2018年3月期第3四半期決算説明会

内田陽介氏:ただいまご紹介いただきました、弁護士ドットコムの内田です。みなさま、本日は大変お忙しいところ多くの方々にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

それではさっそく、2018年3月期第3四半期の決算説明会を始めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

2018年3月期 第3四半期 ハイライト

まずは、第3四半期の決算概要からご案内します。

こちらは、業績ハイライトです。第3四半期累計で、売上高は16億7,900万円です。営業利益・経常利益は、ともに4億円です。そして、四半期純利益が2億5,100万円となっています。いずれの指標でも、前年同期比で1.4倍という順調な成績を残しています。

次に、事業トピックスです。まず、「弁護士ドットコム」の有料会員数が、12万人を突破しました。

また、「みんなの法律相談」の累計法律相談件数が60万件を突破したということで、弁護士ドットコムというサイトのパワーが、順調に育成されている状態です。

そして、弁護士ドットコムの弟分的な存在の、「税理士ドットコム」というサイトがあります。こちらも現在、順調にサイトのパワーが成長してきています。みんなの法律相談の税務バージョンである「みんなの税務相談」も、今成長が続いていて、累計税務相談件数は1万件を突破しました。

まだまだ弁護士ドットコムと比べると小さな規模ですが、弁護士ドットコムのこれまでの成長のパターンを、税理士ドットコムに移植している最中です。サイトのアクセス数も含めて、全体的に非常にうまく成長を続けている状況です。

そして、今期最も会社として注力・育成している、「クラウドサイン」です。この(2017年)12月時点では、導入企業数が1万4,000社・累計契約締結件数が15万件を突破しています。

それぞれ、後ほど詳細にご説明したいと思います。

2018年3月期 第3四半期 業績概要

こちらは、第3四半期のみの業績概要です。

売上高が6億円、営業利益が1億3,900万円、経常利益が1億4,000万円、四半期純利益が8,700万円です。こちらも先ほどとほぼ同様に、いずれの指標も、前年同期比でだいたい1.4倍程度の進捗で推移しています。

2018年3月期 通期予想に対する進捗

次に、通期予想に対する進捗です。

今期の期初に発表した通期予想数値では、売上高が22億4,000万円、営業利益・経常利益が5億円としていました。この第3四半期までが終わった状態で、現在のところ、いずれの指標においても75パーセント超の進捗率となっています。

今期は残り後4分の1(第4四半期)という状態になってきて、だいたい今期の目標については、到達できる目処がついてきた状況です。そのような状況なので、この第4四半期については、来期に向けた先行投資を比較的多くしています。

人材面や広告などの部分を中心に、来期に大きく成長するための必要な投資を行っています。そのため、通期の営業利益については、当初予定していた5億円に近しい数字で、着地するのではないかと考えております。

売上高の四半期推移

そしてこちらが、各四半期ごとの売上高の推移です。

おかげさまで、非常にきれいな右肩上がりの推移を示していて、各セグメントともに、過去最高の売上を記録した四半期となりました。

(2018年3月期第3四半期は)累計で6億円の売上となっています。今回の第3四半期において、とくに存在感を示したのが、税理士マーケティング支援サービス(グラフの灰色部分)です。

先ほど「(税理士ドットコムの)サイトのアクセス数が、だいぶ伸びてきている」というお話を申し上げましたが、この四半期では5,100万円の売上となっています。直近の(2017年)12月単月では、売上の数字が約2,000万円程度になってまいりました。

だいたい4年前くらいの、弁護士ドットコムの事業規模に近しい状態になってきているのかなと考えており、これから税理士ドットコム事業についても、この弁護士ドットコムの堅調な成長と同様に、育成を目指していきたいと考えております。

販売費及び一般管理費の四半期推移

次に、販管費及び一般管理費の四半期推移です。

こちらは引き続き、人材採用を中心・積極的に行っているので、人件費並びに採用費用が比較的上がってきている状況です。

そして業務委託費が、第2四半期は2,600万円だったところ、(第3四半期は)1,200万円に減っています。こちらは、第2四半期に(行った)セキュリティー対策やユーザーに対するアンケートのような、一時的なコストが含むものがなくなり、元に戻ったという状況です。

営業利益の四半期推移

そして、こちらが営業利益の四半期推移です。

第3四半期は、営業利益(棒グラフ)が1億3,900万円となっております。第1四半期が1億3,900万円だったので、実質的にはほぼ同じであるものの、わずか数十万円ですが、一応過去最高の営業利益という四半期になりました。

先ほど申し上げた通り、第4四半期は、来期に向けた先行投資を積極的に行っている最中です。そのため、ここ(第3四半期)からは、営業利益が少し落ちていくのかなという見通しを現在立てております。

貸借対照表

そして、貸借対照表です。

貸借対照表は、ご覧の通りです。利益剰余金が増加していることで、純資産が8,700万円ほど増加している状況です。

月間サイト訪問者数の推移

これより、各事業の進捗状況をご案内します。

まずは、弁護士ドットコム事業です。

こちらが、弁護士ドットコム事業の月間サイト訪問者数の推移です。この2017年12月の時点で、アクセス数が946万人となりました。

「弁護士ドットコムニュースのヒット記事が、どの程度出るか」によって、サイトの全体のユーザー数には、引き続き変動があります。このサイトのニュースのアクセスを除いた、普通に弁護士を探しにくるユーザーさまや、法律相談にくるユーザーさまのアクセス数も、過去最高水準となっています。サイト全体のアクセス数には、地力がだいぶついてきているのかなと実感しています。

昨今、Googleのアルゴリズムの変動などは、大変激しくなってきています。それでも、やはりユーザーの方々のためになるような良いニュースを、しっかり1本ずつ作って出していくこと(を続けていきます)。

そして、法律でお困りの方々に、1人でも多く弁護士ドットコムにきていただければ、その悩みが解消したり、自分に合った適切な弁護士の方と出会えたりするような信頼できるサイト作りを、引き続き地道に続けていきます。そうすることで、このサイトのアクセス数は、まだまだ継続的に伸ばしていけるのではないかという実感を得ております。

累計法律相談件数および有料会員数について

次に、弁護士ドットコムのメインコンテンツの1つである、みんなの法律相談に寄せられる累計法律相談件数および、それを閲覧する有料会員数の推移です。

どちらも順調に推移し、累計法律相談件数はこの(2017年)12月で60万件を突破して、61万件となりました。そして、有料会員数は12万6,623人となり、第2四半期から比べて約1万人の増加となっています。

こちらは、これまでの四半期の中でも最大の伸びです。先ほど申し上げたように、弁護士ドットコムというサイトの、ニュース以外のコンテンツへのアクセスが非常に堅調に伸びていることが、ここに表れているのかなという状況です。

会員登録弁護士数について

次に、弁護士ドットコムにご登録いただいている会員登録弁護士数の推移です。

左側のグラフは、「ビジネスロイヤーズ」(企業法務ポータルサイト)も含めた会員登録弁護士数で、2017年12月の時点で1万4,515名となっています。現在、国内弁護士が約4万人いらっしゃるので、その3人に1人以上の方々にご利用いただいている状態まで、推移できています。

そしてその中で、有料会員として、お金をお支払いいただいてご登録されている先生方の数が、この12月では3,644名となりました。この第2四半期から182名増加しています。

期初の計画では、年間でおよそ600名程度増加させることを予定していましたので、おおよそ計画どおりの数値・推移となっているのではないかと考えています。

クラウドサインの概要

次に、今期の注力事業であるクラウドサインの現状について、ご案内します。

クラウドサインについては、まだ、ご存じでない方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単にご紹介いたします。従来「紙と印鑑」で契約を行っていた際の、さまざまな課題を一挙に解決する、日本初のWeb完結型クラウド契約サービスです。

導入いただくお客さまのメリットは、大きく3つあります。契約締結作業のスピードアップ、コスト削減、そしてコンプライアンスの強化です。

従来の紙の契約では、契約締結におよそ2週間程度かかるところ、クラウドサインであれば、1分で終えることもできます。コスト削減についても、紙における作業の手間がなくなりますので、人件費が削減できます。また、紙代・インク代・封筒代・郵送代・印紙代のようなコストも、削減することができます。

そして、コンプライアンス強化という面でも、従来の紙の契約書であれば、紛失してしまったり、間違って破棄してしまったり、改竄も比較的容易にできてしまうというリスクがありました。しかし、このクラウドサインであれば、契約が締結された契約書は、クラウド上に永久に保管されます。

また、改竄が不可能な電子署名を我々が施しますので、セキュリティも問題はありません。そして、いつでもどこからでも検索ができるという管理面の強化も、非常に大きなメリットとなります。

導入シーンとしては、さまざまな契約で使えます。見積書や発注書などでも、ご活用いただくことが増えてきました。そして、これはちょうど本日(2018年1月29日の発表)なのですが、従来、建設工事の請負契約は原則、書面による契約締結が法律で規定されていました。

ところが、弊社が「産業競争力強化法に基づく『グレーゾーン解消制度』」を活用して、「クラウドサインでも、建設工事の請負契約ができるのではないか?」と、経済産業省に問い合わせたところ、本日「クラウドサインでも、そのような契約ができる」という発表をしていただきました。

建設業者さまや、(建設業)許可をいただいている会社さまは、全国で47万社程度あると言われています。非常に小規模な会社さまも多く、そのような会社では口頭での契約……内容の証跡が何も残らない契約によって、後々トラブルになる事例も非常に多いと聞いています。

今後、クラウドサインを建設業界の方々にもご利用いただけることになれば、建設業界のみなさまもより安心して、契約をしていただけるのではないかと考えています。

導入企業数および累計契約締結件数について

そして、クラウドサインの導入企業数および累計契約締結件数です。(2017年)12月の末時点での導入企業数は、1万4,749社でした。先日、「1月10日に1万5,000社を突破した」とリリースを出しましたが、本日(2018年1月29日)時点では、すでに1万6,000社を突破しています。

わずか20日間の間に1,000社が増加したということで、いよいよこのクラウドサインのネットワーク効果が発揮されてきて、徐々に導入社数のペースが上がってきたと実感しています。

そして、累計契約締結件数も、12月末時点では15万2,750件ですが、本日時点では17万件となっています。導入企業では、野村證券さまやクレディセゾンさまなど、大企業の方々からスタートアップの方々まで、幅広い業界・会社さまにご利用いただいています。

第3四半期におけるトピックス

クラウドサインの、この第3四半期における主なトピックスについて、ご紹介します。

1つ目は、(スライド)一番上に記載している「クラウドサインペイメント」というサービスで、契約の締結と決済が同時に行える、日本初のクラウドサービスとなっています。

すべての取引は、基本的には契約から始まるわけですから、その契約に基づく請求業務や取引先からの代金回収、与信業務などを低減させていくことを目指しているサービスです。

まだ製作には至っていないのですが、今後は、早期入金サービスのようなものを行い、キャッシュフローを改善させられるサービスとしても進化させていきたいと考えています。

2つ目は、「オフィシャルパートナープログラム」です。これまでは、弊社の営業担当による直接販売が中心だったのですが、この第3四半期から代理店の方々とパートナーを組み、クラウドサインの拡販を開始しています。こちらも、徐々に成果が出始めています。

3つ目は、不動産領域における連携強化です。非常に紙の契約書が多い業界なので、この業界でもさまざまなパートナーさまとタッグを組み、クラウドサインの浸透を図っています。これまでLIFULLさま・いい生活さまと連携していましたが、(2017年)12月にブイキューブさまと提携しました。

2017年10月からIT重説(ITを活用した重要事項説明)が解禁されたことで、「不動産領域においても、電子契約がいよいよ広がってくるだろう」というところを捉え、国内でのWeb会議システム(シェア)No.1の株式会社ブイキューブさまとの連携により、この不動産領域についても、ますます多くの方にクラウドサインを使っていただければと考えています。

4つ目は、11月にリリースした弊社のオウンドメディア「サインのリ・デザイン」です。電子契約の最新情報や、(クラウドサインの)さまざまな使われ方などを、日々続々とニュースとして出しています。先ほど私がお話しした、建設業界での請負契約なども、最新の記事としてアップされているので、もしよろしければご覧ください。

5つ目は、プロダクト強化です。より多くのお客さまにとって利便性を高めるために、日々ニーズの高い機能の開発を中心に進めています。この第4四半期においても、そのような機能開発が続くわけですが、お客さまのニーズが非常に強いものとして、やはり主には管理機能や検索機能です。

「それらの機能を、より強化してほしい」という声が多いため、そちらを中心とした開発を、第4四半期は続けていこうと思っています。

また3ヶ月後に、より成長したクラウドサインの姿を、みなさまにご案内できるのではないかと考えています。

各サービスのトピックス

そして最後に、税理士ドットコムおよびビジネスロイヤーズについて、ご案内します。

まずは、日本最大級の税務相談ポータルサイトである、税理士ドットコムです。サイトの月間アクセス数が月を追うごとに増え、毎月100万人を超えるようになってまいりました。この(2017年)12月では、アクセス数は122万人となり、それに伴って売上も非常に順調に伸びてきています。

この第4四半期においては、確定申告という、税務領域における1年で最大の繁忙期を迎えることにもなるので、サイトのトラフィック・売上などの面でも、より大きな(成長した)姿がお見せできるのではないかと考えています。

そして最後に、企業法務ポータルサイトのビジネスロイヤーズです。このビジネスロイヤーズは、西村あさひ法律事務所や、アンダーソン・毛利・友常法律事務所など、国内大手の法律事務所の先生のみなさまにパートナーとして記事を執筆していただき、企業経営者や企業の法務部・管理部の方々にご覧いただくサイトです。

非常に質の高い記事が日々更新されていて、それに伴いサイトの訪問者数も堅調に推移しています。そして先月(2017年12月)、翻訳サービスを行っていらっしゃる会社の、株式会社ロゼッタさまと提携いたしました。

海外の法律事務所の記事を日本語に訳し、このビジネスロイヤーズの中で配信することを行っています。また、契約書を日本語に翻訳するという、非常に翻訳精度が高いロゼッタさまの商品を、我々が代理で法律事務所さまや企業の法務部の方々に販売していく事業も、同時に始めています。

(ロゼッタさまとは)このビジネスロイヤーズと、非常にシナジーの高い提携ができているのかなと思います。このビジネスロイヤーズも、これまではとくにビジネスモデルといったものがなく、メディアを順調に育てているという段階でした。

しかし、このようなロゼッタさまとの提携もあり、今後「弁護士ドットコムキャリア」というサービスで、弁護士の先生方の転職のお手伝いをするという部分でも、このビジネスロイヤーズのネットワークがだいぶ効いてくる場面が出てくると思います。来期以降に向けてビジネスの深掘りをすることで、芽が出てくる段階に近づいてきているのではないかと考えています。

以上、第3四半期の決算概要をご説明しました。こちらから先は参考資料なので、お手すきの際にご覧いただければ幸いです。どうもありがとうございました。