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飛行機や船が作る「人工の雲」について解説

飛行機や船が作る「人工の雲」について解説

地上の空気があたためられて上昇し、上空で空気が冷やされることで雲が作られます。スケールの大きな自然現象のようですが、飛行機雲など人工物によって雲がつくられることもあります。ときには、船や工場が雲をつくることもあるのです。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は、人間の営みによって生まれる人工的な雲の生成ついて解説します。

スピーカー
Olivia Gordon(オリビア・ゴードン)氏
参照動画
Airplanes and Other Man-Made Cloud Machines

なぜ飛行機雲ができるのか?

オリビア・ゴードン氏 晴れ渡る空、太陽は光り輝き、雲ひとつありません。と思ったら飛行機が飛んでいきます。すると突然、空に長く白い線が出現します。 IMG01 この、飛行機雲と呼ばれる雲は時に、現れるとすぐに消えてしまうこともあれば、飛行機が去った後もずっと残っていることもあります。それは大気中に浮かんでいる物体や状態によって異なります。実は、雲を作ることのできる機械は飛行機に限ったことではありません。 すべての雲は、水が空気中に蒸気濃縮されるときにできる、極小の水滴や氷晶により作られています。水分子は基本的に空気中どこにでもガス状で漂っていて、ほかの物質とぶつかりあっています。 しかし、さまざまな物体が浮遊している状況で、そのような水分子が大量に、大気中で一度に1つの場所に集結し、水滴を形成することは稀です。凝縮を簡単にするため、水分子はなにかくっつくことのできる物体が必要となります。そしてそれが起きるとき、雲凝結核、または雲の種と呼ばれるものが登場します。塵、海塩、バクテリアもその現象を引き起こすことができるのです。 ですが、ほとんどの分子は地上から近い場所に形成されます。そしてどうにかして上空高くに行くことができた分子も、あるものはそこで雲の一部になることができますが、ほとんどの場合は長い間高度上空にとどまることはできません。 飛行機は、燃料を燃やしてパワーを作る、燃焼エンジンを積んで飛行してきます。 IMG02 高効率のジェットエンジンであっても、煤を形成する未燃焼炭素を排出します。それに加えて極小の金属粒子や、硫黄や窒素混合物なども排出し、それが集まると雲の種の働きをします。これらの排出物は水分子にとって、気相を残し、どこか居心地の良い場所に凝縮するのに最適です。 近年の飛行機は気温の非常に低い高度を飛ぶので、水分が凝縮するやいなやすぐに凍結し、人工の氷雲を形成します。少なくとも短い時間でそうなります。 もし飛行機の後ろの空気が暖かすぎたり乾燥しすぎたりすると、水分子は凍結するのとほとんど同時に昇華するので、溶ける代わりに、固体からガス状に変化します。これにより、すぐに消えてしまう、飛行機の後に続く、寿命の短い飛行機雲ができ上がるのです。 しかし、気温が低く、湿度の高いコンディションの場合、それらの氷晶はしばらくとどまることができます。それらは伸びていって、さらに大きな雲となることもあります。 IMG03

飛行機雲以外の人工の雲

今日では多くの航空機が飛行機雲を形成しますが、それらが見られるようになったのは、高い高度を飛行できるようになった1920年代以降のことです。 科学者たちはこのことについて、第二次世界大戦が起きるまで気に留めたことがありませんでした。そのとき長く続く飛行機雲がステルスミッションのじゃまをするようになったのです。線になった雲が指をさすようになったため、こっそり攻撃することができなくなってしまったのです。 近年では、飛行機雲は空にできる唯一の人工雲というわけではありません。航跡と呼ばれる大きな船の排気により形成される雲もあります。その雲は海上にかかり、宇宙空間からも見ることのできる模様を形成します。 IMG04 船のエンジンや燃料はほかの交通機関と比べて規制が厳しくないので、それらの排気には多くの凝結核が含まれます。つまり、その場合通常とは異なり、水分子がさらに多くの小さな水滴を形成するため、それが低く、密度の高い、霧のような雲となって多くの太陽光を反射し、人工衛星から見ると明るく見えるのです。 航跡はその反射ゆえ、気温を下げることができるかもしれないと言う人もいて、彼らはこのような雲をたくさん出現させることによって地球温暖化を食い止めることができるのではないかと考えています。 しかし、科学者たちはそれによる将来的な副作用もあると懸念しています。そのような人工的な雲が世界規模の降水量にどのような影響を与えうるかどうかもわかりませんし、それは燃料を燃やすことによってできるのですから、それ自体が深刻な空気汚染となります。 そして今、最もよく見られる人工の雲は、石炭とガスが燃やされて動く発電所の煙突から出る雲です。 IMG05 暖かい空気、水蒸気、そして煤が大気中に巻き上がり、登るにつれて冷やされていきます。やがて、上昇する空気が周囲の温度に合い、冷やされるとき水分が煤に凝縮されて雲を形成します。 極端なケースでは、急速な加熱が爆発のようなものを引き起こし、それが高熱で低密度の空気のポケットを形成し、煤とともに大気中に放出されます。その高熱の雲の柱が、それより上空の低温で高密度の空気にぶつかると、雲の上位は平らに、そして下部は自然にカーブするので、それは最も有名なタイプの人工雲、キノコ雲となります。 IMG06 そしてしばらくすると、すべての空気が冷め、雲は散り始めます。 もしあなたが雲を眺めているとき、飛行機雲に邪魔をされるのにうんざりされているようでしたら、最近のNASAによる研究を聞いてうれしく思うかもしれません。研究によると、バイオ燃料を使う飛行機の排気ガスに含まれる煤は少ないため、雲の種が少なくなるというのです。 船による煤や硫黄の排出量を取り締まることも、航跡を減少させることになります。それに、再生可能エネルギーをさらに利用するようになれば、煙突から出る人工雲も減らすことができるでしょう。ですからいつの日か、自然界のみが雲を形成することになるかもしれません。

  

SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

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