思い描いていた引退発表とはまったく違う

司会者:では、これより質疑応答に移らせていただきます。時間の許す限り1問1問、丁寧に対応させていただきたいと思っております。では質問のある方?

(会場挙手)

記者1:TBSテレビのジョウジと申します。よろしくお願いします。

小室哲哉氏(以下、小室):よろしくお願いします。

記者1:小室さんの口から引退という言葉が出て本当に驚いた方が多いと思うんですけれども、今も涙を浮かべてらっしゃいます。先ほどの話の中で、去年くらいから音楽性に疑問を感じたという話がありましたけれども、具体的に、小室さんの頭の中に引退という2文字が浮かんだ時期はいつになりますでしょうか?

小室:もたげたのは、やはり左耳なんですが、どうしても耳鳴りが今も消えなくてですね。難聴なのかはちょっとわからないんですが、それで音楽が作れないわけではないんですけれども、やっぱりそれによって体調が非常に悪くなって。

先ほども申しましたけれども、介護の方のご苦労は計り知れないんですが、僕も多少その端くれかなというところもありまして。それを両立する限界みたいなものを感じたのが8月ですね。そのくらいで来年は社会において一般的な定年というか。そのくらいです。

記者1:では実際に発表しようと思ったのはやはり今回の報道がきっかけということですか?

小室:はい、そうです。自分の気持ちを持っていたのと、みなさまにご迷惑ご心配をおかけしたという中の僕の最大の償いだと思って発表しました。

記者1:ご自身が思い描いていた引退発表とだいぶ違ったかたちになってしまったんじゃないですか?

小室:まったく違います。

すでに進んでいるプロジェクトは責任を果たしたい

記者2:ミヤネ屋のシカナイともうします。今回の騒動、そして引退ということでダブルでショックを受けられた方も本当に多いと思います。あらためて、引退とおっしゃっていましたが、実際さまざまなプロジェクトも始動していると思います。いつ頃、本格的にすべて音楽から携わるのを退くのでしょうか?

小室:先ほど申しましたとおり、自発的に「あれがやりたい」「これがやりたい」という音楽活動は今日から退こうと思っております。そして今の話のような、それでも責任があるじゃないかと、「やってくれ」というものの責任は果たしたいと思っておりますので、不快な思いをされる方の目にはかからないようなかたちで全うしたいと思います。

記者2:具体的には、どういったことは続けていこうと思ってらっしゃるんでしょうか?

小室:えーっと、このネット時代で情報解禁みたいなことがすごく厳しくなっていて、僕の口からもなかなか言ってはいけないことも多々あるんですね。昔は僕がどんどん「あれがありまして」「これもありまして」と言える時代だったんですけど、今は非常に、本当に厳しくて。絶対に言ってはいけないといった仕事は多々ありますので、そこは残念なんですけど、しっかりお答えできませんが音楽活動ではあります。

記者3:女性セブンのササキと申します。

小室:よろしくお願いします。

記者3:今回報道されたA子さんとは、現在も連絡を取られているのでしょうか?

小室:事務的な連絡はせざるを得ないので、連絡はとっています。誤解を招かないように、今後は戒め、しっかりとしていきたいと思います。

A子さんは精神的な支えだった

記者4:リポーターのコマイと申します。よろしくお願いします。先ほどファンのみなさんに対して、世間のみなさんに対してお詫びの言葉がありましたけれども。今回の一連のことは、KEIKOさんにはちゃんとお詫びをして、納得していただいているんでしょうか?

小室:話は全部してあります。納得しているかというのは、今ずっとお話しさせていただいたところでしっかり向き合って、話をして理解をしてもらえるか、というのはこれからです。

記者4:A子さんのことなんですが、「A子さんとは肉体関係はない」「男女の関係ではない」ということをおっしゃっていましたが、腕を組んでいたとか、「小室さんのお部屋のベッドで一緒に寝ましたか?」と文春に聞かれて「そうですね、はい」とお答えになっていますよね。そのへんはどういう関係と受け取ればよいでしょう?

小室:大前提で、僕が体調不良で来ていただいている方で、一般の男性が望む、女性を招くというものとは確実に……心から言えますが、そういった感覚で招いたわけではないので、先ほどの言葉を使わせていただくと、不徳のいたすところで誤解を招いたかたちになってしまって、長い時間一緒にい続けてもらったりとか、そういうことになったと思います。

記者4:精神的な支えといったこともあったんですか?

小室:かなりありました。本当にお恥ずかしい話ですが、5年、6年というところで男性としての、ふつうの男性としての能力というのがなくて、精神的な支えが必要だったと思います。

時々正常になり「私、普通じゃないよね」

記者5:スポーツニッポンのイイオと申します。改めてお聞きするんですが、KEIKOさんにはいつ、どのように報告して、どういうリアクションだったのか? 

小室:非常に特殊な例だと思っておりますが、簡単な単語で「こういうことだ」と(説明して)、「ごめんね」とか「わかったよ」「わかった“よん”」みたいなことであったりとか、「これはやだなー」とか。本当に短い言葉のやり取りを昨日までしていました。この会見も、今日の1時からあるということも報告をしております。

ゆっくりとはいいませんが、これから目を見てしっかり話をしていきたいと思っています。すいません、よろしくお願いします。

記者6:フジテレビ『とくダネ!』のヒラノと申します。よろしくお願いいたします。小室さん、KEIKOさんは言葉としては「わかったよ」という言葉だった?

小室:今はLINEみたいなものがあるので「わかったよん」みたいな感じですが、ということで、そこは一般の奥様の一言とはちょっと違うのかなあと。どこまで理解してもらえているのか。

記者6:小室さんの中では、どの程度理解してもらっているとお感じなんですか?

小室:えー……、過去何回か、時々非常に正常になる、会話ができるときが年に数回あります。その時に、「私、普通じゃないよね」ということを言ってくれることもあって。僕の甘えですけど、どこか寛容でいてくれるところが、脳のなかのどこかにあるのかなあと、僕は甘えていたと思います。

離婚を考えているか?

記者6:KEIKOさんとの関係も「これから時間を置いて考えていきたい」というお話でしたが、それは離婚ということも考えているということですか?

小室:女性というよりも今の「子どものような」KEIKOのほうが愛は深くなっています。愛情という意味では。今、僕の頭の中ではそういった大人の言葉は浮かんでこないです。

記者6:では、関係性としては、夫と妻という関係は今後も続けていくお気持ちでいらっしゃる?

小室:はい。「旦那さん」という言葉を使ってくれる時もあります。

記者6:あともう1つ。小室さんが女性をご自宅、あるいは女性の自宅だったりいろんなところでいわゆる医療行為をしてもらっている。これは具体的にどういうお薬だったり、どういう治療なのか教えていただいてよろしいですか?

小室:僕も医療の知識がそこまでないので、本当にしっかりとこのような公共の場で、しっかりお話しするのが本当に難しいというか、恥ずかしいですけれども、体調不良ということと、あと、本当の一番大きなメインの病院の診断書に基づいた医療行為だと思っております。

記者6:一番最初にA子さんと出会ったのは、いわゆる「にんにく注射」と言われる……。

小室:初期はそうですね。

記者6:今もそれを必要とされる状況ですか?

小室:いや、今は違うと思います。今はC型肝炎からストレスになって、難聴・耳鳴りであったりとか、非常に全体がだるかったりとか思考が鈍ったりとか、そういうことに関しての体力の補給が一番メインだと思います。

記者6:それは点滴というかたちでされるものなんですか?

小室:ぼくの知っている限りでは、点滴がやっぱり。入院中も2、3日点滴を打ち続けるという治療なので、それに基づいたものだと思っています。

記者6:では、どうしても時間のかかるものであると?

小室:通常いろいろなご意見があると思いますが、点滴の針は一日中刺さりっぱなしです。2泊くらいという言い方をされるみたいですけど、針が刺さったままでもそのくらい点滴をするというのが通常だと思います。

自身の音楽人生を振り返って

記者7:デイリースポーツです。よろしくお願いします。TMネットワークでデビューされて35年という月日を音楽と向き合って過ごされてきたと思うんですけれども。まだ引退を本格的に決めて1週間足らずということで整理できていない部分が大きいと思いますけれども。

小室さんの音楽人生を振り返って、今思い浮かぶこと。TKで世の中ですごくブームになって、安室(奈美恵)さんの引退も発表されましたが、そのへんも含めご自身の音楽人生を振り返っていただけますか?

小室:そうですね。先ほどともちょっと重複しますが、芸能生活で「有名になりたいなぁ」という気持ちではなく、好きな音楽、自分が楽しめる音楽をやりたいというところから始まったものが。このネット時代ではないので、90年代のさまざまな数字がありますね。それから考えるとまったく絵空事というか、実感がないというのが正直なところです。

globe、TMネットワークというのは自分が参加したグループ、バンドですから。それから先日引退を発表された安室さんであったりとか、いろいろなヒット曲を歌ってくださった方への楽曲を通しての思い出は、ちょっと一言では計り知れないくらい、1曲1曲話してもたぶん1日かかるくらいのいい思い出がたくさんあります。ありがとうございます。

文春が起爆剤になった

記者8:フジテレビ『グッディ』のヒロセと申します。引退という決断に至るまでの5日間というのは、小室さん自身はどのように過ごしていたのかということと、この引退の決断はご自身で考え抜いたのか、あるいはどなたか相談する方がいらっしゃったのかというのを教えてください。

小室:5日間というのは文春さんが起爆剤になっていただいた、というのはちょっと言い方は変かもしれませんけれども。起爆剤になって、それで頭をもたげていたものが突発的にさらに出てきたということで。

確かに急ではありますが、考えていたのは先ほども申したように、人生60年ということで、日本も高齢社会で60歳から、今59歳で今年で60歳になります。これからどうやって生きていくかということをずっと自問自答していたので、ある種の引き金になったのかなと思います。

もう1個はなんでしたっけ?

記者8:ご自身の判断、考え抜いての決断なのか、どなたかに相談されたということもあったのでしょうか?

小室:たった1人の判断です。

記者8:誰にも相談せず?

小室:誰にも相談していません。最初の決断の決意ですか。

記者8:1点よろしいですか? A子さんのお宅にまで行って治療を受けていたということがありましたが、お時間がない小室さんが体調も優れない中で、あえて患者さんが看護師さんのお宅に行って治療を受けるというのは、どういった事情があったからそうなったんですか?

小室:端的に言うと、ほかのお医者様、看護師さんはどうしようもない。A子さんもどうしようもない。動けない。僕が動くのなら施術できるというところで、「じゃあ、うかがいます」ということで。本当、数回です。複数回と言っても数回ですがお邪魔しました。

罪を償わなければいけないという思い

記者9:リポーターのカワチと申します。よろしくお願いいたします。お騒がせしたことと体調不調ということが、この引退につながったとおっしゃったんですけれど。

どうしても私たちがわからないのは、A子さんについては小室さんは明らかに男女関係ではないということをおっしゃっていますので。ここで釈明できたので、正々堂々とこれからも治療を受けることはできるので、例えば活動休止みたいな選択肢はなかったのか、と思ってしまうんですけれども。

小室:そうですね。先ほど少し長い話でしたけどさせていただいた通りで、僕は今まで同じような報道があった方とはちょっと違いまして、先ほど言ったように2010年度で「非常に大変なことをしたな」「恐ろしいな」「怖いな」という。やっぱり罪というのは。

僕の場合はそれなりに普段の生活ができましたけれども、「償いはしなければいけないんだなぁ」という思いが。やっぱり、ほかの方よりはちょっと強すぎるのかなと思います。

「このくらいでいいんじゃないか」とか、自粛をするとか休止をして世の中からショックが消えていればいいんじゃないか、というような償い方みたいなものより、怖かったなぁという。

なにかいけないことをしてしまった、お騒がせしてしまったときには最大限の自分ができることをしなきゃいけないのかなぁというところが重なってしまっているので。僕の中の最大の結論になっちゃったのかなぁと思います。ちょっと稀だと思います。そういう意味では。

記者9:もう1度うかがいますけれども、A子さんに対する感情は小室さんはどんなふうに感じていらっしゃいますか?

小室:後半は非常に甘えていたと思いますし、好意も持っていたと思います。そこは助けていただいたという気もあります。感謝しています。申し訳ない気持ちでいっぱいです。

正直、どうしていいかわからない

記者10:リポーターのキクチです。今日もあまり体調がよろしくなさそうにお見受けしますけれども。ストレスなどから来る体調不良ということをお聞きしまして、今後引退をして、KEIKOさんもそういう状態ですし、夫婦お2人でどのように歩んでいこうと考えていらっしゃいますか?

小室:報告がなによりも先決だということでこういう場を作っていただいているので、なにはともあれ、ここの席ということになってしまっているので。本当に頭の中が混乱していまして、正直どうしていいかわからないです。

考えなければいけない、どうやって守っていかなければいけないか、責任を取っていかなきゃいけないかということは本当に考えて悩んでいますが、なにはともあれ、今こうやってお話しているような報告が先だなということで今お話をしているので。今の質問に対する答えには、まったく頭が混乱していてどうしていこうかなっていう気持ちです。

記者10:夫婦の間で少し距離を取って、ストレスなどのないような生活を送るとかそういうことは考えていらっしゃいますか?

小室:お医者様とか病院が、ストレスというのが、僕は本当に介護者なんて言えるほどの重いものではなくて端くれだとは思っているんですね。身体的な介護とかの苦労は本当に計り知れないものだと思っていますので。

そういうことも含めて、病院もなんのストレスか、正直答えがちゃんとわからないんです。現代病と言っちゃえば、そうなのかもしれないですけれども、四方八方から前にも後ろにも右にも左にも動けない状態がずっと続いたので。

距離を置いたら……今もキーンという音がずっとしてるんですが、これもわかっていただこうと思ってもなかなか難しいと思うんですが、こういうものが消えるのかなという疑問もありますから。(距離を)置けばいいのかな? というところもまだわからないです。ごめんなさい。