1.四半期決算:総括

福島良典氏(以下、福島):代表取締役の福島です。ただいまより、2018年5月期第2四半期説明会を開催いたします。よろしくお願いします。

まず初めに、四半期決算の総括です。

売上高は9四半期増収の27.0億円、営業利益が5.0億円となり、売上高・営業利益のいずれも過去最高を更新しています。

要因としては、「アドネットワーク」が非常に順調に伸びていること、また、子会社の「Game8」が非常に順調に伸びていることの2つです。

主要KPIに関しては、概ね計画どおりに推移しています。1ダウンロード当たりの収益性は計画どおり、アクティブユーザー数は、「ニュースパス」の貢献により計画どおり、1ダウンロード当たりのCPA(獲得費用)も、引き続き効率性の高い水準で推移しております。

1.四半期決算:時系列推移

時系列推移です。

売上高は27.0億円と、引き続き過去最高を更新しています。営業利益に関しても、広告宣伝費を除く営業利益ベースでも過去最高を更新しています。

1.四半期決算:売上高構成

こちらは、売上高構成比です。

「Gunosy Ads」に関しては、アクティブユーザー数が積み上がり、前四半期比5パーセント増加を達成しています。

しかし、ダウンロードの伸びに対しては少し伸び悩んでおり、課題を感じています。

アドネットワークの売上高に関しては、既存大口メディアの広告在庫拡大により、前四半期比20パーセント増加となっています。

また、「その他」のところの詳細ですが、ほとんどの売上が子会社のGame8によるものとなっています。

1.四半期決算:コスト構造 推移

続いて、コストです。

基本的に大きなコスト構造の変化はありません。

「その他」の部分と、アドネットワーク原価費のところが増加していますが、これは売上の増加に伴う変動費の増加となっており、比率・原価率等に、大きな変化はありません。

広告宣伝費に関しては、第2四半期から「LUCRA(ルクラ)」のプロモーションが本格化したことに伴い、増加しています。

1.四半期決算:ダウンロード数推移

ダウンロード数の推移です。「グノシー」とニュースパスに加えて、今回リリースしたLUCRAのダウンロード数も開示しています。

LUCRAのユーザー獲得を本格化したため、ダウンロード数の増加がさらに加速している状況になっています。

四半期で284万ダウンロード増加、累計で2,799万ダウンロードを達成しました。

1.四半期決算:アクティブユーザー

続いて、アクティブユーザー数です。

こちらも順調に伸びており、前年同期比で41パーセント増加、前四半期比で7パーセント増加となっています。

詳しい内訳に関しては、我々は公開していないのですが、基本的にこの伸びの大きなところでいくと、ニュースパスの伸びの部分が大きく成長に貢献しているかたちです。

1.四半期決算:ユーザー属性

続いて、ユーザー属性のご説明です。基本的には、変わりなく推移しています。

グノシーとニュースパスのユーザー重複率の部分は、少し上がりまして6パーセント台となっています。ただ、我々は当初(ユーザー重複率が)10パーセント以下になるだろうという想定でしたので、想定どおり推移しました。

1.四半期決算:広告主の状況

続いて、広告主の状況です。

稼働広告主数自体は増加していますが、大口広告主数が減少しています。

これは、第2四半期でアプリの比率が増えているのですが、アプリでかなり広告宣伝費を使えるお客さまがいらっしゃいます。そのような広告を、お客さまが高い単価でどんどん踏んでくると、我々の広告システムでは「そこの収益性がいい」とアドサーバーが判断しますので、他のお客さまは予算を使えなくなるという状況が起こります。

ですから、大口広告主が離れたというよりは、どちらかというと、広告宣伝費を積極的に使う会社があり、それに対して、その他が追い出されてしまったかたちになっており、基本的なトレンドは変わっていないという認識です。

2.業績予想:中間期予想に対する実績

続いて、業績予想の、中間期予想に対する実績です。基本的には、中間期業績予想はクリアできています。

2.業績予想:通期予想に対する進捗

通期予想に対する進捗は、50パーセントを割っている状態です。

我々のビジネスの構造上、アクティブユーザー数が積み上がっていき、それに伴い売上が増加していくので、下期偏重型になっております。

ですから、業績に関して上半期は余裕がある状況です。下半期もきちんと想定どおりにいけば、通期業績予想まで達成できると考えています。

ただし、数字ほどとても余裕があるというわけではありません。きちんと経営していけば、この業績予想の数字は、達成できるものと考えています。

3.事業・戦略の概要:事業戦略と今後の重点施策

続いて、事業・戦略の概要です。

まず、事業戦略は、前回の決算説明会で「複数機能/単一アプリ」から「単一機能/複数アプリ」に切り替えていくという話をしました。これを、さらに進めていくかたちになっていきます。

グノシー・ニュースパス・LUCRAのすべてに言えることですが、ビデオシフトを大きく進めていきたいと考えています。

具体的に、今のメディアの競争環境がどうなっているかというところから、ご説明したいと思います。

3.事業・戦略の概要:グノシー

グノシーとニュースパスは、主にテキストをアグリゲーションして、「ユーザーが何に興味を持つのか」「過去にどういったものをクリックしているのか」「どういう文脈で、このアプリと接触しているのか」というところから、アルゴリズムでコンテンツを適切に出し分けて、ユーザーの満足度を高めてきました。

その一方で、この1年くらいの環境では、動画をメインに押し出すサービスが非常に増えてきています。

もちろん、メディアとしてテキストで情報を摂取していくという需要は、引き続き強いです。ただ、スマートフォンはアプリ同士の切り替えに境界がないので、可処分時間をSNS・ゲーム・動画サービスと取り合っていくかたちになっています。

グノシー・ニュースパス・LUCRAをこれからどうしていきたいかと考えると、スマートフォンという受動的な媒体の中で、コンテンツの流れはテキストから、どんどん動画に進化していきます。動画にシフトしていくと、盛り上がるコンテンツ・バズるコンテンツとして、同時接続性の高いLIVE動画も入ってくることは、おそらく自明のことだと思っております。我々は当然そこに対して、ベースとなるアルゴリズムを持っています。

動画に関して言いますと、テキストほどまだコンテンツが豊富にある状態ではないというところで、我々としては新しい商戦として、今後はグノシー自体のオリジナルコンテンツを持っていくことを考えております。

これをどのように考えていくかというと、海外の大きな動画ストリーミングサービスは、最初はアグリゲーションでコンテンツを集めてきて、アルゴリズムをどんどん鍛えてきました。その次のシフトとして、ユーザー獲得は、アプリケーションをしているだけでは、やはり難しくなっていくのです。

僕らのサービスの考え方では、ユーザーに使わせるきっかけと、ユーザーを定常的に満足させていく仕組みを、2つに大きく分けています。

ユーザーを定常的に満足させていく仕組みは、引き続き、我々の今までどおりのアルゴリズム・データを見たKPI経営(を導入していきます)。ユーザーを引き付けるための施策は、どんどん時代に合わせて進化させていかなければいけません。

そういう中で自分たちがコントロールできる・データからわかっているものをうまく使って、このようなLIVE動画や、動画のオリジナルコンテンツを設けていくというところが、大きな転換になっていきます。

それでは、「グノシーで基本的に何をするか?」というと、「ユーザー関与型LIVE動画コンテンツ」を制作・配信予定です。(スライドの右側を指して)番組イメージとして、このようなクイズ番組みたいなものがあります。今はクイズ番組が、海外でものすごいスピードで広まっています。そのような最新のトレンドについて、我々の中で培ってきたKPIの経営と、どのようなユーザーにどう配信していくかというアルゴリズムの2つを組み合わせて、さらにユーザーが楽しめるようなものをつくっていこうと考えております。

そうは言っても、我々はコンテンツを作った経験がございません。連携第1弾として、とくにモバイルに最適化した動画制作に先見の明がある、株式会社エブリーと組んでおり、ノウハウをためていきたいと考えています。

3.事業・戦略の概要:ニュースパス

グノシーがニュースに対してテレビ的な位置付けであるとすると、ニュースパスは、新聞のような位置付けであると、我々は考えております。

そのため、グノシーとは違い(ニュースパスは)台風・地震情報などの災害情報のようなところの機能拡充を考えています。今後はアルゴリズムの改善によって、さらにコンテンツの出し分け(パーソナライズの強化)を行います。

それに加えて、動画に関しても、グノシーはエンタメ性が強いLIVE動画と考えていたのですが、ニュースパスに関しては、もう少し情報の取得が効率的になるようなものへのシフトを考えております。

3.事業・戦略の概要:LUCRA(ルクラ)

LUCRAに関しては、ニュースパスほどユーザー獲得を拡大してきたわけではないので、今後はプロモーションをきちんと拡大していくことで、ユーザー獲得を加速させていくことが、第一だと考えています。LUCRAのサービスの使い方を見てみると、やはりテキストよりは、ビジュアライズがすごく大事になってきます。

3.事業・戦略の概要:Game8(ゲームエイト)

続いて、「Game8」についての説明です。Game8に関しては、我々が作ったサービスというよりは、グループ化してできたサービスになります。Game8で今まで集中してやってきたことは、コンテンツを作る能力を高めることです。その中で、トラフィックを集めていく能力が、非常に優れています。

しかし、データ分析や広告の売り方に関しては、我々がノウハウを持っている部分であり、そこは提供できるということで、PMIを行ってきました。その結果、PV数・売上高も、非常に順調に増加しています。(スライドの右側の折れ線グラフを見て)このような成長曲線を描くかたちになっております。

ただし、Game8のやっている「ゲーム攻略サイト」というビジネスの性質上、非常に大きく、外部要因に左右されます。つまり、どのゲームが当たるかは、基本的に予測不可能となっています。

ただ、ある程度の精度で予測することは可能なので、その精度をどんどん上げていくというデータ分析を行っています。その中の1つの予測が当たりまして、ヒットタイトルによるPV数の大幅増加により、大きく成長しております。

ただ、この成長が継続的に続くかといいますと、基本的にそういうビジネスではありません。当てたタイトルについて、きちんとユーザーをリテインさせていくことや、また別のタイトルで当てて、(そのタイトルに)ユーザーをリテインさせていくことで、(売上高を)階段状に積み上げていくようなビジネスになっています。

3.研究開発:仮想通貨/ブロックチェーンの研究

最後に研究開発として、当社では仮想通貨/ブロックチェーンの研究を始めたいと考えています。現在、市場ではかなり投機的に盛り上がっている仮想通貨なのですが、我々は少し違う視点で考えております。

現在、ブロックチェーンという、情報技術の中でもすごくおもしろい技術があるのですが、仮想通貨は、それの応用先の1つと考えています。

なぜブロックチェーン技術に注目しているかについて、お話しします。そもそもの我々のサービスが、何をドライバーに成長してきたかというと、機械学習という技術のトレンドに、メディアとアドも合わせることで成長してきたと考えています。

ブロックチェーンに関しても、実は機械学習レベルのいろいろな領域にソフトウェアとして入っていくのではないかと考えています。具体的にブロックチェーン技術は、今まで載せたくなかった「権利がからむもの」「コピーされたくないもの」が、どんどんインターネット上に載っているという技術だと、僕らは考えています。

ブロックチェーン技術の基礎や、今後のビジネス応用ということを考えて、研究開発を開始したいと考えています。具体的には、下半期に仮想通貨のマイニング、あとはブロックチェーンの基本的なプロトコルを、どんどん会社としてノウハウにためていきます。さらには、人材採用につながるような勉強会の発信等を、行っていきたいと考えております。

3.事業・戦略の概要:中長期のイメージ

最後に、中長期のイメージです。我々の基本方針は変わらず、パーソナライズ/アルゴリズムの強化、広告配信ロジックの強化により、既存事業の継続的な成長を目指しております。

ここに、大きな既存事業の指針としてビデオシフト、または我々のオリジナルコンテンツを持っていき、それをきちんとデータドリブンに使って、(利益の)獲得にも活かしていくところが、新たに入っているポイントです。

今後の長期のイメージでいくと、事業領域を「非ニュース領域」に拡大し、さらなる成長を目指していきたいと思います。

その中の1つとして、我々はブロックチェーン技術に注目しています。急にビジネスになるというものではないのですが、5年後・10年後を見据えると、今我々のやっている領域すら、もしかしたらブロックチェーンによって大きく競争のルールが変わるものなのかもしれないという考えのもと、研究開発を行っていきたいと考えております。

以上となります。ご清聴ありがとうございました。