ケーススタディ問題がテーマの選考
水谷健彦氏(以下、水谷):それ(外資IT企業のグループディスカッション)を通過して、2次面接は……1対1?
内定者:いえ、2対1で役員の方2名と、私1人で。
水谷:それは時間としては何分くらい?
内定者:30分……40分くらいありました。すごく長かったです。そこでもプレゼンテーションをしまして(笑)。
水谷:1対2の面接なのに、プレゼンテーション?
内定者:はい、そうです。
水谷:どういうこと?
内定者:最終面接の前にテストがあったんですけど、そのテストの一部で、「ケーススタディ問題」っていうのがありまして。
1次面接と似てるんですけど、いくつかケーススタディがある中で問題をどう捉えて、どういうソリューションを提供していくか、っていうのを25~30分くらいで。紙にまとめて、それを役員面接の最初にプレゼンテーションするっていう面接で。
水谷:なるほど。
内定者:そういう……そうですね、そこでもプレゼンテーションでした。
水谷:それ以外は質疑?
内定者:そうですね、あとはふつうの最終面接です。他者の選考状況であったりとか、あと志望動機であったりとか、学生時代にどういうことをやっていて、って。そこはすごいスタンダードな質問をされました。
内定が出るまでに1週間
水谷:で、内定?
内定者:そうですね。
水谷:それは、その日に内定が出たの?
内定者:いえ……1週間近く待たされました。なので、それこそ本当にまた、「あぁやっぱりダメだったんだな」っていうのは、心の奥ですごい思っていて。
これもまた電話いただいた時にすごいびっくりして、「本当ですか!?」って聞き返しちゃったくらいだったんですけど……(笑)。
水谷:なるほどね。じゃあわりと、選考もそんなに回数もやっぱり多くないし。中身も、「課題を解く」ってことはしっかりやるけど。
内定者:そうですね。
水谷:それ以外のことはあんまり深くないよね。
内定者:そうですね。あとはだから……人間性で見ていただいたのかな、っていうのはすごく思います。私自身もそんなに、頭脳のほうは……自信はあまりないので(笑)。人柄や性格とかで評価していただいたのかな、って思いました。
課題の答えを評価された?
水谷:課題のその、解いた中身を評価された、ってことはないの?
内定者:自分がどこに観点っていうか、興味を持ってるか。どこを伸ばしたいのかっていう……「あなたが何をしたいのかというのはよく伝わりました」っていうのは言われました。
水谷:あ、その課題の解答で。
内定者:はい。ケーススタディを解く人によっていろんな答えが出るような問題だったので、「まずあなたがどういうふうに問題を解決に導いていきたいのかというのは、すごくよく伝わりました」っていう。「道筋がしっかりできていた」というのは、フィードバックで評価はいただきました。
水谷:いくつか内定出た中で、最後にその外資のIT大手に決めたのは、どんな理由なの?
内定者:最終面接で会った役員の方が、すごく魅力的だった、っていうところで(笑)。私が「入社までに何をしたらいいですか?」って聞いた時も、「世界中を飛び回って、『ここでこんな技術が使えたら楽しいな』っていう妄想力を育ててきてください」っていうことをおっしゃられてて。
それまでは、そんなことを返してくる社員さんなんていなかったので。「英語はやっぱ大事だね」「簿記とか持ってたらいいね」とか、そういう答えが多かったんです。
そんな中で、「世界中を見て自分が何をできるか、技術でもっと世界をどうできるか。そういう妄想とかひらめきとかを考えるクセをつけてきてください」っていうことを言われて。
もう、「なんておもしろい人なんだ!」って(笑)。そう思いまして……そこが一番大きかったですね。
後輩たちにアドバイス
内定者:「素を出してる」子は、うまくいってるかなっていうのはすごく思います。自分も含めなんですけど。やっぱり、社会に出ていく第一歩としての就職活動だと思うので、それなりに社会人としての常識であったりとか、学生なりにいろいろ勉強したりして就職活動に行くのはもちろんなんですけど。
その中でもやっぱり、学生である自分の「素」を出せる。そういうところはすごい、大事だと思います。その子の良いところを出さないで、いわゆる「きちっとした就活の型」にはまりすぎてしまってる子は、自分を出せなくて、それで……。
それが原因かどうかはわからないですけども、あまりうまくいってなかったりとか。あとは、メンタルの面ですごく落ち込んでしまっていたりとかしているので。「素を出す」っていうのは大事だと思います。