器が104パーセント、PA機器が104パーセントという見込みをしております。

その他の事業 (予想)

それから、その他事業の通期です。売上高が360億円、営業利益が25億円という内容でございます。対前年増収増益で、前回予想から変更しておりません。

部品装置は、電子デバイスの来期への後ろ倒しが若干あるものの、スマートフォン向けの検査機等FA機器が好調に推移しておりますので、それを見込んで対前年二桁成長の見込みでございます。

棚卸資産

それから、19ページは棚卸資産です。左側の「3Q末」は(2017年)12月末ですけれども、996億円という実績になりました。前年より22億円増えておりますけれども、その下に為替影響が18億円と記載しており、ほぼ前年並みの在庫水準になったということです。

期末に関しては969億円と、前年の931億円から38億円ほど増えます。ただ、為替影響はそうありませんので、実績に少し在庫が増えるという見込みにしております。

この内、1つにはFAが非常に好調ですので、それに対する在庫の増を見込んでいます。それから、楽器の今期のところでも、若干次に向けての仕込みということで、在庫が増えるという見通しをしております。

設備投資額・減価償却費/研究開発費

20ページをご覧ください。設備投資費ですけれども、第3四半期累計の実績が152億円・通期予想が253億円と、それぞれ前年から大幅に増えております。これは、本社で研究開発棟(2018年5月完成)の建設をしております。それから、インドとインドネシアで新工場を建設しておりますので、その関係で前年よりは大幅に増えております。ただ、前回予想よりは、若干減っているという見通しでございます。

それから、研究開発費です。第3四半期の累計で183億円・通期で252億円ということで、ほぼ前年並みの研究開発費の使用ということでございます。

貸借対照表

21ページは、貸借対照表です。左側が第3四半期(末の数値)、右側が通期の予想になります。

第3四半期の総資産は6,097億円ということで、前年より818億円増えております。現預金が410億円増えておりますけれども、若干特殊要因がございます。ヤマハ発動機株式会社の株式の一部売却による収入がありましたけれども、まだこれに対する税金をまだ払っておりません。未払い税金ということで残っておりますので、キャッシュとしては出ていっていないということです。

次に、プラスアルファとして自己株を250億円取得する計画でおりますが、まだ(2017年)12月末では68億円の進捗です。自己株買いが途中ということで、その分のキャッシュがまだ出ていっておりませんので、ネットでその分のキャッシュに上乗せされているという特殊事情がございます。

また、固定資産が277億円増えております。これは、有価証券の時価評価によるところでございます。ヤマハ発動機の株式の一部売却をしましたけれども、株価の上昇もございまして、増えているという状況です。

そして、他負債が127億円増えておりますけれども、この内、未払い法人税が約100億円ということです。先ほどの株式の売却に伴う税金の未払いが、ここに計上されているということでございます。

それから、純資産が、利益剰余金・有価証券の評価・為替の円安による為替換算調整勘定ということで、前年よりも661億円増えているという状況です。

(資料右側の)期末予想も、同じような傾向です。ただ、現預金のところをご覧ください。自己株取得も進むということで、前年に対して148億円のプラスということです。それ以外はほぼ同じような傾向で、純資産計としては4,066億円を想定しております。

株主還元 ≪自己株式取得及び配当≫

最後に、22ページをご覧ください。株主さまへの還元の状況でございます。まず、自己株取得ということで、(2017年)12月1日から(2018年)5月31日までを期間として、700万株、250億円上限の自己株式取得を、今行っているところでございます。

これは、ヤマハ発動機株式の一部売却によるもので、プラスアルファの250億円を取得しようとしているところです。

配当は、年間の配当金56円については、予想を変更しておりません。配当性向は18.3パーセントということで、これはヤマハ発動機の株式の一部売却によるものです。当期利益が増えておりますので、計算上では配当性向は下がっております。ただ、自己株取得を行いますので、総還元性向としては62.2パーセントを想定しているという内容でございます。

以上、駆け足でございましたけれども、第3四半期の累計の業績と、通期見通しといったところでご説明をさせていただきました。よろしくお願いいたします。