オーガニックは現代の多様な選択肢のひとつ

青田典子氏(以下、青田):今日も女性の方がかなりいらっしゃいますが、常に人にお会いするときにどうしても化粧品を使いますが、オーガニックの化粧品というのは、話が飛んでしまいますけど、質問してほしいというのがありまして、興味を持たれている方が多いんですが、ここら辺はどうですか?杉田さんは使っていらっしゃいますか?

杉田かおる氏(以下、杉田):私は普段化粧をしなくて、今日は久しぶりに青田さんに会うので化粧をしてきました(笑)。普段はお化粧をしないんですが、オーガニック化粧品でも、手作りで気に入っているものがあって、乾燥したときはそのクリームをつける程度なんですが、そのクリームはイギリスでおばあちゃんが1人でこもって作っているという(笑)。

小原壮太郎氏(以下、小原):よく手に入りましたね(笑)。

杉田:日本でも売っていてたまたまいいなと思って。それでそのクリームを乾燥しているときにつけるんですが、メイクさんに「これいいですよ」とすすめたら、イライラしていたモデルさんにそれを使ったら、ちょっとイライラが止まったらしいんです(笑)。

だから、波動というか、使っている成分も、作り方みたいなものも手作り感でそれが伝わるのかな~と思って(笑)。

青田:あるかもしれませんね。皮膚呼吸も必ずしていると思いますし。よく、いいよと言われて塗るもので、化学物質が入っていると、いわゆる廊下にロウなどを塗るじゃないですか? それと同じで、上から膜をはるようなことになるらしくて、とても負担かけるということを知りまして、それをずっと続けていると、しわや老化が早いというのは聞いたことがあります。

オーガニックの化粧品はどうしても、しみなどいろいろなものを隠せないというイメージがありますが、体に精神的にいい、波動的にいいとなると、表情も変わってくるかもしれませんね。

杉田:でも、最新の医療の薬を肌に与えたり、私もエステの最新の機械などで打ったりしています。

(会場笑)

贅沢をどこに見出すか

杉田:だからすごくスローライフだけなのがいいのではなく、せっかく人間は進化しているのだから20年前にできなかったエステもやって、さらにオーガニックなものも選択して、どうせ欲張り世代なので、欲張ってもいいじゃないですか……(笑)。

小原:いまさら原始時代には戻れないですよね(笑)。

杉田:そうです、いまさら質素な生活というのはできないと思うんです。だから質素な生活じゃなくても、贅沢をどこに見出すかというような。だから、介護をしている時間も、逆に主人に感謝で贅沢な時間だと思えば贅沢だし、苦しいと思えば苦しいし、仕事ができなくて不自由だと思えば不自由だし。

そんな感じで、いいものを、本物のものをセレクトする中のひとつにオーガニックがあるという選択肢でいいんじゃないかな? そのような考え方になってから人に嫌われなくなった(笑)。

(会場笑)

小原:でもバランスですよね! やっぱりオーガニックしかだめだと言いすぎると、さっきの玄米もそうですが、そればっかりになってしまうと、逆に反作用は絶対にあるので、僕もデトックス体験をしてからは毎日玄米は食べません。週に2、3くらい玄米の日にして、そのかわりに、久々に吉野家に行って食べたり、フライドチキンを食べたりもするんです。そのバランスが程よいなと思います。

環境省も今の方針としては、一昨年パリ協定が結ばれて2050年にCO2を80パーセント減らさなきゃいけないんです。それを世界で約束してしまったんです。2030年に26パーセント減らすために、いろいろCO2削減のために農業はオーガニック化など、いろいろやっているんですが。

やっぱり新しいテクノロジーによって解決される自然エネルギーの発電や省エネの家電などもそうですが、そうしたところのバランス、今は現代社会なので、いまさら車や家電を使っちゃダメというのは厳しいと思うので、うまく折り合いをつけながら、杉田さんもさっきおっしゃっていたとおり、選択肢のなかにオーガニックを入れて、自分の健康状態や自然の環境などすべてのバランスが取れるようにシフトしていきましょうというのが、究極の形ではないかと僕は思います。

酒とコスメは有機JAS法による規制がないので要注意

青田:それであれば、ちょっと楽になれると思います。今の現代もこれだけ情報社会ですから、インターネットを開けば化粧品などはズラズラと出てくるわけで、それはそれで自分でいいものを選びつつ、オーガニックは食材だけにするとか、そういうことでもいいんですよね?

小原:そうですね。ひとつだけ、お化粧品の件でについて。僕は有機JASという農産物の検査員も農協系の検査員も両方勉強のためにやっており、オーガニックコスメ企業の経営もしていたので、ひとつだけポイントをお伝えしたいんですが。

オーガニックというのは最近は食べ物で有機JASというマークがついていて、それを選べばそれなりの基準のものが選べるんです。しかし、実は有機JAS法というのは食べ物だけで、化粧品やお酒などは規制されていないんですね。

だからオーガニックコスメと書いてあり、裏の成分を見たときに、成分一覧は量が多い順に書いてあるんですが、一番最後に小さく「有機シアバター」と書いてあって、表を見ると「オーガニック」、小さい文字で「シアバター配合コスメ」というような感じになっています。

使ってみると全然安いケミカル化粧品じゃん! というものもあるので、しっかり情報を仕入れるというか、ネットで調べて見定める目を消費者として磨いていくこともすごく大事です。

青田:消費者として、だまされないようにしていかないといけませんね。

杉田:化粧品というのは、管轄は財務省ですか?

小原:いえ、厚労省です。ですから、また違うんです。

杉田:お酒は財務省ですもんね?

小原:そうです(笑)。酒税とか。

青田:ちなみに、お酒でオーガニックというのがあるんですか?

杉田:ワインとか……。

小原:オーガニックでできた米やぶどうを使って、製造過程で化学物質をいれないなど。

杉田:ヨーロッパだとABマークなどがついていますよね? ワインなどには。

小原:そうですね、海外ではそうしたものを含めて認証がちゃんとあるんですが、日本はフリーになってしまっています。

飲めば飲むほどキレイでハッピーになれるオーガニック酒

青田:オーガニックで酔えるんですかね? あまりにも健康に良すぎて。

小原:私の友人は結構美食家のメンバーが多いんですが、そうしたメンバーでも今はビオワインなどを……。

青田:ビオワイン……?

杉田:ヨーロッパではオーガニックのことをビオというんですよ。

小原:ビオワインは、トップの美食家の中でも普通に……ビオはビオで不安定感やゆらぎのようなものがあるようですが、これはこれでいい味が出ているようです。

杉田:それこそロマネコンティのような何百万もするような何十年前のものはビオです。オーガニックだから(笑)。発酵してもそんなに味が落ちないというか。やっぱり農薬の味が混ざると、ある程度発酵させればきっとスコーンと味が落ちるでしょうね。

青田:飲めば飲むほどどんどんきれいになるというお酒があれば、たまりませんが(笑)。ほしいですね! 飲んだらきれいになりますよという。

不純物のない玄米酒の効能

杉田:でも、寺田本家さんのお酒などは、700年くらい前の手法を再現されたという、玄米酒は本当に不純物がないので、寺田さんの亡くなったお父さんは、腸がどんどんくさってしまう病気になってしまっていて、それを治すために自分でお酒のやり方を再現して、自分の体のために作った玄米酒なんです。ですから、腸がきれいになればお肌もきれいになるし。

青田:それ、ほしいです!

杉田:今も普通に売っています。

小原:いまは発酵酵素などもね!

杉田:発酵酵素などもそこからきています。

青田:それもちょっと検索をさせていただきます。いいお話を聞きました。

小原:やっぱり腸内が正常化して、健康になっていくと、精神的にもそうとうクリアになっていきます。

青田:腸の中でもエストロゲンという幸せホルモンが作られているということが研究されていて、腸が元気になると、なぜだか幸せになるといいますからね。それだけ大事な場所なんですね。

杉田:本当に発酵酒はおいしいですし、幸せな気分になるから、ご主人と晩酌などしたら、さらに……。

青田:おー!!(笑)。渡してみます!

カモを飼って卵を取るワイルドライフへ

青田:このような感じで、この機会ですから質問などがあれば取りあげたいと思うんですが、なにか聞きたいことはありませんか? それよりもっと、杉田さんに恋愛相談をしたりでもいいですよ(笑)。私でもいいんですが(笑)。

杉田:恋愛は青田さんでしょう(笑)!

青田:いやいや、私に聞いたら違う方面に行ってしまうので……(笑)。

(会場笑)

そんな感じで、今日はたくさんの勉強をさせていただいて、なにか取り入れていただけるようなものはありましたでしょうか? ちょっと鶏などを飼ってみようかな(笑)。

参加者:うるさい(笑)。

小原:近所の騒音とかね(笑)。

参加者:朝鳴くから怒られちゃう。

青田:そうなんですね(笑)。卵を産んでくれるかなと思ったりして。

小原:カモのアヒルはそんなに鳴かなくて、卵も産めますよ。

青田:そうなんですか! それもいい情報です。将来的にはカモを飼おうかな……(笑)。そうするカモ……というような感じで(笑)。

杉田:動物といえば、うちの妹は今オレゴンに住んでいるんですが、パーマネントアグリカルチャーという循環型の農業を20年間くらい勉強しており、世界中でいろんなところがあるんですが、自分の庭でブドウの木を育ててワインを作ったり、アルパカを育てています(笑)。

(会場笑)

杉田:それでうちの妹はすごくワイルドな人なので、ちゃんとアルパカに餌をやっているのかなと思ったら、あるときにものすごく痩せてしまったアルパカがいて、毛も全部剃られて、その毛を売られてしまったり、ユダヤ人みたいな妹なのでなんでも売ってしまうんですが、そういうのを飼ったり、畑をやったり、すごく楽しく暮らしてます(笑)。

青田:素敵です! ありがとうございました。ここで専門の小原さんとはお別れですけど、本当に参考になりました。今日は来ていただき本当にありがとうございました。

(会場拍手)

杉田:こういう方がいらっしゃるから本当に心強いですよね! ありがとうございました!

(小原氏退出)

「問いを生きるのではなく答えを生きろ」

青田:杉田さん本当に詳しいことを知っていらして、勉強もされているようで、生活のある種、別の刺激を今回受けさせていただいて、ありがとうございます。

杉田:下ネタばっかり言っているわけじゃないので(笑)。

(会場笑)

青田:(笑)。本当に勉強になりました。その中で、ライブのテーマなんですが、「女子(おなご)が立ち上がった瞬間」という、ここで切り替えた、または名言など、杉田さんがこの言葉によって救われたというか、ヒントになるものや、気づきになるものがもしあれば、お伝えしてもらえるとうれしいんですが。

杉田:青田さんがおっしゃっていたことと少し通じるんですが、7年前の震災のときに九州の自然農の先生に出会い、その方は乳がんで1年後に亡くなられたんですが、すばらしい女性で、本当に人生の師匠という人に出会ったんです。

松尾靖子さんという方だったんですが、その方が自然論の学びの場でおっしゃっていたことが、「問いを生きるのではなく、答えを生きろ」と。「なんでなんで?」という毎日を過ごしていないで、自分はこれをやるのだという答えがもう出ているのであれば、その答えを生きる毎日にする……それが人生を充実させることなのだなという。問いを生きるのではなく答えを生きましょうと彼女に教わったんです。

青田:素敵な言葉ですね!! 自分で答えはわかっているから、人に何を言われようが自分の答えのまま生きていけばいいということですね。

杉田:いろんな人の特徴というか、自分ができる範囲は50年も生きていればわかることだから、それを自分のできる限りでやっていけばいいのだなと気が楽になりましたね。

青田:なるほどー。真に伝わるような言葉でした。

杉田:素敵な女性だったので。彼女に出会って私は本当に変わったので。変わったからこそ今の旦那様が現れてくれたのだなと思います。神様からの贈り物だと。今の旦那さんだと、前の旦那さんが悪かったみたいだけどそんなことじゃなく(笑)、縁があって今の旦那さんに会えました。

「親の看取り」と「次世代の滋養になるいい枯れ方」がこれからのテーマ

青田:本当に杉田さんと見つめあうと目がキラキラしていて本当に吸い込まれそうな感じの美しさを放っていらっしゃるんですが、今後杉田さんが人生としての目標というか何がしたいというのがおありだったりするんですか?

杉田:もともと目標を立てるとプレッシャーに負けてしまうほうだったんですが、母が健康になるためと思ってオーガニックのことを勉強したり、自分も料理教室に行ったりしたんですが、今度は母の看取りというか、満足してあの世に行ってもらうために、リラックスしてもらって、安心してもらえる自分になるために肩の力を抜いたり、自分がそれで倒れないようにコントロールするというか。

看取ることで、自分自身の死にも向き合えている感じがするので、それがドラマとは全然違う世界というか、全員が平等に来る死というものは怖いものではないし、武士のように覚悟することでもないし、本当に自然なものなので、自然に自分がどこまで近づけるかということが、これからの課題だと思っていますが。

青田:なるほどなー。枯れていくというか、いつか私自身も死んでしまうというか、この世を離れる……そういうところにも「美しさ」といったらきれいすぎるかもしれませんが、何かの深い意味というか、死に向き合うというと変ですが、何かあるんですね。

杉田:またオーガニックの話に戻りますが、武田鉄矢さんが「枯れていくのと腐っていくのとは違う」と話されて、オーガニックとオーガニックじゃない大根を冷蔵庫に入れていて、1年後にオーガニックの大根はたくあんになったりするんです。でも、農薬がかかっているほうは真っ黒く腐るんです。

この時間が経ったとき、だから人間も腐ってはいけないというか、きれいに枯れていきたいから、心も体も自分で磨けるだけ磨いて、いい年をとって、枯れていくことで次の肥料になるんです。

その植物は枯れて土に還ることで、次の植物を育てることができるから。腐ったものからは肥料にならないので、次の世代の人たちが育つための、自分たちはいい枯れ方をしなければいけないから、足を引っ張ってはいけないと武田さんに聞いて、そうだなー、腐っちゃいけないなーと(笑)。

青田:なるほどー。

自分の老いと向き合っていく

青田:今日は、勉強になったー!! 本当に! 杉田さん、本当にありがとうございました。

杉田:こちらこそ呼んでいただいて、会いたかったですしねー!

青田:本当に会いたくて! やっぱり同じ時代の、経歴は全然違いますが、生き抜いていて、ご一緒させていただく機会も多かったので、どんな生き方、どんな考え方、どんなお暮らしをしているのかを共有することによって……分かち合いたかったんです。なので本当にうれしい日でした!

杉田:私もありがとうございます。素敵な女性でずっといられて頑張っている青田さんをみると心強いです。

青田:ありがとうございます! こうやって褒めあったところで(笑)、杉田さん、ありがとうございました!

(会場拍手)

(杉田氏退場)

青田:今日は本当に収穫が多い日で、私が一番ラッキーだったかなと思うくらい、いい会でしたし、変えていくことということも考えさせられました。

うまく変えていく……自分の老いというものに向き合っていくこともありますし、親との死別というと暗くなってしまいますが、その辺りもこれからの私にとってもテーマになっていくのではないかと思います。今日は本当に最後まで聞いてくださり、ありがとうございます。

(会場拍手)