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重要視すべきは「関係値をどう築くか」 クラシコムが貫く“回数を重ねるほど効果が出る”コンテンツ作り

重要視すべきは「関係値をどう築くか」 クラシコムが貫く“回数を重ねるほど効果が出る”コンテンツ作り

アクセスの約半数が「過去に20回以上訪問した履歴のある人たち」で構成されているというECメディア「北欧、暮らしの道具店」。そのなかで行われている広告事業とはなんでしょうか? クラシコムが不定期で開催するリアルイベント「クラシコムサロン」の第3回「『北欧、暮らしの道具店』広告ビジネス戦略の裏側」が行われ、代表の青木耕平氏と事業開発グループマネージャーの高山達哉氏が登壇しました。習慣性の高いECメディアだからこそ実現できた広告ビジネスとはなにか。また、クラシコムが新規事業を立ち上げる際に意識しているポリシーとはなにか。

シリーズ
「北欧、暮らしの道具店」広告ビジネス戦略の裏側
2017年11月28日のログ
スピーカー
株式会社クラシコム 代表取締役 青木耕平 氏
株式会社クラシコム 事業開発グループ マネージャー 高山達哉 氏

【モデレーター】
株式会社クラシコム 筒井あい子 氏

制作量と制作能力の上限値

筒井あい子氏(以下、筒井) いいですか? みなさん。もしおありでしたらご質問いかがでしょうか?  (会場挙手) はい。じゃあ奥の女性の方。 高山達哉氏(以下、高山) 僕が回します。 筒井 お願いします(笑)。 質問者2 私もずっとネイティブアドをつくっていたんですけれども。今、月の枠のアッパーを決められているという話を聞きまして、どうしてそうやられているのかなと。 あと、すごく少ない数だっていうのをお聞きしました。売上は上がったほうがいいと思うので、「あんなにコンテンツをつくる人がいるのに、どうしてそっちに振り切らないのかな?」というのと、どうして今その数なのかを教えていただきたいなと思いました。 筒井 月、何件? 青木耕平氏(以下、青木) 今は4件ですかね。BRAND NOTEのところだけは、4社さんとお仕事してますね。その派生的な取り組みもまた別にあります。 この枠は、制作量と制作能力の上限値です。逆にもっと申し込みをいただいて「今月無理なんで、来月どうですか?」という話をし続けています。今の時点でも3月、4月の話をしないといけなくなっちゃっている感じなんです。 そういう意味では、受注しようと思えばたぶん、もっとできるとは思います。だけど、これ以上、広告コンテンツの割合が増えることはメディアとして見たときにあまりよくないだろうという感じです。 僕らで言うと、だいたい平日で1日5本くらいの記事が出るんです。ざっくり言うと、そのうち1本は広告記事でもいいんじゃないか。上限値はだいたい20パーセントくらいと考えると、今4件ということは、前後編があるので、1週間に2本くらい売れるんですね。だからマックスで1週間に4本くらい売れてもいいのかな? と思いつつ、制作能力の問題でそれが上限になっているということです。

受注先行だと現場が疲弊し、コンテンツの質が下がる

青木 逆に、受注先行で制作能力を追いかけるカタチにすると、だいたい現場が疲弊してコンテンツの質が下がるんですね。 なので、どちらかというと我々の場合は現場の制作能力を先に引き上げて、準備が整ってから枠を広げることをしています。最初は月1本からでした。これでも4倍になっているので、自分たち的には本当に「よくできたな、4倍に!」みたいな感じです。 広告記事の制作側の幸せ感や、記事1本ずつのお客さまの満足度、あるいは実際の利益率や収益性で考えると、実はかなりそこがいい状況にあります。どうせ量的な上限値はもうそんなに遠くないところで達してしまうので、1年後や2年後に到達したら、その部分はいいかなみたいな考え方ですかね。 筒井 制作陣がノッてつくれているか、みたいなものを大事にしたりとか。 青木 それは超大事ですね、一番大事です。 高山 広告自体を分解すると、クリエイティブの部分と枠の2つに分けられると思っています。なので、先ほど青木が話したように、上限枠があるんですね。 となると、クリエイティブの価値を上げていくことで、僕たちとしては企業さんのオウンドメディアやブランドサイトに入っていけたりする。FacebookやInstagramのソーシャルメディアに、自分たちのクリエイティブや価値を高めたコンテンツを落とし込むことができる。それがまた、マネタイズにつながっていきます。 枠は、サイトでは上限があっても、クリエイティブの価値を上げればどんどん自分たちのブランドを使ってビジネスをつくっていくことはできるかなと思います。

「どう伝えるか」より「どう関係性をつくるか」

質問者3 貴重なお話、ありがとうございました。私が一番聞きたいのは、今いろんな企業さまのメディアを担当していて、みなさま「どうしたら伝わるのかがわからない」と仰っていて、それが一番の課題かなと感じています。 BRAND NOTEの場合、伝わるコンテンツということで、どんなにいいものをつくってもどう伝えたらいいのかっていうところで。すでに「北欧、暮らしの道具店」のファンがいるのは、けっこう大きな強みかなと思うんですけれども。 日々伝えるっていうことに対して、どうしたら伝わるのか。その戦略の立て方みたいなのはどう考えられるといいのかな、とすごく気になります。 青木 伝わる、伝わらないっていうことで言うと、「人は関係性のない人の話を聞かない」というごく当たり前の常識がありますよね。だから、聞いてもらうためには最初に関係性をつくるべきだという、ごく当たり前のまず原理、原則があります。 わからないですけれど、突然ナンパされるのと、日ごろ仕事などで関係性ができていて「あの人の仕事の仕方、ステキ」と思っている相手、どちらが食事に誘う成功率が高いかというと、当然後者です。 ようするに「どうすれば伝わるか」という問いが、根本的に間違っていると思っています。「どう関係性をつくるか」という問いがもっとも重要です。 いったん関係性ができてしまえば、いろんな話はできるようになりますよね。深い話からくだらない話まで、いろんな話ができるようになりますしね。売っている商品の話もしますし、ぜんぜん関係ない話もする。

BRAND NOTEで一番頭を悩ますのは記事の導入

青木 うちのスタッフのなかに、猫の落書きみたいなの書いて投稿している「ネコかるた」というコンテンツがあって、それを描いてるのが、僕の妻なんですね。 (会場笑) 2週間ぐらい、iPadしかいじってないんですよ。 なぜ猫の落書きなんてやらせているのかというと、すごくエンゲージメントが高いということがあります。ようするに、落書きに興味を持ってもらえる構造があると思うんですね。 だから、企業さまに僕らが提案しているのは……。実は企業の担当者さまのところへ行くと、そこにいるブランド担当者や開発担当者は、我々のお客さまとほとんど同じ属性の方であることが非常に多いんですね。お子さんがいる30代前半〜半ばぐらいの女性、20代後半の女性などは、よくあるんです。 でも、飲料メーカーさんの名前を聞いたときに、人はどういうイメージを思い浮かべるのかというと、ほとんどの方が工場かビルか、場合によっては難しい顔したおじさんを思い浮かべちゃうと思うんですよね。 しかし、そこには実は同じ問題意識を持っている、同じような常識を持っている自分と変わらない人がいると伝えるだけで、もっと話を聞いてもらえると思っているんですね。 なので、僕らとしてはぜひ、できればタイアップのコンテンツをつくるときには企業の方に「ぜひ一緒に出てください」とご提案することはわりと多いです。もちろん必ずではないし、ニーズによっていろいろですけれど。 まずは関係値をつくっていく。なので、ほとんどのクライアントは1回で終わることが本当にないです。継続してコンテンツを出し、発信していただく。我々のお客さまと企業さまが、基本的にはある程度の期間とコストをかけて関係性をつくってくださるからこそ、回数を重ねれば重ねるほど効果が出てくるという発想でやっていますね。 高山 あと、人との関係性以外だと「なぜ伝えるか」という、伝える側の動機をすごく大切にしています。だからBRAND NOTEで一番頭を悩ますのは記事の導入なんです。 その記事の導入で「なぜ僕たちはお客さんにこのブランドを紹介したいのか」を一番考える。そこで「こうだよね」が言語化できれば、その後はすごくスムーズです。お客さんも「そういう動機があって今回のお取り組みをするのね」となれば、さらに聞く耳を持ってくれると思うので。かなり意識しているかなと思います。

現場の担当者は、量はあまり求めていない

筒井 もう1個ぐらい、ご質問を。 質問者4 お話、ありがとうございました。私たちが関わっている媒体の特徴として、わりとセグメントされたニッチなところを攻めている代わりに、何百万、何千万みたいなPVがない状況です。 先ほど青木さんは「1,000万PVが節目になった」とおっしゃっていたと思うんですが。私たちのような媒体、メディアは広告に向いてないのか。もしやりようがあるのであれば、どのような戦略が考えられるか、お考えを聞かせていただければと思います。 青木 僕、コンサルじゃないんで、いい話できるかわかりませんが(笑)。 (一同笑) 他社さまの状況からとんちをひねる出せるような訓練を日頃していないんですけれども。 今、どちらかと言うとクライアントの現場の担当者は、量はあまり求めていない。というか、それが第一じゃないんですね。「上司の決裁を仰ぐ上で量があったほうがとりやすい」「社内的に通しやすい」みたいなところは当然あります。現場の人たちから「熱く狭くやってもいい」「まずは熱をつくりたい」と思っていることがすごく多いというのは、まず実感としてあります。 それがどういうところに現れるかというと、今正式なメニューとしては出していないんですけれど、オーダーとして我々が少しずつ対応しているのは、数十人くらいのお客さまを集めたイベントをやるなどがけっこう多いんですね。つまり、その数十人とトークをやる回数を重ねていくことで、熱量が高い層をつくるイメージを持っているクライアントさんが多いということです。 そうなると、「そもそも1,000万PVとか必要なんだっけ?」みたいな話になるわけです。とにかくその人数はもちろん常識的な数字ということはあると思うんですけれども。 「このメディアがなくなったら寂しい」という人たちがそれなりにいるのか。それとも「あれば見に来る」「ないならないでいいや」と思われているかがすごく重要。量は、その次かなと思うことはあるんですよね。「じゃあどれくらいの数字だったらいいんですか?」というと、わからないですけれど。 ただ、クライアントさまのインサイトとして感じるのは、もちろん量で求められますが、別の方法もたくさんお持ちなんですよね。量を出していく、アテンションを上げていく方法は、別に僕らがやらなくても、いくらでもいろいろな方法をお持ちなんです。 では、量じゃない別のところで出しつつ、例えば「スポットライトはほかで使っているけれど間接照明みたいな役割をどうすれば果たせるのか」を考えていくと、とんちが出そうな気がするんで、出たら僕も真似したいので連絡してください。 (会場笑) 筒井 じゃあ、気付いたらけっこういい時間になっているので、全体ではここでいったん締めさせていただきます。「もう少しこれを聞いてみたかった」があればぜひ、このあとの時間を使って直接声をかけていただければなあ、と思います。 お2人、どうもありがとうございました。 (会場拍手)

  
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